2001.11.21
住 友金属工業はステンレス事業で鹿島製鉄所の物流、工程プロセスなど各要素での改善施策を通じ、競争力向上を図る。新日本製鉄からの母材ホットコイルの調達でも新日鉄材への移行が、住金独自の鋼種を除く、ほぼ全量に達し、軌道に乗せた。年内には鹿島製鉄所で進めてきた50日から46日へのリードタイム短縮が完了、物流面で体制が強められる。これらの施策効果を踏まえ、今後も商流なども含め、継続的に合理化策を遂行することによって同事業を高度化、国際競争力を念頭に、強固な収益体質の構築を目指す。

 一方、足元の需要環境をにらみ、10月受注分からニッケル系、クロム系とも今年度上期対比15ー20%の減産を実施、市場環境改善に当たる。短期的な施策と、長期的な合理化策とを並行して手掛け、ステンレス事業の強化に結びつける。

 同社では、鹿島製鉄所で物流、工程プロセス、技術などで、改善策を講じ、競争力向上を実践してきた。物流面などでの強化策を進行することで、新日鉄との連携による合理化効果を最大化する狙いだ。

 物流対策としては、ステンレスの主力生産拠点となる鹿島製鉄所で、合理化を加速する観点から物流最適化を推進。従来のリードタイムを50日から4日短縮、46日に縮める。新日鉄との提携体制に移行後、母材ホットコイルの搬送がそれまでの住金・和歌山製鉄所から、新日鉄・八幡製鉄所に切り替わり、搬送距離は延長されたが、これまでにタイムロスは是正され、従来のリードタイムを維持。これをさらに鹿島での新物流体制が固められることで、リードタイムは46日まで短縮される。

新 日本製鉄は20日、八幡製鉄所、室蘭製鉄所とコークス炉化学原料化法をベースとする廃プラスチックリサイクル設備を建設し、2002年度から全国4製鉄所12万トンの廃プラスチックリサイクル体制を整えると発表した。設備投資はトータル40億円で、年産4万トンの設備能力増強となる。

 2002年度の設備稼働を計画しており、容器包装リサイクル法に基づき全国の自治体が取り組む廃プラスチックリサイクルにきめ細かく対応していく方針。

 今回の設備建設は、全国10カ所ある製鉄所を活用してローカルコンディションに合わせた廃プラスチックリサイクルの展開を狙ったもの。日本鉄鋼連盟が策定した自主行動計画をベースにした年間100万トンのリサイクル体制構築に向けた動きを本格化する。

 両製鉄所が導入する技術は、異物除去、破砕機、塩ビ分離機、減容成形機など事前処理設備とコークス炉装入設備からなるライン一式。それぞれ処理能力約2万トンの設備を20億円の投資で建設する。

 コークス炉化学原料化法は、既存コークス炉を活用し、プラスチックを約1200度で高温乾留することで廃プラスチックを100%リサイクルする技術。

 炭化水素油(40%)、コークス炉ガス(40%)、コークス(20%)など安定的な物質に熱分解できるため、有害物の残留がないのはもちろん、安全でリサイクル性に優れているのが特徴。分解、回収した物質は、全量化学原料として製鉄所内で直接活用でき、炭化水素油など油分は、プラスチックなどの合成樹脂などとして再利用できる。

N KKは20日、耐候性鋼のさび安定化処理の新技術「プレコート型カプテンコートM処理法」を開発したと発表した。厚板工場でのプレコートが可能である点を生かして、ショットブラストを大幅に簡素化。従来のカプテンコートMからさらに施工費低減や作業性の向上を実現した。適用第1号橋は02年3月に竣工する予定。

 プレコート型カプテンコートMは、同社が99年に開発した単層型さび安定化処理剤「カプテンコートM」をベースに、今年初めから三菱重工業と協力して研究を進め、実用化したもの。単層タイプの強みを活用した。

 新技術では、同社厚板工場で鋼板にブラスト処理をした後、厚さ10ミクロンほどのカプテンコートMを事前に塗布して出荷。橋梁工場で組み上げた後に軽いブラスト処理でプレコートを落とし、最終的に厚さ45ミクロンほどのカプテンコートMで本塗装仕上げを行う。

