2001.11.16
新 日本製鉄広畑製鉄所(藤井博務所長)は、スクラップヤード業者と共同で廃車の新しい解体マニュアルを開発した。シュレッダー屑の中に含まれる銅、ニッケル、錫など製品規格に影響する不純物を除去するもので、廃車屑の品質向上が進む。このマニュアルを生かし、広畑製鉄所内に年間17万台規模の廃車処理工場の建設を計画している。ヤード業者の進出という形になる見通しで、「2003年度から操業を開始する」計画。

 広畑製鉄所は1993年に高炉を休止し、冷鉄源溶解法(SMP)による鋼材生産に移行している。現在、大分製鉄所からの冷塊移入と市中屑購入で鉄源対応を進めており、月間のスクラップ購入は8万トン強に達している。 

 廃車屑は、Aプレスの形で年間500トン程度購入している。挿入前に鉄板で巻くなど事前処理しており、増量が難しいのが実態。

 一方、国内では、年間500万台以上の廃車が発生している。冷鉄源溶解法で鉄源を確保している広畑にとっては、将来的には資源として取り込まないと安定的なスクラップ購入が難しい状況にある。加えて地域の環境対策という観点から、本格的な鉄源として採用するための品質向上を研究していた。

 現在生産されているシュレッダー屑は、廃車をソフトプレスしたものをシュレッダーにかけている。このため銅、ニッケル、錫などのトランスプラントが含まれ、製品の劣化に繋がる懸念がある。このへんにシュレッダー屑の使用比率の引き上げができない理由がある。

 広畑製鉄所は、外部のヤード業者にスクラップの使用サイドからの考え方を提示。トランスプラントを除去できる廃車の解体システムとマニュアルを開発した。ポイントはシュレッダーにかける前にシートやモーター類を除去することで、これにより銅などの不純物の比率を大きく低減できた。一定の手順に沿って除去することでコスト面の問題も、ネックにならないとしている。

神 戸製鋼所は15日、米国ミネソタ州政府と北米最大の鉱山会社「クリーブランドクリフス社」、大手電炉メーカー「スティールダイナミックス社」が出資する「メサビナゲット社」と世界初の実用化となる直接還元溶融法「ITmk3」の商用化に関する覚書を締結した。今後、デモンストレーションプラント建設や実験操業が具体化するとともに商業プラント1号機を視野に入れたプロジェクトが本格的にスタートする。

 同プロジェクトは、01年度内に正式契約を締結し、2002年初めにミネソタ州のクリーブランドクリフス社所有のノースショア鉱山に年間2万5000トンのデモプラントを建設。2003年から1年間の稼働を経て、2005年をメドに年間50万トンレベルの商業機の建設に入る。

 デモプラントの建設操業にかかわるコストは、約2200万ドルになる見通しで、州政府の「21世紀ファンド」に加え、神戸製鋼(10%出資)を含むプロジェクト参加企業からの出資や融資で対応する予定。

 新直接還元溶解製鉄法「ITmk3」は、粉鉱石に石炭を混合したペレットを回転炉床炉でセ氏1300―1500度で加熱・保持、5―6分の短時間で鉄鉱石を還元させると同時に、鉄鉱石が含有する脈石成分をモルテンアイアンが溶解分離するという現象を応用した新製鉄法。

総 合商社・金属事業部門の02年3月中間期の決算が出そろった。今回の決算では各社によって発表パターンが異なり一概にはいえないが、三井物産、住友商事の2社が増収、その他の5社が減収。増収の2社を含む大手7社の下期の業績は、国内の需要環境の低迷、海外輸出環境の悪化と米国テロの影響もあって、さらに苦戦するものとみられる。

 今回は三井物産、三菱商事、住友商事の3社が非鉄金属を合わせた連結の金属事業部門で発表。日商岩井は単体の金属事業部門と鉄鋼部門の両部門。丸紅と伊藤忠商事は単体の金属事業部門。ニチメンは単体の鉄鋼部門を発表。個々に形態が違うため、全体の把握はできないが、傾向としては苦戦ムード。さらに下期以降は国内外の需要環境が悪化することは必至だ。

大手7商社2001年度上半期金属事業部門売上高
(単位:百万円)
 
