2001.07.30
自 動車用表面処理鋼板の特許権を侵害したとして、新日本製鉄がNKKに28億円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地方裁判所は27日、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。同訴訟では、争点となった新日鉄の特許である「カチオン電着塗装用めっき鋼材」の解釈をめぐり、原・被告双方が実験結果を証拠として提出していたが、同地裁はNKKの実験結果を採用した。新日鉄は「判決理由を詳細に検討したうえで判断したい」としている。

 NKKは判決後、東京・大手町の経団連で記者会見を開き、鈴木元昭・知的財産部長が「裁判は実験論争に焦点が絞られ、当社が新日鉄の実験結果を再現し、それを疑問点として指摘した。それが証拠として採用されたことが勝訴につながった」とコメントした。

 新日鉄は、鉄濃度が60%以上の連続被覆表面層を有する溶融亜鉛2層めっき鋼板(「シルバーアロイ―E」)の特許について、NKKが韓国の現代自動車などに供給していた製品PZB(パームジンクタイプB)が同特許を侵害したとして、99年10月に提訴した。

 これに対しNKKは訴訟の中で、PZBは78年11月、基礎出願した特許で、新日鉄より早く独自に開発した技術に基づく製品で、表面層は鉄濃度60%未満で、組成・構造とも異なり、特許権の侵害には当たらない、と主張してきた。

川 鉄コンテイナー(近藤徹社長)は27日、18リットル缶事業を10月1日で分割し、100%子会社の伊丹企業に同事業を継承すると発表した。伊丹では既存の18リットル特殊缶と併せ、経営効率化とコスト削減を進める方針。伊丹企業は社名を川鉄製缶(仮称)に改め、川鉄ブランドとして販売を強化する。川コンは昨年、ガスシリンダー事業を分社化しており、18リットル缶事業の分割は、事業の効率化を目指した事業改革の第2弾。

 伊丹は、ラミネート缶など18リットル特殊缶や変寸缶の生産・販売を行い、年間生産量は40万缶。01年3月期売上高は17億1500万円、経常利益4900万円。川コンの18リットル缶事業は、売上高28億2900万円、同100万缶。川コンではドラム缶事業を主体としており、18リットル缶事業の経営管理を子会社に集中させることで経営の効率化を図る考え。

 川コンが保有する伊丹・千葉両工場の18リットル缶製造設備は、伊丹の所有に切り替え、伊丹の製造拠点は本社工場(伊丹市北河原)と合わせ3カ所となる。

 事業分社によって、川コン単体の今9月中間期予想は、売上高は前回と変わらず69億円とするが、経常利益は2000万円減の5000万円、中間純利益は4000万円損失額が増え6000万円の損失。通期予想は、売上高が同14億円減の127億円、経常利益は5000万円減の3億円、純利益は4000万円から1000万円の損失に下方修正。

コ ベルコ建機(本社=東京都中央区、森脇亞人社長)は、グラブ直巻能力25トン、45トンの巻上装置を油圧制御する全油圧式クレーン・グラブ兼用船「F&G3106」「F&G3111」(クレーン最大吊り上げ能力は共に310トン)を販売開始する。

 従来5立方メートルクラス以上のグラブ能力があるクレーン・グラブ兼用船に採用されてきた機械式巻上装置(トルクコンバーター駆動)は、微操作性、軽荷重操作性、応答性の向上が問題となっていた。

 「F&G3106」「F&G3111」は、グラブ直巻能力25トン、45トンと大きな巻上ラインプルを使用し、高速の油圧駆動巻上システムを導入したことでフック速度や操作性を大幅に改善させた。

 また、主巻・補巻同時使用過負荷防止装置を採用することで、吊荷の傾け作業や各種天地作業が行えるとともに、玉掛けロープの長さや吊点の調整作業がなくなり効率化が図られる。

 標準仕様価格(船体を除く)は「F&G3106」(3億4000万円)、「F&G3111」(3億7000万円)となっている。目標販売台数は年間6台。

住 友金属工業は27日の取締役会で、マイクロデバイス事業を会社分割し、10月1日付で新設する「住友金属マイクロデバイス」に継承することを決めたと発表した。

 新会社は資本金4億5000万円。住金100%出資。モジュール事業、パソコンOEM事業を分割して継承する。今年度の売上高は140億円、営業利益が約3億円に減少するが、住金の連結業績に与える影響はない。従業員は200人程度。社長は北村悦夫氏(住金・マイクロデバイス部長)。

