2001.08.14
伊 藤忠商事と丸紅の鉄鋼製品事業統合まで1カ月半、両社の米国法人は鉄鋼事業の切り出し、統合作業を急いでいる。新米国法人はカナダ、メキシコ両現地法人を子会社とし、従業員100人、連結売上高約12億ドルのマルベニ・イトチュウ・スチール・アメリカ(本社=ニューヨーク市)となる。この米国統括会社のCEOには丸紅・鉄鋼製品部門長補佐の江龍祥行氏、COOには米イトチュー・インターナショナル上級副社長の足立俊夫氏が就任する。米国会社は統合による相乗効果を発揮し、域内外取引をベースに、自動車、建材業界などを対象に事業展開することになる。

 統合後は重複するニューヨークとロサンゼルス、サンフランシスコの事務所を統合する。北米での両社の鉄鋼製品関連拠点はこれ以外に重複がなく、シカゴ、デトロイト、シンシナティ、ナッシュビル、ヒューストン、ピッツバーグなどにある両社の営業拠点を切り出して、支店網を構築する方向で調整を進めている。このほか伊藤忠はカナダ、丸紅はメキシコに事業拠点を持つ。

 米国内の自動車向け加工・流通事業では、組立工場が集中する縦断道75号線沿いに両社はマルベニ・メタルブランキング、リージョナル・スチール・ディストリビューション・センターなど5社、6カ所で事業を展開。統合を機に、ゼネラル・モーターズに強い伊藤忠と日系メーンの丸紅の販売を一体化し、これら加工能力をフルに発揮する方針だ。

丸 紅と伊藤忠商事は、鉄鋼製品事業の統合会社として10月1日にスタートする伊藤忠丸紅鉄鋼について、米州、欧州、アジア、豪州など全世界を13現地法人でカバーする方向で最終調整を進めている。両社は統合会社の海外連結対象の事業会社をすでに36社と確定しており、これに加えて現地法人が決定することで、新会社の海外展開の全容が固まることになる。

 両社によると統合会社の海外現地法人は13社、駐在員70―80人となる見通し。具体的には、米州が米国、カナダ、メキシコ、ブラジル。欧州はドイツ、英国。アジアがシンガポール、マレーシア、インドネシア。中国は上海、香港、広州。これらに豪州を加えた13地域に現地法人を設立する予定。

 なお同社の連結対象事業会社は国内外81社で、国内45社、海外36社。海外の地域別内訳はアジア20、米州11、欧州3、豪州2。

全 国ステンレスコイルセンター工業会(JSCA)環境部会(部会長=日下部繁・東京ステンレス研磨興業社長)は、ステンレス梱包材から発生する産業廃棄物の処理費用が年々増加傾向にあることから、梱包材のリサイクル・リユースを推進、部材を規格化することを計画している。9月の中旬以降、環境問題に対する取り組みの進んでいるヨーロッパのメーカー、コイルセンターにも規格化に関する視察へ赴き、ディスカッションを行う予定。

 最近5年間をみると、ステンレス梱包材から発生する産業廃棄物の処理費は増大。JSCAが会員41社に産廃処理費の現状と問題点を把握するため実施した「ステンレス梱包材に関するアンケート」では、00年と96年とを比較すると00年の処理費は45%増加。同12%増加しているステンレス取扱量と比べて、処理費の負担が年々増加傾向にあることが明確になっている。

 処理費用の内訳をみると、スキッド(運搬用の台)25・3%、紙類(紙管、ボード類、合紙)50・2%、ビニール類(ポリ系、塩ビ系)16・9%、その他7・7%。なかでもスキッドの産廃量は同期比52%増と高い増加率を示しており、産廃処理費増加の大きな要因である。

 この問題に対しJSCAは、ワーキンググループを設置して、産廃処理費削減のためリサイクル・リユースを推進させ、梱包材資材の規格(標準)化と簡素化を行うことを明確にし実行に移している。具体的には、梱包資材のスキットの部材サイズ、全体構造を統一させる。
鋼 管メーカーのマーベリック・チューブは、ミニミル大手のノース・スター・スチールとの間でシームレス鋼管の全ての資産を買収する交渉に入っていることを明らかにした。

 マーベリックはエネルギー関連鋼管が主体の溶接管単圧メーカー。ノース・スターはカーギルの子会社で2000年実績で粗鋼生産は全米9位の260万トン。オハイオ州のシームレス鋼管ミルは能力が55万トン。

関 西地区の中板扱い特約店、コイルセンターでは、東京製鉄がホットコイルの販売価格の引き上げに動いてくる、と見ている。この背景としては、東鉄が8月契約の申し込み締め切りの7月25日で、ホットの引き受けを基本的にストップしたことに加え、中板市況も全国的に値戻しの機運が出ているため。扱い業者では「早ければ、今月20日に発表する9月契約で3000円前後上げるのではないか」としている。

 東京製鉄はホットコイルの価格については、7月契約で1000円値下げした。この値下げは市場実態に合わせるとともに、ファイナルとの意味合いから出された。

 ただ、流通では在庫が高水準で、値下げによる評価損への懸念や市況への影響もあって、東京製鉄に対して、不満の声が出ていた。

 そうした中で、高炉各社が7月出荷から、逆に店売りのホットを3000円引き上げた。

 当初、流通では高炉メーカーの値上げに懐疑的な見方が多かったが、高炉の値上げを徹底させる姿勢がはっきりと確認できたことから、流通は8月から、中板の唱え引き上げに動いた。