 従来はプレコートをしないため、鋼板状態から組み上げるまでに赤さびが発生、ショットブラストによる念入りな素地調整(赤さびを落とす作業)が必要だった。新技術では、さび安定化処理全工程の3分の1以上を占めるとされるブラスト作業の負担が大きく軽減される。
住 友金属工業は関西製造所製鋼品事業所(大阪市此花区)で製造している型鍛造クランクシャフト用の設計・解析・製作システムを全面的に更新、3次元デジタルエンジニアリングに対応する3次元設計体制を構築した。これにより自動車メーカーのエンジン初期設計の段階から開発に参画するデザイン・インの推進、メーカーの開発工期の大幅短縮、開発コスト低減に一段と寄与することができるとしている。

 システムの全面更新に投じた資金は4億円、1999年から順次更新を進め、このほど完了した。製鋼品事業所ではこれまで型鍛造クランクシャフト用CAD・CAM・CAEシステムとして、コンピュータビジョン社のCADDSシステムを使用、3次元データとしてはサーファイスモデル(光の濃淡差により面の形状を表現した画像)を使用してきた。

 しかし、近年自動車業界では物体の形状を固体として表現するソリッドモデルによる設計が主流になっている。また部品メーカーとの設計データの一元・共有化による開発リードタイムの短縮、開発コストの低減が求められている。これに対応するため、今回ユニグラフィックス社のUGソリッドモデルを導入、設計・金型モデリングをソリッドベースのシステムに全面切り替えしたもの。

 同時に自動車業界で使用されている主要なCADシステム(PRO/E=トヨタ、CATIA=ホンダ・三菱など)とのデータ変換ソフトを導入、データ授受のネットワーク体制を構築することで、3次元デジタルエンジニアリングへの対応基盤を整えた。これによりメーカーの開発工期は2分の1に短縮できるほか、開発コストも大幅に低減できるという。

米 国際貿易委員会(ITC)は19日、日本製のステンレスシームレス管のアンチダンピング(AD)提訴の再審理で、国内業界に被害ありとする認定を下した。当初のシロ認定が上訴で覆った。今後住友金属工業、山陽特殊製鋼製品に156・81%、その他メーカーに62・14%のAD課税が課される。AD調査の結果、ITCは昨年8月に最終シロと認定したが、提訴者が決定を不服として米国際貿易裁判所(CIT)に上訴した。CITは今年9月にITCの決定を差し戻し、再審理を命じていた。

 日本製ステンレス・シームレス鋼管の損害認定に関するITC6人の委員による19日の投票結果は3対3と分かれたが、規定によりクロとなった。

 このケースは99年10月に米鉄鋼ミル6社、2労組が提訴。00年8月にITCが国内業界に損害を与えていないとするシロの最終決定を下していたもの。普通鋼・合金鋼冷延鋼板のADケースでもITCは00年3月にシロの最終判断を下し、AD再提訴を受けて今月13日にクロの仮決定を下している。経緯は異なるが、いずれのケースもITCの判定がわずか1年から1年半後に覆った。

 とくに今回のケースの場合、9月21日にCITが差し戻しを決定したばかりで、徹底した再調査が実施される期間がなかったはず。前回の6人の投票結果は4対2でシロだったが、1人の委員交代によって判定が覆ってしまった。
経 済産業省は20日、同省内で産業競争力戦略会議を開催、次回以降の論点整理を行った。日本産業と海外企業との国際競争激化と国内生産拠点の海外シフトを踏まえ、課題や政策対応などを検討。今回は高付加価値化を志向するうえで国家戦略による技術開発支援、知的財産権の評価、雇用対策と人材育成の重要性が指摘された。

 同会議は、平沼赳夫・経済産業大臣の指摘懇談会で、千速晃・新日本製鉄社長をはじめ、奥田碩・トヨタ自動車会長、西岡喬・三菱重工業社長、森下洋一・松下電器産業会長、吉川洋一・東大教授などが参加、議論が進められる。1、2カ月に1回のペースで開催、来年5、6月まで議論を進め、集約する。

N KKのグループ会社の鋼管ドラムは、天然ガス自動車及び燃料電池車用の高圧ガス容器製造メーカーであるダインテック社との提携関係を強化する。98年の国内独占販売契約をベースに関係を発展させ、ダインテック社の株式の3%を取得。容器国産化を含めた事業展開を共同検討中で、国内における自動車向け高圧ガス容器のニーズ本格化を受け、JVでのタンク製造新会社設立も計画する。生産体制が整えば、アジアもターゲットにしていく。

