2001.10.12
新 日本製鉄が11日発表した9月末の「ときわ会」H形鋼流通の全国在庫は、7カ月連続減で、前月から1万5500トン減少した結果、30万4200トンになった。これは、調査対象を変更した昨年4月以来最も少ない数字。一方、在庫率は出庫の低迷を受けて、全国で1・50カ月と前年同月の1・22カ月よりも高い。

 新日鉄は、前年同期比40%減の大幅減産に取り組んでいるため、月を追うごとに需給がタイト化し、在庫の減少スピードは加速すると分析。東京地区で昨秋、市況3万8000円に到達した時と同様の環境が整ったとみている。

 東京、大阪、名古屋の3地区の在庫は16万7053トンで、前年同月よりも1万2539トン減少した。反対に8地区では、13万7100トンと9700トン増加した。増加分の大半を九州地区が占めるという。

ス チールプランテック(JSP)は11日、丸紅プロテックスと共同で、台湾のSYSCO社から連続酸洗ラインを受注したと発表した。年間65万トンの処理能力を持つ設備で、ライン速度は最大で毎分140メートル。素材コイルは最大25トン、板厚1・0―3・5ミリメートル×幅600―1320ミリメートルまで対応できる。受注金額は工事込みで約30億円。

 設備完成後、本格稼働は2003年中の予定。今年9月に着工し、23カ月後に設備を引き渡す。今年7月の台湾CSC向け無方向電磁鋼板ラインに続く大型受注物件で、今回の受注を機に同種のプロセスラインの営業強化を図っていく方針。

 今回、受注したのは、熱延コイルをテンションレベラーで平坦度を出し、表面スケールにクラックを生じさせた後に酸洗処理して冷間圧延ミルにコイルを供給する「高効率連続酸洗設備」。

 SYSCO社では、既存の欧州製旧式酸洗設備を更新して、品質と能力の大幅改善に乗り出すことを狙っていた。今回の設備更新により、年間能力は35万トンから65万トンへとほぼ倍増し、自社工場の酸洗能力に余裕が出てくるため、台湾内の幅広いユーザーニーズに対応できるようになる。

川 崎製鉄は11日、98年に生産を開始した「極低炭素ベイナイト型570N/平方ミリ級非調質高張力厚板」で累計生産量2万5000トンを達成したと発表した。今後は橋梁を主体に建築、造船など幅広い分野への適用を進めていく。

 同製品は、川鉄独自の次世代型TMCP(加工熱処理)技術として提案するTPCP(鋼の金属組織を一定とする技術と必要に応じて析出強化を付加する技術を組み合わせた圧延プロセス)を活用し、98年5月から生産を開始した。

 調質(オフライン熱処理)を不要としたことで、従来の調質型570N/平方ミリ級で60日程度必要だったリードタイムを400、490N/平方ミリ級と同様の35―45日に短縮。橋梁などの設計スケジュールの余裕度を引き上げた。

 また、低炭素溶接部の硬さが上昇せず、溶接時に予熱をしなくても溶接部の割れを防ぐため、80ミリを超える極厚板でも予熱フリーを実現。今後採用が見込まれる橋梁での大入熱(200キロジュール/センチレベル)の溶接にも耐える低温靭性を持っており、トータル工期の短縮や溶接施工性の向上など効率化につなげた。

愛 知製鋼は11日、知多工場・中小形精整検査設備Zラインの更新工事を完成し、同日竣工式を行ったと発表した。この結果、中小形圧延のメーンサイズで業界トップレベルの品質水準を実現した。

 今回のリフレッシュは、4ラインある中小形精整検査設備のうち直径40―80ミリの特殊鋼棒鋼を扱うZラインが対象で、表面きず検査設備(漏洩磁束探傷法)と内部欠陥検査設備(超音波探傷法)を最新鋭機にした。投資額は約6億円。

 特長は、サイズ替え時の検出条件と検出器位置がコンピューターにより自動設定でき、サイズに応じた校正機能を備えた全自動運転が可能。品質保証水準は、表面きずが深さ0・1ミリ以上を検出(従来0・3ミリ以上)、内部欠陥は欠陥部位の大きさが0・15ミリ以上検出(同0・3ミリ以上)と大幅に向上、しかも生産性がアップする。能力は月間2万6500トン(同2万3200トン)。

 同社では今回の更新により中小形精整検査設備のリフレッシュをほぼ完了させ、メーンサイズの25―100ミリ径の特殊鋼棒鋼で業界トップレベルの品質水準で短納期供給できる体制を整えた。
高 炉筋によると、今期(10―12月)の造船厚板需要見通しは、56万トンで前期比ほぼ横ばい。日本造船業の今年の新造船受注は8月までの累計で241隻、928万1000総トンと前年比43・5%の大幅増加となっている。市場では、韓国が欧州との摩擦が拡大している中でWTO提訴の動きが見られているため、選別受注に転換。さらに円安傾向が定着していることもあり、国内メーカーは採算が回復している。このため起工水準は高く、これが鋼材需要が高水準で推移している背景にある。

 国内造船の新造船受注は、ロイド統計で2000年が1347万総トン。韓国の2079万総トンには700万総トン近く差がつけられている。しかし01年は、年初から韓国の選別受注の姿勢が明確で、上期の受注実績は日本の886万2000総トン(シェア40・5%)に対し、韓国が748万5000総トン(34・2%)と逆転している。7―8月も受注は好調で、8月末までの累計受注高は、928万1000総トンに達している。これにより8月末段階の手持ち工事量は487隻、2477万総トンとほぼ2年強の工事量を確保している。

