2001.08.09
ス ペインのステンレスメーカー、アセリノックス社は南アフリカのステンレスメーカーであるコロンバス・ステンレス社の株式64%を取得することで基本合意した。現地情報によると、買収額2億200万ドルで交渉を進めており、年末までに取得を終える方向で調整する。

 コロンバス社は生産能力年間60万トンを擁し、00年には生産量53万2000トン、売上高6億6400万ユーロを上げていたが、生産能力拡張後、95年から赤字に陥っているという。コロンバス社の買収によってアセリノックス社は、グループ全体で年産240万トンとなり、アベスタポラリト社と並ぶ欧州第3位タイのステンレスメーカーとなる。

 コロンバス社は南アのステンレス一貫メーカーで、南ア・アングロ・アメリカ社傘下のハイベルト・スチール、BHP―ビリトン傘下のサマンコール、南ア国営インダストリアル・デベロップメント・コーポレーション(IDC)がそれぞれ3分の1ずつを保有する。

 南アのステンレス市場は年率18%の成長を続けており、コロンバス社の生産量のうち12万3000トンを消費している。残りの生産分はほとんどを東南アジアに輸出。市況の乱高下が激しく安定しない市場への輸出比率が高いことなどが収益を圧迫しているという。

韓 国POSCOのリローラー向けホットコイル板価格引き上げを機に、上昇基調に転じていた中国、香港のステンレス冷延鋼板の輸出市況が今月になって再び上げ渋り気配に変った。メーカーでは「反落しているわけではなく、綱引き状態」としているが、バイヤー側の抵抗は強いようだ。

 市況変調の原因は、韓国リローラーがホット値上げに対応して冷延価格の引き上げを見合わせていることと、宝新、張家港など中国の冷延ミルが、8月からリストプライスを大幅に切り下げたこと。韓国リローラーの輸出価格がホット価格にスライドしきれないのは、背景に同国国内のステンレス消費の伸び悩み、輸出を増やさざるを得ない事情があるようだ。

 また中国冷延ミルのリストプライス引き下げは、国内用についてもAD提訴の対象から外れている台湾ミルが意欲的に売り込んできていること、一部にまだ根強く残っている密輸ルートの安値玉が流通しているため、これに対抗する対策と観測されている。

 中国、香港向けを主力とするステンレス鋼板の輸出は、現在9―10月積み商談が進行中。クリスマス商戦を控え、引き合いは順調だが、価格については熱い攻防戦が展開されている。POSCOが7月初め、同月21日出荷分から韓国国内のリローラー向けのホットコイル供給価格をニッケル系でトン70ドル、クロム系で42ドル(アップ率5・8%)引き上げることを発表したことを受けて、8―9月積み価格はトン40―50ドル反発、SUS304ベースで1200ドル(C&F)が実勢化した。

日 本鉄鋼産業労働組合連合会(荻野武士・中央執行委員長)はこのほど、9月7、8日、静岡県伊東市で開催する第91回定期大会で審議する「TAP(トータル・アクション・プラン)2002活動方針案」をまとめた。

 同案の骨子は03年9月に鉄鋼、非鉄、造船の3産別組織統一を基幹産業の「歴史的大事業」と位置付け、それにかかる課題として、統一準備、作業、組織統一対策の3委員会の活動を最優先対応としている。新組織への移行に伴い、03年9月は鉄鋼労連の幕引き大会ともなるため、本部に「移行大会」のプロジェクトチームを設置し、必要な行事を検討する。

 産業別組織に関する取り組みは地方組織の運営で統合に向けた「県本部発足準備委員会」を設置し、業種別・関連部門は分科会機能を生かしながら、独自課題の解決と個別組合の指導・支援を強める。

 また、02年度の春闘は「総合労働条件改定年度」として産別闘争を組織化する。2年サイクルの労働条件改善を目指している「複数年協定」の第3ラウンドを迎えるが、基本賃上げを「適正な成果の還元とパーシェ指数による製造業平均への回復」を目指す。要求額はデフレ局面に対応した賃金決定を十分論議し、従来型の延長か新選択肢に基づく設定のどちらかを検討し、総合的に判断する。

