2001.08.31
新 日本製鉄は店売り熱延鋼板を7月出荷分からトン当たり3000円値上げしたのに続き、10月出荷から酸洗鋼板と冷延鋼板をそれぞれ3000円引き上げる。国際比価でみても異常な水準に落ち込んでいる鋼板の市場価格を是正、かつ新価格以下での受注を回避することで、店売り向けをカット、過剰在庫の圧縮を狙う意向だ。

 メーカーの市況対策は、需給調整を図りつつ価格を底上げするというのが伝統的手法だった。7月からの熱延値上げは、この旧来型の市況対策ではなく、メーカーにとって受注できる最低限の価格を定め、それ以下での受注を回避するという、後のない企業防衛的色彩の強い市況対策といえる。

 新日鉄によると、同社の7月の店売り向け熱延鋼板の契約量は「通常月の半分」と大きく減っている。価格下落に対する危機意識は各社とも共通していることで、熱延は「値上げ=受注減」で、在庫圧縮効果が上がりつつある。

 10月からの酸洗、冷延値上げは「熱延値上げとの整合性からして必要」(宮本盛規常務)との判断で、新日鉄はその後の状況をにらみつつ、表面処理鋼板についても値上げのタイミングを探ることにしている。

 また同社は造船向け、UO鋼管向け需要がおう盛で、ロールがタイト化している厚板についての店売り価格も、10月出荷分から3000円方値上げする意向だ。

住 友金属小倉(天谷雅俊社長)は30日、タイで冷間圧造用鋼線を製造・販売している子会社のスチールプロセシング(SP社)が、新たに磨棒鋼の製造・販売事業に進出すると発表した。タイの自動車生産が拡大し、日系部品メーカーのタイへの生産移管や現地調達化が加速し、磨棒鋼需要が増加しているため。設備投資金額は約7億円。今年9月に着工し、来年9月に営業生産を開始する。現在は日本からタイに磨棒鋼を月300トンほど輸出しているが、現地生産に切り替え、04年に現地で1200トンの生産を目標としている。

 タイには、多くの日系自動車メーカーや部品メーカーが進出し、SP社が位置するライオン県イースタンシーボード工業団地にはGMやフォード・モーターとマツダ合弁のAATなどアセンブリーメーカーや部品メーカーが拠点を配している。

 タイの自動車生産は96年のピーク59万台から97年の通貨危機で99年に20万台に落ち込んだが、00年40万台、01年予想50万台弱と回復。さらに現地調達化の動きが強まり、冷圧鋼線や磨棒鋼需要は増加している。住金小倉の推測では現在、タイの磨棒鋼需要は月間5000トン。04年には自動車生産が70万台強に伸び、磨棒鋼需要は10%増えるとみている。

 このため、住金小倉では、SP社で磨棒鋼の生産に取り組み、従来顧客への短納期でのデリバリーとともに、新規の顧客開拓を進める考え。本格軌道の04年には日本からの輸出300トンの約4倍、月産1200トンを計画。売上高は00年で4億4000万バーツ(B)だが、磨棒鋼と既存ワイヤの増産で04年に10億Bを見込んでいる。

神 戸製鋼所は30日、使用済み塩化ビニルのリサイクル技術「ビニループプロセス」に関して、ベルギーの大手化学メーカーのソルベイ社と日本国内への導入や商業化に向けた業務提携契約を締結したと発表した。今年度中にソルベイ社と連携して日本国内の塩ビ系廃棄物の調査などマーケティングを終え、同プロセスでの処理事業や設備販売などの方針を固めていく方針。

 ソルベイ社が開発した「ビニループプロセス」は、塩ビコンパウンド(成型用材料)を選択的に溶解する特殊有機溶媒(ケトン系溶剤)を使って、分離再生するもの。回収した塩ビの生産コストは、塩ビ含有率70―80%程度のものならバージン生産時の60%程度と経済性に優れているのが特徴。

 可塑剤やその他添加物などを含めて廃棄前と同等の物性や品質にリサイクルでき、再生塩ビコンパウンドもバージン品よりも低価格で市場に流通できる。また、使用する有機溶媒は環境負荷が少なく、プロセス内で100%回収できるクローズドシステムとなっている。

