2001.10.24
米 国際貿易委員会(ITC)は22日、鋼材に対する緊急輸入制限に向けた通商法201条に基づく調査で、対象33品目のうち12品目について国内業界に深刻な被害を与えていると認定した。判断が割れた4品目と合わせて16品目が救済措置の対象となる。鋼板類は電磁鋼板を除いて全て実質クロ。米国メーカー内で利害が対立するスラブもクロと認定。レールはシロだった。

 6月の調査開始以来一連の公聴会などを経て、ITCは33品目について個別に被害認定の投票を22日に実施。11月5日の週から対象品目の救済措置内容を詰めるために改めてヒアリングを実施し、救済措置勧告を2カ月以内にまとめて大統領に提出する。大統領は勧告から2カ月以内に最終決定する運びだ。

 ITC6委員の投票で3対3の場合はクロと同様に救済策の対象になる。普通鋼の鋼板類は電磁鋼板を除いてクロ。条鋼製品では棒鋼以外はシロだった。鋼管類では溶接鋼管と継手フランジがクロ。ステンレス・工具鋼では棒鋼、線材、工具鋼などでクロと認定した。スラブはクロと認定したが、輸入に依存している大手メーカーも多く、米国業界の中でも賛否が分かれていた。

 輸入制限されても、内容によっては一定の割当量の範囲で輸入を継続できる場合もある。割当量が高めに設定された場合、輸入制限の影響が最小限にとどまる可能性もある。

日 本鉄鋼連盟会長で、日本鉄鋼輸出組合理事長の千速晃氏(新日本製鉄社長)は23日、米国通商法201条による包括的鉄鋼調査に関するITC被害の認定結果について、「米国鉄鋼産業の保護を目的とするもので、極めて遺憾」とコメントした。

 同会長はこの中で、同調査が開始されてから輸出国側がITCに提出した回答書・意見書で分析されていることを踏まえ、「米国鉄鋼業の経営が悪化した要因は輸入鋼材ではない」と強調した。同会長はその上で、(1)内需の増加を上回る米国ミルによる設備の拡張(2)高炉ミル間および高炉ミル・ミニミル間の価格競争(3)自動車向けなどの需要減退(4)米国ミルが抱える過重なレガシーコスト―の4点を経営悪化の要因として指摘した。

 今回、ITCは調査対象33品種のうち、日本を含む各国からの米国の鉄鋼輸入数量の82%(01年1―6月)を占める12品種を「被害あり」、4品種について可否回数による「調査継続」と認定した。同会長はこれについて、「何ら認定の根拠も示されていない」と強調するとともに、「今般のITC決定は鉄鋼輸出国のみならず、米国の需要家にも甚大な悪影響を及ぼす」と深い憂慮の念を示した。同会長は「米ミルによる保護主義的圧力に屈したものであれば、誠に残念」と踏み込んだ見解を述べた。

住 友金属工業は23日、ウエブがフランジより厚い熱間圧延H形鋼(SM―TWH)を用いたSRC構造の省力化構法「SM―TWH構法」の日本建築センターの一般評定を取得したと発表した。評定取得に伴い、生産サイズをこれまでの400×200シリーズ3サイズから5サイズに拡大、新たに450×250シリーズの3サイズも追加し、これまでの1シリーズ3サイズから、2シリーズ8サイズに拡充した。

 評定を取得した構法は、ウエブの厚いH形鋼を柱に用いることにより、水平スチフナーを省略することが可能となる柱梁接合工法。11―14階建ての片廊下形状のマンションで鉄骨工事コストを5―10%程度削減することが可能となるという。すでに設計・施工法について評定を受けている。

 今回の一般評定の取得により、承認申請などの許認可もよりスムーズになる。ユーザーニーズに対応してSM―TWHのサイズ拡充を行うことにより、利便性が大幅に向上し、中高層のSRC造マンションの柱用鋼材として、今後、さらなる拡販が期待される。鋼材規格としてはSN400、SN490、SM490ほかが適用可能で、寸法精度については同社の外法一定H形鋼と同等の高い精度を有している。

