2001.09.04
新 日本製鉄は、東京競馬場スタンド改築第T期工事でNEW―PWSのカラーポリエチレンケーブル30トンを初受注した。改正建築基準法37条に対応した国土交通省大臣認定取得後の初受注物件で、東京製綱土浦工場で製作して10月に納入の予定。同社では、ケーブル事業の建築分野強化を打ち出しており、今後はさらなるコストダウンや新規メニュー拡充を図り、橋梁分野での適用にも本格的に取り組んでいく方針。

 同工事は、JRAが計画する東京競馬場の屋根拡張プロジェクトで、ケーブル採用でプレファブ化による一括架設で工期短縮を狙うもの。全体の工期は2000年11月に着工、2002年11月竣工予定。

 同社はケーブル製作を担当、スタンドの吊材として東京製綱土浦工場でケーブルを製作出荷して10月に納入する。今回納入する30トンにはグレーのカラーリングで、着色費用が従来の2分の1のコストダウンが高く評価されたもの。

 カラーポリエチレンケーブルは、紫外線カットや防食機能など耐候性維持や景観や高い意匠性が求められる物件向けに開発された。従来はカラーにするには、黒ポリエチレンの上にカラー被膜していたため、着色時に10―20%のコストアップとなっていた。同社はこうした点に着目して、独自開発したダイレクトカラー被膜で50%のコストダウンに成功、今回初採用となった。

新 日本製鉄および韓国の浦項綜合製鉄(POSCO)は3日、昨年8月に締結した戦略的提携契約が技術開発、原資材購買、ITなどの各方面において経営統合に匹敵する成果を生み出し得るものであると認識するに至ったと発表した。両社は今後、相互に独立した経営活動を展開しながら、部門ごとの緊密な協力関係を構築することで、提携のシナジー効果を創出していく。

 両社によると新日鉄の千速晃社長とPOSCOの劉常夫会長は3日、韓国で会談。戦略的提携の初年度の取り組みが満足できるものであるとの共通認識を確認するとともに、協力関係の強化によって、より多くのシナジー効果を創出するために努力していくことで合意した。

 世界の鉄鋼業界、鉄鉱石、自動車業界の統合・再編が具体化するなど経営環境が大きく変化する中で、互いの競争力アップと鉄鋼業の発展を目的に両社は昨年8月、株式相互保有を含めた戦略的な提携契約を締結した。

 株式相互保有については、新日鉄がPOSCO株式3%を取得。POSCOは新日鉄の株式1・06%を取得済みで、来年年初をメドに、新日鉄のPOSCO株式購入額規模への追加取得を計画している。

 提携の具体化に向けて両社は、副社長級を共同議長とする推進委員会を設置。その下部組織として技術・研究開発、原料購買、資機材購買の3専門委員会、人事・労政、情報システム・IT、eコマース、エンジニアリングなど6検討会を設け、協力内容の策定を推進してきた。

住 友商事が持つ、アジア地区の線材加工拠点が回復基調に乗ってきた。タイのタイ・スペシャルワイヤ(TSW)は新規のバネ線が軌道に乗り、月間生産量は前年比25%増の1500トンに拡大。広州の住電鋼線製品有限公司(SWPG)は、PC鋼棒からステンレス製バネ線に特化し伸長。インドネシアのスミデン・セラシ・ワイヤプロダクト(SSWP)は内需は低調だが、輸出増でカバーしている。各社、高付加価値路線に転換し、97年の通貨危機で打たれた後遺症から立ち直ってきた。

 TSWは、新日本製鉄系鋼線メーカーの鈴木金属工業との合弁で74年に設立した。資本金1億6000万バーツで住商の出資比率は74%。PC鋼線・鋼より線を中心に製造・販売しているが、97年のバーツ危機から国内インフラが立ち後れ、ピーク96年の月産4000トンが00年には1200トンに下落した。

 ただ、国内の自動車メーカーが輸出シフトで生産を増やし、今年は年産40万台ペース(99年20万台)に回復。日系家電メーカーの進出から家電需要も伸び、部品産業は活気を取り戻している。これを受け、TSWは家電用やシャッター用のバネ線に着手し、現在月間200―300トンに成長、全体で1500トンにまで増やしている。

