2001.11.29
日 鉄溶接工業(本社・習志野市、中島啓之社長)と住金溶接工業(本社・尼崎市、古田知之社長)は、来年7月を目処に合併することで基本合意した。両社とも今日開催する役員会で決定する。日溶工は、不動産信託部門と光ファイバー関連部門を除く部門を新会社に移管。住金溶接は、全部門を新会社に移す。合併比率は、日溶工2に対し、住金溶接1の割合になる見通し。合併により、国内でのシェアは、30%を上回り神戸製鋼(36%)に迫る。

 日鉄溶接工業は、新日鉄系で資本金22億円。習志野と光に工場があり、従業員380人。昨年度の売上高は172億円。住金溶接工業は、資本金7億円。尼崎と柏に工場があり、従業員200人。売上高81億円。もともと住友金属の子会社だったが、小倉製鉄所の分社化に伴い現在は、住友金属小倉の連結子会社になっている。

 両社は今日の役員会で合併の議決を行ない、直ちに合併委員会を設置し、統合に向けての具体案を協議する。工場体制は、当面四工場体制になるが、近い将来3工場体制になる見通し。

 国内の溶接棒市場は、かっては年間40万トンを上回っていたが、2001年度は28万―29万トンと30万トン台を割り込む見通し。自動車などの製造業の海外生産の拡大と主要な市場である建築部門が景気後退から長期間低迷していることが背景にある。

 こうした状況から国内の溶接棒メーカーは、海外展開の強化によるトランスプラントの追いかけを強化。同時に国内製造体制の見直しを進めている。

 両社の合併合意は、こうした背景から進んだ。統合よるシェアアップと効率化が進むと期待されている。

神 戸製鋼所とUSスチールの溶融亜鉛めっき鋼板合弁事業のプロテック・コーティングは、次世代ハイテン材のTRIP鋼の生産体制を確立した。既に日系メーカーにサンプルを提出。日米の同時供給をテコに日系自動車メーカーを主体に2004年モデルへの採用を働きかけ、2003年後半以降の量産化に結び付けたい考えだ。現在100キロ級の2相鋼の生産体制確立を急いでおり、得意のハイテン比率を2005年時点で30%に拡大する方針だ。

 プロテック(オハイオ州リープシック)はTRIP鋼のガルバナイズ、ガルバニールの590T、780Tの生産体制を確立。今後、量産のノウハウを積み上げ、加工性要求の高い内板のパネル材として日系自動車メーカーに採用を働きかける。

 TRIP鋼は従来のハイテン材に比べて加工性が高く、自動車の軽量化、衝突安全性の向上に役立つ次世代ハイテン材として高炉各社が開発を進めている。日本でも採用実績はないが、自動車メーカーの関心は高いという。

 プロテックは45キロ級のIF鋼440P、60キロ級の2相鋼590Yで販売実績を持ち、80キロ級の2相鋼780Yの生産体制を確立している。現在100キロ級の2相鋼980Yの開発を進めている。出荷に占める35キロ級以上のハイテン比率は第3・四半期で約11%に達しており、メニューの拡大を通じて今後30%に拡大する。

住 友金属工業は28日、東邦ガスから受注し、3月から着工・建設中の高圧知多幹線(知多市)の導管工事について、ガス導管用としては国内最大級の748メートルの長距離推進工事を貫通した、と発表した。同工事には住金が保有している「管周混合推進工法」が採用され、推進管径を内径1650ミリから1500ミリに変更したことで、同工事費を従来より11―12%削減した。

 同工事には、口径750ミリ×管厚20・5ミリ(API 5L X65)の配管が延長3480メートル、重量にして約1220トンが使用される。東邦ガスはこれまで口径600ミリの配管を使用してきたが、今回、750ミリの大口径管を採用したのは初めて。

