2001.11.06
川 崎製鉄は5日、南アフリカ共和国のサソール社向けに、天然ガスパイプライン・プロジェクト用として、26インチの電縫管ラインパイプ10万トンを受注したと発表した。通常、ガスパイプラインにはUOE鋼管が使用されるが、今回、電縫管ラインパイプが採用されたことについて、川崎製鉄では自社の厚肉の電縫管製造技術および熱延鋼板製造技術が、評価されたものとみている。

 川崎製鉄が受注した電縫管ラインパイプは、南アの石油化学工業大手のサソール社が発注した、モザンビークのテマネ天然ガス田から南ア・セクンダまでの全長865キロメートルの天然ガスパイプライン建設に使用される、鋼管16万トンのうちの10万トン。建設着工は02年4―5月ごろで、竣工は04年上期中の予定。

 同プロジェクトは伊藤忠丸紅鉄鋼が中心となり、ローカルコンテンツを高めるため南ア・ホールロングモアー社と仏・ユーロパイプ社とを含むコンソーシアムを形成。製品は川崎製鉄のほか、ホールロングモアー社が4万トン、ユーロパイプ社が2万トンを、それぞれスパイラル製法で製造し納入する。

 川崎製鉄ではこの電縫管大量受注を契機に、今後、いっそうの天然ガス向けラインパイプの拡販を図る意向。

新 日本製鉄・名古屋支店(木下洋支店長)の名古屋オフィスと、同社の中部地区における関連企業など合計44社が今月中旬に完成する『NSビル』(住所=名古屋市中村区名駅南2丁目13番18号)に入居することになった。事務所経費削減によるコストダウンと、情報を共有することで総合力の発揮を目指す。新日鉄の支店と関連企業のほとんどが同じビルに入居したのは今回が初めてのこと。移動は新日鉄・名古屋オフィスが今月23―25日、その他企業も今月17日から週末の休みを利用し12月9日までの間に実施する。

 現在新日鉄・名古屋の名古屋オフィスと関連企業の合計29社は名古屋三井ビル本館の14―18階に入居している。しかし、グループ全体でのコスト削減や、関連企業との間で情報交換をより密にするため事務所を移転、合計44社がNSビルに入居することになったもの。入居企業全体で年間約1億4000万円の事務所経費削減が可能となる。なお、他の事務所から移動し合流するのは日鉄建材工業と同社グループ4社、大阪製鉄・大阪物産、日鉄鋼管、大洋製鋼、東海カラー、新津田鋼材など15社。

関 西地区の鋼管特約店の宮脇鋼管(本社=大阪市西成区津守、宮脇敬治社長)は来年11月の稼働を目指して、本社工場の隣接地に新鋼管工場を建設する。あらゆる鋼管加工ニーズに対応する「鋼管受託加工サービス業」の新業態を確立すのが狙いで、既設の鋼管加工ラインなどを同工場に移設・増強。最適な工場レイアウトで生産効率を高めるほか、24時間稼働に伴う翌日出荷体制を徹底するなどして、業界のモデル工場を目指す。

 新工場は本社工場の隣接地で、敷地面積約8700平方メートル、建屋面積約5200平方メートル。今秋に土地所有者である新日本製鉄との間で売買契約を交わし、正式に建設地を取得。来年4月に着工を開始し、同年11月に本格稼働を開始する予定。

 設置する設備内容やレイアウトなどの詳細は今後決定するが、本社工場の既設加工ラインや設備などを部分的に移設する方向。切断・穴開け・開先といった一次加工や特殊切断加工といった鋼管加工ラインを最適なレイアウトに配置し、加工能力を増強。さらに、昨年から実施している加工工場の夜間操業体制をさらに徹底した「24時間稼働体制」を導入。注文を受けた加工品を翌日に届ける即納サービスを向上させる。こうした新しいサービスを提供することで、同社が掲げる「SPPS(steel pipe processing service)鋼管受託加工サービス業」という新業態を確立し、鋼管加工におけるモデル工場としたい考え。一連の総投資額はまだ明らかにしていないが、同社としては過去最大規模となる見通し。

日 本鉄鋼建材リース(本社=東京都新宿区、菅野幹二社長)は、従業員の20%強削減や2支店の本社集約など、これまで実施した合理化が効果を表し、今上期の利益は営業・経常ともに前年度比2億円増。さらに通期では、経常利益が同5倍となる見通しで、経営環境が悪化している重仮設業界内において、収益を確保できる基盤の構築が着々と進んでいる。

