2001.11.14
経 済産業省は鋳造、鍛造、金型など素形材産業での途上国に対抗できる総合力の確保を念頭に、国際競争力向上の支援を打ち出す。足もとの業況悪化、海外シフトや空洞化などの懸案をにらみ、短期的、長期的な支援、施策を講じていく。

 具体的には中小企業性の強い同産業に対し、中小企業売掛金債権担保融資制度の活用などを通じ、金融対策を進める。平行して中長期的な視点で精密部品、小型化部品を指向した技術開発、金属ガラス成形加工技術などの技術戦略を遂行、政策的なビジネス環境の改善も絡ませ、アジアで優位性を持つ産業育成へのアプローチを図る。

 素形材産業は、景気後退から景況に厳しさを増すほか、中国などアジア地域での技術力向上による国内企業との競業、ユーザーの海外調達拡大と空洞化などの構造的な問題を抱えている。

 こうした経営環境の厳格化を受けて、同省では、メリハリを付けた対策に取り組む。短期的、中長期的な施策を進め、改善を促す。

住 友金属工業の下妻博社長は13日、額面割れを起こしている株価が、この日45円まで下落したことを受け、大阪本社で緊急記者会見を開いた。同社長は株価について「市場の評価は非常に厳しいが、当社の実態を反映しておらず、評価は不当」と述べると共に、今年4月に発表した「変革と再生」プランを粛々と実行しており、「来年3月末までに9000人の離籍は予定通り完了する。そのための資金も9月末時点で1500億円の手元資金が準備できた」「9月中間期決算見通しは、シームレスの好調により当初予想より経常で20億円程度は良くなる」「減産、単価下落によるマイナスは合理化の上積みで解消する」などと述べた。

 また、今後の施策として、(1)来年は一般従業員の賃金を5―10%カットする(2)来年4月から社内カンパニー制を導入する―考えを明らかにした。さらに「2002年度は必ず復配することを目指し、必死の努力をしていく」と復配の決意を示した。

 離籍については、すでに10月末で1000人が合意、年内に3000人、来年3月末までに9000人の離籍は予定通り完了するとしている。来年4月からの社内カンパニー制については、現在の事業部をベースに5社程度、住友金属小倉、住友金属直江津を含め6―7社のカンパニーになるとしている。
新 日本製鉄は2003年4月をメドに、千葉県袖ケ浦市にある旭化成の千葉工場内の遊休地に電力小売り用発電所を建設する。

 投資額約70億円で、設備の発電出力5万キロワットの設備を建設、首都圏オフィスビルや商業施設などを中心に販売していく。2001年中に旭化成との土地の賃借契約や行政への届け出手続きなどを終えて建設に入り、天然ガスは東京ガスなどから調達する。

 同社は、01年度から小売事業参入したが、これまでは自社で発電所を持っていなかった。今回、天然ガスを燃料とする出力約5000キロワットの小型の火力発電設備を10基程度新設することを計画している。

 旭化成から約8000平方メートルの土地を賃借して発電所の運営子会社の新設などを検討している。

中 国の1―9月の鋼材生産は1億1472万トンで前年同期比19・4%増、同輸入は1285万トン、10・5%増、同輸出が360万トン、26・4%減で、この結果、同期の鋼材見掛け消費は1億2397万トン、20・5%増となった。

 これは日本鉄鋼連盟まとめによるもので、9月の同生産は1316万トン、前月比0・9%減、輸入は152万トン、2・7%増、輸出が45万トン、25%増、見掛け消費は1423万4000トン、1・2%減だった。

 1―9月の鋼塊・半製品輸入は671万トン、前年同期比132・3%増、同輸出は206万トン、31・5%減。

 中国の鋼材生産、輸入の伸びを支えるのがおう盛な国内需要で、1―9月の工業生産伸び率は10・3%と00年の11・4%を下回るものの依然として高い水準を維持。また同期の基本建設投資の伸び率は11・7%で99、00年の約6%に比べてほぼ2倍のペースを保っている。

