2001.11.28
神 戸製鋼所は27日、子会社の神鋼興産を来年3月1日付で吸収合併すると発表した。グループ内の不動産事業再編が目的で、同事業は合併後、神戸製鋼の1カンパニーとして一体運営されることになる。神戸製鋼は「神鋼興産は黒字経営で配当を継続してきており、吸収合併は神鋼興産の救済を目的とするものではない」とコメント、合併によるメリットとして不動産事業の経営基盤強化、事業ノウハウの統合、信用力の直接的活用などを挙げている。

 国内景気停滞、雇用不安などを背景とする不動産の買い控えや地価の一層の下落など不動産事業環境は日を追って悪化している。このような状況を踏まえて神戸製鋼はグループの不動産事業の見直しを進めてきた。神戸製鋼・用地開発部と神鋼興産との連携強化を目的に9月に神鋼興産の持ち株比率を36・64%から60・61%に引き上げたところだが、その後の事業見通し悪化を受けて、合併による一体運営が最善と判断した。

 神戸製鋼グループの不動産事業は、神鋼興産が住宅分譲事業、住宅・商業施設・オフィスビルの賃貸事業、保険代理業などを、神戸製鋼・用地開発部は工場跡地など自社遊休地を中心とした都市開発事業、マンション分譲・不動産賃貸事業と分担してきた。

 神鋼興産は資本金44億5100万円、総資産756億4900万円。01年3月期業績は売上高264億円、純利益2億円、配当8円。9月30日現在の従業員は266人。

 合併方式は神戸製鋼を存続会社とする吸収合併方式で、合併により神鋼興産は解散する。合併比率は神戸製鋼1対神鋼興産6・5で、具体的には神鋼興産株式1株に対して神戸製鋼の株式6・5株を割り当てる。

N KKは27日、鉱石運搬用大型ダンプカーのベッセルやクレーンのブームなど建設・産業機械用高張力鋼および耐磨耗鋼を対象とし、マイナス40度の超低温域でも靱性を保証した新高張力鋼・耐磨耗鋼「LE(最先端)シリーズ」を世界に先駆けて開発した、と発表した。同社は5月から北中南米や欧州など世界の建設機械・加工メーカーなどに販売を開始し、現在までの受注量はLEシリーズで5000トンを超え、02年3月まで1万トンの受注を目指している。

 新高張力鋼は、ラフテレインクレーン(大型クレーン車)のブームや車体を固定するアウトリガーなどに使用される。その靱性は780N/mm2(80キロハイテン)級。今回開発したLEシリーズ高張力鋼材は、ニッケルの添加率が従来の1―2%の10分の1以下で、そのほかに微量元素を数種類添加するマイクロアロイング技術と特殊熱処理技術を用いたもの。

 また、新耐磨耗鋼は、ショベルカーのショベル部分や鉱山での大型運搬用ダンプカーのベッセル部分などに使用される。耐磨耗性と曲げ加工性、耐衝撃性などを要求されるもので、LEシリーズでは、合金元素の添加を最小限に抑えた。

 これらLEシリーズは合金元素の添加が最小限に抑えれていることから、溶接性に優れ、炭素当量(ロイド式)0・40%以下を保証し、従来品より予熱温度を25―50度低減することが可能になった。

大 阪製鉄(桑原達朗社長)は堺工場(大阪府堺市)の製鋼部門のさらなる合理化に着手した。今年度内完了の予定で、一人当たり労働生産性の向上などにより、直営要員12人を圧縮する計画。

 堺工場は一般形鋼の主力工場だが、国内需要の低迷に対応した減産により、圧延ベースでは昨年同期比40%減の月産3万トン。製鋼は半製品のビレットの輸出を含めた外販から同6万トンレベル。製鋼部門の一段の合理化は第3次中期経営計画(99年10月―03年3月)に沿う人員スリム化の一環で、主な合理化としては今春に実施した恩加島工場(大阪市)の製鋼体制の見直し、減直化(3直から最終2直)に次ぐもの。

