2001.08.27
川 崎製鉄は、石炭ベースで粉鉱石を還元する世界初の還元溶融法「Hi―QIP(ハイキップ)」の要素技術を確立した。日量200キログラムのベンチプラントでの原理確認を経て、年産1万トンの実証炉の建設に乗り出す。CO2削減やコークス炉老朽化の流れを視野に入れたもので、最大の課題だった生産性向上の問題もクリア。今後、実証試験に成功すれば、05年度をメドに千葉製鉄所に年産50万トン規模のプラントを建設する計画で、高炉法を補完する新鉄源法の実用化を本格化する予定。さらにダスト処理としての活用も狙えるという。

 「Hi―QIP」は、石炭ベースで粉鉱石を還元する世界初の還元溶融法で、COP3に対応した鉄鋼連盟の自主行動指針を可能にする新製鉄技術。コークス炉老朽化を視野に入れた高炉補完鉄源技術として、95年から独自コンセプトで実用化に取り組んでいた。

 プロセスは、ドーナツ状の回転炉床内に3ミリメートル以下の炭材を敷き、炭材に「タコ焼鉄板状」に穴を開け、そこへ粉鉱石を投入して輻射熱によりセ氏1500度で加熱する。

 1回転約15分程度で還元鉄が製造でき、不純物のない高品位粒鉄として取り出せる。取り出したスラグとメタルは磁選機として分離でき、回転炉床内でCO2まで燃焼する環境負荷が少なく、シンプルでクローズドシステムとなっている。

 同技術の最大の特徴は低コストな点。他方式は鉱石を細かく砕いてペレット状にするため、前処理設備などが必要となるなどコストアップするのに対して、直接投入方式なので約30%のコスト削減が狙える。また、原料をオーストラリアから輸送してくるため、輸送コストも30%低減できるという。

経 済産業省は2002年度から鉄鋼関連技術開発プロジェクトとして「低摩擦損失高効率駆動機のための材料表面制御技術の開発」など新規5案件を立ち上げ、環境・エネルギー分野の技術開発施策の基軸に推進する。このため02年度概算要求では総額で01年度の26億2900万円を倍以上、上回る60億円弱の要求を行う。政府の掲げる環境、情報、バイオなど重点7分野の構造改革特別要求に5件のプロジェクトを盛り込み、技術開発を進める。今年度で終了するスーパーメタル、金属材料の高速変形特性評価方法の研究開発に代って新規案件5件と継続案件3件の8件のプロジェクト遂行、リサイクル、温暖化対策など将来技術を確立させる。

 02年度事業のうち継続案件は「石炭高度転換コークス製造技術に関する研究開発(SCOPE21)」(要求額約10億円)、「省エネルギー型金属ダスト回生技術の開発」(同3億円)、「製鉄プロセスガス利用水素製造技術開発」(同12億円=構造改革特別要求)の3件。石炭高度転換コークス製造技術、金属ダスト回生技術はともに02年度が最終年度となるほか、製鉄プロセスガス利用水素製造技術は5カ年計画の2年目で前年度の5億円から倍額以上の要求となる。

 新規事業は「環境調和型超微細粒鋼創製基盤技術の開発」(同5億円)、「電炉技術を用いた鉄およびプラスチックの複合リサイクル技術開発」(同5億円=構造改革特別要求)、「二酸化炭素(CO2)排出抑制型新焼結プロセスの開発」(同8億円=構造改革特別要求)、「変圧器の電力損失削減のための革新的磁性材料の開発」(同5億円=構造改革特別要求)、「低摩擦損失高効率駆動機器のための材料表面制御技術の開発」(同9億円=構造改革特別要求)。
伊 藤忠商事および丸紅は24日、建材中心の国内販売会社である丸紅鉄鋼建材と伊藤忠テクノメタルを合併、10月1日付で伊藤忠丸紅テクノスチール(株)を設立すると発表した。合併比率は1対1。新会社の総資産は約1100億円、売り上げ規模は約2900億円。

 新会社(本社=東京都中央区日本橋室町2―4―3、新室町ビル)は資本金8億70000万円で、伊藤忠丸紅鉄鋼が100%を出資する。社長には伊藤忠テクノメタルの松村輝彦社長、副社長には丸紅鉄鋼建材の平島義和社長が就任する。従業員は派遣社員を含め約370人。

 伊藤忠および丸紅は両社の鉄鋼製品事業を統合して、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)を10月1日付でスタートさせる予定。これに合わせて両社の傘下にある建材内販会社2社の業務を統合、競争力・販売力の強化、経営効率の向上、コスト競争力アップを図り、建材分野におけるトップ企業の地位確立を目指す。

