2001.10.31
2 001年度第3四半期(10―12月)の粗鋼生産計画は2465万8000トンと2500万トンを下回った。30日、経済産業省が発表した鉄鋼各社の生産計画の集計結果によると、第3四半期粗鋼生産計画は前期比116万2000トン、4・5%減、前年同期比272万1000トン、9・9%大幅減で、同省が先月末策定した鉄鋼需要見通しの粗鋼需要見通し2480万トンより14万2000トン、0・6%減となる。

 計画通り推移すると99年度第2四半期以来、9期ぶりに2500万トンを割る。高炉6社が前期より160万トンレベル減少するのに対し、季節要因も加味し、電炉、特殊鋼が増加となる図式だ。

 9月末メーカー・問屋在庫が616万トン、在庫率125・3ポイントと高水準にあることと、景気減速を勘案、2450万トンをうかがう計画が打ち立てられた形だ。これで01年の粗鋼生産は1億270万トン、前年比3・5%減と1億トンを超える。また、年度ベースでは第3四半期までの累計は7686万トンで前年度同期を5・2%下回る水準となる。

日 本鉄鋼産業労働組合連合会(荻野武士・中央執行委員長)は02、03年度の粗鋼生産見通しについて、それぞれ9000万トン程度と策定した。日本鉄鋼連盟が見通した01年度の9900万トンと比較すると、両年度にわたる予測は900万トン前後も大幅に下回る水準で、鉄鋼労連では「鋼材価格を建て直すため大手高炉が表明している3施策をすべて実行した場合、粗鋼生産で9000万トン程度の試算になった」と説明している。

 鉄鋼労連は28日から30日の日程で開催した「労働経済・政策制度シンポジウム」の「日本鉄鋼業の課題と展望」の中で同見通し明らかにした。鉄鋼労連は、同見通しを実施するにあたり、(1)内需の規模に見合った生産(2)価格重視の行動で、在庫調整をしっかり実行する(3)輸出についても需要規模に見合った対応をする―など、高炉大手が掲げている鋼材市況を改善するための3つ施策をすべて実行することを前提にした。

 また、鋼材のメーカー在庫については、「現在600万トン程度になっているが、適正水準としては200万トンを超えた程度、足元では400万トンも過剰だ」としている。

日 本の鋼材輸入が減少傾向にある。国内の需要が減少し、鋼材価格が「世界でも極めて低い水準」(高炉役員)に落ち込んでいるためだ。鋼材倶楽部まとめによると1―9月の普通鋼鋼材輸入は前年同期比16%減の約280万トンで、年率370万トン。普通鋼鋼材輸入はバブル期の91年に750万トンに達したが、その前後は500万―600万トン台で安定していた。

 景気後退に伴い、98年以降は450万トン規模に縮小。さらに「製造業の中国シフト加速などにより国内の鋼材需要は一段の縮小を余儀なくされる」(商社鉄鋼担当)見通しで、今年の鋼材輸入は86年(289万トン)以来、15年ぶりに400万トンを割り込むことになりそうだ。

 国内の普通鋼鋼材受注は、今年に入って造船を除くほぼ全製造業で前年同月実績を下回る状況が続いており、主力の自動車も6月からマイナスに転じた。一方、土木・建築も総じて前年の水準を下回っている。

 普通鋼鋼材の国内出荷は6月に前年同月比でマイナスに転じたが、上半期の生産・出荷増に輸出減が加わり、国内在庫(メーカー・問屋)は1月末から600万トン超の高水準にある。

 内需低迷と在庫増加を受けて国内の鋼材市況が薄板類を中心にアジア域内でも最低水準に下落。この結果、鋼材輸入が減少傾向にあるもので、日本にとって最大の輸入先である韓国からの1―9月の普通鋼鋼材輸入は174万dで前年同期比9%減少。台湾も74万トンと14%減少、内需が堅調な中国については12万トンで65%の大幅減となっている。

