2001.07.25
カ ントクはロール事業での技術競争力向上、精密鋳造、形状記憶合金の非ロール部門の業容拡大を基軸に基盤強化を図る。2003年度末ごろまでをメドに安定収益が確保できる陣容を固める計画で、ロール事業では鉄鋼圧延ロール生産の高級化に対応、老朽化設備の更新と合わせ最大で30億円を投じ、新鋭の焼鈍炉導入や既存炉の高性能化など熱処理工程を抜本改善、基数を半数近くに減らすほか、プレス工場に同工程を集約、大幅な合理化を実行する。形状記憶合金も今年10月までに集約した新工場の体制を整備、精鋳と合わせ売り上げを倍増させる。

 さらに人員もロール部門で300人強を40%減の200人体制に、全社人員で約500人を20%減の400人体制とする方向で強化策具現化を目指す。

 同社では、今後の2―3年間をロール業界の転換期として企業体質の強化に取り組む。主力のロール事業については、耐摩耗、長寿命化といったロール製品の高級化、高品質化を背景に生産が複雑化、これに対処するための設備投資を進め、国際競争力をアップ。

 また、収益確保の観点から現状、売り上げ構成比で約30%の非ロール部門の拡大を図り、ロール部門の売り上げを下げずに50%強にまで引き上げる。精鋳、形状記憶合金を中核事業の一角に据えるほか、新たな事業を立ち上げ、収益源の多元化を促す。併せてIT(情報技術)の導入によって、間接部門などでペーパーレス化や生産性を向上、組織や業務の仕組みについても簡素化やフラット化など変革し、スリム化に結びつけていく。ロール部門の合理化では削減人員を強化する精鋳、形状記憶合金部門などへシフトも行う。

経 済産業省がスタートさせる「鉄鋼業の競争力強化と将来展望研究会」(仮称)のメンバーが固まった。足立芳寛・東大教授を座長に、新日本製鉄、NKKなど高炉メーカー6社の役員クラス、日本鉄鋼連盟など10人と経済省から岡本巖製造産業局長など6人が参加する。第1回会合では鉄鋼業の役割と重要性、鉄鋼業をめぐる環境変化と課題について議論、研究会としての現状認識と課題抽出を行う。

 4―5回の会合を経て12月をメドにとりまとめ、産業基盤維持のために鉄鋼産業の競争力強化策、21世紀のあるべき姿など、10―20年先をにらんだ方向性を打ち出す。

 メンバーは足立座長のほか、新日鉄の吉田伸彦・取締役経営企画部長、同二村文友・取締役技術総括部長、NKKの日野光興執行役員専務、川崎製鉄の大西建男常務、住友金属の本部文雄常務執行役員、神戸製鋼の田中毅・執行役員生産本部商品技術部門担当、日新製鋼の星記男専務、鉄連の弘津匡啓専務理事、日本鉄鋼協会の内仲康夫専務理事。経済省からは岡本局長のほか増田優製造産業局次長、半田力鉄鋼課長、喜多見淳一製鉄企画室長らが加わる。

メ キシコのデルベス経済大臣は24日、平沼赳夫経済産業大臣を表敬訪問、経済協力関係強化などについて会談した。経済協力関係の強化では、今年9月にメキシコで日墨共同研究会の第1回会合を開催することで合意。研究会はそれぞれ産学官10人程度で、自由貿易協定(FTA)の可能性など幅広い方策について議論していくことを確認した。

 このほか会談では世界貿易機関(WTO)新ラウンドの早期立ち上げに向けた努力や、来年メキシコで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の協力で意見が一致。

 日墨共同研究会は、日本側からは経済省、外務省、財務省、農林水産省や経済・産業関係者、学識経験者が、墨側は経済省、外務省、財務省などが参加する予定で、9月開催に向けて事務的な調整を行う。来年夏場前までには同研究会としての報告書もまとめられる運びだ。
財 務省がこのほどまとめた2001年上半期分貿易統計(速報)によると、輸出は25兆311億円(前年同月比0・1%減)、輸入が21兆8316億円(同12・8%増)となり、貿易バランスは3兆1996億円(同44%減)の黒字となった。輸出は3期ぶりの減少、輸入は4期連続の増加を記録。黒字額は5期連続で減少した。

