2001.10.15
川 崎製鉄は伊藤忠商事と連携し、ドイツの世界最大の担体メーカーに隣接する現地コイルセンターを欧州・米国向けの加工戦略拠点として構え、コンバータ向けステンレス箔の世界トップシェア獲得に乗り出す。同社は、自動車の排ガス浄化用コンバータ向けのステンレス箔で、独VDM社に次ぐ世界2位のシェアを持つ。20Cr―5ALの連続鋳造化によるコストダウンを経てドイツでの加工拠点整備に踏み切った。燃料電池などへの適用も視野に入れ、ジャストイン・タイムでの出荷体制を徹底させるべく世界戦略を本格化させる方針。

 今回の加工拠点整備計画は、西宮工場に増設した新圧延機クラスターミルの10月稼働による月間300トン体制を視野に入れたもの。1年間の検討期間を経て、正式にドイツに加工拠点整備に踏み切った。素材供給は、西宮工場で生産される月産300トンのステンレス箔地を出荷して、それを現地コイルセンターで加工、ジャスト・イン・タイムで出荷する。

 同社は、排ガス浄化用の触媒コンバータ向けに出荷するステンレス箔では、国内トップ、世界2位のシェアを持つ。製造するのが難しい「20Cr―5AL」の実用化と連続圧延技術確立で他社製品と比べて20%のコスト低減を経て、世界トップシェアを狙う。

住 友金属工業は、大手自動車部品メーカーからテーラードブランク接合機5基を連続受注した。テクノロジーソリューション推進組織「SMICAT」設立の成果として急速に受注を伸ばし、ここにきて累計受注実績は10基となった。コイルセンターなどでの設備導入の流れもあり、設備エンジニアリング事業の大きな柱として2002年度をメドに年間10億円規模の事業へと育てていく方針。

 同社のテーラードブランク接合機は、鉄鋼設備の建設で培ったノウハウを生かして独自開発して製品実用化したもの。突合精度が100分の5ミリメートル以下、2ラインで毎分90メートルで搬送できる優れたサイクルタイムが特徴。

 複雑形状でも扱える6軸ロボット方式のガントリータイプで搬送ラインが構成され、突合せ、溶接、検査の一貫工程で対応できる。また、工場の設置面積や部品サイズ、生産枚数のタクトタイムなどユーザーに最適なスペックをフレキシブルに提供できる。

住 友金属工業は関西製造所製鋼品事業所でコスト低減などの合理化策を加速、自動車用鍛鋼製クランクシャフトや鉄道用車輪・車軸の競争力を高める。鍛鋼製クランクシャフトでは9月に操業を開始した最新鋭5000トンプレスラインの戦力化を踏まえ、金型コスト、生産性向上による人件費圧縮などを通じ、鋳物製クランクシャフトとの価格差を1・2倍程度にまで低減、小型車などで鋳物製クランクシャフト需要を取り込んでいく。

 鉄道車輪では国内需要の伸び悩みを加味し、全米鉄道工業会の鍛鋼車輪新スペック策定に参画、対米や台湾新幹線など輸出対応を強化。素材も高清浄度鋼化や、台車制御技術も組み合わせ、高付加価値化を図る。

 関西製造所製鋼品事業所では、鉄道車両生産の落ち込みなどから売り上げ規模もピークの600億円強(96年度)から500億円強のレベルにまで減少。加えて今後、日米で自動車生産の減退も予想されることから、コスト低減、高付加価値化などを実践、車輪、車軸など各分野でトップもしくは2位のシェアを擁する製品群の競争力を一段と高め、黒字基調の維持、拡大を進める。

 自動車用鍛鋼製クランクシャフトでは、24億円を投じた5000トンプレスラインの稼働で既存の6500トンプレスラインと合わせ、高生産体制が具現化。これを契機によりクランクシャフトの鍛鋼化を促し、拡販していく。

N KKは12日、京浜製鉄所で稼働中の第1高炉の老朽化・代替に備え、現在休止中の第2高炉の改修工事に着手する、と発表した。同製鉄所は高炉1基体制で操業しており、1号炉から2号炉へ切り替える際、短工期シフトを可能とするため、今回の改修を決めた。

 同社によると、第2高炉は11月から一部解体・撤去の準備を開始し、02年春から建設工事に入る予定。

日 新製鋼は12日、呉製鉄所第2高炉5次改修を1年延期し、03年11月に火入れすると発表した。

 呉製鉄所第2高炉は5次改修として02年11月の火入れを予定していたが、炉体状況が良好で、老朽更新時期を約1年程度繰り延べても操業上の問題がないことが確認されたため改修延期を決めた。

 5次改修の費用は100億円程度、炉容は2080平方メートル。改修は休止中の旧1高炉(2150平方メートル)を最大限流用し改修費を圧縮。また新技術の導入により、FA化、溶銑コスト低減、長寿命化を図る。

