2001.11.01
高 炉各社は第3・四半期の粗鋼減産に踏み切った。この結果、経済産業省が集計した粗鋼生産計画は2466万トンと9期ぶりに2500万トンの大台を割り込んだが、メーカー・問屋の国内在庫(616万トン)、薄板3品在庫(464万トン)とも依然として高い。国内の需要産業に回復の兆しはなく、米国テロによる景気減速と201条の影響などを考慮すると、期中でのさらなる追加減産が必要な局面。すでに一部の高炉は期中減産の検討に入っており、6社合計の追加減産は30万トンの上乗せになるもようだ。

 第3・四半期の粗鋼生産集計は2465万8000トンと前期比116万2000トン減、粗鋼需要見通しよりも14万2000トンの減少。高炉6社が前期より160万トンレベル減少するが、季節要因により電炉と特殊鋼が増加した格好。

 しかし、国内在庫は依然として多い。9月末のメーカー・問屋の国内在庫は615万9000トンと2カ月ぶりに前月比4万55000トン減少したが、水準的には引き続き600万トン台と高い。メーカー在庫は同32万トン減の594万トンと5カ月ぶりに600万トン割れとなったが、「メーカー在庫の適正水準は200万トンを超えた程度。足元では400万トンも過剰」(日本鉄鋼産業労働組合連合会)という。薄板3品在庫は5万8000万トン減の464万トンだが、5カ月連続で460万トンを上回り、適正水準より100万トン近くも多い。

 こうした状況を踏まえて、高炉各社は追加減産に踏み切る見通し。
経 済産業省がこのほど集計した2001年度第3・四半期(10ー12月)特殊鋼熱間圧延鋼材生産計画は、国内、輸出合わせて390万1800トン(前期比4万6000トン、1・2%増、前年同期比16万1000トン、4%減)となった。国内向けは自動車販売が堅調を維持していることと、一部鋼種の在庫調整進展から増加を計画。輸出は海外プロジェクトに絡む高抗張力鋼の大径管の増加を見込みプラスとされた。3期ぶりの前期比増で、計画通り推移すると、01暦年生産量合計は1588万2000トン(前年比0・9%増)と前年をわずかながら上回る。

 生産計画の内訳は、国内が270万9300トン(同0・4%増、同11・9%減)、輸出が119万2500トン(同3%増、同20・9%増)。国内は前年同期比では3期連続の減少となるものの、前期比では4期ぶりの増加となる。輸出は前期比では2期ぶり、前年同期比では4期連続の増加。合計も2期連続で前年同期比では減少するものの、前期比ではプラスの計画となる。

エ ヌケーケー条鋼は、品質対策を目的に、仙台製造所のブルーム連続鋳造および棒鋼圧延設備のリフレッシュ工事に着手した。連続鋳造設備はタンディッシュ容量の拡大や振動装置・矯正工程の改造など高清浄鋼のレベルアップを図る。今月15日の完工予定。また、サイズ・チャンスフリーミルを導入した棒鋼ミルは、きょう1日から試験圧延を開始する。一連の投資額は20億円強。品質化と「サイズ・チャンスフリー化」で品質・納期対応を強化し、顧客ニーズに応える受注・生産体制を整える。

 現在あるブルーム連鋳設備は1974年に稼働。品質対応をさらに強化するため、大幅改造を決めた。来年の計画だったが、棒鋼ミル改良と機を合わせ、相乗効果を図る。

 連鋳改造は、まず清浄度の向上。タンディッシュ(TD)の深さを900ミリから1150ミリに、容量を23トンから30トンに増やす。深さを確保し溶鋼中の介在物の浮上分離を促すとともに、鋳造速度を一定させ中心偏析を改善する。不純物除去にガスで外気を遮断しているが、これを完全シールに更新し、不活性ガスシール化を進め清浄度を引き上げる。

