2001.10.26
日 本造船工業会(岡野利道会長)は25日、羽田空港拡張工法には、建設費が安く軟弱地盤にも対応できる浮体式海洋構造物「メガフロート工法」が最適との結論を得て、同工法の適用を提案すると発表した。01年3月に完了したメガフロート技術研究組合の技術開発は、その後、引き続き羽田空港拡張工事への適用を検討。従来のような「予見できない費用増大や工期遅延の可能性も低く環境負荷が少なく地震に強い」などとして羽田空港拡張工事向けに提案する方針を打ち出した。

 メガフロート(超大型浮体式海洋構造物)は、93年12月に当時の運輸省技術審議会の答申で国の施策としての技術開発を開始。これを受けて造船、鉄鋼業界を中心にメガフロート技術研究組合をつくり、日本財団の支援のもと95年から6年間研究開発を行ってきた。

 この研究でメガフロートの基盤技術を確立し、01年3月には、国土交通省のメガフロート空港利用調査検討会から「1000―4000メートル規模程度の空港建設が可能」との結論を得た。今回の羽田空港拡張工事へのメガフロート工法の提案は、公共事業効率化の要請や環境対策、情報公開制度による説明責任増大などを受けたもの。

 全国各地にある造船設備を活用すれば、浮体ユニットが一斉に建造でき、プレファブ化できるために建設コストが安く短工期。箱形板骨構造のため、内部に大きな空間を確保できる。

中 国の鉄鋼生産が前年比2ケタ増のペースを維持している。日本鉄鋼輸出組合が入手した国家統計局資料(速報ベース)によると、同国の1―8月の粗鋼生産は9076万トンで前年同期比9・9%、鋼材生産は1億155万トンで同19・5%増。一方で同期の鋼材輸入は同10・3%増の1133万トン、同輸出は315万トン、同27・4%減だった。

 同期の主要鋼材の生産は薄板1319万トン、前年同期比2・0%増、厚中板1349万トン、同27・3%増、線材1869万トン、同10・8%増、小形形鋼2759万トン、同25・5%増。このほか大形形鋼149万トン、同50・8%増、電気鋼板114万トン、同30・6%増などの増産が目立つ。

 一方、同期の輸入内訳は板類が995万トン、前年同期比10・2%増、棒鋼類50万トン、同14・2%増、鋼管類46万トン、同4・9%増、形鋼類14万トン、同5・1%増。輸出は板類122万トン、同52・9%減、棒鋼類61万トン、同13・8%増、鋼管類31万トン、同20・5%増、形鋼類23万トン、0・7%減、線材類14万トン、同9・4%減。

日 本機械工業連合会(日機連)は25日、2001年度機械工業生産額の改定見通しを発表した。生産額合計は80兆464億円(前年度比4兆9813億円、5・9%減)で、3年ぶりに減少見通しとなった。設備投資は自動車などが下支えているものの、企業収益の減退、IT関連の落ち込みや、米国経済、アジア経済の減速による外需のマイナスなど減少要因が拡大、アジア通貨危機、金融システム不安の続いた98年度並みの水準に後退することになる。今年2月調査と比べ、7兆1168億円、8・6ポイント下方修正された。

 業種別にみると、一般機械13兆157億円(同1兆2263億円、8・6%減)、電気機械28兆8890億円(同2兆7817億円、8・8%減)、輸送機械31兆1813億円(同6256億円、2%減)、精密機械1兆1166億円(同940億円、7・8%減)、金属製品3兆2335億円(同1135億円、3・4%)、鋳鍛造品2兆2869億円(同1165億円、4・8%減)とされた。

 一般機械では金属工作機械が同20・3%減、半導体・液晶パネル製造装置が同26・8%減、土木建設機械が同7・8%減、軸受が同9・8%減、ボイラー・原動機が同5・9%減と総じて減少する。