鉄 スクラップ業者の新井金属(本社=神奈川県小田原市、新井宏信社長)は、神奈川県足柄上郡に金属、廃プラスチックを中心とした、複合材の分離選別が可能な「山北リサイクル工場」を建設する。総工費は土地取得を含め4億5000万円。今月16日に着工し、完成予定は02年4月末。中間処分・ISO14001認証取得にも対応できる、環境共生型工場を目指す。

 同社は、いぜんから富士ゼロックスの依頼でOA部品のリサイクル・リユース処理を行ってきた。また、プリンター製造工程の業務請負をはじめ、各種工程からの廃棄物管理業務の要請も高まり、集中処理できる新工場建設が必要不可欠となっていた。

 これまで以上に、より高度な分離選別の依頼や回収要請にもこたえられる工場として、中間処分(破砕・圧縮・洗浄・分離選別)、ISO14001認証取得にも取り組め、将来の環境規制をクリアできる水準を目指した。

 新工場(神奈川県足柄上郡山北町3042―1)は国道246号線沿いで3階建て。1階は金属リサイクル部門、2階は廃プラと複合金属の分離破砕ライン、3階はOA機器ほか、各種リサイクル・製造委託部門となっている。敷地面積は1658平方メートル、建屋面積は1873平方メートルで、人・荷物共用エレベーターも設置する。
経 済産業省は、今月から仮設業(重仮設、軽仮設)の実態調査に乗り出した。これは、業界の実態を把握することで活性化に向けての支援策を検討するとともに、深刻化している仮設起因の労働災害の原因を究明するのが狙い。同省が仮設業を1つの業種として認めるため、調査するのは初めて。

 仮設資材を扱う業者は比較的事業規模が小さく、ここ数年の厳しい経済環境下で経営状態が悪化。これに伴い、一部業者ではコストを削減するため、資材整備や現場管理など安全監理を適正に行わないケースが見られ、これが労働災害を引き起こす原因となっている。

 このため、経済産業省では仮設業の実態調査を行うことで、業界が抱える問題点を浮き彫りにし、これを分析して活性化に向けての支援策を検討。同時に、深刻化している仮設起因の労働災害原因を究明していく考え。

 同省は10月中旬、上場企業を含む重仮設や軽仮設など仮設資材を扱うメーカーやリース・レンタル、販売業者など約400の事業者に対してアンケート用紙を配布。調査項目は事業内容や受注状況、扱い資材など多岐にわたる。このアンケート結果をベースに、さらに20社前後に絞り込んでヒアリングを行い、今年度末までには報告書をまとめて公表する計画だ。

I NIスチールは、鉄筋のSD50の国産化に韓国内で初めて成功した。合金元素の添加とガス制御・精密圧延技術を駆使して、これまでのSD40より降伏強度が40%高い高張力鉄筋を開発した。これにより、INIスチールは年間700億ウォンの新規需要が見込まれるとしている。

 INIスチールは、韓国最大の電炉一貫メーカー。H形鋼を主体に鉄筋、ステンレス鋼板などを生産している。鉄筋は仁川工場と浦項工場で生産しており、9月の実績は25万2000トン。

 建設業界の軽量化と高強度化の市場ニーズに応えるため、SD50の開発に乗り出していた。今回降伏強度が50―64kgf/平方ミリ、引っ張り強度が63kgf/平方ミリ以上の超張力製品の開発に成功した。
神 戸製鋼所は23日、神戸製鉄所東側第2工区(神戸市東灘区)で地域交流施設「スポーツゾーン(仮称)」建設に着手したと発表した。

 同社は神鋼神戸発電所の設置に伴い、「地域との交流と共生」を目的に交流施設として「温温施設灘浜ガーデンバーデン」「エネルギー資料館(仮称)」「スポーツゾーン」の3施設を建設することにしており、今回着工した「スポーツゾーン」もその計画の一環。「スポーツゾーン」は、施設面積1万2500平方メートル(今回新設分のみ)、建設費2億5000万円、発電所1号機が稼働する2002年4月オープンの予定。

