2001.09.11
神 戸製鋼所と日本アイ・ビー・エムは10日、IT戦略および事業の強化に向けた包括的提携に関して、7日に基本合意に達したと発表した。提携の内容は、神戸製鋼が情報システムの開発・保守・運用業務を日本アイ・ビー・エムに委託(アウトソーシング、10年間約700億円)して、既存情報システムを最新の戦略システムに更新する。これに伴い、同社では、先端IT技術の供与を受けながら情報システム費用の低減を追求する。

 また、日本アイ・ビー・エムは、神戸製鋼の関連会社であるコベルコシステム(本社=神戸市、田宮進社長)に資本参加(51%)してアウトソーシングを遂行するとともに、コベルコシステムのサービス事業、特に外販事業の強化・拡大を神戸製鋼、コベルコシステムと協同で推進していく。

 提携は神戸製鋼単体でスタートし、半年から1年後にグループ各社を順次組み入れていく計画で、グループ全体のIT適用を推進し、グループ経営の強化を図る。

財 務体質改善策の柱として、高炉各社がここ数年進めてきた有利子負債残削減ペースが、01年度は川鉄を除き低下する見通しである。高炉の今年度の収益見通しが大幅下方修正されたことに伴うもので、経営環境の改善時期が遅れる公算が大きいなか、今年度下期から来年度にかけての有利子負債削減状況は、各社それぞれの財務事情により、格差がつく可能性が強い。

 新日鉄と住金は今年度上期で有利子負債残高が逆に増加する見通しだ。新日鉄は今年3月末の2兆1017億円が2兆1500億円程度に約480億円、住金は1兆7806億円から1兆8200億円程度に約400億円増加する。

 高炉6社のなかで有利子負債の削減が順調なのは川鉄で、同社の今年3月末現在の残高1兆2800億円は来年3月末までに1兆300億円に、2500億円削減される見通し。同社は第2次中期経営計画で、今年3月末の連結残高を1兆300億円程度に圧縮(3カ年で4300億円)する目標を設定しているが、実績見込みはこの目標を2700億円程度上回る。

 NKKの連結有利子負債残高は今年3月末の1兆3191億円。この9月末に1兆2400億円、02年3月末に1兆2000億円に減り、年間の削減額は1200億円弱が見込まれている。神鋼の今年3月末の連結有利子負債残高は1兆1954億円。これが9月末に420億円強圧縮されて、1兆1530億円程度となる。日新は今年3月末の連結有利子負債残高2354億円を上期で24億円程度削減、9月末で約2330億円とする。

川 崎製鉄プラントエンジニアリング事業部は、2001年度受注高160億―170億円、売上高130億円の通期見通しを明らかにした。世界的に低調な製鉄機械マーケットのなかで、中国を軸に韓国や台湾などアアジア地域をターゲットに付加価値の高いソリューション事業を展開。今後、NKKとの事業統合も視野に入れ、調達力を含めたコストダウンを推進し、売上高経常利益率を4―5%に引き上げるなど、競争力強化を図る方針。

 同事業部では、00年度、大規模プロジェクトの延期など環境悪化を背景に受注高119億円、売上高113億円と低調な結果に終わった。01年度も厳しい状況だが、宝山など中国マーケットをターゲットに、受注高160億―170億円、売上高130億円を目指す。

 プロジェクト自体の縮小や減少に加えて、日本メーカーは欧州メーカーとのコスト競争力による逸注が続いていることを踏まえ、現状、1%程度に落ち込んでいる売上高経常利益率を4ー5%に引き上げるなど調達力強化を徹底。さらに欧州メーカーとのコスト分析を推進、見積スキルの向上など、コストダウンの一層の強化を図る。。