日 立造船は、国内自動車メーカーから相次いで熱可変型ガスタービンコジェネ設備3台を受注した。同システムは、発生した蒸気をガスタービンに注入して燃焼ガスと蒸気の混合体でガスタービンを駆動。蒸気量を加減して電力と蒸気のバランスのよい運転が可能となる。同社は、96年に国内で初めて同システムを中越合金に納入して以降、急速に受注を積み上げてきた。今回の連続受注で累計受注実績32台、発電出力19万5990キロワットを達成した。

 同システムは、常用発電出力時6100キロワットの発電が可能で、熱電比を変えることで常用発電出力40・9%、常用プロセス蒸気時は76・4%の総合熱効率を実現している。

 コンバインドサイクルに比べて蒸気タービンなどの設備が不要となり、取り扱いが容易。ISO9001の品質管理で万全の設備をシステムとして提供できる。環境面でも蒸気噴射により、低NOX化を図り、コンピューター制御による自動化を図り、連続運転や毎週起動停止が可能となっているのが特徴。
機 械式中堀鋼管杭工法である「KING工法」の受注が大きく伸びており、急速に市場浸透している。川崎製鉄など5社で構成される「KING工法研究会」によると、00年度受注実績は延べ長さで6万6048メートル(杭径800ミリ換算)となり、前年度比約69・6%の大幅増となった。今年度受注に関しては建築、土木両分野でそれぞれ同30%アップを目指す。

 「KING工法」は機械的に拡翼するKINGビットをスパイラルオーガーの先端に取り付け、鋼管杭の管内に挿入して回転させながら、杭先端部の土砂を連続的に排土する。杭を所定位置まで沈設した後、KINGビットを開いて拡大掘削を行い、杭先端部にセメントミルクを噴出しながら支持層地盤を撹拌混合し、先端拡大根固め球根を築造するもの。

 同工法のメリットは、独自開発の根固め施工技術によって、高品質の球根を構築できること。また、杭沈設と根固め球根の築造を連続して行うため、迅速な施工が可能であるとともに、既存の汎用機にKINGビットを取り付けられるなど、経済性が高い。さらに排土が少なく、低振動・低騒音で施工できることから、環境にも配慮する。

現 代ハイスコ(本社=蔚山市)は、現代自動車・起亜自動車と共同で、自動車用外板材のGA鋼板(合金溶融亜鉛メッキ鋼板)の開発事業に着手した。

 韓国の自動車メーカーは現在、内板用としては国産のGA鋼板を採用しているが、外板用は国内での本格生産がなされていないため、輸入材などで対応している。このため、政府産業資源部の支援を得て今後、2年で開発を完了し、営業生産体制の確立を目指す。開発に成功すれば、年間400億ウォンの輸入代替効果が期待されている。

 韓国内の自動車生産は、年間300万台強に達している。生産対応の鋼材は、POSCOなどを中心に国産品でカバーできている。しかし、特殊な機能材は日本や欧米から輸入されている。特に外板用の鋼板は、GA鋼板の代替としてFe―Flash鋼板が使用されている。

 現代ハイスコは、新冷延工場の本格稼働に伴い、自動車用の冷延鋼板では、同じグループの現代自動車や起亜自動車向けなどに供給を本格化させており、自動車向けの数量は年間100万トン前後に達している。数量面で一定量に達したため、高付加価値製品の強化に乗り出しているもので、深絞鋼板やメッキ鋼板などの機能材の開発を本格化させている。

 政府産業資源部が進めている2001年の第1次部品素材開発事業参加企業としても、認定されている。この中で政府の支援を得て、GA鋼板の開発研究に現代自動車、起亜自動車と共同で取り組むことになった。開発に成功すれば、外板用のフラッシュ鋼板に代わる自動車用外板材として、現代自動車や起亜自動車が本格的に採用していくことになる。

