2001.11.02
神 戸製鋼所は、01年度中に建材用薄板「スーパーガルファン」のクロムフリータイプを市場投入する方針を固め、鉄鋼業界で初めて建材分野でのクロムフリー化を推進する。有害物質の使用を全面禁止する欧州のWEEE規制や国内でのPRTRの施行などを受け、クロムフリー鋼板は家電用鋼板中心に普及してきた。同社では建材用薄板の営業強化を打ち出すなかで、優れた耐食性を発揮するクロムフリータイプをベースに、環境付加が少ない建材供給戦略を展開していく。

 「スーパーガルファン」は、特殊樹脂被膜の潤滑効果によりロールフォーミング成形など加工した後も、優れた耐食性を発揮する5%アルミをベースとする高耐食性鋼板。ユーザーの利用技術にまで踏み込んで加工部の耐食性強化を狙って開発し、01年6月に市場投入していた。

 建材分野での主力メニューとして提案するなか、環境対応型の建材を求めるユーザーにこたえるために家電で培った要素技術を応用。建材向けクロムフリー型のスーパーガルファンとして開発をスタートした。このほど実用化のメドがついたことから、01年度中の市場投入と新型スーパーガルファンをベースに建材分野でのクロムフリー化を推進することを決めた。

日 本鉄鋼産業労働組合連合会の荻野武士・中央執行委員長は31日、東京・新川の同連合会で開催した記者会見で、「2002年春季闘争の基本構想(素案)」を示し、この中で、闘争に臨む基本態度として「雇用春闘」と位置づけ、複数年協定の第3ラウンドに当たる02、03年度の賃金引き上げ要求を見送る方針を決めた、と発表した。

 同委員長はベア要求見送りの対価として、「鉄鋼産業から失業者を出さない、出させないことが基本」とし、「経営側に雇用安定協定を求めていく」と強調した。同日開催の総合政策委での討議・確認を踏まえたもの。

 鉄鋼労連は02春闘構想を傘下の各組合に提起し、討論集会を経てから来年の中央執行委員会で正式に決める。

中 山製鋼所(神崎昌久社長)は1日、昨年新設した熱延工場で結晶粒径が2―5マイクロmの微細粒熱延鋼板の開発に成功、引っ張り強さ500―600MPa級を「NFG」(ナカヤマ・ファイン・グレイン)の商品名で12月から製造販売すると発表した。当面、パイプ、建設機械部品メーカーなど特定ユーザー数社に販売先を限定、月間トータル1000トンの販売を目指す。

 微細粒熱延鋼板は、従来の熱延鋼板に比べ結晶粒径が3分の1以下と極めて微細なため、高強度、高靭性、加工性に優れる。また、溶接性も良く、高い疲労特性も備える。同社では独自技術による高圧下圧延と強冷却を連続的に繰り返すことで製造。具体的には熱延工場の連続仕上圧延機6台のうち、後段3台の圧延機で、圧下率50%を超える大圧下を行うと同時に、圧延機間に設置しているカーテンウオール冷却装置で強冷却(温度低下率40℃/秒)する。

 ホットコイルを圧延段階の大圧下と強冷却のみで細粒鋼板化するのは世界で初めて。また厚み、幅、長さ方向のすべてに均一な結晶粒とした製品で、こうした完全微細粒化も初。製造を可能とした熱延工場は97年の建設計画当初から川崎重工業と共同で高性能のコンパクトミルを目指すとともに、細粒鋼の製造が可能な冶金学的配慮を随所に盛り込んでいた。これを生かし今年1月に本格的に開発に着手、10月までに第一段階として引っ張り強さ500―600MPa級の開発に成功した。

軽 仮設リース・レンタルの最大手、日建・レンタコムグループ(関山正会長)は、今年度をスタートとする「日建・レンタコムグループ“新経営戦略21”」プロジェクトを立ち上げた。これを受けて、グループ中核企業である、日建リース工業(本社=東京都千代田区、棟方専松社長)では、出先機関の採算性向上を図るとともに、社員教育をさらに徹底するなど、新世紀における基盤作りを進めていく計画だ。

