2001.09.28
経 済産業省は27日、2001年度第3・四半期(10―12月)鋼材需要見通しを発表、鋼材需要を2312万トン(前期比23万トン、1%減、前年同期比90万トン、3・7%減)とし、これに伴う出荷等相当の粗鋼需要量を2480万トン(同98万トン、3・8%減、同258万トン、9・4%減)と策定した。土木など季節的要因から国内需要は前期を上回るものの、需要基調としては景気低迷から減少傾向にあるほか、過剰感の強い在庫量を加味して、粗鋼は大幅に絞り込まれる。99年度第2四半期以来の2500万トン割れとなる。

 第2四半期の粗鋼生産実績見込みは2578トン(同2・3%減、同4・3%減)となり、需要見通し通り推移すると、2000暦年の粗鋼生産量は1億281万トン(前年比3・4%減)で3年ぶりに減少。また、01年度ベースでは第3四半期までの累計は7696万トン(前年度同期比5・1%減)に達する。

 第3四半期の需要見通しについて経済省は9月末の普通鋼メーカー・問屋在庫見込みが730万トン、在庫率1・11カ月と高く、特に国内在庫は607万9000トン、在庫率1・26カ月と依然600万トンを超える水準にあることを指摘。12月末までに国内在庫を約70万トン減の537万トンレベルに圧縮する必要があると分析。「競争力強化の観点から、減少傾向にある需要基調を勘案、年換算で1億トンを切るペースとすることは重要」(半田力鉄鋼課長)とし、慎重な生産対応をにらんだ鉄鋼各社の経営判断を注視していく考えだ。また、米国での同時多発テロ事件の影響については「米国での自動車販売など今後の見直しもあり得るが、厳しい生産対応を織り込んでいるため、現段階では影響が大きいとは思わない」(同)との見方だ。

N KKと鋼管鉱業は、高炉出銑時に発生する水砕スラグを海底覆砂材向けに適用する技術を世界で初めて確立、国土交通省中国整備局が発注した「中海浄化覆砂工事」で5万4000トン採用された。天然砂の使用規制が進むなかで、覆砂材の潜在ニーズは全国で10億平方メートルあると見られるが、同社では年間約340万トン発生する高炉水砕スラグの覆砂材としての適用を提案強化していく方針。

 高炉水砕スラグは、高炉出銑時に発生するシリカやアルミナなどで構成される砂状物質。水中植物に必要な栄養素であるケイ酸塩を含むなど、ケイ藻類の繁殖を促進して生物の生息しやすい環境を整える働きを持つ。

 海底にたまるヘドロなどの覆砂材として活用することで、リン酸塩や窒素酸化物、硫化水素の溶出を抑制。有機物による海底の溶存酸素の消費を低減できる。

 水砕スラグは福山製鉄所から出荷し、ガット船で静かに水中に投下、GPSなどを活用して15センチメートル以上の厚さで覆砂する。これにより海底のペーハー値を8・5程度の弱アルカリに保ち、硫化水素などの発生自体も抑えることが可能となる。

 現在、特許申請中で、販売価格は、ローカルコンディションに合わせて「現地での山砂や海砂と同程度で購入してもらう」(担当者)という。現状、7割を高炉セメント、2―3割を土木用路盤材向けなどで活用している水砕スラグだが、今後はコスト比較で覆砂材の比率拡大も狙う。

大 同特殊鋼は構造用鋼の店売り向け受注引受量を11月積み(9月契約、10月ロール)から3カ月間、今年度上期対比で30%減産する。これまで産業機械、建設機械など構造用鋼需要が低迷、さらにここへきて国内販売が堅調だった自動車も減少傾向に転じた。店売り、倉入れヒモ付き向け問屋在庫量は問屋への販売抑制で対応してきたが、一段と過剰感が強まる公算が大きいことから、30%減産が必要と判断した。

