2001.08.07
住 友商事は、国内の鉄鋼需要規模が縮小するとの見通しを前提に、日本製鉄鋼製品の海外市場開拓に改めて注力する方針を明確に打ち出している。鋼材市況の低迷、需要規模の縮小を背景に総合商社の鉄鋼製品事業の収益性が低下し、丸紅、伊藤忠商事が鉄鋼製品部門を外出しするなどの動きが具体化している。こうした中、同社は4月にスタートした金属事業部門内に海外市場開拓をメーンの目的とする薄板貿易第1部を新設。同部としては海外の各市場でくすぶる通商問題に気を配りながら、国際競争力を持つ日本製品の拡販に注力していくことになる。

 自動車、家電など国内大手鉄鋼需要家の生産拠点の海外シフトが進み、中長期的に国内の鉄鋼需要は減少すると見込まれている。総合商社としては丸紅、伊藤忠商事が鉄鋼製品部門を外出しして伊藤忠丸紅鉄鋼(株)を10月にスタート、三菱商事と日商岩井も02年10月をメドに鉄鋼製品部門の統合会社を設立するための準備を進めている。一方で住友商事、三井物産は総合商社としての総合力をベースに本社内で鉄鋼製品事業を継続できるとの見通しのもと、それぞれに機能向上、コスト削減の取り組みを進めている。

 住友商事は今春の組織改正で鉄鋼・非鉄事業をくくり直し、金属事業部門が鉄鋼第1部、鉄鋼第2部、鋼管、自動車金属製品、非鉄金属製品の5本部制でスタートしている。

東 洋鋼鉄(堀井博社長)は6日、川崎重工業から最新式LDYAGレーザーを使用したテーラードブランク接合機1基を導入し、2002年5月から生産を開始すると発表した。これまで自動車メーカーや自動車部品メーカーでの設備導入はあったが、コイルセンターでのテーラードブランク接合機導入は国内初。設備稼働後は、ユーザーニーズにきめ細かく対応しつつ、製品ベースで数部品月産6万―8万枚の生産体制を整える方針。

 同ラインは、川崎重工業が独自開発したローダークランプ方式のテーラードブランク接合機。三菱電機製の発信機を搭載したLDYAGレーザーをベースに、高精度のクランプと100分の5の突合せ精度を実現している。

 溶接速度は、毎秒5―7メートル、生産タクトは、1ワーク10―20秒で、溶接品質全自動オンライン検査装置なども付加している。また、LDYAGレーザーは、炭酸ガス方式10・6ミクロンに比べて、1・06と波長が短く、加工自由度が大きく熱効率に優れている。また、消費電力もランプ方式との比較で4分の1程度で済み、寿命もランプが1000時間に対して、1万時間と超寿命化が図られる。

 今回の設備導入は、自動車メーカーの軽量化やモジュール化の流れを視野に入れたもので、従来の一次加工メーカーという枠を超えて付加価値の高いビジネス展開を狙うもの。

 2002年2月にはライン設備据え付けを完了させ、5月には営業運転を開始する。

大 手屋根業者、三晃金属工業(本社=東京都港区、武末浩之社長)は今年度、「ソーラー発電屋根」に関する売り上げ目標を15億円に設定し、施主や設計事務所向けPRを強化しているが、受注・引き合いともに好調で、これをクリアする勢いをみせている。また現在、単結晶シリコン太陽電池タイプの新製品(フラットタイプ)の開発に着手するなど積極的に展開しており、中期的には売り上げベースで30億―35億円の事業規模に育てていく方針だ。

 同社では(1)屋根材一体型アモルファスシリコン(2)屋根材一体型単結晶シリコン(3)折版屋根置き型多結晶シリコン――と3種類の太陽電池タイプで、それぞれソーラー屋根システムを用意。

 「アモルファスシリコンタイプ(00年度新エネ大賞受賞)」は、耐食性屋根材の上にアモルファス薄膜太陽電池を貼り付け、フッ素樹脂フィルムで覆ったもので、フラットとヨコブキの2タイプがある。段ルーフ26N(横葺き屋根)を使用している「単結晶シリコンタイプ」は変換効率が大きく、小面積でも高出力が得られる。