 一方、棒鋼ミルは、独コックス社製の最新3ロール・サイズフリーミルを導入した。10ミリ差のサイズを一つの穴型で圧延でき、サイズごとに行っていたロール交換が数スタンド(全20スタンド)で済み、1時間の組み替えが10分程度に短縮。生産性は10%向上した。

神 戸製鋼所はこのほど、2001年度版環境報告書を発行した。今回で3回目の発行となり、前年度版に比べて4ページ増やしA4判26ページとするなど、内容の充実を図っている。発行部数は9000部、11月にはホームページにも掲載する。

 報告書の内容は、環境管理方針や体制、地球温暖化対策、廃棄物対策などとともに、国内全事業所(12カ所)の生産工程から発生する排ガス・排水データなどを開示している。

 また今年度版では、新たに「有害物質対策」のページを新設、主要化合物(上位5物質+ダイオキシン)のデータを開示している。2000年度実績は排出量89・4トン、移動量42・1トンだった。

 さらに環境会計データを集計、それによると2000年度環境保全コストは、設備投資が20億円、経費が261億円などとなっている。

愛 知亜鉛鍍金(名古屋市中川区玉川町3―1―10、杉本雅英社長)は、愛知県春日井市松河戸町4170に建設を進めてきた新本社工場が竣工し、31日に完成神事を行った。新工場は中部地区最大のめっき槽(長さ15メートル×幅2・2メートル×深さ3・5メートル)を導入した最新鋭プラントで、きょう1日から新本社事務所とともに本格操業を開始する。

 同社は、溶融亜鉛めっき加工の大手メーカーで、子会社に静清亜鉛(静岡県富士市)を持つ。

 新本社工場は、既設の本社工場が老朽化し、工場敷地も手狭なことから、交通至便な新立地に建設した。「これまでの経験、研究の成果をすべてつぎ込み、21世紀最初に完成、かつ環境に配慮した近代型めっき工場」(杉本社長)で、省力化を大幅に進め、また低コスト・高品質・短納期対応が可能。総投資額は約37億円(土地代17億円含む)。敷地面積は2万1314平方メートル(195×115メートル)。工場建屋は6548平方メートル。事務所は既存の4階建て社屋を改装し、また厚生棟、倉庫・加工場も活用。一方、環境対策に3億2000万円を投じ、公害防止に万全な対策を尽くしたほか、敷地内には業界で初めてのビオトープを造成した。これは生物・環境保全を狙って約500平方メートルの用地に樹木を植え、せせらぎ、川魚を放流した池などを設けたもの。
川 鉄コンテイナー(本社=兵庫県伊丹市、近藤徹社長)は11月1日付で、浮桟橋事業を川鉄マシナリー(本社=東京都台東区、三宅祐史社長)に譲渡すると発表した。

 譲渡するのは浮桟橋の製造・販売・据付事業で、売上高2億4700万円(99年度)。89年から「ジェティー」の名称で新規事業として拡大を図ってきたが、プレジャーボート係留用途など浮桟橋市場の競争激化や中核である産業容器事業との関連性を考慮し、同じ川崎製鉄グループで機械設備を中心にエンジニアリング事業を幅広く展開する川鉄マシナリーへの事業移管が最適と判断した。

 10月31日付で営業譲渡契約を締結。事業部門の従業員4人が川鉄マシナリーへ移籍、出向する。譲渡価額と決済方法は両社で協議する。
住 金大径鋼管(本社=尼崎市、山本和也社長)は、上期でほぼ当初販売予算をクリアした。下期は自販製品(煙突、水管など)の営業強化を進め年間100億円の売上高を確保する方針。一方で住金工から要請されている15%のコスト削減とは別に、自社独自の合理化対策でコスト対策の積上げを行い、最終的には黒字経営を維持していく計画。

