2001.11.15
神 戸製鋼所およびオーストリアのvoestalpine・Stahl・GmbH(voest社)は14日、自動車用鋼板に関する技術提携に合意したと発表した。神戸製鋼は普通鋼鋼板で米USスチール、特殊鋼線材では米RTI、イタリアのルッキーニと提携しており、今回のvoest社との提携合意によって自動車向けの鋼板、特殊鋼の主力2分野で日米欧の3極供給体制を確立する。

 voest社は中東欧最大の鉄鋼ミルで、BMW、ダイムラークライスラー、アウディ向けの鋼板のトップサプライヤーという。世界の自動車業界の再編統合により、各メーカーの生産拠点のグローバル化が加速。素材・部品産業に対する世界同一品質製品の供給ニーズが高まっている。こうした中、世界の鉄鋼業界においても新日本製鉄と仏ユジノール、NKKおよび川崎製鉄と独ティッセン・クルップ、米AK・スチールとの自動車用鋼板を対象とする提携が具体化している。

 voest社を含むフェストアルピネ・グループは売上高3500億円、純利益200億円規模。粗鋼生産は年間530万トンで、品種別売上比率は鋼板76%、条鋼・鋼管24%。

 鋼板・鍛造品事業会社のvoest社は粗鋼400万トン、売上高2300億円、従業員7000人規模。同グループはテーラード・ブランクおよび自動車車体部品、鋼管・形鋼、軌条・条鋼のそれぞれの事業会社も持つ。

 神戸製鋼とvoest社は、今回の提携合意を受けて来年1月下旬に技術提携の基本契約を締結する予定。神戸製鋼は現時点ではとくに資本関係に踏み込む考えはないとしている。

 両社ともにこれまで自動車業界を主要需要産業と位置付け、とくに鋼板では今後の需要増加が見込まれるハイテン、表面処理鋼板、塗装鋼板の分野に注力し、自動車メーカー向けの実績を積み重ねてきた。

日本の自動車メーカーの欧州における生産拠点の増強・新設が具体化、一方で欧州自動車メーカーのアジア進出も進展しつつある。このため神戸製鋼にとって欧州の日系メーカー、voest社にとってはアジアの欧州系メーカーへの鋼板供給体制の確立がテーマとなっている。

 こうした状況を踏まえて合意に達した両社の技術提携は、自動車用のハイテン、特殊表面処理鋼板技術の相互移転をメーンとする。対象範囲としては鋼板の品質設計、工程設計技術、製造プロセス技術、加工・加工性評価技術などが予定されている。また、新商品の共同開発研究も進める。

米 国際貿易委員会(ITC)は13日、日本など20カ国製の冷延鋼板のアンチダンピング(AD)および補助金相殺関税の調査で、国内業界に被害ありとする仮決定を下した。決定により調査が継続される。商務省は補助金相殺関税で12月24日まで、ADについて3月7日までに仮決定する運び。AD対象国は日本のほか、アルゼンチン、豪州、ベルギー、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、韓国、オランダ、ニュージーランド、ロシア、南ア、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、トルコ、ベネズエラの20カ国。補助金相殺関税の対象はアルゼンチン、ブラジル、フランス、韓国。

 今回の炭素鋼・合金鋼冷延鋼板のADケースは、ベスレヘム・スチール、LTV・スチール、ナショナル・スチール、ニューコア、スチール・ダイナミクス、USスチール、WCI、ウェアートン・スチールが9月28日に提訴したもので、対象国は20カ国とほぼ全輸出国に及ぶ。13日のITCの仮決定では6人の委員が20カ国すべてにクロの判断を下した。

 日本鉄鋼連盟調べによると1―8月の米国の同冷延鋼板見掛け消費は景気後退の影響もあって1029万ネットトンで前年同期比16・7%減少している。国内ミルの出荷は876万トン、20・1%減、輸入が202万トン、3・5%増、輸出は48万トン、13・5%減。

 同期の見掛け消費に占める輸入品比率は前年同期の15・8%から19・6%に上昇しているが、97―99年の平均は22・4%で、今年の水準はこれを下回っている。

 日本製品の同期の輸入も前年同期の13万トンから27万トンに倍増しているが、97―99年の平均が年間54万トンで、今年はこれを下回っている。

 今年の同製品輸入が前年比で増加しているのは、前年実績が過去3年間に比べて低下していたため。その理由は、米鉄鋼各社が99年6月に日本を含む12カ国を対象に冷延鋼板のAD提訴に踏み切り、対象国からの輸入が一時的に事実上ストップしていたためである。