 鉄鋼を見ると、輸出は全世界で1360万3000トン(同6・7%減)、金額が7761億8000万円(同1%減)、輸入は全世界で339万5912トン(同14・7%減)、1929億4700万円(同1・6%減)。

 輸出の内訳は、米国95万9000トン(同14・3%減)、798億3000万円(同5・6%増)、欧州連合(EU)34万9000トン(同66・4%増)、281億2900万円(同32・1%増)、アジア1046万6000トン(同6・1%減)、5446億3800万円(同4・8%減)。アジアのうち中国は204万4000トン(同7・6%増)、1185億5600万円(同12・5%増)、アジアNIESが508万6000トン(同10・7%減)、2512億3700万円(同14・5%減)、東南アジア諸国連合(ASEAN)が323万5000トン(同8・1%減)、1819億9200万円(同1%減)。

 一方、輸入は米国1万2358トン(同24・2%増)、96億8400万円(同0・4%増)、EU7万4048トン(同30・3%増)、144億7200万円(同29・9%増)、アジア250万2468トン(同20・1%減)、1203億3000万円(同9・2%減)。アジアのうち中国は41万7382トン(同58・4%減)、269億2900万円(同19%減)、アジアNIES197万5387トン(同0・9%減)、843億7700万円(同7・4%減)、ASEAN3万7661トン(同1・4%減)、62億5100万円(同13・6%増)。また、ロシアは9万4475トン(同53%増)、50億9300万円(同86・2%増)。
川 崎製鉄グループの鋼線メーカー、川鉄テクノワイヤ(本社=千葉市中央区、千貫昌一社長)は、今年3月末で不採算だったワイヤロープ事業から撤退し、ガードケーブルに特化するなど事業改革に着手、さらに川崎製鉄とNKKとの経営統合を踏まえ、NKKグループへの販路拡大を進める意向で、製・販両体制の再構築を図る方針。今年度は、単価の下落から減収見通しと厳しめの予想ながら、コストダウンと営業強化で利益レベルを維持し、前年度並み(01年3月期=経常利益2億1200万円)を確保する。

 99年度から3カ年中期経営計画を進め、構造改善に取り組んできた。昨年5月には東京本社を千葉工場に集約。また、5社あった物流会社を川鉄物流1社にまとめ、物流コストを削減した。00年度は売上高が前年度比5・1%増の75億1100万円、経常利益は7倍強の増収増益となるなど中計を前倒しで達成した。

 販売面では昨年、6月ごろからマンション向けを中心に高強度フープ筋が伸び、月間販売量が7割増の1000トンと年末まで堅調に推移した。また、PC鋼棒も公共事業予算の圧縮で市場が縮小する中、横ばいキープし、営業サイドが健闘。全販売量は5万6000トン強で12・4%増加した。ただ、平均単価は約7%ほど低下し、量の伸びほどには売上げは増えなかった。

世 界の上半期の粗鋼生産は4億1319万トンで前年同期比0・3%減となった。6月単月の生産は6827万トン、前月比3・7%減、前年同月比1・2%減だった。

 これは国際鉄鋼協会(IISI)の生産速報によるもので、上半期の主要地域の生産は北米が6135万トン、前年同期比12・9%減、欧州15カ国が8274万トンで同1・2%減、アジアは1億6330万トン、同4・5%増。

 主要国別の生産では中国が6632万トン、同8・4%増加、一方で米国が4633万トンと同12・8%減少しているのが目立つ。なお、1―6月の主要42カ国の銑鉄生産は2億8447万トン、同0・1%増。主要12カ国の還元鉄生産は1125万トン、同15・0%減だった。

韓 国鉄鋼協会はこのほど、2001年下期の鋼材総需要見通しをまとめた。上期総需要は、前年同期比2・4%減の2570万6000トンと推計されたが、下期見通しは上期比1・0%増の2596万5000トンと想定されている。年間では5167万1000トンで、前年比0・9%の微減。3月に出された見通しに比べ、49万トン上方修正された。国内需要が低下するのに対し、輸出が増加する。ただ、輸出は上期との対比ではアメリカの201条問題などもあり、下期は低下する見通し。

 韓国鉄鋼協会調査によると上期の総需要は2570万トンで、前年同期比では僅かに減少している。内訳は名目消費が1822万トンで同4・8%の減。輸出が749万トンで同4・0%の増加。これに対し、生産は2426万トン、同1・8%の減。輸入が145万トンで同12・0%の減。