 堺製鋼部門は3直3交代の操業体制だが、シフトダウンは行わず、1クルーの人員を減らすなどの方法で合理化を実施。電気炉の温度計測の完全自動化など省力化や各部の作業効率化などで直営要員の圧縮を図る。電炉で3人、連続鋳造で6人、周辺部分で3人の計12人の要員削減を予定。新体制の下でのオペレーターの操業習熟も含めて今年度内に完了する。
鉄 鋼主力商社のうち、大手9社の中間決算が出そろった。売上高は9社合計で前年同期比1%減の3兆872億円だが、経常利益は14%増の163億円を計上、減収ながら大幅な増益となり、最終損益では135億円好転して52億円の利益に転じた。収益の伸びない環境で、増益を計上した背景には、各社のコストダウンが具体化したことがあり、収益力と企業体質は確実に向上している。

 売上高は0・9%減の3兆871億8300万円、営業利益は4・4%増の164億8500万円、経常利益は14・0%増の162億5900万円、当期損益は134億6400万円の好転で52億3500万円の利益となった。

 売上高は豊田通商、岡谷鋼機、エヌケーケー・トレーディングの3社が増収。売上高順位では日鉄商事が阪和興業を抜いて4位に躍進。営業利益は豊田通商、川鉄商事、住金物産、岡谷鋼機、神鋼商事、NKKトレーディングの6社が増益。経常利益は川鉄商事、住金物産、阪和興業、神鋼商事の4社が増益、NKKトレーディングは黒字化した。当期利益は豊田通商、阪和興業、岡谷鋼機の3社が増益。住金物産、日鉄商事の2社が黒字化、川鉄商事、神鋼商事、カノークスの3社が赤字額が減少した。配当は豊田通商と岡谷鋼機の2社が続配だった。

鉄鋼主力商社の中間決算(単独)
(単位:100万円、下段は前年同期)
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
配当(円)
豊田通商
958,797
4,619
7,036
2,631
3.75
894,832
3,558
7,651
1,131
3.75
川鉄商事
499,099
2,594
1,610
▼962
0
551,409
1,799
803
▼4,175
0
住金物産
379,395
3,092
1,777
217
0
400,196
3,057
1,429
▼573
0
日鉄商事
317,439
1,128
855
954
0
330,068
1,306
1,139
▼3,910
0
阪和興業
304,219
2,351
2,305
3,235
0
340,061
4,087
955
601
0
岡谷鋼機
227,021
443
1,046
404
4.00
225,757
350
1,331
338
4.00
神鋼商事
211,320
1,491
1,127
▼142
0
214,915
1,144
754
▼945
0
NKK
トレーディング
156,028
638
432
▼1,040
122,078
188
▼39
▼552
カノークス
33,865
129
71
▼61
36,969
299
238
▼144
合計
3,087,183
16,485
16,259
5,235
3,116,285
15,788
14,261
▼8,229
(注:岡谷鋼機は2月期中間)

三 和シヤッター工業(本社=東京都新宿区)は、建物の外壁開口部に使用可能な防音シャッターを、このほど業界で初めて開発し、12月1日から全国発売する。

 今回発売する「防音シャッター」は、99年4月に発売した「G1スラット」(表面がフラットな外部面用重量シャッター)の特性を生かしたもの。製作は足利工場(栃木県)で行う。

 既存製品はカーテンが一重の場合、遮音性能はT―1(25等級)が限界となっていたが、同製品は部材を大幅に改良することで、遮音性能T―2(30等級)に合格。さらに裏板の固定に接着工法を採用したことで、溶接跡がなくスッキリとした内観を実現した。

 近年「平成10年環境庁告示第64号」によって、騒音に関する基準が定められており、工場や大型店舗などの開口部から発生する騒音の低減が求められている。業界内では、これまで建物外部面に使用できる防音シャッターがなく、市場ニーズへの対応が遅れていた。

 三和シヤッター工業では今後、ゼネコンや工務店への営業を強化し、初年度は1億円の販売を目指す方針。

経 済産業省がまとめた2001年10月分の普通鋼建設用主要鋼材1次速報によると、当月のH形鋼の生産量は39万4000トン(前月比1・5%増、前年同月比18・3%減)、小棒(伸鉄、単圧含む)102万1000トン(同0・4%減、同5・7%減)となった。

 H形鋼は前月比では2カ月連続増に対し、前年同月比では今年1月以降10カ月連続のマイナスを記録している。

 小棒は2カ月続いて100万トンを維持したものの、前月比では2カ月ぶりに減少、前年同月比でも今年6月から5カ月連続の減少となった。

P OSCOは、還元鉄設備の第2世代への移行を本格化させる。初代のコーレックスが5年9カ月操業し、更新時期を迎えたため194億ウォンを投じて、溶融炉と耐火物の切り替えを行い、10月末から操業を開始。11月から日量の生産が1750トンに達した。今回の設備更新とともに低品位の微紛鉱をFINEX法で還元する設備の開発も進めており、2003年には60万トン(年間)のモデルプラントが操業を開始する。これでコーレックスの前処理設備で発生する微紛鉱の活用が可能になり、コーレックスそのもののコスト削減にも貢献する。