01年度
00年度
増減
三井物産 売上高合計
872,910
795,307
77,603
売上総利益
33,784
営業利益
10,147
当期純利益
3,473
6,453
▼2,980
総資産
936,247
890,575
45,672
三菱商事 売上高合計
1,041,014
1,148,057
▼107,043
売上総利益
45,759
44,826
933
営業利益
6,471
4,390
2,081
当期純利益
1,276
▼2,032
3,308
総資産
1,178,025
1,054,255
123,770
住友商事 売上高合計
461,526
425,829
35,697
売上総利益
18,984
18,467
517
営業利益
5,248
4,921
327
当期純利益
2,485
1,927
558
総資産
316,338
331,974
▼15,636
日商岩井 売上高合計
495,910
628,154
▼132,244
(金属関連)
売上高合計
422,587
471,893
▼49,306
(鉄鋼部門)
総資産
丸紅 売上高合計
242,832
257,376
▼14,544
売上総利益
7,918
7,980
▼62
営業利益
当期純利益
総資産
伊藤忠 売上高合計
428,548
442,107
▼13,559
売上総利益
営業利益
当期純利益
総資産
ニチメン 売上高合計
39,950
62,518
▼22,568
売上総利益
営業利益
当期純利益
総資産
大 同特殊鋼は15日、高級帯鋼事業拡大のため、大平洋金属から購入、星崎工場(名古屋市)に移設を進めてきた熱間圧延設備、酸洗ラインが稼働を開始したと発表した。高合金、難加工材生産に適したステッケルミルで、稼働によって従来、渋川工場(群馬県)で行ってきた高級帯鋼の熱延工程を移管。知多帯鋼工場(愛知県)での冷延工程と合わせ、高級帯鋼は名古屋地区で一貫生産可能となり、品質、物流、リードタイム短縮などが改善した。酸洗ラインも硝酸レス電解酸洗方式に改造、02年春には加熱炉増設、粗列圧延機設置など付帯設備も増強され、競争力が高められる。

 同社では42ニッケル、パーマロイ、純ニッケルといった高合金帯鋼の電子材料での将来的な成長を見込んで、育成、強化を進めている。今回の熱延設備の移設、導入も高合金帯鋼の販売力アップが狙いで、総投資額は付帯設備も含め、約25億円にのぼる。00年度の帯鋼全体の生産量は3万3000トン、売上高約170億円で、うち高級帯鋼は115億円。今後、真空1次、2次溶解などの技術と組み合わせ、業容を伸ばしていく。
住 金溶接工業は、上期で増加した販売量を維持するため、海外市場を強化する。具体的には、サウジアラビアにある住金の合弁・ナショナル・パイプ・カンパニーの設備増強に合わせ、鋼管製造用の溶接棒の輸出拡大を進める。さらに昨年から開始した中国向け輸出に続き、台湾向けにも本格的に取り組む。数量的にはまだ少ないが、下期の販売減をカバーする程度は確保していく方針。

 同社は、住金小倉の連結会社として展開しており、住金グループの企業向けを主体に建築、造船、自動車向けなどに供給している。 2001年度上期は数量的には増加したが、単価ダウンが進んでおり、売上高は37億円とほぼ前年度並み。

 下期は、単価が回復しないまま数量的には厳しい状況が予想されている。このため再度コスト計画の見直しを強化するが、平行して海外市場向けを強化する。

 グループ企業向けとしては、サウジの大径鋼管メーカー・ナショナル・パイプ・カンパニーへの輸出を強化する。同社は、もともとスパイラル鋼管を主体に操業していたが、新たにベンディングローラーを導入して、ストレートシーム鋼管の生産を7月から開始している。今後、操業が本格化していくため、溶接用のフラックスワイヤの需要が増加する見込みで、これを日本からの輸出で対応する計画。

10 月の新造船受注は29隻、125万4000総トンで前年同月比19・8%減と低下したものの、水準としては高い状態が継続している。

 10月までの累計は1181万2000総トンで、2000年の実績(1159万総トン)を上回った。このまま推移すれば、年間で1500万総トンに迫る高水準が見込まれている。

 日本造船工業会によると10月の新造船受注は、3カ月連続の120万総トン台を続けている。内訳は貨物船が15隻、38万総トン。柚槽船が14隻、87万4000総トン。受注金額は1119億9300万円で、総トン数では前月より低下したが、金額では0・7%の増加。