 また「折版屋根置き型多結晶シリコンタイプ」は新築・改修のほか、既存屋根にも設置可能で、馳式屋根対応型とF嵌合式屋根対応型をそろえた。

金 属の切断・溶接加工機メーカーの小池酸素工業(本社=東京都墨田区太平3―4―8、小池康雄社長)は、加工材の自動開先切断能力を備えた水プラズマ切断機を製品化、販売に力を入れる。これにより、ステンレス鋼材に開先切断を施すことで作業効率を高めることができる。

 新製品となるUNITEX―5000P1(HT―800水プラズマ・3Dリンク開先装置付)は、最大出力800Aの水プラズマ電源を搭載し、開先切断が可能。一般的な水プラズマ電源の最大出力を600Aから800Aに増強し、切断可能厚を通常3―50ミリ、最大75ミリとした。出力増加と高精度3Dリンク方式により、開先切断をステンレス鋼材に施すことができ、溶接時の加工性を高め、作業の効率化を計ることができる。

 今期の販売計画は、ステンレス鋼材を扱っているメーカー、コイルセンター、問屋を対象に、リプレースも含め10台の売り上げを目標にしている。

 同時にドライタイプのプラズマ切断機2機種、SUPERGRAPH―400(SUPER―400S付、対象板厚6―50ミリ)とSUPERGRAPHー200C(SUPER―200Sステンレス切断、同1―25ミリ)の販売も強化。  なお小池酸素工業は今日7日と8日、この3機種にSUPERGRAPH―100(HD―3070ステンレス切断、対象板厚1―6ミリ)を加えた4機種の切断実演を行うプライベートフェアを実施する。

 ▽フェア問い合わせ先=TEL047―379―4611(販売部)

関 西地区のコイルセンターの大阪鋼圧(本社=大阪市大正区泉尾、稗田英紀社長)は本社工場の2号コンビネーションライン、3号スリッターラインの残材処理の安全に行うため、設備改善を計画している。トリマーでのカット後に発生する耳くずを巻き取り方式から、チョッパーカットに変えるもの。改善時期は経済環境の回復を見極めたうえで、早急に手掛けたい考え。

 同社は本社工場(第1、2、3工場)にコンビネーションライン2基、スリッターライン1基、レベラーライン1基を持ち、ホットコイル、縞鋼板、特殊鋼、酸洗鋼板の加工を行っている。

 現在、加工量は月間1万5000―1万6000トン。加工設備別の加工内訳はレベラーが55%、スリッターが45%。販売形態別の内訳は自販が40%弱、受託・賃加工が60%強。

 これまでも生産性の向上、安全対策に注力してきた。そうした中で、2号コンビネーションラインと3号スリッターラインの残材(耳くず)の処理が課題となっていた。

 現在、両設備ともにトリマーで耳をカットした後、この残材は巻き取りで対応していた。しかし、この作業に常に人員を配置しなければならないうえ、作業自体も危険であるという問題があった。

 このため、トリマーの後工程にチョッパーカットを導入し、残材を適当な長さにカットし、処理する。これにより、残材処理に人手をかけなくてもよくなり、工場全体の安全性が高まる。
カ ラー亜鉛鉄板の市況低迷に対し、鋼板メーカー各社は市況下落に歯止めをかけるため、販売価格の維持に徹し始めた。1―3月は需要の急速な後退と年度末の決算対策で競争が加速し、メーカーネットは下落。前年同月比で厚番手トン約2万円、薄番手も同1万円ほど値下がりし、採算難に陥っている。一方で需要環境は、民需の回復が遅れ、停滞気味。数量面の期待が持てないことで、メーカー各社は採算確保に価格重視へと路線を変更、秋口の値上げを検討するメーカーの声も上がっている。

 日新製鋼など鋼板メーカー各社は、99年秋に厚番手トン2万円、薄番手同1万円の値上げを実施した。00年の春先にかけ、値上げが浸透。しかし、大店法改正絡みの駆け込み需要など物件の取り込みに夏からメーカーの競争が集中し、価格がジリジリ後退した。

