2001.07.27
神 戸製鋼所は、下期の粗鋼生産を上期と比べて20万トン以上抑制する方向で検討を始めた。例年は、季節的な要因もあって下期の生産量が上期を上回るが、今年度は下期の生産を上期以下に絞り込む異例の措置で、マーケットの回復を最優先した需給調整に取り組む。国内向けは薄板を中心に減産、輸出は需要と価格の動向が不透明であるため、先行きを見極めたうえで生産量を調整する。

 01年度の粗鋼生産計画は上期310万トン、下期320万トン、合計630万トン。上期より下期が3%の増量と試算した。しかし、上期実績見通しは340万トンと当初予想より30万トン多く、前年同期、前期の実績も上回った。

 340万トンの製品内訳は、国内210万トン、貿易80万トン。貿易は前年同期と横ばいだが、国内は同比で20万トン多く、これが粗鋼生産の増加につながった。貿易では熱延鋼板、半製品のスポット輸出により前年同期並みをキープ、前期(00年度下期)より数量を増やした。国内は造船用厚板、建築用厚板などの堅調な需要に支えられた。

 例年であれば下期は上期より需要が増えることもあって、下期の生産が上期を上回る。例年のように、上期の340万トンを上回る数量を下期で生産した場合、年度粗鋼生産量は700万トンに達する勢い。しかし、国内の鋼材需要と市況の低迷を考慮して、下期は当初予想の320万トンか、それ以下の水準に抑制。下期は上期と比べて20万トン以上の粗鋼減産となる見通し。

神 戸製鋼所は26日、神戸製鉄所で推進しているIPP(電力卸供給)事業資金の調達手段として、プロジェクトファイナンスを採用することを決めた、と発表した。調達金額は約1650億円で、調達先は日本政策投資銀行、第一勧業銀行、三和銀行など都銀を含めた15社程度で、同社は9月にこれらファイナンスアレンジャーと融資契約を調印する。

 同社は今回のIPP事業に関して産業再生法の適用と産業整備基盤の保証をあわせて申請する。

 同社はプロジェクトファイナンスを採用した理由について、(1)IPP事業の発電が140万キロワットで日本最大規模で、公益電力事業の一翼を担い、長期にわたる巨額な事業資金として確定できる(2)IPP事業を融資担保とするため同事業を遂行する特別目的会社を設立するが、この場合、格付け上のオフバランス化が期待され、本体の財務体質強化につながる(3)エネルギー関連分野に対する融資として、日本政策投資銀行をはじめとする公益的色彩の強い調達手段――の3点を指摘した。

 なお、IPP事業会社として、神鋼神戸発電(株)の登記を9月に完了する予定。新会社の社長は中園政明・執行役員が兼務、資本金は30億円(神戸製鋼100%出資)、所在地は神戸製鉄所内。

山 陽特殊製鋼は26日、大手ベアリングメーカー、NTNの子会社で縦型鍛造を行うNTN精鍛の事業を全面的に譲り受け、同社100%出資の新会社「山特精鍛」を設立した、と発表した。これにより、同社ではこれまで手がけていなかった縦型鍛造を開始、特殊鋼の素形材事業の拡大を図る。

 新会社・山特精鍛(本社=姫路市飾磨区中島1700―1、資本金3億円、社長=常田弘・山特鋼取締役)は7月1日付で設立、2002年1月から営業運転を開始する。兵庫県宝塚市にあるNTN精鍛から鍛造設備7基を同年12月までに順次移設するほか、3000トンプレス1基を新設する。各種用途の軸受用素形材、自動車足回り部品用素形材を製造し、年間1万8000トン(月1500トン)の生産を計画。2、3年後に年間35億円の売上高を予定している。NTN精鍛の従業員88人のうち約40人が新会社に移籍する見通しで、新会社は約75人の従業員でスタートする。全投資額は約23億円。