新 日本製鉄は、山形県から「最上中央公園屋内多目的施設新築工事」向けにNEW―PWSのカラーポリエチレンケーブル12トンと小型ソケットを受注した。ケーブルの製作は、東京製綱土浦工場で行う。10月から架設工事に着手、竣工は2002年3月末の予定。東京競馬場に次ぐ2件目の受注実績となる。

 同工事は、山形県が計画する「最上中央公園他多目的施設」の新築工事向けに採用され、ケーブルを弓状に張って、その張力を生かして屋根を張る「張弦梁工法」で活用される。従来、柱で屋根を支えたり、ケーブルで屋根を吊ったりするのが一般的だが、空間を広く活用するためケーブルによる屋根架構として架設される。

 カラーポリエチレンケーブルは従来、黒ポリエチレンの上にカラー被膜していたため、着色時に10―20%のコストアップとなっていた。同社ではこうした公共事業費削減などの流れを視野に入れ、徹底したコストダウンや新規メニュー拡充を狙っていた。
住 友金属建材(津田和明社長)の仮設製品事業部は、中期経営計画「C★PLAN」(00年度―04年度)において、最終年度で売上高50億円を計上し、黒字体質の構築を目指す。この中で、今年度は営業力を強化するとともに、製造コスト削減を実現するなど収益改善に力を注いでおり、計画の前倒し達成も視野に入れている。

 営業面での取り組みは、ユーザーニーズを製品開発に反映させると同時に、営業力をさらに強化する目的で、技術部門の人員を営業部門に数人配置した。また、個人の営業目標を立て、達成状況を細かく掌握するなど、事業部として採算重視の方針を明確化している。

 また、今年度は広範なユーザーニーズに対応し、新製品の開発や既存製品の改良・改善に着手している。「ビテイフォールド(中低層住宅用一側足場)」や「TSサポート(足場兼用支保工)」は、用途開発を含めて製品バリエーションを拡大。さらに今下期には新製品を投入する計画だ。

大 手鋳鉄管メーカーの栗本鉄工所(坂元良章社長)はダクタイル異形管とその付属品を製造する千島工場を10月末で閉鎖する。閉鎖後、中口径異形管については一部設備を加賀屋工場に移設して製造を続けるが、小口径異形管の製造は外部委託する方針。

 千島工場は1909年に開設した同社初の鋳鉄管工場で、75―2600ミリ径の異形管とその付属品を製造していたが、周辺の住宅地化などで環境が激変、操業に制約をきたすようになった。また、異形管は専業メーカーが多く過当競争により採算が悪化。こうした背景から工場存続について検討、10月いっぱいで閉鎖することを決めた。

東 京地区の異形棒鋼市況はゼネコンの買い姿勢が様子見ムードで支配され、ベース・トン当たり2万6000円どころで横ばい。

 8、9月は明細の出方が落ち込み低調に推移したが、10月初旬から反動からか雰囲気が変わり、メーカーに寄せられる明細量がやや増え始めている。ただ、総じて低水準には違いなく、メーカーは第2週まで10月分の売り出しを見送った。

 メーカーでは減産姿勢が維持され、需給見合いの状況。11月に東京鉄鋼が9日間の炉休に入ることでさらに供給量は絞られてくる。ただ、商社が先行き不安を背景に売りに前がかりとなっているため、基調好転の手掛かりは依然見えてこない。

東 京地区の厚板市況は市中価格(12ミリ、ベースサイズ)3万9000―4万円中心で横ばい。高炉メーカーの値上げ方針がそろったが、市中は反応していない。在庫が一時期に比べて減少したとはいえ、母材の手当てに困るほどではなく、むしろ需要の減少傾向から消極的な買いが多い。また、価格が本格的に反発するタイミングを計っている。

 定尺販売も中板と重複する部分では割高感が増しており、荷動きも停滞したまま。メーカーの減産に対して、流通や溶断業者では着実な実行を求める声が強い。高炉の供給はタイトな状態が続くが、減産の効果は年末から来年にずれ込むとの見方もある。

大 阪地区の厚板市況は需要が落ち込んでいるものの、供給がタイトなこともあって、市況は3万7000円(トン当たり、16ミリ厚みの3×6幅)どころで強含み。

 高炉メーカーはロールがタイトな状態が続いており、店売り向けの出荷には余裕がない状態。輸入材の入着も月間5万―6万トンと低水準。この結果、特約店、熔断業者の入荷は低水準。在庫も特約店、熔断業者段階ともに減少、品薄になっている。ただ、需要は建築、機械が低調で、熔断業者の加工の受注残も2―3日程度にとどまっている。

 しかし、メーカーが値上げを表明、この値上げされた製品は今月末から入荷する方向にあり、流通は徐々に唱えを上げる見通し。