 電気機械では電子部品・デバイスが同15・9%減、有線通信機器が同16・6%減、回転電気機械が同5・9%減、開閉制御装置が同5・5%減と減少見通しとなった。

 輸送機械では乗用車同2・5%減、トラック同6%減、バス同5・6%増となり、自動車全体は同2・9%減。鋼船は同7・9%減。

 金属製品では機械工具が同4・9%減、鉄構物が同2・4%減、金型が同9%減、ばねが同8%減と減少を予想。

 鋳鍛造品では鍛工品が同6・9%減、非鉄金属鋳物が同0・1%減、銑鉄鋳物が同6・2%減、粉末冶金製品が同12・2%減、ダイカストが同1%減、可鍛鋳鉄・精密鋳造品が同3・4%増とされた。

ト ピー工業は25日、アルミホイールのリム(タイヤ組付部分)の板厚を薄肉化する新工法「フローフォーミング技術」の実用化に成功したと発表した。15インチホイールで、従来品に比べ5―8%の軽量化を図ると同時に、従来と同程度の強度を確保する。素材投入量の削減、コンパクト化による鋳造時間の短縮などコストダウンにも寄与。同技術による製品は、今年9月から豊川製造所(愛知県)でOEM納入を開始しており、順次適用サイズ・品種を拡大していく。

 アルミホイールの一般的な製造方法は、アルミの溶湯を金型に流し込み凝固させる鋳造法。機械加工など後工程を経て完成品となる。しかし、従来の鋳造アルミホイールは、溶湯の凝固を促すために、余分な肉を強度や機能上必要のない部位に設けている。結果として製品重量の増加につながっている。

 導入したフローフォーミング技術は、鋳造した素材を回転させながら、ローラーで熱間鍛圧(スピニング)加工し、リム部の板厚・形状を完成品と同等まで成形する工法。素材の引っ張り強度や伸びなど機械的性質が向上し、少ない材料で従来品と同レベルの強度が得られる。従来工法以上に素材品質の安定化が増し、強度アップと安定した品質によって薄肉化を可能とした。
高 炉筋によると、10―12月の国内自動車生産は、当初見通しの240万台から数万台規模で下方修正が避けられなくなった。対米を主体とした輸出の低下と国内販売停滞を理由とするもの。鋼材需要面でも4万―5万トンのマイナス要因になると見られている。

 国内の自動車生産は4―6月が235万台と、前年度同期比12万台のマイナスでスタート。続く7―9月は245万台でほぼ横ばいで、上期は第1クオーターの減少分をそのまま引っ張っての推移となっている。上期実績は、480万台と年率換算で1000万台を下回っている。

 今期は、各社の販売計画の単純積み上げで247万台。これを高炉サイドで調整し、240万台と推定されていた。ところがアメリカのテロ事件以降、輸出見通しが不透明になっており、国内販売も秋の新車効果にもかかわらず停滞が予想されている。

 自動車各社も、トヨタの下方修正をはじめ見直しに入っているといわれ、クオーターで各社数千台規模のマイナスが避けられなくなっている。高炉筋の推計では、235万台を割り込む可能性が指摘されており、鋼材需要で4万―5万トンの下方修正の見通し。高炉の下期減産へも、追加要因として影響すると見られている。

住 金大径鋼管(本社・大阪府堺市、山本和也社長)は、コスト対策から関西以西の物件対応で実施しているSTコラムの住金和歌山ゼネラルへの委託加工を11月末で停止する。12月から同社鹿島工場で内製化する。これにより、年間1万トンの加工量でも採算が維持できる体制を構築する。 

 住金大径鋼管は、住金の100%出資会社。スパイラル鋼管を主体に煙突・水管、コラムの3部門で展開しており、年間100億円の売上高。

 STコラムは、ビル鉄骨の構造材として開発されたもので、これまで年間1万5000トン程度の実績がある。住金本社からUO管を素管として供給してもらい、外部リングを溶接してダイヤフラムを取り付けたもの。省コスト、省力化製品として建築向けに実績がある。

 素管以降の加工は、関東地区物件を鹿島工場、関西地区物件を住金和歌山ゼネラルに委託している。加工比率はほぼ半々。外部委託の停止は、来年度以降の建築物件の低下が予想されるためで、内製化によるコスト削減を進める。

