2001.08.21
日 本鉄鋼連盟が20日に発表した7月の鉄鋼生産速報によると、粗鋼生産量は867万9000トンと前月に比べ14万9000トン、1・7%減と2カ月連続の減少、前年同月比でも3・7%の減少と4カ月連続の減少となった。炉別生産では、転炉鋼が641万8000トンと前月比0・8%増(前年同月比0・9%減)、電炉鋼226万1000トン、同8・2%減(同10・9%減)と、前月比・前年同月比とも電炉鋼の減少が目立ち、前年同月比では転炉鋼が2カ月ぶりの減少、電炉鋼は6カ月連続の減少となった。

 鋼種別生産では、普通鋼が707万9000トン、前月比1・7%減、特殊鋼が160万トン、同1・6%減となったが、前年同月比では普通鋼が4・7%の減少と6カ月連続の減少となったのに対し、特殊鋼は1・2%の増加と25カ月連続の増加となった。

 熱間圧延鋼材の生産は787万トンで前月に比べ5000トン、0・1%減とほぼ横ばいとなったが、前年同月比では5・2%減と4カ月連続の減少。

 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は658万4000トン、前月に比べ2万3000トン、0・3%増と微増となったが、前年同月比では5・5%減で6カ月連続の減少となった。品種別では条鋼類が209万8000トン、前月比3・1%の減少(前年同月比8・2%減)となったのに対し、鋼板類は441万2000トン、同2・2%の増加(同4・1%減)。

東 京製鉄(池谷正成社長)は20日、9月契約の販売価格およびエキストラ価格を発表し、薄板、条鋼品種など全品据え置きとした。高炉各社が値上げに動いていることで、市場から注目されていた薄板品種について、「マーケットから、なんらかのサインが出てくるまでは見守りたい」(安田英憲常務)とし、市況や在庫状況の変化がみられない現状から慎重な対応を示した。ただ、減産、輸出成約による需給調整の構えは崩さず、10月契約を視野に値上げのタイミングを探る考え。売り出しは20日、23日が締め切り。

 東鉄の薄板販売は、「市況の実態に合わせる」との観点から、2月契約でホット1万円(1・7―12・0ミリ厚)など大幅値下げに踏み切り、市況下落にあえぐ市中関係者に大きなインパクトを与えた。「出直し価格」としたが、市況軟化が続き、7月契約でさらにホット1000円、酸洗2000円、溶融亜鉛めっき3000円引き下げた。

 一方、高炉各社は、市況の立て直しに7月出荷からホット3000円の値上げを表明。東鉄の動向が注視されていたが、「高炉の値上げは十分認識しているし期待もしている。しかし、目先需要が増える見通しはなく、もう少し見守りたい」(同)との判断から据え置いた。

 9月販売価格は、ホット2万5000円(同)、酸洗2万8000円(1・7―6・0)、亜鉛めっき3万7000円(0・9―1・6)、H形鋼3万7000円(175×90―600×200)、異形棒鋼2万3000円(D16―25)U形鋼矢板4万5000円などとした。

東 京製鉄は、厚生労働省に雇用調整助成金の受給を申請し、岡山、高松、宇都宮の3工場において、8月21日から2―3日の臨時休業を行う。8月1日付で普通鋼電炉業が雇用調整助成制度の対象認可を受けたことによるもので、すでに合同製鉄、王子製鉄が臨休実施を決めている。実需難のなか、各社減産強化に取り組んでおり、今後も受給申請を行うメーカーがみられそうだ。

 ホットコイルやH形鋼を生産する岡山工場のほか、異形棒鋼・線材中心の高松、H形鋼・鋼矢板・一般形鋼主体の宇都宮各工場では、年明けから需要後退による減産基調が強まっている。

 今回申請の4―6月生産は、減産幅は明らかにされていないが、申請条件の「前年同期比5%以上の減産」を大きく上回り、助成金受給によって減産を進める方針。H形鋼、一般形鋼主力の九州工場は、条件未満の減産幅であったため、今回の申請は見送った。