 竣工量も上期で638万2000総トンと、韓国の615万総トンを上回っており、このままいけば竣工量で今年は、世界一の座を奪還する可能性もある。こうした好調な建造状況は、今期も継続する見通しで、鋼材需要量も鋼板ベースで56万トン前後と前期水準の横ばいと見られている。

日 本のスチール缶のリサイクル率は、1999年で82・9%とドイツの80%を抑えて、前年に続き世界一のリサイクル率となった。2000年の日本のリサイクル率は84・2%とさらにアップしており、引き続き世界一の座を確保していると見られている。

 スチール缶のリサイクルは、世界的にも環境対策の一環として注目されている。日本は91年の50%から段階的に向上しており、95年で73・8%と70%台をクリア。さらに96年には81%と80%台に乗せている。

 海外では、ドイツがスチール缶リサイクルに熱心で、92年の43%から95年で67%。96年には81%で世界一のリサイクル率を達成している。97年には84%と2年連続で世界一の座にあったが、99年は80%と日本に世界一の座を譲っている。 

 オランダは、96年まで30%前後で推移していたが、97年から急上昇。99年には78%まで向上し、世界第3位の地位にある。

 このほか欧州の各国は、リサイクル対策が強化されており、99年の実績ではオーストリアが75%、ベルギー70%、スウェーデンが62%となっている。6カ国が60%以上を達成している。

 アメリカは57・9%。フランスは47%、スペイン、イギリスは32%、30%と水準が低い。 

 フランスやイギリスなどが低いのは、ワインやウィスキーなど瓶詰めの飲料食品が多く、ビールもビンが主流で、スチール缶は少ないという事情がある。
鉄 鋼スラグ協会(会長=萬谷興亞・新日本製鉄副社長)はこのほど、00年度の鉄鋼スラグ需給の概要をまとめた。同協会によると、スラグの生成量は、高炉が2307万3000トンで前年度比4・7%(103万4000トン)増加、製鋼が1410万7000トンで同6・9%(91万5000トン)増加した。

 また、販売量は高炉スラグが2258万8000トンで同7・2%(151万2000トン)増加、製鋼スラグが886万1000トンで同0・8%(8万7000トン)増加だった。一方、生成原単位は高炉スラグが286キロ(1トン当たり)で同2キロ減少、製鋼スラグは132キロ(同)で同3キロ減少した。

 同協会によると、00年度の粗鋼生産量は1億690万1000トンで前年度より9・1%(890万2000トン)増加、3年ぶりに1億トンの大台を超え、また、銑鉄(高炉銑)生産量も8070万1000トンで同5・5%(421万5000トン)増加し、これにより、高炉および製鋼スラグの生成量も4・7―6・9%増加した。

日 本金属屋根協会(会長=鈴木章夫・鈴木板金工業所社長)は、11月から「2001年度 金属屋根講座〜金属屋根の性能を知る〜」を全国6カ所で開催する。

 昨年実施された建築基準法改正では、建築にかかわる技術的な基準の性能規定化が大きな柱の一つになった。また「住宅の品質確保等の促進に関する法律」が制定され、住宅の性能表示基準などが新たに設けられている。

 これを受けて、金属屋根など建築材料についても性能に関心が高まっていることから、今年度は屋根に要求される基本的な性能(耐風強度・耐積雪強度・断熱性能・遮音性能・排水性能)と、計算による性能確認の手法を解説する。

 11月は仙台(2日)を皮切りに名古屋(9日)、東京(16日)、福岡(22日)、大阪(30日)の順で開催。札幌は3月1日を予定している。申し込み締め切りは今月26日。問い合わせは事務局(電話=03―3639―8954)まで。

東 京地区の中板市況は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000―3万5000円。

 需要不振から荷動きも低迷している。建材が悪いほか、トラックを含む自動車関連も生産が下方修正含みとなっており、鋼板需要に結びつく好調な材料がない。コイルセンター在庫(熱延黒皮)は西日本に比べると過剰感は少ないが、在庫率190%と高い。

 7月出荷分から高炉メーカーが値上げを行い、流通サイドでも大手を中心に転嫁に取り組んではいるが、需要環境からほとんど値上げが浸透していない。高炉各社の強い姿勢から市況の歯止めとはなっているが、反発には至っていない。

東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万4000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000円中心の強横ばい。下値が切り上がっている。今後は土木の引き合い増加が見込まれることや関西の好転を受けて、流通は来週から3万5000円下限に唱えを引き上げる。

 形鋼部会の集計によると、9月の溝形の入庫量が8月比22・0%減と大幅に減った。このため歯抜けが拡大し、品ぞろえが困難に。

 出庫の3・5%減を上回る入庫の削減により、在庫は6・7%減少した。山形の入庫は横ばい、出庫3・9%減で在庫1・2%増。契約残は12・7%増加。


大 阪地区のH形鋼市況はベース3万1000―3万2000円どころで一段高。扱い特約店筋は陥没価格是正を狙って、今月から唱えを引き上げているため、市況はジリジリと上昇。各社はベース3万3000円下限に唱えを引き上げており、一段高の様相。

 新日本製鉄などメーカー各社は10―12月で、さらに減産を強化する方向であるため、流通筋には「秋需は期待できないが、さりとて供給量も増えることはない」との思いが強い。市中在庫も当面、低位安定する見通し。

 また、電炉の物件価格も市況追随で上昇。ここにきてメーカーは値上げの意向を示唆しているため、さらに市況はかさ上げされる模様。