2001.10.16
神 戸製鋼所は鋳鍛鋼事業で、今年度通期で黒字化が可能となったのを踏まえ、現行中期経営計画(00―02年度)に則して収益基盤を強化、安定黒字化できる体制を構築する。中期計画でのリードタイム短縮、30%コスト低減、ベース要員500人体制確立を柱とする強化策を02年度までに達成させ、03年度以降、主力の船舶用クランクシャフト生産が2割程度減少しても利益確保できる陣容を固める。11月には高砂製作所(兵庫)で組立型クランクシャフト生産の焼嵌台を増設、2ラインとし、効率生産を充実。新規事業の粉末センターではIT需要の減速を加味し、10月から事業再構築に着手、収益改善を図る。

 同社では、鋳鍛鋼事業の主力需要分野である造船について、04年度から建造量が10%減少、05年度には20%減少し、06年度ごろまで調整期に入ると想定。これに伴ってクランクシャフト需要も03年度以降は減少に向うと予見している。現中期計画ではこうした市場環境の変化をとらえ、より強固な体質づくりを実践。計画目標を達成することで03年度以降も継続して利益確保が可能な体制を具現化する。

 新規事業として育成する粉末製品センターについては、10月中に事業再構築計画を策定、実行可能なものから順次、実施に移す。粉末ハイス、HIPシリンダー、銅合金を手掛けているが、IT不況が響き、射出成形機向けのHIPシリンダーなどが減少。HIP工場での受託加工や、部分的な内製化比率のアップなどを検討する。将来的なIT需要の拡大も視野に入れ、事業体制を刷新させていく。

川 崎製鉄、蝶理、川鉄商事の3社は15日、96年12月にカザフスタン共和国から受注した鉄道輸送力増強工事プロジェクトを竣工したと発表した。総工費94億円で、4年間の工期を無事故無災害で完工。今回の工事により、同国の貨物輸送能力は400万トンから1000万トンへと増強され、車両基地改良による客車修理能力は年間540両から1000両に向上することになる。

 カザフスタン共和国は、ユーラシア大陸中央部に位置し、水上輸送手段をもたないため、鉄道が輸送手段として極めて高いウエートを占めている。旧ソビエト時代には、モスクワへの輸送がメーンだったが、独立後は東西間の輸送ルート整備が国家的重要課題として急務となっていた。

 こうした状況を踏まえ、日本は、カザフスタン向けとしては初めてとなる円借款をベースにした鉄道輸送力増強プロジェクトとして同国のインフラ整備に乗り出した。

 今回のプロジェクトを受注したのは、川鉄と蝶理、川商の3社。川鉄は、自社製鉄所における鉄道建設、操業技術、川商と蝶理は、日系企業としてはいち早くウズベキスタン事務所を開設するなど、同地域での豊富な知見を生かして同プロジェクトを完成させた。

三 菱商事・中部支社金属部(今川裕部長)は愛知県安城市内に分室を開設、15日から業務を開始した。三菱自動車と、同社向け部品メーカーなどに対するユーザーサービスの強化が主要な目的。分室の名称は『岡崎分室』とし、安城五十鈴(本社=安城市今本町西大塚16―1、牛島淳一社長)の本社事務所2階に事務所を置く。(電話=0566―98―8706)。要員は金属部の自動車鋼板チームと特殊鋼関係者を中心に約20人規模となる。

 日本経済が長期の不況に沈む中にあって、自動車業界は一時ほどの勢いはないものの、他業種に比べ堅調な業績が続いている。これを受けて、かつて経験したことのない薄板の低迷に悩む鉄鋼業界では自動車に対するシフトを一段と強めており、高炉メーカーや商社では自動車鋼板の担当者を名古屋地区に重点配置するとともに、新たにサテライトを開設したところもある。今回、三菱商事・中部支社の金属部が岡崎分室を開設したものこの一環と見られる。