 年間一時金は固定と変動部分で構成される「新たな要求政策」を深化させた「業績連動型決定方式」への移行について、「産別基準」をもとに取り組む。
N KKは8日、JR西日本・小浜線(福井県敦賀―京都府東舞鶴、全長84・3キロメートル)の電化工事用架線柱に使用された「海岸耐候性鋼」を、全量受注したと発表した。鉄道用架線柱に「海岸耐候性鋼」が採用されたのは業界として初めて。受注内容はH形鋼129本(70トン)、電縫鋼管253本(140トン)、合計382本(210トン)。

 小浜線沿線は若狭湾に面し、日本海から多量の塩分を含んだ風により腐食環境としては厳しい地域だが、同社の「海岸耐候性鋼」は亜鉛めっきで表面処理した鋼材と比較して、優れた耐腐食特性を有することをJR西日本から評価された。

 今回採用された「海岸耐候性鋼」は、電縫鋼管とH形鋼で、小浜線全長約84キロメートルのうち、海岸線から500メートル以内と海岸部に近接した約20キロメートル(小浜―若狭高浜)区間の架線柱に表面処理や塗装をせずに使用され、残り区間は亜鉛めっきされた鋼材が使用されている。
合 同製鉄はこのほど今期(7―9月)の生産計画をまとめたが、粗鋼生産量は前期(4―6月)実績見込み比6・5%減の30万2300トン、鋼材生産量は同6・4%減の36万7100トンの計画。電炉の夏季炉修による操業日数減や需要の大幅な落ち込みに対応しての生産抑制から粗鋼、鋼材生産計画ともに前期を下回るもの。ここ4、5年の7―9月の鋼材生産計画としては最低水準とみられる。

 粗鋼生産計画の内訳は普通鋼が前期実績見込み比2・2%減の25万6930トン、特殊鋼が同25・2%減の4万5370トン。鋼材ベースでは普通鋼の熱間圧延鋼材が同6・5%減の33万2000トン、特殊鋼の熱間圧延鋼材が同4・6%減の3万5100トン。品種別でもH形鋼が4万2400トン、鉄筋棒鋼が9万6900トン、線材が13万2900トンと軒並み前期実績見込みを下回る計画。

 5月に電気炉のトランス故障で粗鋼生産が落ち込んだ船橋製造所は、関東の需要が比較的堅調に推移していることやトランス故障による生産減の影響で大幅に減少した製品在庫を適正レベルに戻す狙いもあり、今期は粗鋼で11万8100トン、鋼材ベースで11万5500トンの生産計画。このほか輸出は前期の1万380トンに対し、今期は8800トンの計画で、台湾、香港向けなどの線材がメーンで、一部形鋼。

元 旦ビューティ工業(本社=神奈川県藤沢市、舩木元旦社長)は中期経営計画(01―03年度)を完遂するため、太陽光発電事業の売り上げを10億円に拡大するなど、今年度から環境、住宅、太陽光発電、イオン―の4事業の育成に尽力。その一方で、製品機能やトータルシステムを提案する営業に転換し、厳しい環境の建材業界内で『勝ち組』として生き残りを図る。

 同社の前年度決算(3月期)は、売上高112億8000万円(前年度比3・4%減)、営業損失1億6700万円、経常損失3億600万円、当期損失3億3900万円となり、環境事業の計画未達が収益改善の足かせとなった。

 中期経営計画(01―03年度)では売上高150億円、経常利益6億2200万円を最終目標に設定。スタートである今年度は、売上高が125億5000万円、利益は経常ベースで2億円、当期ベースで1億円の確保を目指し、計画達成の足がかりとする方針だ。

 新中計において、環境事業は今年度、廃ガラスを利用した壁や床、舗装材などを製造・販売・施工を行うフランチャイズ店を2―3店舗展開し、03年度末には20店舗にまで増やしていく。住宅事業では、98年から屋根のリフォームを手がけているが、売上高は年率30%程度伸びており、前年度には黒字化も達成。中計最終年度には、板金業者や工務店などで構成されるパートナーシップ店を現行80から250に増やし、10億円以上の売り上げを確保する。
大 阪地区の鉄スクラップ業者で組織する関西鉄源協議会(代表幹事=黒川友二・扶和金属興業専務)は8日、鉄スクラップ2500トンの共同輸出の実施を固め、各商社に対し今年4回目の入札案内を行った。同協議会は5―7月にかけて月ベースで共同輸出を決めており、継続的実施の様相を強めている。

