2001.11.20
新 日鉄、NKK、神戸製鋼所がスチール製自動車車体構造の開発を目指す「ULSAB―AVC」プロジェクトは、2008年の欧州委員会によるCO2削減の環境規制をもとに設定した1キロメートル当たり140グラムという燃費効率目標を技術的にクリアできるとの見通しを明らかにした。現在、日本国内の燃費効率レベルは12・8キロメートルだが、10年を期限とする国内基準15・1キロメートルをはるかに上回る欧州基準値16・7キロメートルレベルをクリアできるという。

 同プロジェクトは、00年に活動を終了したスチール製超軽量車体開発プロジェクトULSABを拡充したもの。

 今回の大幅な軽量化達成のポイントは、2004年に開発適用されると見られる最先端鋼材の積極採用だ。足回り部材向けのTRIP鋼や150キロ級焼き入れ鋼板など、全重量の98%にハイテン鋼を採用して大幅な軽量化を実現した。

 自動車軽量化の流れを見ると、1500CCクラスの場合、10年前で300キログラム、ピークの99年前後で200キログラムレベルまで軽量化が進んだが、衝突安全性の問題から240キログラムまで重量が増えた。

 ULSAB―AVCでは、安全性は確保しながらコストやCO2などライフサイクルコストの観点も視野に入れつつ200キログラム対応を目指している。その後、ホンダのシビックで60キロ鋼が本格投入されたのを受け、トヨタなど自動車メーカー各社は01年度に入って80―100キロ鋼採用検討の動きが出始めている。

 現在、すでにハイテン技術の進歩で150キロ鋼まで作れるのも強みとなる。

東 京製鉄は19日、12月契約分の販売価格で異形棒鋼の建値・実行販価を1000円、H形鋼と線材の実行販価を1000円、それぞれ値上げすると発表した。秋の需要期とともに荷動きが好調で、市況にも好影響が出てきたと判断したため。薄板は、値上げ意欲はあるものの環境が整っていないとみて据え置いた。19日売り出し22日締め切り。

 H形鋼は2カ月連続の値上げ。異形棒鋼の建値の値上げは、昨年10月以来1年2カ月ぶりで、ベース2万4000円になった。「これまで安すぎたので是正した」(安田常務)。米国向け輸出は「最終判断が2月と聞いているので見守るしかないが、すでに減らしているため影響は小さい」との見方を示した。2月以降の新規契約は中断している。

 スクラップは、荷動きが好転し、東南アジア市場と国内とのバランスも取れてきたことから、価格は安定してくるとの見方を示した。

 輸出は1―2月積みの商談をしており、引き続き成約していく方針。

日 本鉄鋼連盟は19日、10月の粗鋼生産が841・2万トンで前月比14・9万トン、1・7%減となり、5カ月連続で減少したと発表した。10月の同生産は前年同月比8・6%減で7カ月連続減。この結果、4―10月の同生産累計は6061・3万トン、前年同期比3・6%減となった。

 10月の炉別生産は、転炉鋼が600・1万トン、前月比3・9%減(前年同月比7・1%減)、電炉鋼は241・1万トン、同4・0%増(同12・1%減)。転炉鋼は前年同月比で4カ月連続、電炉鋼は同9カ月連続の減少となった。

 この結果、4―10月の生産累計は転炉鋼が4415・3万トン、前年同期比1・2%減、電炉鋼は1646万トン、同9・4%減。

 鋼種別生産は普通鋼が695・1万トン、前月比1・6%減(前年同月比8・2%減)、特殊鋼は146・1万トン、同2・5%減(同10・5%減)。前年同月比で普通鋼は9カ月連続、特殊鋼が3カ月連続でともに減少。

 4―10月の生産累計は普通鋼が4955・0万トン、前年同期比4・2%減、特殊鋼は1106・3万トン、同0・9%減。
新 日本製鉄八幡製鉄所の起業100周年記念式典および記念謝恩パーティー出席のため来九した千速晃社長は18日、現地で記者会見を行った。この中で同社長は「八幡製鉄所は、技術や競争力がトップレベルを走っており今後もこれを維持してもらいたい」とし、「4大製鉄所(八幡、君津、名古屋、大分)は板系統を中心としており、自動車などあらゆる製造業のメインとなっている。お互いに生産を協力しあいながら今後ともさらに強化していきたい」と語った。

 起業100周年を迎えた感想について千速社長は「大変うれしく思っている。21世紀の八幡製鉄所は世界トップレベルの競争力を持つ製鉄所として一層飛躍発展することを期待する」と述べた。

 新日鉄における八幡製鉄所の位置付けについて、例えば分社化などの考えはあるのかとの質問に対しては「八幡の分社化は考えていない。グローバル化が進行する中で八幡は韓国、中国の玄関口として大事な役割を果たしていただきたい」と強調。また、北九州市が進める環境エコタウン事業などでも「主体的な役割を果たしていただきたい」と語った。

川 鉄鋼材工業(本社=大阪市住之江区南港東、木田仁雄社長)は来年にも、南港工場で酸水素ガス発生装置「アクアガスジェネレター」を導入する方向で検討に入った。コストの低減と環境対応の一環。導入を決定した場合、南港工場内のフレームプレーナーでアクアガスを使用する予定。