 POSCOは、将来の鉄源対策として還元鉄の活用を推進している。浦項製鉄所内に本格設備としては、世界で2番目となるコーレックス設備を6年前に導入。年産60万トンで操業を行ってきている。これと同時に、コーレックス設備で派生的に発生する微紛鉱を活用して、還元するFINEX法の研究を進めている。

 将来、コーレックスとFINEXを組み合せて還元鉄の生産を行い、2010年以降に炉命のくる浦項製鉄所1・2号高炉の代替を計画している。今回実施したコーレックス設備の更新は、老朽化した炉殻と耐火物の切り替えが中心。すでに操業的には安定期に入っており、来年1月以降は月間2000トンレベルまで引き、げる。

韓 国の1―9月の国別鉄鋼貿易動向によると、輸出は前年トップの北米向けが195万8105トンで前年同期比20・4%減少した。これに対し、中国向けは300万6088トン、同24・8%増加し、相手国別で米国に代わりトップになった。東南アジアは193万6557トン、同13・3%の増。日本向けも204万3618トンと同4・7%減と小幅の減少にとどまり、対米を上回った。輸入は対日が614万9809トン、同6・6%増で、前年に続きトップを維持した。対日のシェアは、前年の33・4%から40・8%と40%台に乗り、対日依存度が高まった。

 韓国鉄鋼協会まとめの9月累計の鉄鋼貿易国別動向によると、輸出は対米が大きく減少し、中国、東南アジア向けが増加した。

 対米のシェアは、前年の22・5%から17・3%に低下。数量では20・4%減少した。相次ぐAD提訴の影響によるもので、下期も継続の見通し。対米の低下に対し、中国向けは300万6088トン、同24・8%増。シェアは、前年の22・0%から26・6%へアップした。東南アジア向けも193万6557トン、同13・3%増加。シェアも前年の15・6%から17・1%へアップ。

 対米から中国、東南アジアへ向け先がシフトしたことが明確。輸入は全体で前年比19・4%減少。国内鉄鋼景気の停滞を裏付けている。国別では、対日が全体の40・4%のシェアで高い水準にある。

東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)市況は、5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)で弱含み横ばい。

 高炉メーカーの価格改善の意向が強いことから、コイルセンターの販売を含めて現行値以下の安値は抑えられている。全体的な需要が停滞する中で数量がまとまる場合の割引価格は残る。

 とはいえ、ロットが小さく用途も多様なめっき鋼板では「ようやく底値か」(コイルセンター)との認識も出てきた。出荷に比べて在庫が約2カ月分と多く、市況の反発は当面なさそう。需要業界の業績悪化から価格交渉は一段と厳しくなる見通し。

東 京地区の大径角形鋼管(コラム)市況は12×300×300の一次加工付き価格で、STKR5万5000円、BCR6万4000―6万5000円中心の強含み。

 流通はH形鋼の2万円アップを目指して、売り腰を強化している。販売店の加工納期の受注残は2―3日と短いものの、僚品H形鋼の強基調を受けて、STKR5万4000円以下の安値は払しょくされた。

 しかし鉄骨価格が中小S造で11万―13万円と下落傾向にあり、ファブリケーターからの鋼材価格の値上げに対する抵抗は強まりつつある。このため、目先、モミ合い。

大 阪地区の等辺山形鋼市況はベース3万3000―3万4000円どころで強含み。大阪製鉄、エヌケーケー条鋼の2大メーカーが相変わらず強力減産を継続。エヌ条のビレット、製品輸出も1月までは安泰で、市中在庫は引き続きタイトな状況。

 流通筋では「ベースサイズのほか、カラー、メッキ品などほとんどが入荷待ち」の状態で、値戻し環境は整っている。

 また、大阪製鉄が12月販価を据え置きとしたものの、僚品のH形鋼市況が再度、強含みに転じていることも、値戻しを後押しする格好となっている。現状は持ち込み3万5000円も通り始めており、年内、一段高か。