 今回の提携強化は、従来の鋼製タンクの30%軽量化が図られた商用車向けカーボンFRP容器に関する事業拡大を狙うもの。約1億7000万円を投資してダインテックの株式の3%を取得。法人株主として第2位の地位を確立した。

 ダインテック社は、水素自動車向けの薄肉ライナーカーボン繊維で強化したFRP容器メーカーで、世界でもトップレベルの技術力を持つ。日本では、鋼管ドラムが98年に同社と独占販売契約を締結したことで、00年度は2000本の高圧タンクを販売、低床バスなどで採用されている。

 鋼管ドラムは、NKKが86年から開発していたガラス繊維FRPの事業を継承していたが、98年のダインテック社との提携を機に01年度に自社のFRP事業から撤退。ダインテック社のカーボンFRP容器とファーバー(96年イタリアのファーバー社から独占販売権取得)の鋼製容器の2つのメニューで、高圧ガス容器の幅広い提案をしていくことを決めた。

ベ トナムは、2002年を初年度とする鉄鋼産業10カ年計画を策定した。10カ年で総額40億ドルの設備投資を実施する計画で、政府も承認した。計画では、現在の国内需要150万トンを5年後に400万トン、10年後に800万トンまで引き上げる。

 ベトナムは、ドイモイ政策の浸透の中で経済復興が段階的に進んでいる。96年以降の通貨危機の影響も解消されてきており、再び上昇傾向にある。こうした中で、鉄鋼産業を経済復興の基盤産業として今後、強化していく方針を固めた。

 現在、鉄鋼生産は国営の鉄鋼公社(ベトナム・スチール)や、日本のビナ・キョウエイによる小棒、韓国の世亜製鋼の現地合弁によるパイプなど特定製品に偏っている。

 今後は鋼板などの先進国型の製品の増産を含め需給の底上げを図る。計画では、ベトナム・スチールで鋼板とビレット設備の増強投資を進める。最初の5年間で17億ドルを投下。さらに後の5年で23億ドルを投入する。

 これにより、国内の地下資源である鉄鉱石を活用し、10カ年で内需を現在の5倍強の水準に引き上げる。海外企業の新規進出も促進させる計画で、同時にすでに進出している企業の増強投資も促進させる。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万6000円中心。東京製鉄による2カ月連続の値上げは、陥没価格の是正。3万5000円も残るが在庫の減少を追い風に、きょうから商社中心に3万7000円下限販売を始める。

 市中では特に100ダブルサイズの引き合いが増えている。しかし荷動きは、落ち込みの激しかった9月比では増加しているが水準は低い。東京ときわ会10月の出庫量は前月比9・4%増だが前年比では22・1%減。

 11月は10月比横ばいで推移。ファブの手持ち仕事量が1―2カ月で年明けの落ち込みが予想されるが、目先は強含み。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は、5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)で弱含み横ばい。

 需要の停滞は相変わらずで、2―3カ月先を見ても回復要因が見当たらない。ただ、店売りに限れば価格は底を打った、もしくはようやく底入れとの見方が強まっている。高炉メーカーの値上げ姿勢が強いためで、流通も転嫁は難しいが安値回避では一致。

 9―10月のコイルセンターの自社販売量は上向いた可能性が高い。ただ、自販在庫は2カ月分近くあり、在庫調整が終わっていない。需給が急速に引き締まることはなく、当面は横ばいか。

大 阪地区のコラム市況はベース5万2000―5万3000円どころで横すべり。扱い流通筋はH形鋼など僚品市況の値戻しを受け、販売価格を引き上げている。これが一部浸透して、部分的には持ち込み5万3000円も通り始めている。

 ただ、市中の荷動きは今月に入って鈍化。加工流通筋の加工納期は3―4日程度だが、1―3月の不需要期を控え、需要の減速懸念が随所に出始めている。 また、鉄骨価格も依然、10万円前後で弱含み。ファブ各社の仕事量もHクラスは1―3月が埋まり始めているが、Mクラス以下はまだまだ少ない状況で、ここにきてファブの指し値も厳しくなってきている。