 同工事は、知多LNG共同基地から知多緑浜工場の知多熱調センターを結ぶ天然ガス輸送導管。地表面から一定の深さに開削し、配管完成後、埋め戻す開削工法と、工場で製造された推進管(さや管)に先導体を取り付け、立坑内よりジャッキの推進力により管を地中に圧入する推進工法を併用した。

住 友金属工業は02年4月スタートの鋼管カンパニーについて、鋼管事業と特殊管事業を一括管理する方針。鋼管の製造拠点の和歌山製鉄所、関西製造所、鹿島製鉄所は、単一品種の生産を行っていないことから工場別のくくりとはせず、ユーザー対応時の利便性を考慮し、効率管理を行いたいとしている。

 鋼管事業は現在、品種別採算を明確化する目的で鋼管事業部と特殊管事業部に分かれており、特殊管事業部がプラントや発電所向けのボイラ用鋼管、鋼管事業部が油井管・ラインパイプを扱っている。これを来年4月以降、鋼管カンパニーとして両事業部を取り込む方向。

 これにより鋼管カンパニーの扱い品種は、和歌山製鉄所のシームレス鋼管・ガス管、関西製造所の特殊管、鹿島製鉄所の大径ラインパイプ・ガス管などになる見込み。関連会社としては住友鋼管などが含まれることになると予想されるが、土木・建築分野向けに鋼管を製造している子会社の住金大径鋼管は、土木関連のカンパニーの管轄となる公算だ。

 住友金属では今年度に入り、純粋持ち株会社への移行を視野に02年4月からカンパニー制を導入する方針を明らかにしており、品種別に5つ程度のカンパニーを設立する意向を示している。

電 炉メーカー主要12社の02年3月期中間決算(単独)がまとまった。販売数量の落ち込みで、東京鉄鋼を除く11社が減収。半面、鉄スクラップ価格の低位推移などで経常段階では、合同製鉄が5期ぶりとなるなど5社が黒字化、2社増益、3社が赤字幅縮小と計10社が利益改善を果たした。12社合計でみると、売上高は前年比11・4%減の2602億7300万円と300億円ほど下落。ただ営業、経常損益とも黒字化し、経常段階では100億円弱好転した。当期段階では東京製鉄と大和工業の損失幅が大きく、赤字幅は縮小したが損失状態からの脱却はならなかった。

 01年度上期は、春先から需要の後退感が強まり、メーカー各社は減産対応で市況対策に努めた。4―9月期の全国生産は、小棒が前年比2・7%減の598万1970トン、H形鋼が同21・6%減の233万9460トン、中小形形鋼が同11・7%減の73万7760トンといずれも減少した。

 減産効果と市況はH形、中小形形鋼が上伸、輸出強化策も取られた小棒は横ばいで推移。メーカーの平均トン単価は引き上がり、エヌケーケー条鋼で前期比で100円、東京鋼鉄4200円(山形鋼)、東京鉄鋼で数百円(小棒)ほど改善した。

 また、スクラップ市況が東京・大阪地区でトン6000円台と低水準で推移し、合鉄では平均8200円(前年1万700円)と低下するなど各社とも原料費負担が軽減。利益改善に大きく寄与し、当期段階でも、01年3月期に時価会計導入に伴う損失処理を進めたこともありトピー工業など6社が黒字化、3社が赤字幅を縮小した。