 下期は総需要が2597万トン,上期比1・0%増。前年上期比では0・6%の微増。内訳は名目消費が1921万トン。上期比5・4%の増加。輸出が676万トン、同9・8%減。しかし、前年同期比年では4・1の増加と高水準が続く見通し。

 生産は2450万トン、同1・0%の増加。輸入が146万トン、同1・0%の増加見通し。年間の見通しは、名目消費が3742万6000トン,前年実績比2・7%の減。輸出が1424万5000トン,同4・1%の増。 生産は4876万5000トン、同0・2%の減。輸入が290万6000トン、同11・7%の減。

P OSCOはこのほど、LNG貯蔵タンク用の9%ニッケル鋼の極薄材製品の開発に成功した。5ミリ厚の薄物生産にも対応できる技術を自社開発しており、今後、国内の超低温用タンク需要向けに供給していく。 

 LNGの需要は韓国内でも、環境負荷が小さくて供給が安定しているといった理由から拡大している。受け入れのLNG基地建設も増加している。

 韓国では、陸上のLNGタンクの素材は、これまでステンレス鋼が一般的であった。しかし、最近は低温衝撃性、溶接性などで経済性の高い9%ニッケル鋼が主に使用されている。9%ニッケル鋼は、LNGタンクの基底部と側壁材として使用。マイナス162度のガスと接触するため高い強度が要求されており、さらにマイナス196度にも耐えられる極低温靱性なども必要とされている。

 POSCOは、92年に9%ニッケル鋼の試験生産に成功。この後、97年に1300トン強、99年に800トン程度仁川LNG基地建設用として供給している。さらに最近、2000トン強を統栄LNG基地建設用として生産している。 

 これらは、いずれも側壁用の10―25ミリ厚の中厚板が主体。基底部の5ミリ厚の薄物は形状、品質が不安定で、輸入に依存していた。

 このためPOSCOは極薄材を生産するため、昨年末に浦項製鉄所内で転炉脱リン技術を確立するとともに、2連鋳工場の2次冷却技術などを活用して生産工程を改善。さらに3厚板工場の極薄材圧延技術、2厚板工場の極薄材圧延技術と熱処理設備の合理化工事などで平坦制御機能を向上させた。こうした生産技術を通して9%ニッケル鋼の薄物営業生産に成功した。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4000円中心の横ばい。流通は23日から、3万5000円に唱えを上げたが、浸透はしていない。7―9月も需要の増加は見込めない。このため特約店は、7月も引き続き申し込みを減らして底値感を出し、一部に見られる3万3000円を払しょく、3万4000円下限を目指す。

 帳端明け後、一部の大手特約店では引き合いが増えている。ただ、需要の減少や、ファブへの信用不安による選別受注での安値請負など、市況上昇を阻む動きも続いており、多くの特約店では、荷動きは横ばい。今後も量を追わない方針。

東 京地区の厚板市況は弱含み横ばい。市中価格(12ミリ)は3万9000―4万円が中心。7月に入り「2、3件物件が出て(仕事量は)6月よりはまし」(販売業者)との声も聞かれるが、母材や定尺の荷動きとしては停滞したまま。中小の溶断業者は短納期の小口物件を消化しているが、業者により仕事量の差が出ている。

 高炉メーカーは減産強化で需給改善に臨んでいるが、4―6月の需要減が大きく調整にメドがつくとしても9月以降となりそう。価格も定尺は動きが悪い中で変化はないが、切板は一部個別対応で安値もあるようだ。切板価格の目安は6万―6万2000円。今後も横ばい推移。

大 阪地区のコラムはSTKRベース5万2000―5万3000円どころで弱もちあい。一部流通で「先月以降、明細が入り出した」との声があるものの、市中の荷動きは盛り上がりを欠き、需要は総じて低調。

 流通各社の加工納期も3―4日と低水準。改正大店法絡みの特需に沸いた昨年レベルとは大きな隔たりがあり、秋にかけても「建築需要は期待できない」(特約店筋)もよう。

 また、値戻しムードにあった僚品のH形鋼市況がここにきて足踏み状態となっているため、「市況はなかなか底打ちを確認できない」(流通筋)状況。BCRも一時期のエキストラ1万円から8000円程度の水準になっている。