 また、鉄事業との連携強化により、センサーや測定技術など設計時に技術を織り込んだ提案やユーザー満足度などに応えられるような事業展開を推進。自動車戦略など海外鉄鋼メーカーとのアライアンス戦略にも歩調を合わせていくという。
住 金物産は電炉製品の拡販に乗り出す。東日本地区で、形鋼製品はファブリケーター(鉄骨加工業者)への取り組みを強化することで需要の落ち込みをカバー、小棒は取引拡大で扱い数量を50%近く増やす。電炉製品を拡販することで、原料取引をサポートすると同時に、ゼネコン(総合建設業者)やメーカーとの互恵関係の拡充にもつなげる。

 東京建設建材部の年商は350億―400億円の規模。このうちの半分近い150億―170億円が鉄骨工事で占める。住友金属工業との共同事業が主力だが、独自の部分が年間60億―70億円といった内容。工事化を図るなかで、住金との共同事業と独自の部分との両方を平行して取り組んでいる。

 東日本地区では東北、東関東、新潟、北陸の4支店の売上高が約300億円で、このうち半分を建材で占める。地方のファブは東京の首都圏物件に関心が高く、これにかかわる業務も多い。このため、独自の業務と地方支店の建材部門を一元化して強化する。

 両者を総合すれば200億円を超える商権となることから、齟齬(そご)を防いで情報の相互利用につなげ、リスクをヘッジ、営業に結びつけ、公共工事削減の環境悪化のなかで、事業収益の維持を図る。母材となるH形鋼は住金系列の住金スチール、東京製鉄などが中心で、電炉製品の拡販となる。
川 鉄商事テールアルメ営業本部(本部長=山本茂樹取締役)は10日、日本初となるテールアルメ(フラットバー<リブ付帯鋼>を層状に埋め込み盛土を補強する工法)の総合情報サイト「テールアルメドットコム」を開設したと発表。年末までに会員登録数3万人を目指す。

 同サイトはテールアルメに関する各種情報を、同社、同社の販売

組織である「川商TA販売店会」(加盟社、約120社)、サイト利用者の3者間で共有し、迅速かつ充実した技術サービスの提供を行うことが狙い。

 サイト内は会員専用ページ(登録無料)と基本情報提供ページで構成される。会員専用ページでは、「Web設計室」で設計検討から概算工事費をシミュレーションできるほか、施行実績の詳細や写真、図面を閲覧・出力できる。

 基本情報提供ページは、テールアルメの概要や施行方法、用途別の施行事例、関連する用語説明など、予備知識がない人にも理解できる内容となっている。

 現在、ビジネスモデルを特許申請中で、すでに同サイトを活用したWeb営業の実務者研修会を実施。8月28日には、東京で東日本の販売店会担当者が70人ほど集まった。今後11月上旬までに、西日本地区でも研修会を開催する予定。

東 京製綱は、10月1日付で子会社の東綱商事を吸収合併し、これを機に組織体制を再構築する。商事との販売業務を統合し、営業部門および管理部門での効率化を図る。また、本社組織では、営業本部を廃止し事業部制を導入、各セクションの責任体制を明確化する。合併による合理化効果を期待するが、要員の適正配置などは本社で現在進行中の改善計画と並行して進められ、年内には計画の全容が固まる見通しだ。

 経営資源の効率化と市場競争力の強化を目的に業務を統合する。鋼索鋼線部門では、商事は小口ユーザーへの営業を得意としているが、本社部門に取り込むことで効率的な営業展開を進める考え。

 合併を機に、組織も改編する。従来は営業本部の下に各製品の営業部を配置していたが、事業部制に変え、鋼索鋼線事業部、スチールコード事業部、エンジニアリング事業部とし、これに東綱商事で手がけていた石油や産業機械を扱う機材エネルギー事業部を設けた。