 3工場での臨時休業日は、工場の部署単位で異なり、2日から3日、一部4日間となる計画。東鉄の工場の生産計画は、21日から翌月20日までの1カ月単位となっているが、9月21日以降の申請については、減産機運が続く見通しから、継続の方向で検討している。
関 西地区のパイプ特約店の宮脇鋼管(本社=大阪市西成区津守、宮脇敬治社長)はこのほど、ラックの下面にローラーを付けることで手作業による出し入れを簡単にした「ローラーラック」を自社開発した。近く同製品のパンフレットを作製し、顧客を招いてのデモンストレーションを行うなどして事業化を推進する。

 今回、開発したローラーラックは、「従来のラックより使いやすくて、安価な製品を」と自社で研究し、既存の小径用鋼管を使って試作したもの。ラックの下面に同社が在庫販売している丸パイプを使っているため、どんな重い鋼材でも手作業で簡単に出し入れできるのが特徴。使用している鋼材はすべて同社の既存在庫であるため、既成のラックに比べ格段に安く生産できるメリットもある。

 同社はここ数年、構造事業課を設置するなどして、パイプを使用した鋼構造物製作に力を入れており、今回のラックも同課の設計技術者により設計、製作された。
電 炉メーカーの環境投資が相次ぎそうだ。02年12月施行の大気汚染防止法改正で、ダイオキシンの排出規制が厳しくなるためで、規制値をクリアしていないメーカーは対策を講じる必要がある。トピー工業(東京)は、8月後半にかけ2億5000万円を投じ豊橋製造所の集塵機を改善する。伊藤製鉄所(東京)は、来年夏に筑波工場の集塵能力を引き上げる予定。関東では関東スチール(茨城)、王子製鉄(東京)がすでに対応済みだが、大方のメーカーはこれからで、来秋にかけダイオキシン対策の動きが活発化する見込みだ。

 法改正では、ダイオキシン排出量を既設炉5・0ナノグラム―TEQ/N立方メートル以下、新設炉では0・5ナノグラム同以下に制限している。このため、トピーでは、豊橋製造所の建屋集塵機と120トン電気炉の直引集塵機を結合させ、集塵能力を高める。

 トピーでは、すでに既設炉の規制値をクリアしているが、周辺の環境問題や工場内作業者の環境改善を目的に、新設炉適用の規制値以下に排出量を抑える。

 伊藤製鉄は、石巻工場で自社開発の合流型集塵装置を備え、0・05ナノグラム同以下の低減化に成功している。同様の方式を筑波工場に導入する計画で、来年夏の夏季定修時期に合わせて着工する運び。

 関東スチールは昨年に集塵能力を増強しており、王子製鉄も規制値をクリアしている。国内に約40社ある電炉メーカーでは、一様に対応策に取り組む方向で、夏期休暇時期の来年夏には工事が集中しそうだ。
住 金鉱業(本社=青森県八戸市、山崎勲社長)は先に、八戸鉱業所で進めている八戸石灰石鉱山開発工事について、01年石灰石鉱業協会賞功績賞を受賞した。

 同工事は大量の剥土とその堆積場の建設、そして河川の切り替えなどの点で、国内の石灰石鉱山の開発と様相を異にしている。同工事により、八戸鉱業所では、鉱量として1億5000万トンの基盤を確立、そのうち、現在、3000万トンの鉱量を採掘中。

 同工事は09年の河川切り替えをもって完了するが、同工事の概要は次の通り。

 八戸石灰鉱山は青森県南東部に位置し、鉱体は図のような形で、段丘の頂部の標高は100―120メートル、中央部の標高は30メートル前後。鉱床は松館川で東西に分断されている。

 同鉱山は73年、製鉄・セメント用石灰石の販売を目的に操業を開始した。99年度までの総生産量は約1億1000万トン。採掘レベルは標高マイナス130メートルに達し、切羽の可採鉱量が少なくなってきたため、西側の新鉱区開発に着手し、このほど、河川の切り替え工事が完了し、採掘を開始した。