 11月積みからの3カ月間店売り向け減産を実施することによって、短期間で在庫調整を進展させ、早期の需要環境の改善を図りたい考えだ。

 構造用鋼の在庫量は関東、関西、中部といずれも増加。在庫率は関東では12月末の1・9カ月レベルが現在は2・5カ月に上昇、関西では2・3カ月が2・7カ月水準に達している。そのまま不振が続けば市況への影響も懸念され、早い段階で昨年12月末の適正水準にまで戻し過剰感を解消、適正化を目指す。

住 友金属工業、住友商事などがサウジアラビアで大径鋼管の製造販売を行う合弁会社、ナショナル・パイプ社(NPC)の、ストレートシーム溶接の大径厚肉鋼管製造工場が9月から商業生産を開始した。現在生産しているのは、現地のアラムコ社(サウジアラビア国営石油会社)向けガス開発プロジェクト用鋼管の一部であり、さらに同社からの油田増強プロジェクト用鋼管約5万トン程度の引き合いに対して、NPC社では受注活動中だ。

 今回の建設コストは約5000万ドル。天然ガスパイプライン用大径鋼管として、スリーロールベンダーと拡管プロセスを組み合わせたストレートシーム鋼管製造で、年間18万トンの製造能力を有する。材料は厚板。外径24―60インチ、肉厚0・25―1・2インチ。

 サウジアラビアでは人口の増大に対応するため、政府が国内発電所向けの燃料資源として天然ガス田を開発中で、すでに3基を立ち上げ、今後20年間で7基を追加。1基当たり25万―30万トンの大径鋼管の需要が見込まれている。発電用の非随伴ガスに使用される特殊スペックの大径鋼管に対応するため、NPC社では設備を増強した。
新 日本製鉄は、10―12月の普通線材生産を4―6月に比べ20%削減する。建設・土木向けが主体となる鉄線、くぎなど普通線材製品の出荷が減少し、製品市況も下落基調にあることから、材料供給を絞り需給改善を進める考え。新日鉄では昨年夏から10%減産に取り組んでおり、昨年上期に比べ30%近い減産幅となる。市況動向を見極めつつ、年明け以降の線材値上げも視野に入れている。

 普線需要は建設・土木が中心となるが、建設関連は非住宅着工面積が今年1月から前年比2割前後の減少で推移。公共土木関連も低調で、鉄線を使用するコンクリート2次製品生産は、1―6月で道路用製品が同3・2%減、ヒューム管が同15・1%減と需要環境は冷え込んでいる。

 全国の国内向け普線生産は1―6月で同10%減、7月は同20%強の減少となった。新日鉄では今年上期(1―6月)の生産が前年同期に比べ2割弱落ち込み、現在月産2万―2万1000トン(バーインコイルは除く)と低迷している。

 線材を加工する針金やくぎなどの製品も需要減、受注競争で数量、価格とも下落。このため、新日鉄では材料の供給量を制限することで製品需給を引き締め、市況を下支える方針。また、昨年夏に材料値上げを行ったが、一部値下がりしたものもあるため、環境を整えた後に値戻しに向かう。

日 新製鋼は26日、東予製造所で環境管理システム「ISO14001」の認証を9月20日付で取得したと発表した。今回の取得により、生産活動を行っているすべての事業所(7事業所)での取得が完了した。

 東予製造所は、00年6月に本格稼働を開始し、各種冷延・表面処理鋼板を製造している。特に、主力製品の亜鉛―アルミ―マグネシウム系溶融めっき鋼板「ZAM(ザム)」は、従来の亜鉛系の10―20倍、亜鉛―5%アルミ系の5―8倍の耐食性を有し、長寿命化による廃棄物量の削減・省資源・省エネルギーや、成形加工後のめっきの省工程に役立ち、環境保全に貢献している。

三 星商事(大阪市西区川口3―1―20、山本角夫社長)は、10月1日付で神戸営業所を姫路営業所に統合、同時に姫路営業所の名称を兵庫営業所と改称し新たなスタートを切る。姫路営業所は今年3月、姫路市飾磨区溝に移転・リニューアルし、事務所・倉庫面積を2倍に増強して営業力強化を図った。今回、この姫路営業所に神戸営業所を統合、より一層業務効率化、収益力強化を図るというもの。