 分割方式は、住金を分割会社とし、新会社を継承会社とする分社型の新設分割。簡易新設分割で、株主総会の継承を得ないで分割を行う。新設会社は、引き続き住金グループのエレクトロニクス事業の中核の一つであり、完全子会社として位置づける。

 マイクロデバイス事業は、モジュール事業とパソコンのOEM事業を2本柱に、昨年度は約270億円の売上高をあげており、とくに液晶駆動用モジュールにおいては、国内トップメーカーの地位にある。

 今回の分社化は、経営のスピードアップを図り、エレクトロニクス業界にあった身軽で俊敏なマネジメントを通じ事業発展を目指すことにより、住金グループの連結ベースでの収益力向上を目指す。

住 友金属工業は7月の新体制スタートに際して鋼板・建材事業部内に薄板商品技術部を新設した。自動車、家電など大手需要家の中国を中心としたアジアへの生産シフトが加速する中、国内外の技術サービス機能を一元管理して顧客満足度を引き上げようというコンセプトで、同部は27人の技術者で構成されている。

 同社は連結ROA5%を目標に「変革と再生」実行プランを打ち出し、先月末には大幅な組織改正を実施。鉄鋼事業については鉄鋼事業本部が新体制(鋼板・建材、鋼管、特殊管、交通産機の4事業部で構成)でスタートしている。

 「変革と再生」プランの基本方針は、「鉄を中心とする素材分野において、顧客評価ナンバー1を実現して高い収益を上げる」こと。同実行プランの第1弾として、総合技術研究所に併設するかたちで全社組織のカスタマー・アプリケーション・センタ(CAT)を新設。CATは自動車、家電、住宅・建築産業など大手需要家を対象に鋼材の溶接、プレスなど主に利用技術に関する住金グループの総合力を結集し、顧客満足度アップにつなげることを狙いとしている。

 鋼板・建材事業部における薄板商品技術部の新設もCAT同様、顧客満足度の引き上げを最大の目的とするもの。

神 戸製鋼所と八戸臨海開発(八戸市沼館、飛岡博明社長)が進めている、八戸市沼館地区再開発B地区の事業計画がこのほどまとまった。計画では敷地面積2万5000平方メートルに、ガラス工房、スポーツ施設、イベント広場、温浴施設などを建設する。総事業費は10億円。

 工期は今年秋着工、平成14年4月にガラス工房、スポーツ施設がオープン、同12月に温浴施設がオープンする予定。

 同地区開発は、今年3月に八戸市の都市計画決定が行われたが、計画では青森県が整備する親水空間を臨む交流拠点として位置づけられており、親水緑地と一体となった潤いある空間となるよう配慮されている。また、すでに完成しているA地区のショッピングセンター「ピアドゥ」と一体となった計画となっている。

 建設される施設は、ガラス工房が延べ床面積250平方メートル、鉄骨平屋建てで、工房、体験教室、展示ギャラリーなどが設けられる。この工房は地元の石橋ガラス工房が主宰する。スポーツ施設はフットサルコート2面、3on3コート2面など、温浴施設は延べ床面積1500平方メートルで、浴場、レストラン、休憩スペースが設けられ、地元の眞照堂、福田道路の2社が共同運営する。

縞 板取り扱い業者の三泉シヤー(本社=大阪市浪速区久保吉、青木信博社長)は今期(02年3月期)、加工の高付加価値化と在庫メニューの充実化を推進し、利益確保を目指す。

 売上高は15億6000万円と前期比10%増、経常利益は前期並み、取扱量は年間3万6000トンと前期比約20%増の計画。加工は今年1月に本社倉庫にアイトレーサー付きのプラズマ切断機を新設し、縞板の型切り分野に本格的に進出、今後は同分野の受注拡大を図る。また、3月からカラーの縞板の在庫を開始、今後はカラー以外にもメッキの縞板の在庫も検討していく。

