2001.10.03
岡 谷鋼機は、関東地区で条鋼品種の在庫販売に乗り出す方向で検討を始めた。年内にも枠組みを具体化する。在庫販売を店売り商権の拡充につなげる。条鋼類を中心とした建材販売会社である岡谷建材を核に据え、在庫販売を開始して店売りを増やすことで、取引先との協力関係を強化。岡谷鋼機グループ全体で国内鉄鋼部門の拡大を図る。

 店売りの強化のためには、在庫を持った販売が不可欠と判断。すでに名古屋では空見地区や連結関係会社である岡谷スチールを拠点とした体制を整えているが、最大の鋼材需要地であり重点販売地域である関東地区には拠点がないため、ここでの体制整備を急ぐ。

 当面はH形鋼や小棒を除いた条鋼品種からスタート。浦安地区か北関東のいずれかに岡谷鋼機で在庫拠点を持ち、岡谷建材が販売を手掛け、岡谷鋼機の建材関係関連会社とのタイアップも含め、既存の取引先とも提携する。将来は在庫を岡谷建材へ移管し、在庫販売に乗り出し、徐々に品種拡大を図る。

 00年度の鉄鋼部門のうち、単体の国内普通鋼は鋼材一般(ヒモ付き、店売り)が5%増の1168億円、公共エネルギー関連が6%増の341億円、合計では5%増の1509億円と、鋼材一般、公共エネルギーとも堅調な伸びを示した。だが、01年度の国内普通鋼は鋼材一般が2%増の1190億円に対して、公共エネルギーが10%減の306億円と落ち込み、合計では1%減の1496億円の予算となっている。

神 戸製鋼所は、今年度下期の粗鋼生産計画を見直し、上期比で30万トン減産することを決めた。同社の光武紀芳副社長が2日、明らかにした。具体的には薄板類を中心に第3四半期で15万トン、第4四半期でも15万トンの減産を実施する。また同社は店売りおよび一部ヒモ付きの酸洗、冷延、表面処理鋼板の「陥没価格を適正水準に戻す」(光武副社長)ことを目的に値戻しを検討中で、一週間内に結論をまとめ需要家に通達する予定である。

 今年度の適正粗鋼生産が9800万―9900万トンとされる中で、上半期の生産は5200万トン強に達する見通し。この結果、国内の製品在庫は高水準に積み上がり、主力の薄板市況も「世界最低と批判される水準」(同)に落ち込んだ。

 こうした状況を踏まえて神戸製鋼としては第3、4四半期にそれぞれ15万トンの減産を実施。酸洗、冷延、表面処理鋼板の値戻しを徹底することで安値受注を拒否し、市中在庫の圧縮に取り組む。

 値戻し幅については、トン3000円を予定し、需要家への通達後は「新価格未満での受注は一切拒否する」(同)。輸出についても、熱延鋼板でトン当たりFOB200ドル以下で受注しない方針。

2 001年度から2010年度までの10年間で、維持補修投資は3兆―4兆円程度の伸びを示す。公共工事を中心とした建設市場全体が落ち込むなかで、維持補修投資は全く逆の動きをする。

 10年間で建設市場全体は、GDPの実質成長率を1―2%と想定して5兆―16兆円落ち込む。なかでも新規建設投資は9兆―18兆円と大幅に減少する。こうした状況のなかで、維持補修投資は大きく伸び、新規建設投資のうちでも環境関連投資だけが増加するという中身の変化が表れる。建設関連資材の扱い業者は発想を転換して、維持補修分野と環境関連分野に注力する動きが本格化してきた。

 00年度の建設市場の合計は87兆7000億円と推定され、今後も減少傾向が続く見通し。だが、新規建設投資は増えないが、逆に維持補修投資はGDPの伸び率にかかわらず伸びると予測される。成熟した日本のインフラは新規の需要を生まないものの、今後はこれまでにストックとなったインフラに対する整備・補修の需要が底堅く続く。

