2001.11.05
新 エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2日、インドでは初となるエネルギー有効利用モデル事業として「高炉熱風炉排ガス顕熱有効利用設備モデル事業」など2件のプロジェクトに着手したと発表した。先月31日、インド政府と基本契約を締結、インド大蔵省経済局、鉄鋼省、タタ製鉄と高炉熱風炉から出る燃焼排ガスを予熱用熱源として有効利用する省エネ技術の有効性を実証する。実証後にはインドでの普及を進める。

 基本契約を締結したのは、高炉熱風炉排ガス顕熱利用モデル事業と、セメント焼成設備廃熱回収モデル事業の2案件。エネルギー有効利用と地球温暖化防止の国際協力、技術協力として行われる。

 高炉熱風炉排ガス顕熱有効利用設備モデル事業は一貫製鉄所であるタタ製鉄(年間粗鋼生産能力328万トン)で、高炉熱風炉に熱交換器などを設置、熱風炉から排熱を回収、熱風炉の燃料ガス、燃焼空気を予熱して燃料ガス量を低減する。省エネ効果は石炭換算で年間1万3550トン、二酸化炭素排出削減効果が同2万5090トンとされている。

N KKは、ノントランスファー方式プラズマ溶融処理システムの開発に成功し、医療系廃棄物処理をターゲットにハードサプライヤーとして事業参入する。ノントランスファー方式として世界最小のプラズマガンを利用し、5000度に加熱したプラズマ流を炉内に吹き込んで医療系廃棄物を完全無害化する。1300億円といわれる医療系廃棄物マーケットだが、300億円程度をターゲットに、全国で計画が進む医療系廃棄物の広域プロジェクト向けに提案活動を強化していく方針。

 同システムは、従来のトランスファー方式プラズマガンとは異なり、5000度に加熱したプラズマ流を炉内に吹き込んで完全無害化するもの。熱分解室と溶融層で構成されるプラズマ溶融炉で、投入した廃棄物ゴミを200分の1に減容化して溶融固化できる。

 ノントランスファー方式としては、世界最小のプラズマガンを炉内に3本設置。高価なアルゴンガスは使わずに空気を使っている点や、ノントランスファー方式のため耐火物を傷めず長寿命化が図られるなど、ランニングコスト低減が狙える。また、大幅な省スペース化が可能となる。

日 本鉄鋼連盟の千速晃会長(新日本製鉄社長)は1日に開催した臨時総会後の記者会見で、鋼材倶楽部および日本鉄鋼輸出組合と統合した鉄鋼3団体の存続法人として新たに日本鉄鋼連盟がスタートしたことに際し、「一つの団体となって機能の強化・効率化を図り、貿易問題に力を入れていくとともに政策提言を強化したい」とし、引き続き「共同研究開発や環境問題にも取り組んでいく」とコメントした。

 同会長は、旧鋼材倶楽部が1947年、旧日本鉄鋼輸出組合が53年に発足し、鉄鋼需給の安定化や鉄鋼輸出マーケットの調査・開拓からAD対応に忙殺されてきた半世紀に及ぶ歴史を振り返りながら、「その時代に応じた役割を果たしてきた」と位置づけ、「経済のグローバル化が進み、効率的な団体活動を推進していかなければならない」と3団体統合に至る概略を説明した。

 同会長は団体の職員数と運営形態について、「4、5年前から3割減を目標に合理化・効率化を進め、職員数は出向者を含めてほぼ達成した。(こうした節減効果が)会員の会費軽減につながっている」とし、「旧3団体の融合を図りながら効率的な運営を継続していく」と述べた。

 また、鉄鋼労連が02年度春闘でベア要求を見送る方針を示したことに関連する質問に対し、同会長は「(鉄鋼3団体統合の)テーマが違う」と断った上で、「高コスト構造になっている日本の産業が国際競争力の中で勝ち残っていくには(ベア要求見送りという)そうした動きは当然の方向」との認識を示した

三 興製鋼(本社=神奈川県平塚市、鈴木一郎社長)は、11月の細物小棒の販売価格を1000円引き上げる。市況軟化のあおりから販売価格は低迷し、また、原料スクラップが上昇しているため、採算が厳しくなっている。1月積み分の米国向け輸出を検討中で、需給調整を進め価格改善に臨む。

 出荷が堅調で在庫も低レベルにあり、需給はバランスしている。しかし、新規明細の発注が鈍く、ゼネコンの指し値も厳しいとあって市況環境は弱ムードが台頭。鉄スクラップも10月から切り上がり、メーカーの採算を圧迫し始めている。

 こうした状況から、三興は値上げを浸透させ、1―3月の不需要期に備え、年内をメドに市況の地固めを図る。一部商社には値上げに対し抵抗もあるが、「メーカー姿勢が強くなければ市況は改善しない」(鈴木社長)とし、売り腰を引き締める構えだ。

米 国鉄鋼労働組合(USW)は1日、鋼材の緊急輸入制限に関する提案書を米国際貿易委員会(ITC)に提出した。鋼板類、条鋼類、鋼管類については、法律による最大の50%の関税を課したうで、94年央から97年央の平均輸入量に基づいて輸入割当を課すよう求めている。ステンレスについては関税30%と割当を要請した。

 ITCは緊急輸入制限の措置内容について6、8、9日に公聴会を開く。公聴会の聴取内容などをもとに関税や数量割当などの制限措置をまとめ、12月19日までに大統領に勧告する。