 同社は、今年度(3月期決算)をスタートとする中期2カ年計画に基づいて、上期で早期優遇退職制度による従業員の20%強削減や、北関東と神奈川両支店を本社に集約するなどの合理化を実行しており、販売管理費は前年度比で15%削減した。

 これが業績回復に大きく寄与し、今上期では売上高が前年度比2%増と善戦。利益は営業、経常ともに同2億円の増加をみており、収益は著しく好転している。また、利益重視の営業に転換した結果、売り上げ総利益は同7%増で、営業力がアップしてきた。

 下期は、業界を取り巻く環境が急速に悪化しているものの、これまでの合理化効果が期待されるため、売上高は同3%減となるものの、経常利益は同10%増を計画している。
国 内の大手造船18社の2001年度の造船鋼材(普通鋼ベース)の購入予定量は、277万4631トン、前年度比6・2%の増加見通しとなった。年間の鋼材消費が270万トン台に乗ったのは、1977年度(270万626トン)以来24年ぶり。日本造船工業会が8月に実施したアンケート調査で明らかになった。

 造船工業会は毎年2月と8月にアンケート方式で、大手18社の造船鋼材の購入予定調査を実施している。前回2月の調査では、上期136万4007トン、下期129万6983トン、合計266万990トンと想定されていた。今回の調査では、下期の計画が前回調査に対し、8・8%増加し141万624トンに拡大した。

 年度見通しでは、厚中板が234万5420トン、前年度比6・0%の増加。形鋼が22万6173トン、同横ばい。鋼管が7万3749トン、同18・1%の増加。棒鋼が12万5976トン、同16・1%増。鋼管が大きく伸びたのは、タンカーの建造が拡大しているため。

 厚中板の234万トンは、81年度以来20年ぶりの高水準となる。

 世界の新造船市場は、韓国や中国の受注拡大の中で船価が低下。これに90年代後半からの東南アジア諸国、北米を主体とした物流の拡大で船主の発注意欲が刺激され、2000年を中心に大幅な前倒し発注が見られた。この結果、2000年の世界の新造船発注は4609万2000総トンと例年のほぼ2倍近い水準に達している。01年の発注動向も堅調で、特に日本の受注は韓国とEUの受注摩擦を巡るWTO提訴問題などから拡大している。
合 同製鉄はこのほど、今期(10―12月)の生産計画をまとめた。それによると粗鋼生産量は、前期(7―9月)実績見込み比9・8%増の33万2100トン、鋼材生産量は同4・7%増の36万2860トンの計画。例年、電炉などの夏季定期修理で操業日数減となる前期に比べれば増加するが、小棒、線材、形鋼とも需要見合いの生産計画としており、鋼材ベースでは7―9月の特別期を除いて、96年以降で最も低い生産水準となる。

 粗鋼生産計画の内訳は、普通鋼が前期実績見込み比9・6%増の28万3700トン、特殊鋼が同11%増の4万8400トン。鋼材ベースでは、普通鋼の熱間圧延鋼材が同4%増の32万4180トン、特殊鋼の熱間圧延鋼材が同11%増の3万8680トン。

 同社は需要低迷下で製品価格の維持を優先し、生産量を抑える基本政策をとっており、今期生産も同政策に沿い、低水準の計画。

 品種別でも今期はH形鋼が3万8740トン(前期3万9446トン)、鉄筋棒鋼が9万5000トン(同10万3380トン)、線材が12万7000トン(同11万8096トン)と低水準で、98年との比較では7―9月の特別期を除いて各鋼材とも20―30%の落ち込みとなっている。
全 国鉄鋼販売業連合会はこのほど、会の役員82人を対象(回答数60)に10月29日締め切りで実施した業況アンケート結果をまとめた。

 地区別の回答では、「月を追うごとに景況感は悪化。秋の補正予算による工事も期待薄」(北海道)、「ファブは11月まで忙しいが12月以降の受注が不安。土木では雪害関連物件が出てきている」(東北)、「市には3年先まで大型物件があるが、大手ゼネコンとファブが安値で持っていってしまい、細かい仕事しか回ってこない」(川口)