 今回の内容も過去3回と変わらず、数量が2500トン、品種がH2グレード中心、価格条件がFASとなっている。提出期限は9月4日、配船時期は10月を希望している。

 5月は三井物産金属原料がトン当たり7300円、6月は住金物産がトン当たり7700円、7月は泰和商事がトン当たり8000円で落札している。

普 通線材製品類の5月生産高が軒並み前年実績を下回った。鉄線が前年同月比1・5%減の5万7200トン、普通・特殊釘5・5%減の1万300トン、金網12・1%減の6400トン。いずれも建設・土木関連がメーン市場だが、非住宅着工件数が1―6月連続で前年比約2割の減少、公共機関からの建設工事受注金額が4月を除く1―6月に前年割れとなり、伸線メーカーへの引き合いは落ち込んでいる。伸線メーカーでは秋の需要期に期待が集まるが、不良債権処理問題など懸念材料は多く、先行きの不透明感はなお強まっている。

 5月生産量は、針金が5・2%減の1万2000トン、溶接金網が0・3%減の1万8000トン、蛇籠は12・6%減の2800トン。6月の生産はまだ集計されていないが、「日割りにすると5月を下回る。7月は若干盛り返した感があるが、8月は旧盆もあり低調」(伸線メーカー)と低空飛行は変わらない。

 一方で、メーカー間の受注競争は激しく、価格の下降局面が続いている。市況は1―3月でトン1000円下落し、4―6月でさらに1000円下がり、7、8月もジリジリと下押している。「ナマシ鉄線などは他地区からの流入玉も散見される」(関東地区メーカー社長)と、地域を越えてシェア争いが繰り広げられている。

東 京地区の冷延薄板市況は弱含み横ばい。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万6000―4万7000円が中心。

 需要の停滞とコイル在庫の過剰から相変わらず弱気。価格は下値部分の幅が広く、一部には4万円際の極端な安値もあるが、これについては「話ばかりが出て混乱する。相場とは呼べない」(流通)という。

 在庫調整に時間がかかることから市況反転は当面ないが、8月に入って「底値が近いという感覚は少し出てきた」(同)との声も聞かれ始めた。夏季休暇の影響で稼働日数が少なく、今後下値の部分は止まってくる可能性もある。お盆休みを控えて横ばい推移か。

東 京地区の等辺山形鋼市況はベース3万4000円、溝形鋼は3万8000円中心の横ばい。山形3万3000円、溝形3万7000円の安値も消えていない。流通の大幅な申し込み削減で、溝形の在庫は減ってきており、山形、溝形ともに在庫は適正水準。あとは需要待ち。

 盆前の引き合いは少なく、「昨年より大幅に悪い」(大手特約店)状態。8月は各社とも7月より申し込みを減らす。メーカーの供給圧力もなく、炉休による夏季減産が実施される。ただ需要は増えず「まとまった引き合いがなく小口化」(同)の状態が今後も続く見通し。また、帳端明けの僚品H形鋼の再度の唱え上げの浸透も難しい見込みのため、市況は当面横ばい。

大 阪地区の平鋼市況はベース4万―4万1000円どころで弱含み横ばい。

 景気後退に伴う民間設備投資の減退などから、需要は低調。市中の荷動きは相変わらず小口主体で、「今週からは動きがぱったりと止まった感じ」(特約店筋)という。

 建材主力のH形鋼が売れ行き不振から地合いが軟弱なため、これに引きずられて流通の売り腰は弱い。

 このため、市況はジリジリと安値にサヤ寄せされており、「一部では4万円割れも散見される」(流通関係者)状況となっている。

 また、広幅平鋼は建築需要の不振、競合品種である厚板との絡みから、さらに情勢が悪化。市況は4万4000―4万5000円近辺で推移している。