 合併する2社の売上高合計は約2100億円だが、丸紅の各支店が扱う建材の一部を継承するため新会社の売り上げ規模は2900億円となる見込み。
大 手ステンレス流通のアロイ(本社=東京都港区、西田光作社長)は、光(山口県)、茨城の両加工センターに水プラズマ切断機を導入、10月から稼働させる予定だ。環境ISOの2000年対応、切断面の品質向上と加工センターでの生産性アップが目的。約1億円を投入し、両加工センターに各1台設置する。これで能力は20―30%高められ、センターの切断工程はシャー、レーザー切断機、ドライプラズマ切断機に、水プラズマが加わり切断機の陣容が整う。ステンレス鋼板で15%程度の拡販とビルトH形鋼の製作や製缶部門の強化につなげる。

 ニーズが高度化することにより、水プラズマの要望が強まっていることと、主要設備が更新期を迎えていることから、最新鋭の水プラズマ切断機を導入することにした。プラズマ切断機としては、12年ぶりの新規導入となる。

 導入される水プラズマ切断機は、切断サイズが光加工センターで3メートル×14メートル、茨城加工センターで3・5メートル×14メートル、最大板厚は70ミリ。騒音と粉塵対策などISOの2000年対応を考慮。中厚板の切断面の精度が高く、入熱によるひずみなどの熱影響も少ないというメリットがあり、切断面を溶接する際、機械加工を省略して溶接できる。2つの水槽(4メートル×6メートル)を擁し、効率性を高める。

経 済産業省はきょう27日から31日までの日程で、半田力鉄鋼課長を米国に派遣、米国の鉄鋼製品包括通商法201条にかかわる公聴会と経済協力開発機構(OECD)鉄鋼委員会の開催をともに9月17日の週に控え、米政府関係者と会い、鉄鋼での今後の米側政策について状況把握に当たるとともに議論を行う。ブッシュ大統領が発表した201条調査開始要請や過剰生産能力削減などの交渉を骨子とした鉄鋼政策パッケージを踏まえた米政府の国内、対外対策が具体的に決定、始動する前に米側の姿勢を捕らえ、日本側の対応の手掛かりとする。

 今回の米国派遣では、米通商代表部(USTR)のリザー代表補、同スティーブンス鉄鋼担当課長、商務省のスペトリーニ次官補、財務省のエンゲルハート次官補、国家安全保障会議(NSC)のスミス鉄鋼担当などと会う予定だ。

 6月に発表されたブ大統領による鉄鋼政策パッケージでは、201条調査開始の要請や鉄鋼産業の過剰生産設備の削減、将来の鉄鋼貿易ルール確立と市場歪曲的補助金除去についての貿易相手国との交渉開始指示などが盛り込まれている。201条に関する公聴会やOECD鉄鋼委の場などでこの後、米政府サイドでは同パッケージに沿って国内や多国間、2国間の対外政策が固められ、具体的に動き出すことになる。
韓 国の産業資源部はこのほど、韓国規格協会が日本の経済産業省の審査でJIS認証機関の資格を取得したと発表した。これにより、韓国規格協会は、日本規格協会などと同一の資格で認証作業が実施できる。韓国の鉄鋼メーカーはこれまでJIS取得では、日本に申請しており、認可までに1年近くの時間が必要だった。今後は大幅な時間短縮が可能になる。費用も低下するため、取得企業のすそ野が拡大すると期待されている。

 韓国は、日本向けに年間300万トン前後の鋼材を輸出している。このため、大半がJIS規格を取得して対日輸出を行っている。

 こうした状況の中で国内メーカーから韓国内での審査・認可を要望する声が強まったため、韓国規格協会がJIS審査の資格取得に乗り出していた。

 韓国規格協会は今後、国内メーカーとともに中国、台湾、インドネシアなどに11カ国でのJIS認定が行える。

 韓国内でのJIS取得はこれまで、申請後6カ月から1年かかっていた。これが韓国規格協会で審査することで、2―3カ月に短縮できる。費用も、これまでの1000万ウォンから410万ウォンに節減できる。

 韓国のJIS取得企業は、今年3月末で190社。大手企業が主体であるが、韓国内での申請・取得が可能になると、中小企業の取得が容易になる。
住 宅建材の販売や建築を手がける、ゲーテハウス(本社=東京都中央区、川村敏之社長)は、昨年開発した水性防炎材「ゲーテbT」を用いた屋根工法がこのほど、建築基準法第22条第1項の市街地区域内にある建築物屋根の規定に適合するとして、防火防炎材としては初めて国土交通大臣から認定を受けた。