 「日建・レンタコムグループ“新経営戦略21”」では(1)次世代への完ぺきな計画・体制の構築(2)収益力の強化と増大(3)財務体質の改善・強化(4)時価会計及び、連結決算への対応――の4大経営目標を掲げ、21世紀レンタル時代に適合した強い企業集団を目指している。

 グループ中核企業である日建リース工業では前期(01年9月期)、賃貸売上高(00年9月期約143億円)・経常利益(同約7億円)ともに前期比10%アップに設定。最終的な数字は現在集計中であるが、厳しい経営環境下であるものの、リース料金の反騰で売上高は約2%、賃貸売上高が約3%とプラスをキープ。また、経常利益は全社的なコスト削減が効果を表し、2ケタの大幅増となる見通しだ。

 今年度はグループの新経営戦略プログラムに則り、出先機関のさらなる収益向上に取り組むほか、営業をはじめ管理部門、工場を含めた全社トータルで社員教育を徹底させて、新世紀において発展するための礎を築く。

神 戸製鋼所は、99年4月に改正された省エネ法普及による引き合い急増を受け、次世代型コンプレッサー「エコセントリ」の提案を強化する。98年11月の販売開始以来、16台の累計受注実績を持っているが、01年度上期ですでに4台を受注、通期で過去最高の10台を受注する見通しだ。今後はタイヤメーカーや製紙メーカー、その他、コージェネレーションユーザー向けに営業強化し、03年度をメドに年間10億円規模へ事業拡大を目指す方針。

 「エコセントリ」は、圧縮機と動力回収機(ラジアルタービン)とのコンビネーションで、従来の軸流タービン型コンプレッサーの効率倍増を実現した次世代型コンプレッサー。圧縮機と動力回収機の一体化で省スペース化を図りながら優れた経済性を発揮、これまで減圧して捨てていた1000キロワット以下の中低圧以下のレンジをカバーして有効活用できる。

 従来の軸流タービンは汎用性は高いがモーターに設置するため、構造上の問題から高速回転に耐えられない。一方、エコセントリは、ラジアルタービンを圧縮機の軸に取り付けることで高速対応が可能となる。

 このため製品の生産過程で大量の蒸気を使っているタイヤメーカーや、コージェネレーションで自家発電している会社での採用により、きめ細かくエネルギーを有効活用して短期間に設備投資を回収できる。エコセントリは、98年11月の発売開始以来、16台の累計受注実績を持っているが、今年度に入って引き合いが急増している。
住 金溶接工業(本社=尼崎市、古田知之社長)は、銅メッキレスマグ溶接ソリッドワイヤの生産技術を確立した。環境負荷軽減と溶接母材の表面形状改善が進む、と期待されている。すでに本社工場で10トン前後の水準で生産を開始している。国内の溶接棒メーカーで銅メッキレスソリッドワイヤの生産技術を確立したのは、神戸製鋼に次いで2社目。「将来、需要家の要望が強まっていけば、専用ラインの導入も検討したい」(古田社長)としている。

 アーク溶接材料の国内需要は、2000年度で32万トン。このうちマグ溶接ソリッドワイヤは50%のシェア。自動車、鉄骨、産業機械などの主要産業の大半が使用している。

 現在、主流となっているソリッドワイヤは、電導性を良くするため表面を銅メッキしている。このため溶接性は良いが、スパッタ(溶接時の火花)や、ヒューム(煙)発生の原因となっている。特にスパッタは、一緒に銅成分が飛散して溶接母材の表面に付着し、品質面で問題となっている。ヒュームは、工場の労働環境劣化原因の一つになっている。生産面では、銅メッキ加工に伴う酸の処理など、環境面でのコスト負担も大きいのが実情。

 こうした状況から国内では、業界トップの神戸製鋼がメッキレス製品の開発と製造技術を開発。福知山工場に月産500トンの専用ラインを導入して本格生産に乗り出している。さらに今年6月から松下溶接システムと技術提携して、銅メッキレスマグ溶接ソリッドワイヤの生産技術を供与している。
8 月の全国鉄骨需要は推定で63万4300トン、前年同月比10・7%の減となった。店舗と工場建屋の低下傾向が継続している。これに対し、季節要因で病院・学校関係がやや良くなっている。全般の動きとしては、前年比10%台の低下が継続している。このまま推移すれば、暦年の鉄骨需要は700万トンギリギリの線に低下する懸念がある。