小 棒取引業務を電子化する、デーバー・イーディーアイセンター(DBE、社長=松岡直人・三菱商事建設鋼材冷鉄源ユニット部長)は、従来の関東ベース小棒メーカー5社から参加企業を増やし、来年6月までに全国のメーカーと接続する。年内に関東細物、来年3月末に北海道・東北・関西地区、6月に東越・中部・九州地区と全国に展開。また、商社も大手6社に加え、専業など他8社が参画する予定。出荷・注文情報から契約管理まで機能を広げ「小棒取引の全量化」(松岡社長)を目指す。

 DBEは、昨年7月に関東ベース5社と商社6社が立ち上げ、12月から業務を開始した。メーカー、商社間の受発注および出荷請求データの伝送サービスを実施。業務のシステム化で取引が透明化、事務処理も効率化しコストダウンにもつながる。関東ベース各社では、取引の大半をDBEを通している。

 全国展開に向け、各地区ごとにメーカー、商社の幹事分担を行った。関東細物の幹事メーカーは三興製鋼、主幹事商社は三井物産。北海道は豊平製鋼と三井物産。東北は東北スチールと三菱商事。関西はダイワスチールと住友商事。東越は三星金属工業と伊藤忠丸紅テクノスチール。中部は共英製鋼と同テクノスチール。九州は大阪製鉄と日商岩井。DBEでは、利用者の利用料金で運営費を賄っており、今後利用者の拡大で負担軽減を図る。

新 日本製鉄はこのほど、君津製鉄所の線材ラインの仕上げ工程について、ミルモーターなどの老朽化更新を行った。投資金額は約8億3000万円。新規設備の導入でモーターの出力を増やし、電力燃料原単位の改善や修繕費の低減化を進めた。

 君津の線材ラインは1ライン4パスの構成。今回の更新対象は仕上げミルのモーター・電気系統で、設備導入から30年経過し老朽化したため、新規設備に入れ替えた。

 改造後の設備は、仕上げNTミルモーター(交流3000キロワット)4基、同モーター駆動装置、主幹制御装置、サイリスター・トランス(2×1900キロボルトアンペア 11キロボルトアンペア/2×920ボルト)。

 更新工事は9月23日から取りかかり、10月9日に完了した。モーターを直流から交流式に替え、電力消費効率を改善。また、手間を要していたメンテナンスも省力化する。老朽化更新が目的であるため、製造能力に変更はないという。

松 尾橋梁(平田良三社長)はこのほど、新潟県の「風の丘柏崎コレクションビレッジ風力発電設備建設工事」を受注した。発電出力は480キロワットで、取り扱い機種はデンマーク製「ヴェスタス」。タワーは高さ35メートルの円柱、羽根半径21メートル、地上からの高さは56メートル。94年に手掛けた千葉県勝浦市の250キロワットの風力発電事業から通算で25基目となる。

 今年度は他に新潟県新発田市の1基、新潟県紫雲寺町の4基、秋田県鹿角市の9基の計15基を受注済み。31日に柏崎市の原子力発電所近くの建設予定地で安全祈願祭を行う。

 地元の協同組合であるニューエネルギーリサーチが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金交付事業として、97―99年度に風況などの事前調査から発電量試算などの概要システム設計までを実施。今回新たに「草の根支援事業」として補助を受けた建設部分を松尾橋梁が受注した。
韓 国3位の鋼管メーカー、新湖スチール(本社=ソウル市、朴鍾元・代表理事)はこのほど、インドのガスパイプラインプロジェクトで、ガス管(電縫管)2万8000トンを受注した。今夏に法定管理(会社更生法に相当)を終了して、新生スタートした同社が収益基盤の強化を目的に、高付加価値製品の輸出販売を積極的に進めていたもので、同社にとっては今回の大量受注が、今後の輸出販売戦略の大きな弾みになる。