 STコラムの受注は、2000年度が1万1000トン。2001年度は1万トンまで低下する。2002年度以降は、1万トンを切る見通しで、外注方式では採算性の確保が難しいと判断した。

神 戸製鋼所はこのほど、同社グループ各社の事業概要やトピックスなどをまとめた「神鋼グループFACT BOOK 2001」を創刊した。同冊は神鋼本体の鉄鋼、アルミ・銅、溶接、機械・エンジ事業をコアに環境、省エネ、福祉、医療など同グループ会社83社を対象にしたもの。

 同社では、「グループ連結時代に入り、今後、さらに神鋼グループが一体となって事業活動に取り組んでいく観点から『FACT BOOK』を創刊した」としている。

日 本高周波鋼業(前野定弘社長)の新熱間ダイス鋼「KDA1S」(エーワンエス)が、アルミダイカスト分野で好評を得ている。優れた耐ヒートチェック性と被削性を兼ね備えたKDA1Sは今年1月の発売以来、売り上げが海外を含め2億円を超えた。

 ダイカストの金型は、高温の溶湯アルミと冷却水とに繰り返しさらされるため、熱疲労によるひび割れ(ヒートチェック)が起きる。ひび割れはアルミ製品にバリとして転写されてしまい、バリ取りに手間がかかる、鋳造を止めて金型修理する―などユーザーの悩みのタネとなる。

 KDA1Sは耐ヒートチェック性が優れているうえ、SKD61では劣る被削性が逆に向上することが特徴。この切削加工性の良さがユーザーの加工コストの低減、製造リードタイム短縮に寄与する。

 ダイカスト用に限らず金型業界では、コストの削減とリードタイム短縮へのニーズが一段と厳しくなっていることから、同社では一貫して「工具鋼の被削性改善」をテーマとしてKD11S、KPMAX、RC55などの新鋼種を開発・販売しており、いずれもヒット商品となっている。

東 京地区の等辺山形鋼市況は6×50で3万4000円、溝形鋼は5×50×100で3万8000円中心の強含み。下値はほぼ払しょくされた。山形3万5000円、溝形3万9000円が3割に増え、来週中には中心値になる模様。流通は今週からさらに1000円アップを唱え始め、上値をうかがう傾向。

 9月の生産量は前年同月比21%減と大幅な減産が継続されており、デリバリーは窮屈な状態で歯抜けが散見。二、三次店の在庫も減っており、仮需的な動きも出始めた。

 東京製鉄の1000円値上げは、流通には予想外との声も上がり、他メーカーの追随を懸念する向きも。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は弱含み横ばい。定尺市況は5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)。

 市況は高炉メーカーの値上げ発表が下げに歯止めをかけているが、コイル価格が上昇していないため、完全に底を打ったとは言えない状態。コイルセンターの在庫も出荷に対して2カ月分近く積み上がり、年内の在庫調整進展は難しそう。

 需要家に値上げを受け入れる余裕はなく、流通もメーカーに先行して唱え価格を上げる動きはない。定尺品は小口注文が占めて価格は変わらないが、需要の低迷は続く。当面はメーカーの減産方針を見守る展開。

大 阪地区の厚板市況は供給がタイトな状態が続いていることや、在庫も品薄なこともあって、流通はここにきて、唱えを引き上げてきている。市況は3万7000円どころで強含み。

 高炉メーカーは一部のメーカーを除いて、ロールが埋まっており、店売り向けはほとんど出ていない。輸入材は韓国、台湾からの入着に限定されており、遠国物はほとんど入らない状態。中山製鋼所も減産をしているうえ、出荷を抑制している。在庫は特約店段階、岸壁段階ともに減少しており、サイズによっては品薄となっている。

 ただ、需要は建築が落ち込んでいるうえ、機械も生産拠点の海外移転もあって、振るわない。しかし、メーカーの値上げ玉が来月から本格的に、流通に入ってくる方向にあり、特約店は徐々に、唱えを上げる見通し。