 同社は市川工場(千葉県市川市)と南港工場で、橋梁や鉄骨向けの切板を行っている。ただ、熔断業界を取り巻く環境は厳しく、多くの企業が採算確保に苦労している。そうした中で、同社も受注量の確保とコスト低減に注力している。

 このコスト低減と環境対策の一環として、南港工場でアクアガスの使用を検討しているもの。すでに、機械メーカーのすすめで、テスト使用を行った。早ければ来年にも、アクアガス発生装置を導入したい考え。

 なお、南港工場の熔断設備はNC熔断機2基、プラズマ切断機1基、レーザー切断機1基(出力=6kw)、フレームプレーナー2基、NCマーキング専用機1基、切板能力は月間3500トン。
王 子製鉄は、ノンスリップグレーチング用Iバー事業に参入する。このほど開発し、12月から販売を開始する予定。他社製に比べて凹凸の山が低く、転びづらい形状になっているのが特徴。

 グレーチングの材料となるIバーは、圧延で模様を付けて滑り止めを施すノンスリップの割合が増加傾向にある。現在、Iバー需要月7000トンのうち、4割がノンスリップ。現在は、共英製鋼と新関西製鐵が生産している。王子製鉄は10年前からグレーチングメーカーにノンスリップの生産を要請されており、このほど参入を決めた。
日 本鋳鍛鋼会は12月12日午後2時から、東京・千代田区内神田の同会事務所で「中国の鋳鋼・鍛鋼業に関する調査報告会」を開催する。今年9月11日から10日間の日程で実施された中国調査特別委員会による現地鋳鋼、鍛鋼メーカー調査の報告を行う。

 同調査は鋳鋼、鍛鋼の2グループに別れ、親善・交流、水平分業の可能性、国際協調を目的とした技術レベル・価格競争力の検証などを進めた。

 訪問した企業は鋳鋼が大連重工鋳鋼、大連日立寶原機械設備、大連清本鉄鋼、大耐ポンプ業、大連汽車車輌廠、ハルピン電機廠、鞍鋼集団機械製造公司鋳鋼廠、沈陽重型機械集団の8社。鍛鋼が大連大鍛鍛造、ハルピン汽輪機(タービン)、北鋼集団公司沈陽第一鍛造所、沈陽鉱山機械集団鍛造廠、沈陽重型機械集団の5社。

 報告会の申し込み先は日本鋳鍛鋼会・調査部、参加費用は会員1人4000円、非会員1人6000円。申し込み締め切りは12月1日(FAX=03―3255―3965)。

フ ランスのユジノールは16日、スペインのアセラリアとルクセンブルクのアーベトとの3社合併について、アセラリアからの要請で合併条件を見直す方針を明らかにした。ユジノールの業績悪化を受けて合併比率を見直す。3社の役員が21日に協議する。

 新会社ニューコ形成に当たって当初計画は、ユジノールが自社株1に対して新会社株1、アセラリアは1対8、アーベトは1対10の比率。新会社の比率はユジノールの株主が56・5%、アーベト株主が23・4%、アセラリア株主が20・1%だった。

 アナリストの予測によると、新会社の金利、税、償却前利益に対する貢献度は2000年実績でユジノールが50%だったが、ユジノールは今年下半期の赤字予想を公表しているため、貢献度は35%に低下するという。

東 京地区の中板市況は堅調。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000―3万5000円。

 需要は全般的に停滞している。12月以降も柱となる分野がなく、比較的好調な自動車関係もトラックでは不振が目立ち、期待できる材料がない。しかし、市況は高炉各社の販売姿勢が強いことと大手流通・コイルセンターの唱え価格引き上げの動きから堅調。

 小売店の在庫意欲は低く、店売り主力業者の販売量も前年同期比では10―20%の減少。こうした状況下で安値販売を回避する意向が強まり、逆に採算確保へ改めて値上げに取り組む向きが出ている。流通としては強気を維持したいところ。

東 京地区の角形鋼管(黒皮=2・3ミリ×100ミリ×100ミリ)はトン4万8000―4万9000円で弱含み横ばい。

 環境に大きな変化はない。建築需要は依然として低迷しており、産業機械・建設機械向けの需要もさえない。

 このため商いは小口中心で、需要の低さから下げても量が出る状態ではないため、市場価格は弱含みながらおおむね横ばいで推移している。

 11月の扱い量については「10月より悪い」との声が聞こえるなど、鈍さはかなり深刻なもよう。

 年末にかけても好転は望めず、現状維持に向けた流通の努力が続きそうだ。

 目先、弱含み横ばいの見込み。

大 阪地区のH形鋼はベース3万2000―3万3000円どころで強含み。

 市中の荷動きは建築の不振から迫力を欠くが、例年の需要期ということもあって、流通出荷は漸増傾向。10月の流通出荷は前月比10・2%増と2ケタ増となり、今月も「10月と同程度の出庫レベルが期待できる」(特約店筋)もよう。

 また、ここにきて土木需要が出始めており、流通筋では「電炉のロールが満パイ状態で、雇用調整金の関係もあって供給量は当面、増えない」との認識。

 このため、扱い筋は再度、売り腰を強化しており、月内にも持ち込み3万6000円を固めたい考え。