 今回、同社が受注したプロジェクトは、インドの現地企業・GAIL(Gas Authority India)が進めるガスパイプラインプロジェクト(Seconderabad―Vizag)で、長さは約600キロメートル。受注量はガス管2万8000トンで、受注金額は1000万USドルに達する。製造サイズは12インチと10インチの2サイズで、今年12月から納入を開始し、来年4月に全量を納める予定。

 同社は95年に経営の行き詰まりから法定管理下に置かれ、98年に新湖グループに編入。今年に入ってからは、投資専門会社のゴールデンブリッジと投資契約を締結し、7月に債務返済を完了した。新生スタート後は、利益率アップを大きな目標とし、新鋭の大佛工場(木浦市)で生産する高付加価値製品の積極的な輸出販売を推進。今回の大量成約はこの第1弾となる。

P OSCOは、10月から電磁鋼板年産59万トン体制で新たなスタートをきった。高付加価値化路線の一環として取り組まれていた電磁鋼板の設備合理化は、無方向性電磁の改造工事を7月までに完了。方向性電磁も、9月末までに終了した。これにより、無方向性電磁鋼板53万トン、方向性電磁6万トンへの能力アップが完了し、アジア地区では日本に次ぐ高いレベルの生産体制を確立した。

 POSCOは、韓国内の電磁鋼板需要の量的拡大と質的向上(方向性電磁鋼板の需要拡大)に対応して、電磁鋼板ラインの改造を進めていた。特に方向性電磁鋼板は、年間2万3000トン程度が日本などから輸入されており、完全な国産体制がとれていなかった。

 今回の一連の増強対策で、2002年には年産4万8000トンと2001年の3万6000トンを1万2000トン程度上回る計画。さらに2003年には年産6万トンのフル体制になる。

 こうした能力アップで、2002年の輸入は1万トン程度に減少する見通し。2003年には完全に輸入材代替が完了する。一方、無方向性電磁鋼板は、2001年で内需が36万2000トン程度と推計されており、53万トン体制の確立で、輸出余力が一段と増す。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万5000円中心の強含み。北関東などで安値が残り、先週から始まった3万6000円下限販売の浸透には至っていないものの、広幅サイズを中心とする歯抜けの拡大とメーカー値上げを背景に、流通は来週から3万7000円下限を始める。

 1年ぶりとなる値上げに対し、需要家は「今回は信ぴょう性がある」(大手ファブリケーター)とみている。しかし、鉄骨価格は中小S造で11万―12万円前後と軟化傾向が続いている。また、来年以降の物件の減少が明らかになっているため、上昇基調は一時的との見方も強い。

東 京地区の冷延薄板市況は需要停滞で弱含み横ばい。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万5000―4万6000円。

 販売業者によると、売り上げは前年同月比およそ2割減の低迷状態が続いている。冷延は酸洗やめっき鋼板との価格差縮小から需要を食われる形で、コイルセンターの自社販売量も9月が8月を下回るという他品種と異なる結果になっている。

 高炉メーカーの値上げ方針は市況にとって防波堤の役目とはなった。ただ、定尺品の価格帯が幅広く、需要が低迷する中で市況が完全に下げが止まったとは言えない。9月の輸入コイルは減少が続きついに4万トンを割り込んだ。

大 阪地区の等辺山形鋼市況は、ベース3万3000―3万4000円どころで強含み。大手扱い特約店筋が陥没価格を是正すべく、段階的な値戻しを実施。各社は来月から、さらに唱えを持ち込み3万6000円に引き上げる方向で、市況はジリジリと値上がりしている。僚品のH形鋼が値上がりしているのも追い風となっている。

 また、市中在庫は2大メーカーによる強力減産で、ベースサイズを中心にタイト。ここにきて流通への入荷は一層鈍化しており、「歯抜けはベースから小山にも拡大してきた」(特約店筋)という。製販の値戻し努力を背景に、市況は当面、強含み。