2001.11.22
新 日本製鉄など高炉大手6社は21日、2002年年3月期中間決算および通期見通しをまとめた。連結中間期の経常損益は6社中4社が赤字、当期損益は新日鉄を除く5社が赤字を計上した。通期の経常損益見通しは新日鉄と川崎製鉄が黒字、住友金属工業がゼロ、他3社は赤字。

 薄板類の価格が国内、輸出とも大きく下落したことが最大の減益要因。01年度下期について高炉各社は、「米国でのテロ事件発生を契機として世界景気の一層の減速が予想される。輸出のさらなる減少や設備投資の大幅な落ち込みが見込まれるなど、景気の下振れ懸念が一段と強まる」(NKK)との見方で一致している。各社は、この下期から粗鋼減産をテコに価格改善に取り組む方針だが、景気全般が後退局面にあることから、少なくとも年度いっぱいは厳しい状況が続きそうだ。

 9月7日発表の最終見通しから連結通期の経常損益見通しがさらに下方修正されたのは川崎製鉄(修正幅150億円)、新日鉄(120億円)、神戸製鋼(60億円)、日新製鋼(50億円)の4社。

 連結通期の当期損益見通しが下方修正されたのも神鋼(100億円)、新日鉄(70億円)、日新(60億円)、川鉄(120億円)の4社。中間配当は各社とも見送りを決めている。

 高炉6社の業績は、全国粗鋼が9090万トンに落ち込んだ98年度から99年度、00年度と2年連続で改善され、この間、有利子負債削減など財務体質の改善も進んだ。しかし、00年度後半から、それまで世界経済を支えてきた米国経済が失速、経営環境は再び暗転。

住 友金属工業の下妻博社長は21日、V&Mとの連携を強化するとの方向性を明らかにした。両社は技術提携関係をベースに米国で合弁事業を展開しているが、欧州などでの鋼管のネジ切りなどの合弁事業の可能性を模索しているという。

 下妻社長は先の大阪本社での会見における「海外企業とのアライアンス」との発言を踏まえ、「とくにパイプについて考えており、具体的には、V&Mとの連携強化について話をしており、先方はかなり積極的なスタンスを示している」と述べた。合併や資本関係まで踏み込むかどうかについては、「法律上の問題であって難しい」とコメント、「ある地域、特定の品種で合弁事業を作る方がEASY」として、ネジ切り事業での新合弁事業、またスコットランドにあるV&Mの事業会社への資本参加の可能性を示唆した。

世 界主要64カ国の10月の粗鋼生産は6916万トンで前年同月比2・6%減だった。この結果。1―10月の世界の同生産累計は6億8901万トンで前年同期比0・6%減となった。中国を除く大手生産国の大半の10月の生産が減少、とくに北米は米国の景気後退を受けて同15・5%減少、1―10月でも前年同月比11・5%減少している。

 これは国際鉄鋼協会(IISI)まとめによるもので、10月の生産は西欧15カ国が1366万トン、前年同月比5・0%減、北米も918万トン、同15・5%減とともに大幅減少。一方でアジアは2817万トンで同2・2%増加している。アジアの生産増は中国の生産が1230万トン、同13・7%増と大幅に増加しているためで、日本は841万トン、同8・6%減、韓国も366万トン、同2・1%減、台湾は146万トン、同1・8%減だった。

 アジアの1―10月の同生産累計は2億7468万トン、前年同期比4・1%増。内訳は中国1億1496万トン、同10・9%増、日本8656万トン、1・9%減、韓国3629万トン、同1・3%増、台湾1421万トン、同2・7%増、インド2267万トン、同1・3%増だった。

情 報サービスのエヌ・ケー・エクサ(本社=神奈川県川崎市、池田正弘社長)は21日、02年1月1日付で社名を「エクサ」に変更する、と発表した。今月30日開催の株主総会で正式に決定する。

 同社は00年9月、NKKと日本IBMの提携に伴い、IBMが49%まで資本参加していたが、01年7月にその出資比率を51%(NKK49%)に高め、IBMの連結対象子会社になった。これにより、同社は決算を従来の3月期を02年度から12月に変更した。

 また、同社は02年度からの新ビジョンとして(1)顧客の信頼(2)業界をリード(3)誇りを持ち生き生きと働く――の3つを掲げている。新ビジョンにのっとり同社は、顧客対応の組織の活発化、新管理プロセスの全面的始動(SEC基準による四半期決算の早期実現)、プロフェッショナル制や成果主義を取り入れた新人事制度を導入する。

 なお、新会社の新ドメイン名は、URL:http://www.exa−corp.co.jp
東 京鉄鋼は、本社工場(栃木県小山市)にある圧延2ラインのうち、第2圧延ラインの合理化投資をこのほど実施した。11月7日から15日までの9日間、製鋼・圧延ラインを休止し、ベースサイズ対応の圧延設備の補修工事を行った。設備投資金額は約4億円。

 鉄鋼は、合同製鉄との提携で合同・船橋製造所への生産委託を決め、来年12月までに第1圧延ラインを休止し、廃棄する予定。これに備えて、第2ラインの整備を進め、生産効率の向上、品質、コスト対策を強化した。