 広州のSWPGは、94年の設立。住友電気工業との合弁で資本金は5190万元、20%の出資。PC鋼棒主体だったが、マーケット環境が振るわず、00年からステンレス製ばね線に特化した。OA機器向けなどに集中し生産量は伸びている。

 ジャカルタのSSWPは、住友電気と90年に設立し資本金3600万ドル、25%出資。PC鋼線を主力にタイヤコード、ビードワイヤ、めっき線を生産。97年の通貨危機以降、インフラ整備が滞り、輸出に振り分けている。台湾の新幹線向けなどで月間5000トンの生産量を維持し、収益は均衡。
イ ンドのステンレス製造企業は、日本など4カ国のステンレス冷延鋼板をアンチ・ダンピング(AD)提訴、同国政府はこのほどAD調査を開始した。被提訴国は日本のほか、米国、カナダ、欧州連合(EU)の4カ国・地域で調査対象期間は2000年4月1日から同年12月31日までの9カ月間となっている。インドの99年度ステンレス冷延鋼板輸入量は合計で3万1000トン強に達し、このうち日本からは1500トンレベルが輸入されているという。01年の日本からの対インド輸出量も四半期ベースで400―500トンペースにとどまっている。

 業界情報によると、AD調査は8月22日付で、インド・商務省のAD・関連税担当局長銘による調査表が日新製鋼、川崎製鉄など国内ステンレスメーカー数社に送付、通知された。3日午後の段階でインド政府から経済産業省への通知は実施されていないという。

 AD提訴の対象品目は、ステンレス冷延鋼板(600ミリ幅以上)で、提訴企業はインド最大のステンレスメーカーであるジンダル・ストリップ・リミテッドなど。
浦 項綜合製鉄(POSCO)は31日、1000億ウォン(7849万ドル)を投じて80キロ級の厚板を開発する方針を明らかにした。国家プロジェクト「ハイパーズ―21」を通じて2段階の開発を進めており、既に開発した60キロ級の厚板を間もなく市場に投入する方針だ。

 第1段階は98年から2002年までで、商務、産業、エネルギー省が126億ウォンを出し、POSCOの資金と合わせて300億ウォンで開発を進めている。2003―07年の第2段階では700億ウォン規模になる。

 第1弾では、クロム、モリブデン、ニッケルの当量を減らすことで、強度が1平方ミリメートル当たり60キログラムの建設用厚板を開発。また窒素を3倍以上使って溶接性を高めた厚板も開発した。

 第2弾では、2007年までに80キロ鋼の厚板を開発する。需要は年間88万トンと見ており、高強度鋼材は2010年以降、年間で1500億ウォンの利益をもたらす見込みだ。

 日本はSTX―21計画に600億円を投じて2006年までに建設用高強度鋼材を開発する。また、鋼材や非鉄金属の強度を高める、150億円のスーパーメタル計画を持つ。米国はアドバンスド・テクノロジー計画を進めており、フランスはキー・テクノロジー計画を支援している。

小 棒細物メーカーの大手、岸和田製鋼(鞠子重孝社長)は9月契約からの小棒販価の1000円上げに全力を挙げる。8月契約は月末で完全に打ち切っており、「9月は売れないぐらいの覚悟」で、値上げ浸透に不退転の姿勢で臨む。

 同社は従来の電炉2基を省エネ型1基にリプレースする電炉更新工事を進めており、同工事に沿い7月23日以降、既存電炉1基の停止、撤去による片肺操業に入っている。これにより製鋼は月間3万トンを下回るレベルとなり、製鋼減は外部からのビレット購入分でカバーする体制。

 7―8月の圧延レベルでの実質生産量は「需要見合いの生産に徹する」方針のもと、ここ2、3年で最低水準の月間3万7000トンどころにとどめたが、9月以降も同方針を堅持する。関西メーカーでは原料の鉄スクラップ価格の下げ止まりもあり、採算的に危険水域に入ったため、各社、9月契約から値戻しに取り組む動きをみせている。
ス クラップ業者のイワオ(本社=京都府八幡市、巖光一社長)は本社工場内に関西初となる「シュレッダーダスト・減容固化施設」を完成、これに伴い2日、取引関係者など80人を集め竣工披露を行った。同施設は廃自動車の破砕処理後に発生するシュレッダーダストを減容固形燃料化するもので、自社での再資源化体制が整った。