 西側新鉱区の鉱床の特徴は(1)大部分が平坦地の流水レベル(標高30メートル)以下に賦存(2)表土は平均25メートル(3)中央部を流れる松館川で東西に分断―など。

 開発工事は、設備投資効率から西側を選択し、最初にB、C地区を開発した後、A地区を開発する2段階方式を採用した。
名 古屋地区の条鋼市況は閉そく感が強く、いまだ視界不良の状態が続いている。一時は流通筋に市況立て直しムードがでたものの、需要不振や流通間の競争のほか、4―6月の粗鋼生産が2600万トンを超える水準になるなど「減産は敗北宣言」という薄板を中心にしたメーカー間の熾烈(しれつ)な販売競争が大きく影響し、ジリジリと値を下げる結果になっている。

 現在の地区実勢は異形棒鋼が2万3000―2万3500円、H形鋼が3万2000―3万3000円、一般形鋼(アングル)が3万2000円前後。一般形鋼を除けば、7月上旬に比べて500―1000円方下落している。

 需要は東海地区の6月の建築着工床面積は、前年同月比13・1%減と2ケタ台の大幅な減少になり、依然さえない展開が続いている。また、先行きについても「小幅の増減はあっても公共工事、民間ともに大きな期待は持てない」(商社筋)との見方が強い。

大 手重仮設業者、川商ジェコス(本社=東京都中央区、寺尾主社長)は「GSS工法(ジェコソイルシステム工法)」が、ソイルセメント柱列壁工事で発生する建設汚泥を50%以上削減することで環境負荷の軽減を可能にしたことが評価され、このほど国土交通省の「新技術情報提供システム(NETIS)」に登録された。

 新技術情報システムは、民間の優れた技術をまとめて社会に広く知らしめることで公共、民間両事業においてコストや安全、環境など建設事業を取り巻く問題を解決する目的で、国土交通省が推進する制度。同省では技術性や実施条件への適用性などを審査した上、インターネットに登録する。利用者はインターネットで自分の必要とする技術を検索し、建設事業に役立てることが可能となるもの。

 「GSS工法」は、ソイルセメント柱列壁工事において発生するセメントミルクと泥土の混合物を、川商ジェコス・三和機材・ジェコス工事の3社が共同開発した「ジェコソイルシステム」(ソイルバキューム車、KGソイルミルク分離機、GSSプラント)を使用することで、セメントミルクと土砂に分離。泥土は処理されて、セメントミルクは自社開発の添加材「GK―8」を混入することで、最適配合にするプロセスで固まるのを防ぎ、リサイクルを可能にした。

東 京地区の冷延薄板市況は弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万6000―4万7000円。

 国内在庫は5月をピークに減少に転じたが、需給ギャップは解消されていない。4―6月の需要減が尾を引き、小売業者の販売は7月以降も前年同月比1―2割減で推移しているようだ。東鉄連市場調査委員会の調査によると、冷延は薄板類の中で最も出回り過剰感が強い。

 ただ、店売りの中心となる輸入コイルは6月の入着で4万トン台と極端に減少、今後の需給圧力とはならない見通し。8月の商いでは価格据え置きでの交渉姿勢も見られ、値下げ一色とは少し雰囲気が異なる。

東 京地区の一般構造用鋼管(STK400、48・6×2・3ミリ)市況はトン5万2000―3000円で、弱含み横ばい基調が続く。

 扱い量に大きな変化は見られない。建設需要の停滞のため、市中の扱い量は低位で推移している。価格は大崩れはないが、ジワジワと安値方向に押され気味。これは、問屋側は採算確保の点から価格維持の商いを行いたいものの、ユーザーサイドの価格交渉力の方が強く、それに引きずられるため。秋口にかけても基調好転につながるような材料は見当たらず、厳しい展開が続きそう。在庫は各問屋とも需要見合いで、特に増減はない。

 目先、弱含み横ばいの見込み。

大 阪地区の平鋼市況はベース3万9000―4万円どころで弱含み。

 旧盆明け後の荷動きは、需要不振から相変わらず低調。流通の出庫量も今月は稼働日数減から、「先月よりさらに悪化する」(特約店筋)見通し。折からの不況で民間設備投資意欲も減退しているため、例年、需要期となる下半期需要は期待薄の状況だ。

 また、需給環境はメーカー各社が大幅な減産強化を実施しているものの、需要減に追いつかず、市中在庫がやや過剰に推移している。

 このため、依然として一部流通では、売り上げ確保に4万円割れの安値も散見。僚品のH形鋼も締まらず、市況は当面、弱含みに推移。