 「ガス切板は若干仕事が増えている」(神奈川)、「定尺、母材の特約店の在庫意欲は低調で小口当用買い。加工でもスポットの建築物件は月を追って悪化」「厚板は市況改善の環境が整いつつあるが、マーケットの反応は鈍い。需要の減退は予想以上に急速に進行している」(東京)、「中厚のシャーリング、幅広長尺の寸法40円単価が出るなど心臓に悪い」(神奈川)、「9―10月の見積もりが減少して、11―12月に仕事が切れるのは明らか」(福井)、「動きがなく、値上げも静観。鉄骨単価の安値が目立つ」(岐阜)、「ようやく流通も死にもの狂いの値戻しに入りつつある」「H形鋼、一般形鋼中心に荷動きは若干上向いている」(愛知)、「計画されていた投資計画が延期またはストップされるケースが相次いでいる」(三重)、「H形鋼、一般形鋼は強含みだが、需要の盛り上がりは全くない。供給側の都合だけでいつまでもつか」「形鋼主体に値戻しされつつあるが、二次特約店ではユーザー価格に転嫁などできない」(大阪)、「公共工事は少ないが民間マンションの建築は多い。土木は低調」(愛媛)、「公共工事は小口推移。メーカー価格訂正でも需要への浸透は時間がかかる」(福岡)。などとなっている。

自 動車部品メーカーのキリウ(栃木県足利市、中川敏男社長)は、スカイラインGTR向け「17インチブレーキロータ」をNISMO(日産モータースポーツインターナショナル社)と共同開発し、来年春をメドに販売する。

 昨年秋から開発が進められ、同社が独自開発した自動設計システムによりローター形状を最適化させた。この結果、ブレーキ時に発生する「摩擦熱」を効率的に放熱させ、コスト競争力に優れた軽量化ローターの開発に成功した。

 スカイラインGTRは年間1200台販売されており、モータースポーツ愛好家をターゲットに来年春から全国のNISMO販売店舗(21店)に販売していく。中川社長は「技術提案型の自動車部品メーカーとして、さまざまな自動車メーカーやブレーキシステムメーカーへの事業展開に取り組んでいきたい」という。

 同社は、1906年に織物機械の製造・販売を目的に設立。現在は、日産自動車(シェア100%)、富士重工業(同86%)へブレーキロータやドラムを供給する大手自動車部品メーカーへと成長した。

 なお、千葉市幕張メッセで開催中の第35回東京モーターショーにも出展している。

東 京地区の縞板は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円。

 需給は薄板3品に比べて均衡しており、高炉メーカーの熱延鋼板値上げ表明もあって市況は引き続き横ばいで推移。ただ、数量がまとまった物件は割引対象となるほか、需要が減少傾向で高値は通りづらい。

 建築関連の中小物件が少なく、小売業者にとっても需要の核となる材料が見当たらないため、市況反発は期待できない状態。縞板扱い筋の工場稼働は堅調をキープするが、短納期の小物加工が中心で量の確保が難しい。厚板を含め、熱延鋼板の値上げ動向が1つのポイント。

東 京地区の関東地区の鉄スクラップ輸出価格は横ばい。FASで7600―7900円、中心値は7700円。

 メーカー購入価格が値上がりし、新規の輸出契約は低調に推移している。関東地区メーカーの実勢価格は中心値8500円と高値で取引され、輸出向けスクラップの集まりが悪い。「H2が品薄で新断ちを積んで対応している」(船積み業者)状態で、船積み時期は大幅に遅れているという。

 今後は、輸出契約残(現状は約20万トン)の消化が進み、今月末から来月にかけて弱含みの可能性もある。米国経済不安の影響を受けた、国際価格の下押し基調は当面変わりそうもない。

大 阪地区のH形鋼はベース3万2000―3万3000円どころで強含み。

 扱い特約店筋が陥没価格是正を目的に唱えを引き上げているため、市中は値戻し機運。荷動きは相変わらず小口中心で活気がないが、流通の足並みがそろっていることもあって、市況はジリジリと高値寄りに推移している。一部では持ち込み3万5000円も通り始めている模様。

 一方、高炉、電炉のメーカー各社は1000―3000円の値上げを表明しているため、流通筋ではさらに唱えを引き上げる構え。メーカー各社もここにきて1―3月の需要減を憂慮して減産幅を拡大することを検討しており、需給はさらに引き締まる可能性もある。

中 山製鋼所(神崎昌久社長)は鉄鋼生産事業の構造改革に踏み切る。来春をメドに第1高炉を休止、これに伴う措置として転炉からの生産、電炉の活用、半成品であるスラブを一部外部から購入するなどの体制とする。第1高炉は寿命を迎えており、改修を検討してきたが、業績が低迷し、改修費の捻出が困難となったため休止を決定した。休止により第1段階として高炉関連部門の人員を約半分に圧縮する。さらに3、4年後に寿命がくる第2高炉も休止の方向で、これに伴い第2弾の構造改革にも取り組む。