 これに加え、東京製鉄は8月契約で、流通からの申し込みが締め切り前に殺到したもようで、25日の締め切り後は基本的に引き受けない姿勢を貫いた。一方、高炉も8月出荷の販売はシビアな姿勢をとった。この結果、コイルセンターなど流通は7―8月においてはホットの申し込みが大幅に減った。
合 成スラブ工業会(会長=谷一浩・日本鋼管ライトスチール社長)は、合成デッキの00年度生産実績をまとめた。

 それによると、00年度の合成デッキ全生産量(推定)は約25万3000トン(面積1808万平方メートル)と、前年度比約28・2%の大幅増となった。増加要因として、00年度は大店法改正に関わる大型商業店舗が大きく伸びたことや、IT需要の急激な伸びに伴い、九州など地方で関連施設の建設が相次いだことが大きいとしている。

 合成スラブは、デッキプレートがコンクリート打設時には床型枠材として機能し、コンクリート硬化後にはコンクリートと一体になって曲げに抵抗する合成構造。この合成デッキ需要はバブル期の建築ラッシュを背景として、87年からピークの92年まで急激に増加。ただ、93年以降はバブルの後遺症を受けて、伸び悩みが続いていた。

 ただ、ユーザーサイドでは近年、合成スラブに対する理解を深めており、鉄骨造着工面積が低迷する中、安定した需要を確保。合成デッキ実績の鉄骨造着工面積に占める割合は、過去5年間(95―99年度)の平均が20・8%。これに対して、00年度は25・5%と4・7%も増えている。
重 仮設リース業者、協友リース(曽我部満社長)は、01年度中間決算(12月期)において、売上高が5億4000万円、経常利益は5000万円を計上し、前年度比で大幅ダウンを余儀なくされたものの、厳しい経営環境下で収益を確保した。下期では、今春からスタートした加工込み受注を強化すると同時に、新製品「ブルブロック」のリースを全国展開し、年度目標である売上高9億7900万円、経常利益1億5600万円を達成していく方針だ。

 協友リースは86年、大手重仮設業者の川商ジェコスと丸紅建材リースが50%ずつ出資して設立された。H形鋼桁材と挟締金具のリースおよび販売・製作・加工・修理など幅広く手がけている。同社では、これまで出資2社をメーンにリースしていたが、重仮設業を取り巻く環境は悪化の一途をたどっており、ここにきて日商岩井鉄鋼リースや丸藤シートパイルなど、出資2社以外の大手リース業者との取引も増えている。

神 鋼電機(本社=東京都江東区・佐伯弘文社長)は、神戸新交通からポートライナーと六甲ライナー向けに次世代マルチタイプ自動券売機を受注、来年より主要駅に順次納入する。

 新しい自動券売機は、マルチ機能タイプ。利用者の利便性向上のため、普通券の発売だけでなく継続定期券、カードの発行を扱う。別々のものが一つにまとまり、設備コスト削減と駅構内の省スペースにも結び付いている。

 使用可能紙幣は従来の1000円、5000円、10000円だけでなく、2000円紙幣も使用可。券売機のフロントパネルは利用者が最も使いやすい傾斜30度し、ボディーの高さも従来より300ミリメートル低い1500ミリメートルに、ディスプレーは13・5インチから15インチに設定することを採用。

東 京地区のH形鋼は、年初の3万7000円からじりじりと下がり続け、直近は3万4000円中心。昨年11月に4万円を目指して値上げしたが、裏腹に下落した。1―3月の軟化は、昨年の先高観による手配過多と、年明け以降の先安観による買い控えが主因。需要を見誤ったことによる、メーカーの在庫調整の遅れが後々まで響いた。一方、4月以降の軟化には日本の景気悪化が影をさす。金融機関による建設業界への融資抑制から、施主が発注金額を抑え、その影響がゼネコン、ファブ、流通へと及んでいる。このため製販は価格優先姿勢を続けるが、市況への反映が難しくなっている。

 東京ときわ会在庫は、今年7カ月間で1万6647トン減少。ピーク時の2月末は11万9207トン。減少に転じた3月以降は減り続けるが現在の需要水準からみれば過剰。荷動きの悪化から、在庫の減少に結び付かない。

 一方、生産量の減り方は鈍い。主因はメーカー直送分の増加。減産の対象は店売りのみのため、全体のパイが縮小するなかで直送比率は上昇。価格面でも、春ごろから直送価格が店売り価格を下回り始めた。現在まで半年近くも続く。このため直送分として安値で購入し、倉に入れる行為もある。メーカー側も、以前ならば応じなかった小口の明細を受けるようになった。

 直送の増加と、後仕切りの廃止で値上げを転嫁できない在庫流通は逆ザヤが続いている。しかし在庫機能はなくならない。小棒と違いメーカーが少なく西に偏っており、小回りをきかせてロールチャンスの谷間を埋める機能は必要。それでも現在の過当競争と過剰設備は明らか。市況は国際価格よりも低い。

 今後の需要は減少する。建設経済研究所は01年度の民間非住宅建設投資を前年度比8・8%減の大幅減、民間非住宅建築着工床面積は同5・5%減と予測。国土交通省は形鋼需要を同6・1%減とみる。従来の減産や唱え上げなどのみでは対応できない。今後は製販の再編・統合による、H形鋼の扱い比率の低下で市場の縮小に対応していくことになる。