 このため建設資材扱い筋では、既存の新規建設投資のみを狙った商いから発想を転換し、整備・補修の分野向けの商材への取り組みに対して注力する動きがある。また、新規建設投資も環境関連への投資の増加のように、中身の質的な変化が表れると予測される。

共 英製鋼(高島秀一郎社長)の名古屋事業所と枚方事業所は11月初旬積み対米輸出として小棒2万8800トンを成約した。国内需給対策の一環で、輸出を背景に国内供給量を絞り込み、タイト感を引き出すことで、市況の立て直しを図る。

 今回成約したのは名古屋が2万トン(サイズNo.4―8)、枚方が8800トン(同No.3、4)で、いずれもガルフ地区向け。価格はFOB2万4000円。 

 名古屋事業所の対米輸出は9月積み1万8000トンに続くもので、11月初旬積み2万トンの輸出を背景に中部地区供給量を絞り込む。同地区の小棒市況は下げ止まり状態ながら需要不振から上伸力に乏しい展開にあるが、先月中旬あたりからその需要にも若干の回復がみられる。

 こうした需要面での変化も踏まえ、共英名古屋では輸出成約による国内絞り込みを地区需給、市況回復への強力なインパクト材料とする方針。また枚方事業所も今回の輸出を絡めた国内減産の継続で、関西地区の市況立て直しに注力する意向である。
中 国鋼鉄(台湾高雄市、郭炎土董事長)は、2001年の業績見通しの下方修正を行った。売上高は、当初の928億台湾元から860億台湾元に7%マイナス修正。税引前収益も172億5000万台湾元を105億台湾元に40%下方修正した。販売価格の下落が進んでいるためで、販売数量は2000年より増加するとしている。

 CSCは、台湾最大の高炉一貫メーカーで、2000年の粗鋼生産量は1025万トン。高炉4基体制で、ホットコイル以下、冷延鋼板、めっき鋼板、カラー鋼板、電磁鋼板など多様な製品を生産している。国内では、粗鋼で60%以上のシェアを持っており、価格政策面でもこれまで強い影響力を持っている。2000年は売上高1006億台湾元で、経常利益212億台湾元と過去最高を記録している。税引前利益は、子会社の売却などもあり、186億台湾元と売り上げに対する利益率は18・5%に達している。

 今期は、粗鋼では2000年を上回る水準を計画。経営見通しは当初、売り上げ928億台湾元、税引前利益172億5000万台湾元と、前期比小幅の減収減益を見込んでいた。

 しかし、33%の高い比率で計画していた輸出向け販売が、ドル建て価格の低下などで採算性が悪化。国内向けもホットコイルをはじめ一部で値下げが実施されるなど価格低下が進行している。

 こうした状況から売上高を860億台湾元に下方修正するとともに、税引前利益も105億台湾元に引き下げた。純利益の引き下げ率は40%と高く、高収益を誇っていたCSCも、価格低下の直撃で思わぬ苦戦をしている。

P OSCOは、極薄冷延材の本格生産を目的に、浦項製鉄所に2次冷間圧延機の導入を計画しているが、このほど建屋関係の工事を完了した。この後、圧延機の導入工事に入り、2002年3月に操業を開始する。0・5ミリ厚の冷延薄板や、スチール缶向けの極薄ティンフリーの母材生産が可能になる。 

 冷延の2次圧延機は、日本などではクラスターミルなどの名称で導入されており、超極薄冷延材や、特殊鋼鋼板の生産用として稼働している。超極薄、高精度の圧延が可能で、OA機器や家電製品向けの高機能材の生産に使用されている。