 このような状況から今回のADケースは提訴自体が通商法の乱用であるとして海外各国から非難されている。

川 崎製鉄は、10月25日に「蘇我特定地区」の整備計画が策定されたのを受け、同社の東工場の再開発事業をスタートする。10月の整備計画で対象となった製鉄所の敷地195ヘクタールのうち、製鉄所正面の東京寄りの土地と千葉市総合スポーツ公園予定地の2カ所130ヘクタールが02年3月の市議会で用途変換として承認されれば、正式に再開発プロジェクトが動き出す。

 「蘇我特定地区」整備計画は、千葉市の市営運営指針「千葉市臨海部地域」として総額1650億円をかけてスタートするプロジェクト。千葉市中心部から南方3・5キロメートルに位置するJR蘇我駅や臨海部遊休地を中心とした約227ヘクタールの土地の積極的活用を狙ったもの。

 具体的には、JR蘇我駅前や16号線の周辺地域を開発、千葉製鉄所東工場内にある遊休地を千葉市総合スポーツ公園にするなど地権者として市のヒアリングを受けた上で、地区のニーズを探りながら再開発事業を進めていく。

 現在、社内コストをトータルで積算中で、今回の130ヘクタールの土地を更地にするための費用として数十億円のコストを見込む。

住 友金属工業は来年10月以降、純粋持ち株会社への移行方針を明らかにしているが、移行後の研究開発部門の体制について、持ち株会社本社に付属し、組織・陣容は現状を維持する方針である。また、研究開発予算についても現状の年200億円をキープ、または若干増額の方向で検討するとしている。

 現在、研究開発体制として総合技術研究所、エレクトロニクス技術研究所の2研究所を持ち、要員は尼崎、波崎、各所駐在を含め総合技術研究所で500人、エレクトロニクス技術研究所で90人、計590人の体制。総合技術研究所は今年10月、ユーザーの過大を技術的に解決・提案していくための組織「SMICAT」と連携する「利用技術研究開発部」を設置、ユーザーニーズにスピーディーに対応する体制を強化しており、エレクトロニクス技術研究所は分社化したエレクトロニクス関係各社の技術支援を行っている。

 持ち株会社移行後もこの体制を維持、事業各社への新たな玉だしを急ぐほか、基礎要素技術のレベルアップ、「SMICAT」と連携したユーザー対応の強化などを図っていく方針である。
ジ ャパンリサイクルが千葉製鉄所で行っている川鉄サーモセレクト方式ガス化溶融炉による産業廃棄物処理事業が、2003年春から施行される建設リサイクル法を背景に新たな引き受け契約が出来ないほどの盛況ぶりを見せている。投入ゴミの80%を占める建設系廃棄物やカートリッジなど、すでに日量200―250トンのフル稼働状態。今後は、ハンドリングが難しい産業廃棄物での実績をベースに、01年度中の一般廃棄物分野での初号機受注を目指す。

 川鉄サーモセレクト方式ガス化溶融炉は、改質ガスを燃料やコンバインドサイクルで活用でき、燃料電池などとのコンビネーションも可能なプロセス。ダイオキシンの再合成も排ガスを一気に急冷するガスクラッキングにより完全シャットアウトできるクローズドシステムが特徴だ。

 01年1月に正式に処理事業会社であるジャパンリサイクルにプラントを移管し、日量300トンの炉は産業廃棄物フル稼働体制に入った。

 現在、受け入れているゴミの内訳は建設系産業廃棄物が全体の80%、その他カートリッジや一部、特別管理廃棄物であるアスベストなどもスポット的にリサイクル処理している。
千 代田鋼鉄工業(本社=東京都足立区、坂田正孝社長)は現在、遮熱鋼板と耐汚染性鋼板を開発中で、耐汚染性鋼板についてはすでに一部ユーザー向けで受注しており、来年度には両製品とも店売りを含めて市場投入する。また、今年から本格販売を開始した新製品も好調で、カラー鋼板販売量全体に占める割合は10%前後にまで伸びてきた。同社では今後、拡販に注力し、新製品に関しては、月間販売ベースでそれぞれ200トン以上を達成していく計画だ。

 千代田鋼鉄工業では、広範・多岐にわたるユーザーニーズに対応するため、新機能・新意匠製品を積極的に開発してきた。その中で、今年から本格販売を開始したのは「ニューストロングカラーGL」と「チヨダカラーGL 銀嶺」「チヨダカラーGL 半ツヤ」。