 同社は中山製鋼所の関連会社で、中山製鋼所の縞板を在庫、および切断加工し、販売している。本社倉庫は敷地が約1500平方メートル、加工設備はシャーリングが2基、油圧ブレーキプレス、アイトレーサー付きのプラズマ切断機1基など。

 前期(01年3月期)は売上高が14億円強と前々期比3%減だが、損益は経常段階で黒字に転換した。単価については昨年のメーカーの値上げを転化し、若干ながらも切り上がったが、取扱量が年間3万トン弱と00年3月比5%強減少し、売り上げ減となった。損益は昨年、新しい販売・在庫管理システムを稼働させるなど、現場の合理化によるもの。

 今期は加工の高付加価値化と在庫の充実化を推進し、販売数量の拡大を目指す。まず、加工は今年1月に本社倉庫の定尺シャーライン(30メートルライン、厚み=最大で9ミリ、サイズは最大で5×20に対応)を撤去。これに伴い、空いたスペースにアイトレーサ付きのプラズマ切断機を新設した。

東 鉄連厚板部会(部会長=掛布誠治・宮田鋼材社長)がまとめた在庫販売量調査によると、6月の販売量(12社合計)は3万2228トンと3カ月ぶりに前月比で増加した。厚板の定尺、切板販売が上向いたため。ただ、前年同月比では10%減と低迷している。

 販売量は厚板定尺が前月比22%増、切板が同15%増と大幅に上向いた。4、5月の減少をカバーするには至らなかったが、一時期に比べると仕事量が増えたとみられる。中板も定尺、切板、コイルいずれも前月比では微増となった。ただ、耳付厚板は同5・2%減少した。

 在庫量は合計5万5172トンと同3・7%増(前年同月比1・1%減)で、4カ月ぶりの前月比プラス。これは耳付厚板が同9・8%増と増えたことが要因。厚中板コイルや中板定尺も前月比微増となった。

東 京地区の熱延薄板(2・3ミリ、ベースサイズ)は、需要減で弱気の商い。定尺品の市況は3万6000円中心。

 コイルセンターでは「在庫はそれほど多くない」としている。需要は7月以降「本当に悪い」(販売業者)との声が多く、建材をはじめ全体的に弱気感が広がっている。従って、在庫を抑えても買い意欲に全く結びつかない。酸洗は「小口だがまずまず動いている」との声もある。

 高炉メーカー各社が熱延の値上げを表明した一方で、4月以降の生産水準が高いとの認識が流通では強く、小売業者の市況感覚に底値感が出るには相当時間がかかりそうだ。

 目先は弱含み横ばいで推移か。

東 京地区の異形棒鋼はメーカーが夏季減産に入り、需給調整を進めているが、ゼネコンの買い姿勢は厳しく、ベース2万7000円どころを横すべり。

 都心部の再開発工事向けに出荷は堅調。鉄筋加工業者は繁忙状態で「(仕事は)10月までは続く」(商社)との見通しもあり、メーカー、鉄筋加工業者の在庫は歯抜けが見られる状況。

 メーカー各社は7月後半から旧盆前後にかけ炉休を実施し、6月比で20―30%の減産とするところが多く、細物ではタイト感が出始めている。

 7月からの細物値上げなどメーカーの市況対策で下値は消えつつあるが、新規物件の少なさとゼネコンの安指し値から盛り上がりは今一つ。旧盆明けまでは、模様眺めの様相。

大 阪地区の異形棒鋼は軟化傾向が続いている。市中相場はベース2万2500―2万3500円どころ。

 今月に入り需要はさらに細っており、メーカーの減産継続にもかかわらず、需給ギャップは埋まらない状況。流通筋ではゼネコンの厳しい指し値に応じる形での安値受注が増えている。

 メーカー各社は採算上、危険水域に入ってきている中で、危機感を強めており、価格維持に全力を挙げ、流通の極端な安値先売りには対応しない意向ではあるが、デリバリー悪化のなか、今後対応に苦慮する状態は否めない。先行きも需要環境の好転は望めそうにないだけに流通ではメーカーの一層の減産強化を求める声が多い。