電炉メーカー主要12社の02年3月期中間決算(単独)
  (単位:100万円、配当:円)
(中段:前期、下段:通期予想
売上高 営業利益 経常利益 当期利益 配当
トピー工業 60,823 1,484 1,513 103 0
63,090 907 219 -4,127 0
128,000 3,500 1,500 5
NKK条鋼 54,271 2,820 1,016 558 0
59,801 1,779 -412 -798 0
108,000 1,400 700 0
東京製鉄 44,389 -2,169 -1,580 -1,927 2
  61,781 -1,961 -1,866 -2,061 2
  92,000 -5,500 -6,500 4
合同製鉄 25,645 2,051 1,553 470 0
  28,691 110 -686 -5,830 0
  51,000 2,000 1,400 未定
大阪製鉄 19,995 1,364 1,186 663 2
20,946 -475 -419 -301 0
38,000 2,100 1,000 未定
東京鉄鋼 15,151 1,424 1,111 845
  14,629 376 69 -2,847
30,300 1,800 1,200
大和工業 9,662 -475 471 -1,819 5
11,194 -974 -552 -782 2.5
20,500 400 -1,900 10
中部鋼板 8,966 -101 -141 -87 2.5
10,606 122 117 -69 3.5
18,380 -170 -140 5
王子製鉄 6,676 248 382 377 50
7,689 113 407 439 50
13,280 671 636 未定
北越メタル 6,029 7 -28 -51
6,243 -272 -312 -386
12,370 40 10 0
東京鋼鉄 4,483 376 301 294 0
4,800 -225 -429 -551 0
8,670 430 410 0
豊平製鋼 4,184 -111 -114 -70 0
4,387 -221 -237 -137 0
10,000 490 250 未定
合計 260,274 6,918 5,670 -944
293,857 -721 -4,101 -17,450
530,500 7,161 -1,434
※王子製鉄は1株500円

共 英製鋼(高島秀一郎社長)の枚方事業所は、小棒の12月の国内向け生産量を3万3000トンレベルにとどめる。枚方事業所は枚方工場で小棒細物を生産するが、かねて市況対策として、対米輸出を絡めた国内減産策をとっており、これにより国内向け小棒生産量を月間3万5000トン前後に抑えてきた。12月も同方針に基づき3万5000トン以下の水準に設定した。

 小棒の対米輸出は11月上旬の約7000トンに続いて、12月上旬に約7000トンの船積みが予定されており、12月はこの12月上旬輸出船積み分の一部生産を行う上、年末年始休暇による操業日数減もあり、国内向け生産量を3万3000トン程度にとどめる。

 枚方事業所では国内向け減産継続により、納期が3週間に延びているとしており、こうした納期タイト化を背景に、引き続き小棒販価の立て直しに注力する。また1―3月の小棒生産についても輸出の有無にかかわらず、国内向けは月間3万5000トン前後を維持する考えである。

関 東経済産業局は28日、東京鉄鋼の事業再構築計画を産業活力再生特別措置法に基づき認定した。同社では事業構造変更として、中核的事業であるネジ加工事業、産業廃棄物処理事業を強化するため、東北棒鋼事業部を分社化、新たな建設部品などの開発、産廃物処理の役務提携を行い事業革新を行う。今回の認定で会社設立時の登録免許税の軽減、日本政策投資銀行の低利融資の支援が受けられることになる。

 この認定で鉄鋼業での産業再生法の認定は9件目、全国では113件目、関東経済産業局としては21件目。

 事業再構築の実施期間は01年12月から03年3月まで。

 同社の事業構造変更では、ネジ加工品事業に経営資源をシフト、新工法開発など関連製品の開発や高強度ネジ節棒鋼関連製品の開発など付加価値化による高収益体制に転換。東北棒鋼事業の分社化で地域密着展開と産廃物処理事業を本格化させる。00年度に比べ02年度には自己資本当期純利益率を89%の向上を図る。

 本社棒鋼事業ではネジ加工品に関係しない棒鋼製造設備を廃棄、ネジ節棒鋼製造に転換、東北棒鋼事業では廃自動車のシュレッダー処理技術をベースに産廃処理を実施。これらで03年度にはネジ節棒鋼と継手を売上構成比で約2%に、東北棒鋼事業を引き継ぐ東北東京鉄鋼で設備投資を行い、廃家電、廃自販機、廃自動車の処理を手掛け、同事業の売上構成比を約1%とする。
神 鋼鋼線工業(本社=兵庫県尼崎市、水口征之社長)は、01年度の設備投資計画として総額7億9500万円を予定している。01年9月中間期で4億7100万円、同下半期で3億2400万円予定で、減価償却費は12億7800万円を見込んでおり、償却範囲内の設備投資に抑える意向。