 山特鋼は、特殊鋼を加工することにより最終製品の形に近づけた素形材製品の強化を図っている。子会社のサントク加工で鋼管の切断加工、OSテックで横型鍛造加工を行うほか、今年11月からは中国・浙江省に設立した合弁会社「寧波山陽特殊鋼製品有限公司」(山特鋼70%、三井物産10%、金商10%、中国・寧波更大集団有限公司10%―の出資比率)でも、鍛造加工および鋼管の切断加工を開始する。

タ イの冷延単圧メーカー、サイアム・ユナイテッド・スチール社(SUS)は、きょう27日開催の役員会で、資本金を現在の60億バーツから90億バーツに5割増資を行うことを決定する。外貨建て投資がその後のバーツ安で多額の為替差損が生じていること、製品価格の下落による資金難を救済するためのもの。

 SUSの従来の資本構成は、サイアム・セメントをはじめとする現地資本42%、日本メーカー4社、日本商社4社に韓国ポスコを加えた外資58%だった。今回の増資分30億バーツは全額日本および韓国が引き受けることになる見込みで、この結果、現地資本比率は30%未満に低下する。

 日本メーカーのうち川崎製鉄(出資比率8・5%)は、SUSと競合関係にあるTCRの親会社であるNKKとの経営統合を控えているため、増資引き受けを見送り、ポスコは新日鉄との戦略的提携強化の一環として、従来の3%から10%に出資比率を引き上げる。

 住金、神鋼(出資比率は2・5%ずつ)は従来比率に見合う引き受けに応じる意向。一方、関係4商社(出資比率=三井物産4・75%、住友商事2・5%、三菱商事2・5%、日商岩井1・5%)は「従来比率以上」の引き受けを要請されており、商社の出資比率は拡大する見込みだ。

小 棒トップメーカーの共英製鋼(高島秀一郎社長)は関西地区を中心とする小棒市場環境の悪化を踏まえ、価格維持を優先する方針のもと、輸出を絡めて国内減産に継続的に取り組む方針を改めて打ち出した。7―9月期は枚方、名古屋、山口の3事業所合わせて3万5000トンの米国向け小棒輸出(船積みベース)を確保しており、これを絡め7―8月の国内向け小棒生産は大幅に削減する。国内向け小棒は全社平均で前期4―6月比約15%の減産となる見込み。

 同社の7―9月積みでの小棒輸出成約量は現状、枚方1万2000トン、名古屋1万4000トン、山口9000トンの計3万5000トンで、いずれも米国向け。価格はFOB平均2万4000円台。これに加え夏季定期補修による製鋼・圧延の休止もあり、7、8月の国内向けは大幅減産となる。輸出は国内減産策の有効手段として今後も推進する。
大 阪製鉄西日本製鋼所(熊本県宇土市、楠元信夫取締役所長)はこのほど、米国向け9月積み小棒1万1000トンの輸出を決めた。同所の輸出は15年ぶりとなる。この輸出成約によりロールは非常にタイトな状態となり「夏季自主減産に加えて輸出成約で8、9月の減産率は40%を超える水準になる」(楠元所長)としている。今回の米国向け小棒輸出価格はFOBで2万5000円弱とみられている。

 西鋼は、昨年12月中旬に20%の緊急自主減産を打ち出し先行的に市況対策を行った。さらに今年に入り1月から6月まで20%の自主減産を実施した。7―9月についても夏季電力料金の高騰期となるため例年どおり夏期自主減産を実施し減産率は30%以上までアップした。

 さらに8、9月は輸出ロールが入るため40%を超える減産率に拡大されるため需要低迷で弱含みとなっている九州地区小棒市況の改善に大きな支援材料となりそうだ。
日 ・韓の2001年上期(1―6月)の新造船受注量は、日本が409万CGトン、韓国が417万CGトンと前年に続き韓国が日本を上回った。日本は円安と船価回復を背景に、前年同期比65・6%の増加。韓国はすでに3年分強の手持ち工事を確保していることもあり、選別受注を強化している。このため上期実績は、前年同期比36・7%減と大幅に低下したものの、絶対量では日本を8万CGトン上回って世界一の座をキープした。韓国はこのままのペースが続けば、年間で800万CGトン台が確実で、3年連続の世界一の座が確実。