 「ゲーテbT」は日本環境研究所(本社=東京都渋谷区、足立清社長)と共同で開発し、主成分に被覆ポリ燐酸アンモニウム使った水性防炎材。揮発性有機溶剤などを一切使わず、公的試験でも人体に有毒なガスが発生しないことが認められている。また、無色透明で基材の素材感を失わず、変色もない。

 用途は、窓やドアなど木製全般のほか外壁材や屋根材、畳などの不燃・難燃化。それとともに、カーテンやカーペット、障子や襖など紙製品の防炎化がメーン。これまで「旧イタリア大使館 日光山荘」の杉材内外装や「高知国体プール」のルーバー防炎処理など、多数の現場で実績がある。今回「栃木ツインリンクもてぎ」で採用された「ゲーテbT」を施した屋根工法が大臣認定を受けた。

熊 谷組はこのほど、新井組、東洋建設、大木建設、三菱建設と共同で、山留め壁形鋼材を構造材として利用するATOMiK合成壁を開発、土水圧などの側圧荷重に抵抗する地下外壁として、日本建築総合試験所から建築技術性能証明を取得した。

 ATOMiK合成壁は、山留め壁応力負担材(H形鋼)と後打ちする鉄筋コンクリート壁を頭付きスタッドで一体化した合成構造による地下外壁。建物の地下外壁をATOMiK合成壁にすることにより、地下階の計画や地下工事の自由度が高まる。

 主な特徴は(1)後打ちRC壁の壁厚を従来より薄くできる(2)地下階利用空間の拡大が図れる(3)地下工事の際、敷地境界への近接度が緩和できる(4)山留め壁の応力負担材は構造部材として有効利用できる(5)山留め壁の種類として、地下水位が浅い場合に用いるソイルセメント壁、地下水位が深い場合に用いる親杭横矢板壁に適用できる。

 今後は、地下階を有する建物の地下外壁、あるいは免震層などピット形式の地下外壁にATOMiK合成壁を適用していく予定。また、開発会社5者の設計施工物件はもちろん、建築設計事務所の設計物件に対しても同構法の採用をVE提案していく。

 なお、ATOMiK合成壁は、開発会社の頭文字A(新井組)、T(東洋建設)、O(大木建設)、Mi(三菱建設)、K(熊谷組)を採用したネーミング。

東 京地区の異形棒鋼はメーカー減産が基調を引き締めるが、ゼネコンの安指し値が続き、ベース2万7000円どころでもみ合い商状。

 「極端にタイト化している」(細物メーカー首脳)状態で10月までは鉄筋加工業者の繁忙が続く見通し。出荷ベースの引き締まりが相場を下支えている。一方で新規物件の明細が集まらず、先行きの物件難が商社の不安感をあおっている。ゼネコンは資材調達の短期化が常態化し、小口当用買いの構え。商社には2万5000円台の提示も寄せられる。

 メーカーは輸出・減産の市況対策を継続し、9月販売での値上げを検討。しかし、関西市況の低迷が足を引っ張り、目先も同値圏推移が予見される。

東 京地区の冷延薄板は弱含み。定尺品の市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は、4万6000―4万7000円。

 輸入材の入着が減少したにもかかわらず、供給過剰が解消されない。需要減による在庫滞留が要因。小売業者は「いつでも手当てできるうえに、一部に極端な安値が出ている」と指摘する。9月以降も荷動きが戻るか不安感が強い。定尺品の価格は「売れ行きが悪いところで値下げしても意味がない」(販売業者)と現状維持の姿勢。ただ、コイルセンターでは、「熱延コイルとの価格差が極端に縮まっている」との声もあり、下値に引っ張られる状況が続きそうだ。

大 阪地区の厚板は引き合いが閑散としているものの、先行き、高炉メーカーが値上げする可能性が強まっている。これを受け、流通の販売はしっかりしてきており、市況は3万8000円(12ミリ厚の3×6幅)どころで強横ばい。国内メーカーは造船や大径管向けの明細が入り、ロールが埋まってきており、店売りの出荷を絞っている。

 地区の特約店も今年春から、申し込みを抑制しており、流通の入荷もここにきて減少している。ただ、需要は建築が大きく落ち込んでおり、機械も産機、建機ともに低調。在庫はシャー段階でも減ってきている。流通は徐々に販売を立て直しており、市況は強含み。