 「スポーツゾーン」は既存テニスコート(4面)の全面改装および既存グランドへの付帯設備の設置に加え、テニスコート5面を増設する。また更衣室、シャワーを備えたクラブハウス、専用駐車場なども新設される。完成後の施設は神戸市の「あじさいネット」を通じて市民に広く開放される。

 昨年11月に着工した「灘浜ガーデンバーデン」については、現在工事が進行中で、2002年4月にオープンする予定。また「エネルギー資料館」は発電所2号機が稼働する2004年4月オープンが予定されている。

U SX―USスチール・グループが22日発表した第3・四半期決算によると、純損失は2300万ドル(前年同期は1900万ドルの利益)と2・四半期の損失3000万ドルから縮小した。冷延施設閉鎖などの特別項目が最終で500万ドルの減益要因だった。1―9月の純損失は4400万ドル(同1億1800万ドルの利益)だった。

 3・四半期の営業損失は2500万ドル(前年同期は6000万ドルの利益、2・四期は2700万ドルの損失)。うち国内鉄鋼は4700万ドルの損失(同2300万ドルの利益、6900万ドルの損失)だった。1―9月の営業損失は1億5300万ドル(前年同期は2億6300万ドルの利益)で、うち国内鉄鋼は2億6700万ドルの損失(同1億4500万ドルの利益)だった。

 フェアレス製鉄所の冷延、ブリキ事業閉鎖を11月中旬に予定しており、3・四半期に関連の税引き前費用2900万ドルが発生。4・四半期には600―1100万ドルの費用を見込んでいる。

 3・四半期はUSS―POSCOの火災による保険金収入として2100万ドルを計上。冷延工場の再開は02年1・四半期の予定で、フル操業は年央になる見込み。4・四半期の受注は3・四半期を下回るペースで推移。今年の出荷量は1350万―1380万ネットトンの見込み。

東 京地区の冷延薄板市況は横ばい。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万5000―4万6000円。

 荷動きが悪く、市中でもコイルの出回りに余剰感が残る。高炉メーカー各社が値上げを打ち出したが、コイルセンターは転嫁に苦戦を強いられている。月間4万トン台と極端に減少している輸入コイルが、需給の緩和状態を示す。

 定尺品のスポット価格については販売業者が現状維持の姿勢。量がまとまると安値に流れるものの、数量のまとまった注文自体が少なくなっている。高炉の値上げで底値感は強まったが、市中の需要の落ち込みは予想以上に大きく、今後も市況は弱横ばいか。

東 京地区の平鋼市況はベース5万2000円中心の横ばい。僚品H形鋼の強基調を受けて下値が切り上がりつつあるものの、厚板とコイルの安値に侵食されて、出荷は減少している。このため市況上昇には時間を要し、スクラップ高を受けてのメーカー値上げも、当面行われない模様。

 7―9月の全国出荷量は月平均10万2000トンと、前年同期比2割減。9―10月は稼働日数の減少も影響して、「販売量は前年比20%減」(大手販売店)のところも。王子製鉄は10―12月の需要は7―9月並みと予測。流通は平均2カ月のランニングストックをそろえて安値払しょくに努める。

大 阪地区の等辺山形鋼市況は東京製鉄の値上げなどを受け、流通筋がさらに唱え上げの構え。市況はベース3万3000円どころで一段高。

 東京製鉄はこのほど、店売り販価を11月契約から1000円値上げすることを表明。需給環境自体は大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーによる強力減産もあって、低位に推移していたため、市中では値戻しムードに拍車がかかっている。

 市況は先週末までに3万3000円がほぼ固まり、引き続き上値を追う展開。扱い大手筋は11月から、唱えを市内オントラ3万6000円に引き上げる構え。僚品主力のH形鋼が値上がりしていることもあり、当面、強含み。