丸 一鋼管(本社=大阪市西区、吉村精仁社長)はこのほど、国内外の成長事業への投資を目的とする「マルイチビジネスファンド」の第1号案件として、廃プラリサイクル事業を行う川瀬産業(本社=大阪府貝塚市、川瀬照雄社長)への投資を決定した、と発表した。

 川瀬産業は1976年に法人設立され、化学工業薬品卸・プラスチックリサイクル業などを行っている。同ファンドとしては、大阪府研究開発型企業振興財団の融資対象事業に認定されている廃プラリサイクル事業を有望事業と見なして、最近の環境意識の高まりも考慮して投資を決定。川瀬産業の増資分6500万円のうち2500万円を引き受ける形となる。

 同ファンドは「日本の産業を強くしよう」をスローガンに本年7月に、丸一鋼管が100億円を出資して設立したもの。投資対象は国内外の成長が期待される未公開企業や大企業の事業部門で、同社の商品開発、生産、マーケティングのノウハウおよび外部ネットワークを活用して投資先企業の支援・育成を図る。管理・運営については、同社100%出資の丸一インベストメント有限会社(鈴木博之社長)が行う。

姫 路地区の大手鋼材特約店である飯塚鉄鋼(本社=姫路市別所町北宿、前田正彦社長)はこのほど、本社工場に開先機能を有した最新鋭のCNCプラズマ溶断機1基を新設した。顧客ニーズに対応して、鋼板加工のスピードアップと精度向上を図るのが狙い。同時に、加工能力向上のため既設の3kwレーザーを4kwに改造した。一連の総投資額は約1億円。

 新設したプラズマ溶断機は、ハイパーサーム社製の「CNC400A」をコータキ精機が改良を加えて販売している最新鋭機。切断と同時にV型開先加工が取れるほか、コンピューター内蔵式であるため、現場と司令室の両方から指示が出せるのが特徴だ。切断有効幅は厚み50ミリ×幅3メートル×長さ26メートル。投資金額は土木・配管工事や集塵機の設置などを含み約6500万円。同機は今月から稼働を開始しており、顧客が求める「短納期、高品質」生産のニーズにこたえる。

 また、3kwレーザー機の改造では約4000万円を投じて、ファナック製の4kw電源を改良した日平トヤマ製品を据え付けた。これにより、切断有効板厚が12ミリから22ミリに拡大した。このほか、5トン起重機(東洋冷気製)1基、10トン秤量機(岡崎度量衡製)1基も新設した。

全 国鉄構工業協会(会長=橋本誠・大川トランスティル社長)は、鉄骨の品質を保証する制度を設け、来年度からスタートさせることを検討している。与信問題が深刻になるなか、工場認定の他にも保証を与えることで発注者に信用を与える。ゼネコンを通さずに施主が直接鉄骨を発注する分離発注を促す狙いもある。このほど全構協内の技術委員会で仮骨子をまとめた。

 仮骨子では、全構協の指定した鉄骨検査技術者が検査し、保険会社と契約した保証機構が、鉄骨の瑕疵や賠償責任を現場完了時から10年間保証することになっている。しかし、何をもって瑕疵とするかは不明瞭で、また、対象は希望する認定工場に限られていることから、趣旨が徹底しないのでは、との疑問も会員からあがっている。今後、骨子を叩き台にして議論を深めていく予定。

東 京地区の異形棒鋼市況はゼネコンの買い姿勢が厳しく、流通は売りに傾きがちで、ベース2万5500円どころを弱含み。

 ベースメーカー各社は、11月から1000円の値戻しに入り、市況の下支えに動いている。東京鉄鋼が11月に10月比20%強減産するなどベース各社は減産体制を強め、価格改善を強硬に進める意向。

 一方でゼネコンからの発注が鈍く、出荷もベースはピークを過ぎつつあり、需要の後退感が否めない。先行きの物件不安から商社は売り急ぎ、基調は引き締まりを欠いている。また、細物輸出が年内で終息する見込み。内需見合いの減産実施とならなければ、需給が崩れる懸念もある。

東 京地区の厚板市況は高炉各社の値上げが市中に波及しておらず、弱含み横ばい。市中価格(12ミリ、ベースサイズ)3万9000―4万円。

 市中が高炉メーカーの値上げ姿勢を見守る展開。10月出荷分からが値上げ対象だが、需要の低迷もあって母材の入れ替わりがまだ進んでいないことから、価格は底値圏に張り付いている。定尺品もコイルと重複する12ミリを境に価格差がある。

 大手溶断業者では温度差はあるものの、鉄骨を中心に一定の発注がされている。一方、中小では短納期物件を集めなければ仕事量の確保が難しい状態。首都圏の大手建築物件関連の需要も終盤に入り、先行き需要を支える材料を探しにくい。

大 阪地区の厚板市況はメーカーの値上げした製品が本格的に入ってきており、扱い特約店は唱えを上げつつある。これを反映し、市況は3万7000円どころで強含み。

 国内の高炉メーカーはロールタイトな状態が続いており、オーバーロール品はほとんど出せない状態。輸入材も月間4万―5万トンと低水準。この結果、特約店や熔断業者の入荷は極端に絞られている。在庫も特約店、熔断業者段階ともに減少しており、厚み12、16、19ミリサイズは品薄ぎみとなっている。

 また、岸壁の輸入材の在庫も極端に少ない。需要自体は迫力不足だが、流通は採算面の改善に注力しており、唱えの動きをとっている。当面、市況は強含み。