 同社は住金工からの受託生産品であるスパイラル鋼管を主体にSTコラム、煙突などの自販製品などを生産・販売している。主力のスパイラル鋼管は、鋼管杭需要が全国で50万―60万トンと低下している中で、当面、8万トンの維持を目標に設定。この水準に沿った上期の計画に対し、実績は2000トンのプラスとなっており、好調。下期は10―12月期も比較的出荷が高水準で、年間では8万トン強の生産・出荷をクリアできる見通し。

 この他、自販製品部門では下期での営業強化で上期の計画達成に上積みを行い、年間での計画達成を見込んでいる。

 STコラムは、年間1万3000トン前後の設定だが、上期は関東地区物件が大口で入り、数量的にはクリアした。現状で1万トン強は見えている段階で、さらに上積みをしていく。

 コスト的には一段の効率化を計画しており、12月から関西地区物件に対応するため、住金和歌山ゼネラルへの外注を取りやめ、鹿島工場での集中生産に切り替え効率化を図る。

エ ルエスフエンス(本社=東京都港区、阿部周治社長)は、来年度末を最終とする中期3カ年計画において、2年目にあたる今年度上期で要員合理化や、経費削減を前倒しで実施し、中計の合理化計画がほぼ完了した。この合理化によって、同社では年度ベースで1億円程度のコスト削減効果を見込んでおり、来年度にはさらなるステップアップを目指す。

 エルエスフエンスは中期3カ年計画で、最終年度である02年度には売上高150億円、経常利益1億7000万円、当期利益は7000万円を確保し、10円配当の実現を掲げている。

 合理化計画に関しては、前年度から可能な部分から前倒しで実施し、着実に成果を上げてきているが、土木建材を取り巻く需要環境は厳しさを増しており、今年度入り後は合理化および効率化を加速させて、早期に収益を確保できる企業体質を構築するべく、取り組んできた。

 この結果、今上期中には要員合理化や経費削減を前倒し、検討している遊休地の処分を除いて、中計の合理化計画はほぼ完了した。要員合理化は99年度末比で20%以上削減。固定費圧縮に関しては、7月で金沢営業所を閉鎖したほか、各地区倉庫を需要量に見合う規模に縮小した。また、本社および出先機関の事務所賃借料金を値下げするなど、地道な努力を続けている。

東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万9000円中心の強含み。流通は5日から山形3万6000円、溝形4万円下限販売を始め、残り2カ月の需要期で上昇を狙う。

 11月のメーカー販価は東京製鉄のみ1000円値上げで、他は据え置きとなった。関西との市況格差の縮小から、流通には半年以上続く販価の違いの是正を望む声もあった。メーカーは減産で対応することで直送分が減少。当用買いに徹していた二、三次店が結束単位で購入するように。8月に設定したエキストラは10×90×100で4000円、4×50で2000円が通っている。

東 京地区の中板は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000―3万5000円。

 店売り大手流通やコイルセンターを中心に、継続して値上げの浸透を図っているが、建材や設備投資関連の需要が低迷し、需要家への転嫁をできていない。価格是正に対する国内メーカーの姿勢が強く、底値感は固まってきている。

 ただ、需給バランスが市況を支援できる状況にない。東京地区は関西と比較してもコイルセンターなど再販段階での在庫調整が進んでいるものの、品薄感が出るほどではなく、販売量が伸び悩む中で在庫の回転も悪くなっている。当面、こう着状態が続く見通し。

大 阪地区の平鋼はベース4万円どころで横ばい。産業機械、建設機械といった機械需要が低調なほか、建築需要も伸び悩んでいる。このため、市中の荷動きは相変わらず低調で、9月末の流通出荷量も前月比1・9%増の1万1367トンと横ばい推移。

 また、市中在庫はメーカー各社が大幅減産しているものの、荷動きが悪いため、「タイト感を創出するに至っていない」(特約店筋)のが現状だ。

 このため、特約店筋が陥没価格是正のため、売り腰を強化しているが、H形、アングルほどの値上がりとはなっていない。市況は当面、横ばい推移。