 三菱自動車では7月1日から購買部門を岡崎工場に移設しており、三菱商事サイドとしても工場の近くに分室を設置することで一段とサービスを強化するとともに、三菱自動車に部品などを納入するユーザー数十社に対してもより密接に対応することにしている。

神 戸製鋼所加古川製鉄所(所長・小堺和泉常務)は、10月28日「この街でみんなで歩もうこらからも」を合言葉に「第11回神鋼かこがわフェスティバル」を開催する。フェスティバルでは、地元保育園や一般の参加による市民ステージ、人気テレビ番組「百獣戦隊ガオレンジャー」のキャラクターショー、工場見学会、囲碁大会、アニメ映画、ゲームセンターなど盛り沢山のイベントを企画している。

 このほか従業員や地元住民による模擬店、地域の専門店、東播磨地域の商工会による特産品の展示・即売なども行われる。また、公式野球部による市内中学生対象の少年野球教室を今回は、当日、会場内野球場で実施する。

 「神鋼かこがわフェスティバル」は、1990年から開催、今回で11回目を迎えるが、地域と一体となった祭りとして定着、昨年は11万人を超える入場者があり、加古川市民の秋の恒例行事となっている。

新 日本製鉄は15日、PTT―EP社からタイのシャム湾に新設する天然ガス開発用プラットホーム1基およびパイプラインの設計、調達、製作、据え付け、試運転までの工事一式を約30億円で受注したと発表した。

 同工事は、総重量5370トンのウエルプラットホーム1基と口径16インチ、全長18メートルの海底パイプラインに関するもの。プラットホームの製作は、タイのTNS社が実施し、パイプラインの据え付けは、新日鉄保有の大型海洋作業船「くろしお」で行う。2003年3月の竣工予定。

 同社では、今回の受注を機に、今後継続されるPTT―EP社向けプロジェクトの連続受注や東南アジアを中心とした石油天然ガスパイプライン開発関連事業の規模拡大に取り組んでいく方針。
川 鉄建材(増田光一社長)は今中間期(01年9月中間期)の業績見込み、通期予測を明らかにした。当初の計画立案時から経済環境が悪化しているため、通期は売上高で年間300億円と当初計画の310億円から10億円程度下方修正するが、利益は当初計画通りの経常段階で10億円の確保を目指す。また、累損は10億円となっているが、今期から順次、削減していく方針。

 今中間期は当初の見通しよりも経済が悪化したが、売り上げは135億円と目標数字をクリアした。ただ、前年同期比では10%の落ちとなった。製品別の売上げウエートは土木建材製品が55%、建築建材製品が45%。損益は「当初、上期は赤字と見ていた」(増田社長)が、前年に引き続き黒字を達成した。

 黒字の要因は99年度から開始した3カ年の中期経営計画を徹底、人員の削減、材料・諸経費の引き下げ、生産・物流拠点の見直しなどを行い、全社の経費が削減されたこと。

 特に、直近では昨年10―12月にかけて東京本社の総務・経理などの間接部門を神戸本社に一元化したことが、コスト低減に大きく寄与した。また、販売数量の確保と価格維持が貢献した。

 今下期は売上高で165億円、利益も前年同期以上の水準を目指す。これにより、通期では売上高で300億円、経常利益で10億円を計画している。
平 角・異型磨棒鋼メーカーのモタイショーワ(本社=東京都荒川区、罍紳介社長)はこのほど、広幅対応のドローイングベンチ1基を本社工場に導入した。老朽化した設備の更新に伴い、1600平方ミリメートルまでだった対応サイズを2200平方ミリメートルまで拡大。また、真直精度が向上し、後工程の矯正ラインでは約倍の効率化を図った。対応サイズを広げたことで新規顧客の開拓に注力、さらなる受注増を見込んでいる。

 同社は本社と茨城工場(北茨城市)の2工場体制で、本社工場にはドローイングベンチ6基、茨城工場ではオンラインのドローイングベンチを1基保有する。茨城は25×200ミリの5000平方ミリメートルと大サイズに対応しているが、本社工場でも大サイズの顧客ニーズが高かったため、新型機を導入。試運転を終え、今週15日から営業運転を始めた。