 同施設は隣接するシュレッダー設備で廃自動車を破砕処理したときに発生するシュレッダーダストを減容固形化するもので、設計・施工は栗本鉄工所が行った。最大処理能力は月間1500トン(1日8時間稼働)。現在、シュレッダー設備での廃自動車の破砕処理量は月間3000トンで、ここから発生するダスト900トンを減容固形化している。これまでは外部委託により埋め立て処分してきたが、減容固形燃料化することにより、燃料資源としての再利用が可能になった。

 同社は1970年に創業し、京都・大阪地区のディーラー、中古車販売店、整備事業所から集めた廃自動車の処理を主な業務としている。集荷した廃自動車はまず手作業でドア、シート、ハンドルなど再使用できる部分を取り出した後、クレーンなどを使って解体し、エンジンやバッテリーを取り出す。解体後に残った混合物はシュレッダー設備で破砕処理し、金属類とダストに選別。選別回収した金属類は製鋼原料として関西地区の電炉メーカーへ納入、ダストは新施設により減容固形化する。

清 水建設はこのほど、制震ダンパーの最適な設置量を、企画・基本設計段階から迅速に算出できる設計支援システムを開発し、実用化した。システムは、設計の各段階で建物の基本データ、ダンパーの使用条件・種類、各階の許容可能な変形量の3項目を入力するだけで、ダンパーの最適な設置量を迅速に算出できる。

 同システムの最大の特徴は、目標耐震性能をもとに設定した各階の許容可能な変形量から、ダンパーの最適な設置量が算出できること。このほか、(1)制震ダンパーの最適な設置量の検討を行う場合、従来は作業に数日を要していたものが、半日程度に短縮され、設計の各段階で迅速な検討・提案が可能(2)企画・基本設計段階から、発注者のさまざまな要望を取り入れながら、ダンパーの最適な設置量を的確に検討・提案できる―などのメリットがある。

 同社は今後、制震ダンパーの適用を検討する中高層建物を中心に、各種建物の発注者に対し、同システムを用いた検討・提案を行っていく計画だ。

東 京地区の厚板は底値横ばい。市中価格(12ミリ、ベースサイズ)は3万9000―4万円中心。建築需要は、首都圏の大型物件以外の中小鉄骨が低迷している。ヒモ付き取引の多い橋梁、建機産機なども下半期の需要には期待できない。高炉メーカーは海外鋼管プロジェクト関連の厚板需要でロールがタイトとなっているが、市中の在庫調整は遅れ気味。

 中小溶断業者の稼働状況には格差があり、全体的には不透明感が強い。まだ母材の商いが活発化する気配はなく、定尺品を含めて価格維持の状況が続く見通し。熱延コイルの値上げ進展にも注目が集まる。輸入材の入着は7月3万トンを下回り、極端な低水準。

東 京地区のSUS304系ベースサイズがトン当たり22万円、SUS430系が同17万円を中心に弱含み。

 ある大手問屋の8月の扱い量は「7月より悪化する傾向。良くて横ばいではないか」(営業担当)。4月以降、荷動き低迷が続きジリジリと押し込まれている。これは市場全体に言えることで、流通在庫の調整も進展していないことから、販価は7月と比べトン当たり5000円ほど値を下げた。

 食品用加工機器と関東地区の建築需要が堅調に推移しているというプラスの見方もあるが、全体的に需要は低迷。秋以降も需要動向に確たる見通しが立てにくい状況。

 目先、弱含み横ばい推移の見込み。

大 阪地区のコラムはベース5万1000―5万2000円どころで弱含み。建築需要の不振を受けて、市中の荷動きは極めて低調。需要期入りした7月の流通出荷量は若干増加したが、先月は稼働日数の減少もあって、再び減少。加工流通の加工納期も一時期の4―5日から2―3日程度に縮んだうえ、「さらに引き合いが小口化している」(特約店筋)という。

 また、僚品のH形鋼が盆明け以降、値下がりを続けているため、市況はこれにつられる形で弱含みに推移している。

 ただ、市中在庫はメーカーの減産効果もあって、適正水準で推移。このため、一部流通では「これ以上下げ余地はない」との見方もある。