 「ニューストロングカラーGL」は、塗料に特殊樹脂ビーズを配合して加工性や、耐磨耗性などを向上させたもので、塗膜10年を保証している。「チヨダカラーGL 銀嶺」は、耐酸性雨・雪に適した新タイプの塗装ガルバリウム鋼板。特殊フッ素パウダー入り高級塗料を焼き付け塗装することで、表面がなめらかで滑雪性に優れているのが特長だ。

 また「チヨダカラーGL 半ツヤ」は、半光沢のツヤ消し仕上げで、シックな色調を持つカラー鋼板で、耐食性や耐候性に優れるだけでなく、赤さび防止10年を保証する。これら新製品に関しては、今年から本格販売に取り組んでいるが、ここにきて受注は漸増しており、カラー鋼板販売量全体に占める割合(月間販売ベース)は10%前後に伸びている。
日 本塑性加工学会は02年1月18日に、第209回塑性加工シンポジウム「鋳造金型寿命∞への挑戦」を刈谷市産業振興センター(愛知県刈谷市)で開催する。日立金属や大同特殊鋼などの素材メーカーをはじめ、大学研究者および自動車メーカーの技術担当者による講演が催され、金型の延命化を探る。

 シンポジウムでは金型寿命を革新的に延長する方策について、型材、表面処理、熱処理、作業条件、潤滑、工程設計、CAEなど様々な角度から焦点を当て、理論から具体的な適用例まで紹介、ディスカッションを行う。

 講演内容は、(1)トヨタ自動車による「鋼の熱間鍛造における摩耗事例と金型寿命予測技術の開発」(2)日立金属の「金型の破損問題に関するアプローチ」(3)大同特殊鋼の「最近の金型材料の動向」(4)日産自動車の「鍛造金型寿命向上の適用事例」(5)熊本大学の「型寿命の工学」(6)阪村エンジニアリングの「冷間鍛造金型寿命延長の考え方」―などが予定され、総合討論で今後の方向性を追求する。

米 アイアン・エイジ誌がまとめた5日現在の米国スクラップ・コンポジット価格(No.1ヘビー、トン当たり)は65・00ドルと前週比7・83ドル下落した。1カ月前は73・17ドル、1年前は74・33ドルだった。

 地域別の価格はピッツバーグが60・50ドルと前週比16・00ドル下落。フィラデルフィアは66・00ドルと3・50ドル下げ。シカゴは67・50ドルと5・00ドル下落した。

 西海岸の輸出向け価格はロサンゼルスが25―27ドルと前週比5ドル下げ。サンフランシスコは12―14ドルと5ドル下落。シアトルは0―0ドルと2―4ドル下げた。国内向け価格はロサンゼルスが56―58ドルと2ドル下げ。サンフランシスコは10―12ドルと5ドル下落。シアトルが17―19ドルと5ドル下落した。

東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万9000円中心の強含み。流通は今週から唱えを1000円引き上げた。流通は足並みがそろってきたことと、10月以降の荷動きの好転を受けて、11月いっぱいが最後の値上げ機会とみて山形3万6000円、溝形4万円固めを目指している。

 形鋼部会の集計によると、10月の出庫量は稼働日数の増加も受けて、前月比20%以上と大幅に増加した。

 山形は出庫20・8%増で入庫8・5%増、在庫は5・3%減。溝形は出庫27・3%増で入庫17・9%増、在庫が12・1%減。目先強含み。

東 京地区の縞板は弱横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は5万4000―5万5000円。

 縞板専業の販売業者では、秋口から継続する物件で好調だった工場稼働に低下の兆しが出てきたという。需要は不景気で工場や倉庫など設備投資関連が停滞し、年末にかけての見通しは良くない。

 商いについては「10月下旬からがぐんと落ちてきた」との声も聞かれる。調達する側から見ると、縞板の購入は他の鋼材の後回しになることが多く、建材需要の停滞がここにきて縞板にも影を落とし始めたようだ。小口の価格は堅調で動きがないが、数量がまとまると安値に流れやすい。

大 阪地区の平鋼はベース4万円どころで横ばい。産機、建機のほか建設関連需要が低調なため、市中の荷動きも低位安定。流通筋では季節的要因から、「流通出荷は若干上向く方向」との見方もあるが、おおむね活況感を欠いている。

 一方、扱い特約店筋は僚品のH形鋼などの値戻しに乗じ、売り腰を強化。現状、H形鋼や一般形のような値戻しには至っていないものの、極端な安値は切り上がり、一部で小口4万円以上も通り始めている。

 また、供給面でもメーカー各社は相当量の減産を今後も実施していく構えであり、市中在庫は年末にかけて増えることはなさそう。