 8月の建築着工面積はS造が5758万平方メートル、SRC造が1170万平方メートル。これに対応した推定鉄骨需要は63万4300トン。前月比では8%増加しているが、全般的な低下傾向に歯止めがかかったとはいえない状況。

 国内の鉄骨需要は、2000年4―8月が月平均で71万トン台で推移。この後、9月から急激に低下し、12月まで65万トン台となった。さらに1月以降は、関東地区の大型物件が一段落したこともあり、50万トン台に再低下した。50万トン台の推移は、5月まで続いている。6月以降は8月まで3カ月連続して60万トン台。

 多少回復の兆しはあるが民間物件の店舗、工場関係の物件が低下したままであり、公共物件の学校、病院の回復でカバーするのは難しいのが実情。

 今年1月以降、8月までの累計は470万600トン。月平均58万7575トン。年率に直すと705万トンで、仮に後半に急激に回復したとしても、800万トンを上回る可能性は低い。

神 鋼パンテツク(本社=神戸市中央区脇浜町、田中滋社長)は、廃蛍光灯リサイクル事業に参入する。播磨製造所(兵庫県播磨市)内に約3億円を投じて蛍光灯リサイクル処理施設を建設、試運転を実施してきたが、このほど兵庫県から正式に中間処理業許可を受けたことで、関西地区では初めての廃蛍光灯リサイクル処理事業を開始する。今後は営業エリアを拡大し、5年後をメドに20億円の売り上げを目指す。

 同社のリサイクル処理施設は、スウェーデンMRT社製のエンドカットマシンを用い、自動的に直管蛍光灯の両端部分を切断し、口金部分、ガラス管部分と内部の蛍光紛に分別。さらに口金部分はアルミニウム、口金ガラス、電極などそれぞれの金属に分解回収し、分離した有用物や破砕屑などの廃棄物は、環境に有害な水銀を除去・無害化するほか、原材料としてリサイクル化するもの。

 処理プロセスの特長としては、リサイクルに適したオール乾式を採用。通常の白色蛍光粉のほか、価格的に高価な三波長蛍光粉についても国内で初めて回収を可能としたことで、より広範囲での事業展開が期待できるとしている。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は、底入れ感も出てきてはいるが弱含み。定尺市況は5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)。

 高炉メーカーが値上げを一斉に打ち出したことで、市況にもようやく沈静化の兆しが出てきた。収益悪化に対する危機意識が、減産対応を含めて共通しているため。ただし、市況反発は難しい。

 建材需要が落ち込んでいるうえ、在庫の過剰感が消えないことが大きな要因。全国コイルセンター工業組合の関東地区の9月末在庫率(亜鉛めっき)は、198%。コイルセンターでは9月中間決算期の引き取りが若干増えたようだ。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は、12×300×300の一次加工付き価格でSTKR5万5000円、BCR6万4000―6万5000円中心の強横ばい。安値が払拭されている。

 流通の保有する加工納期の受注残は2―3日と、仕事量は増えていない。鉄骨価格は中小S造で11万―12万円と軟化し、Mクラスファブの仕事は年内までの2カ月。しかし、僚品H形鋼の上昇基調を受けて、流通間での足並みがそろいつつあることから、値戻し傾向が出てきた。

 まずは適正加工賃を確保できるよう、流通は年内STKR5万7000―5万8000円を目指している。

大 阪地区の中板市況は、地区の扱いコイルセンターが採算面の改善から、唱えを引き上げてきており、市況は3万円(3・2ミリ厚の3×6幅)どころで強含み。

 高炉メーカーの減産が本格化してきているうえ、輸入材も入着量が月間13万―14万トンと低水準。この結果、コイルセンターは入荷が絞られてきている。また、在庫もコイルセンター段階、特約店段階ともに減少傾向にある。特に、コイルは安値玉の在庫がかなり減っている。

 需要は建築、機械ともにさえない状況だが、流通はメーカーの値上製品が本格的に入ってきているだけに、今月からさらに唱えを上げる方向だ。当面、市況は強含み。