 日本の受注が高水準を維持しているのは、韓国が選別受注を強化しているため。特にEUによるWTO提訴が秒読みの段階といわれ、韓国としても価格引き上げとともに、量の拡大には慎重にならざるを得ないのが実情。日本にとっては、円安傾向の定着も採算性の改善という点で、追い風になっている。ただ、新造船需要の総量は、アメリカを中心とした景気後退の動きの中で今後、低下すると見られており、年内は別として中期的には厳しい局面がでてくる可能性が強い。
中 国でVLCC建造がスタートした。中船重工集団公司は11月上旬、大連新廠で中国初のVLCCの進水を行った。今後、擬装を行い来年4月引き渡す。イラン国営運輸会社・NITCから受注していた5隻の中の1隻。これに続き来年、川崎重工業とCOSCOの合弁・南通中遠川崎有限公司でCOSCO発注のVLCCが起工される。

 中国は受注・竣工で世界シェアの10%を目指している。VLCCの建造が可能になったことで「受注は2002年にも達成できる可能性が出てきた。竣工量でも2003年以降実現できる」(長塚誠治・海事産業研究所上席研究員)見通し。

 中国は、自国船を自国で建造する「国輸国造」路線を打ち出しており、この一環として大型ドックの増強を進めている。全国を統括していた船舶工業総公司が南北2つの組織に分かれ、この中で新ドック建設と建造技術の向上が図られている。

 これと平行して受注拡大が進められており、2000年には123万4000総トン、世界シェア5・6%を確保している。この年の竣工量は58万8000総トン、3・7%のシェア。当面の目標は10%で、その対策の一つとしてVLCC市場への進出が計画されていた。

 受注面ではすでに、イランのNITCから5隻のVLCCを受注。これを建造するため大連新廠の大型ドック(全長365メートル)を整備し、第1船の起工を行っていた。今回、この第1船が進水した。30万総トンで全長333メートル、幅58メートル。竣工引き渡しは、2002年4月。

ジ ェネバ・スチール・ホールディングスは14日、子会社のジェネバ・スチールがほぼすべての操業を一時休止すると発表した。即日実施する。赤字が長期化しており、赤字資金をまかなえなくなった。現在融資元との間で融資条件変更などの交渉を進めているが、必要な資金を確保できない場合、連邦破産法11条の適用を申請する公算だという。

 融資元との間で1億1000万ドルの返済猶予などについて交渉している。供給業者に対しては資金繰りへの協力を要請する。こうした交渉がうまくいかない場合、操業資金が不足するため、法的救済措置を求めることになるとしている。

 ジェネバはユタ州に高炉一貫工場を持つ年産200万トン規模の鉄鋼メーカー。厚板、熱延コイル、鋼管などを製造している。99年2月に連邦破産法11条の適用を申請し、昨年再建計画を終えたばかり。

東 京地区のH形鋼市況は、200×100で中心値は3万6000円へ移行した。この1週間で在庫の不足状況がさらに顕著になった。

 中小ファブに対するヒモ付きのメーカー値上げが浸透していることも流通のムードの好転に寄与。帳端明けの21日からは3万7000円下限で販売が始まる予定。市中では特にダブルサイズが枯渇して「仲間うちを探し回っても手配できない」(大手特約店)状態から、流通は強気姿勢で安値販売を拒否。

 一方、メーカーによる店売り分の値上げへの抵抗は強く、浸透分は陥没価格の是正が大半。当面は強含み。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は弱含み横ばい。定尺市況は5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)。

 店売り分野の販売は引き続き低迷し、小売業者は量の確保には苦慮している。採算面の危機感と高炉メーカーの強い値戻し姿勢から、安値折り合いを避ける向きが多く、市況下落にも一定のストップが掛かりつつある。

 ただ、在庫過剰は相変わらず。全国コイルセンター工業組合のまとめでは、東日本地区の自社販売分の亜鉛めっき鋼板在庫率(月末在庫/出荷)は、198%と従来とほとんど変化がない。要因は出荷の減少が続いていることにある。

大 阪地区の厚板市況は需要自体はさえないが、供給がタイトなことから、特約店は唱えを上げてきている。市況は3万7000円どころで強含み。メーカー各社は通常ペースの生産をしているが、造船や大径管向けでロールは埋まっている。

 中山製鋼所の生産も多くない。輸入材も月間4万―5万トンと低水準。この結果、特約店の入荷は抑制されている。在庫も特約店段階、熔断業者段階ともに減少しており、厚み16、19、22ミリサイズは品薄ぎみ。

 ただ、需要は建築、機械ともに落ち込んでおり、市中の荷動きも低調。しかし、仕入れ価格が切り上がってきているだけに、流通は段階的に唱えを上げている。