 また、今回の炉休実施で、11月は10月比20%の減産となった。出荷はタイトだが、市況対策をさらに進める意向で、12月も大幅な減産姿勢で臨む方針。
連 邦破産法のもとで再建中のLTVは20日、破産裁判所に資産保全計画を提出し、今後一貫製鉄の操業を休止して資産売却に向けて準備すると発表した。労働コストが障害になり、操業継続に必要な資金を確保できなかった。計画が進んだ場合は、いわゆるレガシーコストのないメーカーとして新たなオーナーのもとで再出発を探ることになる。一方、労働組合が操業継続に向けて譲歩した場合、一転して操業を継続する可能性も残っている。

 計画が認められれば、現行の労働契約を破棄し、重荷になっていた退職者給付金などのコスト負担を免れた形で、買収の対象となる。買い手が見つかった場合でも部分的な買収にとどまり、設備の廃棄につながる可能性もある。

 これに対して、米国鉄鋼労働組合(USWA)は20日、LTVの債権者委員会との間で、労働協約の修正協議の中で新たな譲歩案を提示したと公表している。USWAは引き続きLTVの操業継続に向けて協議する意向を示しており、今後妥協が成立する可能性も残っている。

 LTVは昨年12月末に連邦破産法11条を申請し、操業を続けながら再建策を探ってきた。9月末には2億5000万ドルの融資について銀行が政府の債務保証を申請したが、返済能力が担保できなとして却下。人員、賃金などの削減を含む新たな再建策をまとめて今月8日に債務保証を再度申請したが、19日までの協議で前提となる組合からの譲歩を引き出せなかった。

 資産保全計画が破産裁判所に認可された場合、クリーブランドとインディアナ・ハーバーの製鉄事業を直ちに停止する。下工程のヘンネピン工場、ウォレンとシカゴのコークス工場も停止。高炉は約2カ月間ホットアイドルの状態に置くなど、設備の劣化を防ぐ保全措置をとりながら、売却先を探す。
日 本保健物理学会はこのほど、日本鉄リサイクル工業会(会長=鈴木孝雄・鈴徳社長)の協力のもと、産業振興・市川スクラップセンターで「放射線源のスクラップ混入実験」を行った。

 同実験は、放射線源がスクラップに混入した場合を想定し、線源位置と計測値との関係、運転席の線量、携帯型測定器により見逃しやすい条件を調べ、人体に与える影響を調査するのが狙い。

 実験方法は、トラック荷台に線源(ラジウム226、セシウム137)を置き、その上にスクラップを積載する。放射線検知器が設置されたゲートを通過させたり、携帯型測定器で測定値を測るというもの。

 同学会は、この結果をもとに報告書を提出し、研究論文を発表する。鉄リ工業会・池田清朗常務理事は「スクラップ業者では、放射線源が混入した解体スクラップの入荷が問題視されている。早急な行政側の対応を期待する」と語った。

全 国仮設安全事業協同組合(理事長=小野辰雄・日綜産業社長、略称=アクセス)は12月4日、横浜市旭区の「ポリテクセンター関東」で「全国仮設安全大会」(協賛=軽仮設リース業協会)を開催する。

 同大会は「見える安全 感じる安心」のスローガンの下、仮設起因の労働災害撲滅に取り組んでいるアクセスの活動を一般の人々に理解してもらうため、催すもの。厚生労働省や国土交通省など関係省庁をはじめ、建設業労働災害防止協会など、建設労働災害に関わる機関から来賓が出席。このほか、弁護士である長尾亮氏が『安全責任はこう追求される〜裁判例から見て〜』のテーマで講演する。

 また、仮設安全監理者実務研修会を一般公開するほか、安全な仮設機材の組み立て・解体の実演が行われる予定。さらに会場内には安全な仮設機材を展示する。入場料は無料で、300人以上の来場者数を見込む。問い合わせは広報室(電話03―3639―0641)まで。

東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万9000円中心の強含み。先週から流通は唱えを1000円引き上げたが、需要の低迷を受けて山形3万6000円、溝形4万円の浸透は現在2―3割のため、11月残り1週間で中心値とすべく売り腰を引き締める。

 10月の中小形の生産量は12万8700トン。前月比8・7%増と4カ月ぶりに120万トン台になったものの、前年同月比では21・7%減と4分の3近くの水準。

 小山中心に歯抜けがあり、品不足から当用買いに徹していた二、三次店が先の手配をする動きも。目先強含み。

東 京地区の厚板は堅調だが、定尺市況に動きはない。市中価格(12ミリ、ベースサイズ)は3万9000―4万円が目安となる。

 母材は国内高炉メーカーの供給、価格対応が焦点となっているが、需給がひっ迫するような雰囲気はない。母材販売業者は同業他社や地区全体への値上げ状況を見極めており、中には「完全に値上げされているか、不透明」との声も聞かれる。

 販売量は9―10月にかけて上向き、首都圏大型物件の関連需要が引っ張る形。ただ、11月は伸びがとまったようだ。底値感はいぜん強いものの、小売り、溶断業者と立場の違いや仕事量の差から市況観がまだ固まっていない面もある。

大 阪地区の等辺山形鋼はベース3万3000円どころで強含み横ばい。扱い特約店筋は先月以降、採算回復を目指して唱えを引き上げており、「月内に1000―2000円の値戻しを図りたい」考え。

 また、市中在庫も大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーの強力減産により、依然、低水準。各社の在庫はベースを中心に歯抜けが散見されており、中山については「在庫率1カ月を下回る状況」(特約店筋)という。

 ただ、需要環境は今月に入って減速。ここにきて需要家の指し値も厳しくなっているうえ、僚品のH形鋼市況も踊り場となっていることから、今後、値戻しは難航しそう。