 新型機は従来のフック式と違いダブルチェーン式のため、対象材を引っ張る際にテンションがかからず、曲げを防ぐ構造を持つ。このため、後工程の矯正機の効率が倍となり省力化に寄与、作業音も抑えた。処理スピードも従来の毎分8メートルから最大20メートルにアップ。平角・異型の加工に適し、長さ7メートルのバーをオフラインで1本ずつ加工する。

関 西地区の小棒メーカー各社は、減産を背景に10月契約販価を9月契約比1000円値上げする方針を打ち出した。減産効果で今月後半から需給タイト感が強まるとみており、これにタイミングを合わせ、22日から26日までの期日限定販売を実施、集中販売で値上げ浸透を目指す。

 関西地区流通もメーカーの9月契約での値戻しを受けて、先月から安値修正に動いている。物件の低迷によるゼネコンのシビアな購買姿勢から現状2万3000円以上の高唱えは通り難い状況にあるが、メーカーが量より価格優先の方針を貫き、10月契約での1000円値上げに不退転の姿勢で臨めば、先行き市況の上伸局面も期待できる。

 メーカーの値上げの原動力は10月からのベースを中心とする大幅減産。ベース大手のダイワスチールは10―12月、さらに来年1―3月の水島事業所の小棒生産量を7―9月比10%減の月間4万5000トン平均に抑え、関西向けベース供給量を1万5000トンに絞る。また、中山鋼業も国光製鋼、合同製鉄大阪の生産受託分を含めた国内向け生産量を10月から来年3月まで、7―9月比約10%減の月間3万5000トンに圧縮する。

 一方、細物大手の岸和田製鋼は10月の生産計画を9月実績比4・5%減の4万2000トンとしており、共英製鋼の枚方事業所は10月、対米輸出生産に約8000トンを割り振り、国内向け生産量を3万トン前後にとどめる。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)は弱横ばい。定尺価格は5万3000―5万4000円(熱延下地)、6万3000―6万4000円(冷延下地)。

 9月以降、本来の需要期に入ってからの需要落ち込みが予想以上に長引いている。首都圏の大型建築物件に関連した建材の波及効果も見られず、その他の分野では期待材料がない。販売業者には与信面の警戒する姿勢が見られ、余計に委縮した商いが目立つ。

 在庫水準は徐々に下がっているものの、とくに電気亜鉛めっきに過剰感がある。コイルセンターの在庫率は関東地区で190%だが、在庫の回転の悪さから数字以上に売れないとの実感が強い。

東 京地区の一般構造用鋼管(STK400、48・6×2・3ミリ)はトン5万2000―5万3000円で、弱含み横ばい基調が続いている。

 需要の停滞を反映し、市中の荷動きは活気薄。価格に関しても、依然としてジリ安傾向が大勢を占める。ただ、年度初めから夏場まで続いていた、月ごとにトンで約1000円段階的に下落する「下押し圧力」は弱まっており、目立った価格低下は見られない。上期末に心配されたメーカーサイドの売値がほぼ現状維持となったことも、価格の安定化に寄与したようだ。ただ、荷動きの先行きに明るい展望が持てないのも現実。

 目先、弱含み横ばいの見込み。

大 阪地区のコラムはベース5万1000―5万2000円どころで高値寄り推移。地区の大手流通は陥没価格是正のため、今月初めから唱えを引き上げている。各社は僚品主力のH形鋼が値戻し機運にあることもあって、3000円アップの5万3000円(STKR)の市況形成を目指している。

 市中の荷動きそのものは建築需要の低迷から盛り上がりを欠くものの、需要期ということもあって、「小口中心にそこそこ出ている」(特約店筋)状況。市中在庫も流通筋の買い意欲が減退しており、低位で安定している。

 こうした環境を受け、市況は1000円方上昇し、さらに上値を追う展開となっている。