 プロセス的には、前処理した原料を溶解槽に投入し、塩ビコンパウンド分だけを溶解する。溶解されないほかの素材をフィルターでなどにより分離した上で、溶媒中の塩ビコンパウンドを沈殿析出させて回収するという諸ンプルなシステム。

鋼 材倶楽部が30日発表した7月の普通鋼鋼材在庫速報によると、国内在庫は613万9000トンで前月比1・4%減と2カ月連続で減少したものの、7カ月連続して600万トン台を上回るなど、いぜん高水準を続けている。国内在庫率は前月比2・2ポイント低下して125・6%。一方、輸出船待ち在庫は150万2000トンで同2・3%増と2カ月ぶりの増加となった。

 メーカー・問屋在庫は、764万1000トンで同0・7%減の微減ながら2カ月連続のマイナスとなった。このうち、メーカー在庫は606万トンで同比横ばいとなったが、問屋在庫は158万1000トンで同3・4%減と2カ月連続の減少。合計在庫率は前月比1・7ポイント減の116%。

 品種別にみると、前月比1万トン以上増加した品種は、鋼矢板が2万トン増の10万3000トン、鋼帯の幅600ミリ以上が5万9000トン増の202万2000トン、冷延電気鋼帯が1万3000トン増の13万1000トン。一方、1万トン以上減少した品種は、中小形形鋼1万4000トン減の13万9000トン、小形棒鋼5万4000トン減の57万3000トン、冷延広幅帯鋼4万7000トン減の72万1000トン、亜鉛メッキ鋼板2万9000トン減の130万6000トンとなった。
岡 部(本社=東京都墨田区、大野要社長)は29日、9月20日付で岡部建材大阪支社と小林産業(本社=大阪市、水垣浩社長)の建材担当部門を併合して、合弁会社「関西岡部梶i仮称)」を設立し、11月1日から営業を開始すると発表した。

 新会社(12月期決算)は、岡部ブランドの建材製品をはじめとして、関連他社商品の仕入れ・販売を行い、02年12月期で売上高37億円、03年12月期において売上高38億5000万円、経常利益2000万円を確保する。

 本社は東大阪市に設置し、資本金は5000万円(岡部51%、小林産業49%)。社長には杉尾嘉彦氏(岡部建材大阪支社長)が就任する。営業テリトリーは2府4県(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)で、従業員は約55人(岡部建材から34人、小林産業から21人)で構成される。

 両社は役員を相互派遣するなど、これまで業務提携関係にある。岡部では、仮設や型枠など建材関連製品に関して、ここ数年の工事量減少や販売競争激化によって苦戦を強いられており、合弁会社設立によって関西圏で岡部ブランド品の営業力再生を目指す。一方、小林産業では主力の鋲螺部門のほか、建材を除いた土木や構造製品の販売に経営資源を集中し、さらなる飛躍を図る方針だ。
日 本造船工業会は、8月段階で会員会社18社を対象に今年度下期の造船鋼材購入予定量のアンケート調査を実施しているが、中間段階での見通しでは、今年2月調査より2―3%増加するもよう。

 2月調査では、下期見込みトータル133万2666トンの購入予定で、このうち厚板が109万トンだった。今回の調査では厚板が110万トンを上回る見通し。これは手持ち工事が増加しているうえに、韓国の造船所の建造能力に余裕がなくなっているため、期近納期の物件が日本造船に発注され、ドックの回転率がアップしているのが影響している。 

 日本造船の1月から7月までの累計受注量は、808万総トンと昨年同期比43・8%の増加。昨年までの受注残をあわせると、ほぼ2年強の手持ち工事を確保した。 

 これを受け、大手の中には連続建造を再開して量的な対応を進める動きもある。この結果、下期の鋼材購入量はプラスに振れる可能性が強い。2月のアンケート調査では上期が137万885トン、下期が133万2666トンの購入予定となっていた。
ス チール缶リサイクル協会はこのほど、今年2月に実施したスチール缶の資源化に関するアンケート調査の結果をまとめた。全国694市区にアンケートを行い、564自治体が回答を寄せた。このうち95・0%がスチール缶の分別収集を実施していることが明らかになった。前年より3・8ポイントのアップで、自治体の分別回収は、ほぼ定着した。資源ごみとして回収する品目は、スチール缶が93・8%の自治体で実施。アルミ缶が94%で大きな変化はなかった。これに対し、PETボトルは前年の57・8%から70%へアップした。処理形態はプレス83%と圧倒的なシェア。丸缶が6・2%、シュレッダーが4・7%。