 同社は中山製鋼所グループの流通部門として、線材製品、亜鉛鉄板、建築資材、塩ビ製品などを扱っている。北海道から九州まで全国的ネットワークを持ち、地域密着型の小口即納体制を特徴として業績を拡大している。

 現在、今年度を最終年度とする中期計画を推進中で、全国的に営業所の見直し、収益力強化策を進めている。昨年には浜松営業所をリニューアル、建屋新築、倉庫面積の倍増を行ったほか、今年に入って姫路営業所のリニューアル、京都営業所・綾部営業所の統合、6月には熊本営業所新設などを行っている。

 今回の姫路・神戸営業所統合はこれに続くもので、名称も兵庫営業所に改称、新体制で営業展開を図る。新兵庫営業所は、阪神・中国地区の中間点にあたり、幹線道路である姫路バイパス(国道2号線)にほど近いところに位置する。リニューアルにより倉庫面積を倍増、在庫能力、在庫品種の拡大を推進、営業力の強化を図った。

日 本鉄リサイクル工業会(会長=鈴木孝雄・鈴徳社長)は、環境相の諮問機関である中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会の中間報告に対し、同工業会の意見をまとめた。意見書では解体事業者、プレス事業者の役割分担について指摘。中間報告には、解体事業者は各種オイル、冷却液、バッテリー等の選別をすると規定しているが、事前選別ガイドラインで安定型処分が可能とされた窓ガラス、バンパー、タイヤの取り外しも求めた。

 また、取り外した品目の引き取りと作業費の負担については、製造事業者が行うとした。プレス事業者については、有価物である使用済み自動車のみ扱うとして、廃棄物処理業の許可を取得していない事業者がいる。こういった事業者にも何らかの資格要件を設ける必要があり、廃棄物処理業に準じたレベルにすべきだと提案した。

 地方公共団体に対しては、焼却設備へのシュレッダーダスト受け入れを要望。使用済み自動車の処理問題を生産者責任として突き放すのでなく、国策として取り組むべき問題とした。

東 京地区の縞板市況は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円。

 需給はほぼ均衡状態にあり、販売業者も在庫や流通状況が過剰との感覚は持っていない。ただ、荷動きは9月に入り停滞感が強まり、短納期の加工販売を日々重ねている。価格は需要家からの値下げ要請があるものの、スポットの小売りの値下げに対しては応じられないという。

 供給面の不安は小さいが、肝心の需要に一段と不透明感があることから市況の動きも止まっている。商売自体よりも販売先など信用面に対する警戒が先に立つ状態。高炉の熱延鋼板の値上げも縞板には波及していない。

東 京地区の等辺山形鋼市況は6×50で3万4000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000円中心の横ばい。

 H形鋼の3万4000円下限販売が浸透しつつある流れに乗って、一般形鋼流通も週明けから3万4000円下限を唱え始める。ただ、3万3000円以下も現時点で半数近く残っており、また、決算前の売り上げ確保の必要から、安値受注の動きもあるため、浸透には時間を要する模様。

 荷動きは小口中心で、秋需も見込めない。流通は最低限の申し込みに抑え、メーカーは、申し込み分のみの生産を継続している。製販で価格重視を打ち出すも、需要減で当面横ばい。

大 阪地区の厚板市況は国内の高炉メーカー、韓国のポスコが相次いで値上げを発表したことで、特約店は徐々に販売を強化している。市況は3万6000―3万7000円どころで強含み。

 輸入材は近国物が数量自体が減少傾向にあり、遠国物はほとんど入っていない。国内ミルは造船と大径管向けでロールが埋まり、タイトな状態が続いている。在庫も特約店、熔断業者段階ともに減少、在庫率も適正な水準となっている。ただ、需要は建築、機械など各分野がともに落ち込んでいる。熔断業者の受注残も2―3日程度となっている。

 しかし、メーカーの値上げした製品は今月末ぐらいから、本格的に入ってくることから、今後、特約店は唱えを上げる方向だ。