 さらに年明け以降、店舗関連の反動減やIT(情報技術)関連の投資減退、住宅着工も今年1月から前年実績を下回るペースで需要が冷え込んでいる。「4―6月生産量は前年比10%減」(メーカー)と落ち、需給バランスの暗転で市況は1―6月でトン5000円方下落した。メーカー販価は「99年の値上げ以前の価格を下回るレベル」(メーカー)にまで下がり、「値段からみて4―9月はメーカー各社赤字のはず」(流通)とみられている。
全 国ステンレス厚板シアリング工業会(ANS会)が会員45社を対象にまとめた6月のステンレス鋼板調査によると、熱延No1、冷延3ミリUPそれぞれのSUS304・母材、その他・母材、端板を合わせた総在庫量は今年度初めての減少、前月比1・1%減の3万9825トン(前年同月比25・9%増)となった。熱延と冷延それぞれのプラズマ、シャーリング、原板を合わせた総払出量は、同4・7%減の1万2657トン(同11・6%減)。 在庫および払出推移の内訳は次の通り(カッコ内は前月対比)。

 在庫推移は、熱延の304・母材2万473トン(0・6%増)、同その他・母材8246トン(1・1%減)、同端板5131トン(3・1%減)で小計3万3850トン(0・4%減)。冷延の304・母材3921トン(5・2%減)、同その他・母材1471トン(5・6%減)、同端板583トン(0・7%減)で小計5975トン(4.9%減)。

 払出量推移は、熱延のプラズマ3449トン(6・2%減)、同シャーリング4525トン(3・7%減)、同原板2235トン(0・2%減)で小計1万209トン(3・9%減)。冷延のプラズマ279トン(3・3%増)、同シャーリング984トン(0・7%減)、同原板1185トン(15・4%減)で小計2448トン(8%減)。

三 井造船(元山登雄社長)はこのほど、清水建設と共同で「床パネル敷設システム」を開発し、2002年に高知県で開催される「よさこい高知国体」の国体プール用複合型体育館「くろしおアリーナ」内の床パネル敷設システムで採用され、このほど完工した。

 今回開発した床パネル敷設システム(特許は清水建設と共同出願中)は、体育館内にある50メートルプールの床板をプールサイドレベルまで上昇させ、レーザーで位置確認を行いながら、長さ40メートル・幅2・1メートルの体育館用木製床材29枚を、床板の上に順次敷設・撤去することで同一施設内でプールから体育館、体育館からプールへと用途転換を可能にするもの。

 システム開発にあたっては、三井造船で実績豊富なマルチストレッジ型物流立体自動倉庫「ミュール」のシステムを応用し、用途の転換に人手では数週間かかる作業を、搬送・収納を自動化することによって1日で作業を完了させることができ、施設の稼働時間が大幅にアップする。

 三井造船では、今回の実績を自治体にアピールするなど営業活動を強化し、さらなる事業拡大を目指す方針。

東 京地区の中板市況は横ばい推移。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は、3万4000円中心。需要の停滞で流通は引き続き弱気。東京製鉄の発表価格や国内高炉の価格と比較して、定尺品の小売価格には下げ圧力がかかりやすい状況であるうえ、需給も需要の落ち込みが影響して緩みが残っている。

 ただ、「これ以上の安値は避けたい」(商社)意向が強く、底値であることは間違いない。

 高炉メーカーの値上げに対しては、流通側がメーカーの姿勢を見極める方針だが、一部のコイルセンターでは部分的に値上げのアナウンスを開始した向きもある。目先も横ばいか。

東 京地区の鉄スクラップ市況は強含み。メーカー実勢購入価格は北関東地区で6300―7500円、湾岸地区で6800―7500円で推移。 北関東、湾岸メーカーともに入荷促進のための値上げが相次いでいる。2日からダイワスチールは500円値上げしH2ベース7000円、3日から東京製鉄・宇都宮は300円値上げし特級ベース7500円とした。スクラップ回収量の減少や好調な輸出向けに引っ張られ入荷が細っていることが要因。

 日産自動車・村山工場の解体は1日から始まっているが「輸出に直接持っていくので国内市況に与える影響は少ない」との声もある。今後も強含み。

大 阪地区のH形鋼市況はベース3万1000―3万2000円どころで弱含み。

 建築不振で市中の荷動きは相変わらず低調。流通筋では、長引く売れ行き不振にしびれを切らし、ここにきて受注確保の動きが目立ってきた。一部では置き場3万―3万1000円円の安値も散見され、全体の市況レベルも徐々に下押し傾向となってきた。

 また、電炉の物件価格も相変わらず3万―3万1000円と店売り価格を下回る水準で推移。市況の下押し要因の一つとなっている。一方、地区の流通在庫は今春以降、減少傾向を続け、現在も適正水準を下回る低位で推移している。