 今年の調査は、全国の671市と東京23区を対処に実施。回答率81・3%。人口で9016万人。資源ごみの分別収集を全域で行っている自治体は95%。全国で8650万人が分別回収エリアに含まれることが明らかになった。部分的実施が3・0%、未実施が2・0%、未実施は前年が3・1%であるため、1・1ポイントの改善。

 資源ごみとしての収集対象はスチール缶、アルミ缶、びんは90%以上の高率。金属類(なべ・釜など)は前年の38・6%から36・2%へ低下した。スクラップ市況の低下で、払い下げに支障が出てきたためと見られている。PETボトルは、前年57・8%から70%へ大きく回収対象としている自治体が増加した。

川 鉄コンテイナー(本社=伊丹市荒牧、近藤徹社長)は今年10月1日、18リットル缶事業を分割、関係会社の伊丹企業を承継企業とし事業を再構築、伊丹企業(本社=伊丹市北河原)の社名も川鉄製缶に改めるが、これに伴い、川鉄製缶の資本金を4200万円増資し、8000万円とする。増資は川鉄コンテイナーが全額引き受ける。今回の事業の再構築により、川鉄製缶の売り上げ規模は年間40億円程度となる。

 川鉄コンテイナーはこれまで、18リットル缶事業部門の収益改善を目指しコスト削減に取り組んできたが、18リットル缶業界の競争は激しいことから、分割方式での事業の再構築を決めた。

 具体的には川鉄コンテイナーが18リットル事業を分割、関係会社の伊丹企業が承継会社として吸収する。これに伴い、伊丹企業は10月1日で社名を川鉄製缶に変更する。また、伊丹企業は分割に際して、普通株式8万4000株(4200万円)を発行、資本金を8000万円とする。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は弱含み。市中価格は5万3000―5万4000円(熱延下地)、6万3000―6万4000円(冷延下地)。

 定尺品は相変わらず荷動きが悪い。建材の不振が響いているようで、9月以降についても小売業者の期待感は薄い。価格は値上げが打ち出された熱延(黒皮)でさえ、浸透が難しい状況下で安値に流されやすい状態。

 コイルセンターの7月の入荷は減少しているが、出荷も6月に比べて減少し、在庫はほぼ横ばいで推移。需要業界では電機関連を中心に業績の下方修正が伝えられ、今後さらなるコストダウン方針が市況の圧力となる可能性もある。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万5000―5万6000円、BCR6万5000―6万6000円中心の弱含み横ばい。

 中小物件の減少と、僚品H形鋼の横ばい基調から、小口短納期が続く。与信不安に基づくファブリケーターへの選別受注や、流通の保有する加工納期の受注残が1―3日と短いことによる、稼働率維持のための量の確保の必要から、安値で折り合う動きもある。

 中小物件を対象とするMクラスのファブリケーターの工場山積み量は2カ月前後と短く、秋需も見込めないため、当面弱含み。

大 阪地区の中板市況は地区の扱い業者が1000円程度唱えを引き上げてきており、市況は2万9000―3万円(トン当たり、3・2ミリ厚の3×6幅)どころで強含み。

 高炉メーカーの値上げした製品が来月から、コイルセンターに入荷してくる方向にある。供給数量自体は高炉メーカー各社ともに削減してきている。コイルセンターの在庫も7月以降は確実に減少してきている。一方、需要は建築が低調で、機械、業務用車両関係も落ち込んでいる。ただ、地方筋の在庫が少なく、今後は仮需が出てくる可能性がある。

 流通は採算確保に真剣になってきており、今後、段階的に唱えを引き上げる方向だ。当面、市況は強含みで推移する見通し。