 また、商事の保険・不動産部門は総務部内に保険・不動産グループとして組み入れ、技術関係部門も各事業部に取り込み融合。このほか、設備管理部内にTPM・計画値グループを新たに設置し、数値管理の徹底化を進める方針。
関 東地区の細物小棒出荷のタイト感は年内は続きそうだ。一部メーカ−では10月の輸出成約を決めているが、米国からは12月積み分の引き合いが寄せられ、国内出荷は当面絞られる見通し。国内では首都圏の再開発工事やマンション建築が活況で、鉄筋加工業者は7月から繁忙状態にある。メーカー各社は需給のひっ迫を追い風に価格改善を進めるが、ゼネコンの安指し値と他地区市況の低迷など懸念材料が頭をもたげる。関東の需給関係以上にマクロの経済不安の影響が大きく、タイト感が市況上伸に結びつく動きは、まだみられない。

 日本の輸出に対し、米国が通商法201条の発動に向け調査に乗り出しているが、国内のメーカー、商社では「(発動は)2、3月の見込みで、12月出荷までは可能」とみている。

 関東では、今年2月から関東スチールが輸出に取り組み、順次他メーカーも開始した。7月以降、月間2万―2万5000トン輸出され、国内出荷の抑制につながっている。

 このため、メーカーの夏季減産が本格化した7月後半からタイト感が芽生え、9月入り後もタイトな状態が続いている。鉄筋加工業者では人手が足りず、「超繁忙状態」(商社)。9月に入ってから、各ビル物件が基礎工事から上層への工事に移っており、ベースおよび細物の使用が増え始めている。

東 京製鉄(池谷正成社長)はこのほど、三重県四日市市の四日市港に新中継ヤード(三興倉庫、三重県四日市市河原田町字溝東1077―1)を開設した。これまで形鋼類の中継ヤードとして使っていた丸太運輸・名古屋港物流センター(愛知県海部郡飛島村金岡15)の閉鎖に伴う措置で、陸送業務は山九・四日市事業所が担当する。

 丸太運輸・名古屋物流センター(敷地面積3万4574平方メートル)は東京製鉄をはじめエヌケーケー条鋼、大阪製鉄などの電炉メーカー数社が名古屋地区への中継地として使用していた。

 しかし、地権者である三菱商事が資産見直しの一環として転用・売却などを計画し、丸太側に閉鎖を求めていた。

東 京地区の縞板は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円中心。

 需要は建築の民間非住宅が低迷し、中規模の物件が少ない。8月の販売量は「締めてみると7月より少し良かった」(小売業者)との声も聞かれるが、8月下旬から9月にかけて動きが鈍くなったという。

 価格はスポットの定尺販売については据え置きとしているが、全体の注文が落ちているため高値は通りにくい状態。ただ、小口注文を中心に「底辺の部分で仕事量はあるため、焦って値段を下げたくない」(同)として市況維持を図る考え。供給過剰感は小さく、目先も横ばいか。

東 京地区の一般構造用鋼管(STK400、48・6×2・3ミリ)はトン5万2000―5万3000円で弱含み横ばい。

 建築、産業機械業界の低調さを受け、市場の荷動きにも活発さは見られない。9月の扱い量も8月とほぼ同レベルの推移を続けており、「当面はこの状態だろう」(問屋営業)とは関係者の声。ただ、ユーザー側の価格下げ圧力は恒常化しており、これに流通側もジワジワと押され気味。このため中心値は5万3000円のなかにも、5万2000円が散見し始めている。上半期を控え、メーカー側がどのような価格戦略をとるかが注目されるところ。

 目先、弱含み横ばいの見込み。

大 阪地区のH形鋼はベース3万円どころで弱含み。

 市中の荷動きは相変わらず低調で、秋需も不振。流通出庫も伸び悩んでおり、7―9月の出庫量は前年比15%程度落ち込む見通し。

 このため、流通の売り腰は引き続き弱く、安値対応が散見。一部、持ち込み販売を置き場換算すると、大台の3万円を割り込み、2万円台が実勢化しているのが現状だ。

 一方、ときわ会在庫は2月以降5カ月連続で減少。8月実績はほぼ横ばいの感触で、引き続き低位で推移する見通し。

 メーカーは今月も減産強化で対応するものの、市中への効果は薄く、市況は当面、横ばいで推移しよう。