 日本造船工業会は、CGトンベースの今年上期の新造船受注実績をまとめた。それによると1―2月はそれぞれ71万CGトン、57万CGトンとやや低めのスタートとなった。しかし、3月以降、韓国が選別受注に乗り出したこともあり、急速に拡大している。

 昨年3―4月は、韓国に大型の国際商談を相次いで取られたため、受注が伸びなかったが、今年は円安もあり、コンテナ船やVLCCなど大型船の受注が進んでいる。特に4―5月は、韓国がドックの都合で短納期の物件が受け難くなり、日本への発注が増加した。この結果、上期実績は409万CGトン(概算で818万総トン)と、前年同期の247万CGトンを65・6%上回り、好調に推移している。

 一方、韓国造船工業協会がまとめた韓国の新造船受注量は417万CGトン。前年同期が659万CGトンであったため242万CGトンの減少。特に3月までは納期対応が難しくなったこともあり、選別受注を強化。この結果、1―3月の実績は、170万CGトンと日本の218万CGトンを下回った。しか、し4月以降は再度受注を強化したようで、4―6月で247万CGトンと1―3月実績比45%強の増加となった。この結果,上期全体では417万CGトンと日本を完全に上回った。

P OSCOは、浦項製鉄所内に韓国の鉄の歴史館を建設する。敷地面積3000坪、延べ建て面積1100坪。3階建てで展示場面積は330坪。総工費200億ウォン。会社創立35周年の2003年4月1日にオープンする。

 歴史館の主な展示空間は2階で、POSCOの創立前後の歴史、発展史などが展示される。この他、鉄器文明の生成と人類発展史、スチールギャラリー、映像館などが配置される。3階は創業者の哲学、語録、写真、関連記事などを展示する。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は、弱含み。市中価格は熱延で5万3000―5万4000円、冷延で6万3000―6万4000円中心。

 定尺品の荷動きは相変わらず停滞気味で、販売量も6月からそれほど上向いていない。用途と品種が幅広く、細かいため流通側も値下げを抑えているが、コイルの在庫が過剰で先安観が残る。

 需要は大型建築物件に関連した内装関係が期待されているが、建材需要が全般的に弱くなり、8―9月どこまで回復するか不透明。国内高炉メーカーは熱延から減産、市況立て直しに取り組むものの、めっきまで波及するには時間がかかりそう。目先も弱含み。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万6000円。市場占有率が4割となったBCRは、6万6000円中心で弱含み。小口短納期が続く。

 7月も、荷動きに回復の動きは見られなかった。中小物件の減少から、7―9月の建築需要は4―6月よりも減少する見通しが強い。

 Mグレードのファブの受注残は2―3カ月で、鉄骨価格は下落傾向にある。特約店の切断・開先の受注残は長くて3日。その日暮らしもある。このため稼働率を維持しようと、加工賃などを削って安値で受ける向きもある。当面弱含み。

大 阪地区の平鋼市況はベース4万―4万1000円どころで横ばい。産機・建機、建築など需要の回復が遅れており、市中の荷動きは低調。需給はメーカー減産などで入庫が減っているものの、出庫が思った以上に伸び悩んでいるため、やや過剰在庫の状況が続いている。

 大阪鉄鋼協会の調べによると、6月末の入出庫状況は入庫が前月比15・4%減の9600トン、出庫が横ばいの1万1091トン。在庫は同比7・5%減の1万8411トンとほぼ3カ月ぶりに減少に転じたが、需給調整の進展速度は遅い。

 このため、扱い特約店筋の値戻しは難航。建材主力のH形に停滞ムードもあるため、市況は当面、足踏み状態が続こう。