 同社の主な設備投資項目としては、PCおよびPC加工品の製品の生産増強、ばね鋼線の生産性および品質向上、チタンめっき供給体制の増強、部品加工能力の向上など。今期は大型の設備投資はなく、保全・維持などが大半としている。

大 手重仮設業者、ヒロセ(本社=大阪市西区、廣瀬太一社長)の関連会社である、エンヤヒロセ(本社=山形県酒田市、國分軍吉社長)は、秋田と山形県内における事業基盤の強化や、ユーザーへのサービス向上を目的として、今月12日に秋田工場を開設し、このほど本格営業をスタートした。

 同社は地区有力重仮設業者で、88年に技研スチール工業として発足し、00年4月に現社名に変更した。資本金は1500万円(出資比率=ヒロセ60%、第ニ物産40%)で、全従業員は10人。01年3月期業績は、売上高約8億円(前年度比約52・9%増)を計上しており、売上構成比率は重仮設資材50%、補強土事業20%、仮設橋梁20%、工事など10%―となっている。

 秋田工場は敷地面積約9000平方メートル、工場面積約7900平方メートル。事務所は2階建てで、延べ床面積が約165平方メートルとなっている。投資額は約5000万円、従業員は5人。保有資材は鋼矢板や山留材のほか、H形鋼や覆工板、敷き鉄板やガードワン(仮設ガードレール)など。

 エンヤヒロセ(ENYA=EAST・NORTH・YAMAGATA・AKITA)では秋田工場開設に伴い、秋田・山形両地区における事業基盤を構築し、現場への輸送コスト低減を図るほか、地場ゼネコンや特約店などユーザーの広範なニーズにキメ細かく対応していく。

東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万5000円、溝形鋼は5×50×100で3万9000円中心の強含み。

 山形3万6000円、溝形鋼4万円は過半数に達していないが、近いうちに固まる模様。メーカーロールが非常に窮屈になっている。流通は12月10日から山形3万7000円、溝形4万1000円下限を唱える。

 12月の不需要期を控え、与信不安も増大して環境は良くないものの、メーカー在庫は枯渇して、供給も非常にタイトになっており「メーカーに申し込んでも完売で、次のロール待ち」(大手販売店)の状態。このため流通は大事に売る姿勢を崩さず、当面は強含み。

東 京地区の厚板は市中価格(12ミリ、ベースサイズ)3万9000―4万円で横ばい。

 10月から11月前半にかけては、母材・切板とも季節的に販売量が増えた。東鉄連厚板部会の調査でも9月と比べて10月の伸びが顕著となっている。ただ、11月中旬以降はその勢いが再び薄れ、手当てが一巡した気配も感じられる。

 高炉各社が値上げとともに供給を絞る姿勢を強めているが、母材はともかく中小鉄骨や機械向けの切板需要の落ち込みと比較すると、需給はまだ引き締まったと言えない状態。定尺はスポットの小口手当てのみで、販売業者や溶断業者は在庫を引き続き抑える方針。目先も横ばい。

大 阪地区の平鋼はベース4万円どころで横ばい。市中の荷動きは機械、建設関連が低調なことから、依然として低位安定。流通出荷量は10月こそ2ケタ増(大阪鉄鋼流通協会調べ)となったが、今月はこの反動減もあって、「稼働日数の減少分だけ減る」(特約店筋)見通し。

 また、市中在庫はメーカー各社の減産体制維持の成果から、連続して減少。今月も微減傾向が見込まれているが、市中は「まだアングルのようなタイト感は欠く」(流通筋)のが現状だ。

 扱い流通筋は僚品のH形鋼同様、採算を回復するべく売り腰を強化しているが、需要家の抵抗も強く、当面、横ばいの見通し。