柏 原機械製作所(本社=大阪府柏原市、浅井武二社長)は社内のシステム化、およびコンピューターでの事務作業の効率化を推進している。今年8月には購買関係の事務処理システムを導入、現在、調整中の段階で、来年1月からの本格稼働を目指す。また、今年10月にはeメール関連のソフトをサイボウズに換え、社内の情報が共有化しやすい体制にした。

 同社は住友金属工業の関係会社で、産業機械とカップリングの製作、機械加工を手掛けている。前期(01年3月期)は売上高が70億円、経常利益が1億円。ただ、現状は不況の影響が大きく、カップリング部門は厳しい状況にある。

 このため、全社的なコスト削減、事務の効率化を推進してきた。今年8月には機械製作用の資材の購買を効率的に行うため、購買関係の事務処理システンムを導入した。現在、システムを調整中で、来年1月から本格的に稼働させる。

 同システムは発注業務の効率化、過去の購入価格の検索がスピーディーにできるうえ、製品の機械の納期管理までできるのが特徴。今後、同システムを活用し、事務作業の省力化を図るとともに、資材購入単価の節減を進める。

01 年度上期の大手高炉5社の出銑量(1日当たり)は21万797トンで前期比2・54%増加した。上期の出銑量は、6―8月の3カ月連続して21万トン台で推移したことから、こうした高水準につながったもので、同期における建築、自動車、産業機械など主要分野での鋼材需要の激減ぶりとは逆な出銑増となった。

 5社のうち、新日本製鉄の出銑量が7万9564トンで前期比5・52%増加したほか、川崎製鉄が3万8609トンで同3・86%増加した。NKK、住友金属、神戸製鋼の3社は1%未満の範囲で減少した。

 また、出銑比(炉容積1立方メートル当たり)は新日鉄が2・05で同0・01ポイント下落したが、他4社は2・0未満。

 燃料比(銑鉄1トン当たり)は新日鉄が490・3キロで同6・2キロ減少、NKK、川崎製鉄、住金3社は500キロ前半で2キロ前後から5キロの範囲で増加した。神鋼は1・4キロ減少した。

東 京地区の冷延薄板市況は横ばい。市中価格(1・0―1・6ミリ、ベースサイズ)は4万5000―4万6000円。

 高炉メーカーの3000円値上げを受け、一部流通は需要家に対する打診を行うが、需要環境がこれを受け入れる状況になく、浸透は難航中。定尺品市況は弱含みながら底値で止まっており、メーカーの強い値戻し姿勢が市況下落の歯止めにはなっている。

 需要は電機、建材など下方修正の傾向が強く、堅調な自動車もメーカーや車種によりばらつきがある。市中の商いでは在庫過剰が残るものの、極端な先安観が消えた中で販売業者は当面、市況維持をベースに底上げを目指していく考え。

東 京地区の鉄スクラップ輸出価格は横ばい。FASで7700―8000円、中心値7800円で推移。

 米国経済不安を反映し国際価格が値下がりしている。台湾向け米国スクラップ価格(CIF)が100ドル前後で取引されはじめ、米国コンポジット価格も65―68ドルまで値下がりしている。これを受け、日本の輸出価格は「今が高値」(商社)との見方が濃厚で、値下がり気配が広がっている。

 輸出量は、今週2万トン程度(前週4万トン)まで落ち込む模様。国内価格が好値で取引され、輸出向けスクラップの集まりが悪いため。ただ、輸出価格に対する影響は少なく、横ばいが続く。

大 阪地区の等辺山形鋼市況は特約店筋が採算回復を目指して、再度、売り腰を引き締めていることから強含み。市況は3万3000円中心。機械、建築など各需要の低迷から荷動きは活況感を欠くが、「それでも10、11月の流通出荷は上向く方向にある」(商社筋)。

 一方、供給面では大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーが強力減産を実施しているため、市中在庫は引き続きタイトな状況。ベースの中山は在庫率が1カ月を下回り、「小山にも歯抜けが拡大している」(特約店筋)という。

 こうした環境を受け、扱い筋は月内に1000―2000円高を図るべく唱えを上げており、市況は強含み推移。