 POSCOは、高付加価値路線の強化の一環として浦項製鉄所への導入を決めた。テレビのシャドーマスク材や、0・2ミリ以下の超極薄缶材などの営業生産を狙いとしており、韓国では初の導入。新設備は6段圧延機2基で構成されており年産27万トン。圧延速度は、世界最速の毎分2100メートル。来年1月の設備の据付を完了し、3月から操業を開始する。
シ ャフト関連機器メーカーの増田鉄工所(本社=横浜市、増田尚男社長)はこのほど、極細シャフトを1本ずつ供給する新給材装置を開発した。1・5―2ミリ径の細物シャフトの供給は、機械では難しく手作業で行われている。モーター軸シャフトなど部品産業では細物化・精密化が進んでおり、品質対応と省力化に応える。本体価格は370万円前後。磨棒鋼メーカーなどですでに所有する給材装置を、極細用に改良することもできる。

 引き抜き加工され、矯正工程を経た細物シャフトは、次工程のセンターレスグライインダー(CG)などに供給され加工される。しかし、3ミリ以下の極度に細いシャフトは、単重が小さく潤滑油などでくっついてしまうため、作業者が手で1本ずつCGに流しているのが現状。こうした作業の機械化を目指し、増田はシャフトを1本ずつ、つかみ上げ、次工程に流す給材装置を開発した。

神 鋼電機はこのほど、栗本鉄工所から海洋土木向けとしては国内最大級の水中サンドポンプ用2000キロワット電動機2台を約2億円で受注した。軸封部に特殊超硬ダブルメカニカルシールと均圧装置を組み合わせた優れたシール性を実現しており、水深100メートルまで使用できるのが特徴。

 同ポンプは、深度100メートルの海底から砂利またはヘドロなどを採取でき、高深度でも安定した操業運転が可能となる。定格出力2000キロワット、最大出力2400キロワットというのは国内でも最大。5カ月間という短期間で設計製作を経て、このほど納入した。

 水中サンドポンプは、建設用骨材(セメント用砂利)採取などに使用されるものだが、同社では、水中サンドポンプ用電動機のシリーズ化を推進。現在、300―2000キロワットまで8シリーズとラインナップしている。

 今回の受注を含めて、これまで国内35台の納入実績を持ち、同型電動機では国内でトップシェアを誇る。販売価格は、1キロワット当たり約3万―5万円。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万4000円中心の横ばいで、強含みに転じつつある。3万5000円は10―20%程度。3万4000円下限販売は、首都圏ではほぼ浸透しているが、北関東に行くに従い遅れ気味になっている。

 入庫減により、大手在庫商社では、9月在庫は8月比10%強減、10月は9月の微減か横ばい程度に。このためベースサイズにも歯抜けが散見され、通常の引き合いに支障が出るほどに。需要家には、追加分等は配慮するが、新規物件はすべて値上げ後の価格で対応。需要増は見込めないものの、減産と申し込み削減で強含みに。

東 京地区の冷延薄板市況は弱含み。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万5000―4万6000円。

 荷動きは9月以降も振るわず、販売量で前年同月比1―2割減という小売業者もある。販売不振から在庫圧縮は進まず、市中にも過剰感が残る。薄板需要は電機、建材を中心に低迷が続き、10月以降に対する期待感はほとんど出ていない。

 供給面では輸入コイルの入着が、6―8月とも4万トン台。8月は韓国材で東日本に1万トン、西日本に2万7000トンの合計3万7000トンが入ったが、前年同月比で38%減と極端に低い水準。それでも需要が弱く、需給が引き締まる気配は見られない。

大 阪地区の等辺山形鋼市況は扱い特約店筋が陥没価格是正に取り組んでいることから、強含み。市況はベース3万1000―3万2000円どころ。

 扱い筋は今週から市内オントラ3万5000円を下限に唱えを引き上げている。市中在庫も大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーのシビアな減産体制から、ベースサイズを中心にひっ迫している状況。僚品主力のH形鋼が値戻し機運に転じていることもあって、アングル市況はすでに1000―2000円方上昇している。

 建設などの需要不振から「秋需は期待できない」との見方が大勢だが、流通各社の強い危機感から市況は当面、強含みで推移しよう。