2001.11.30
住 金物産系列の伸線加工メーカー、テイセン(本社=東大阪市西石切町4―6―29、北崎勝征社長)は自主廃業を決定した。年内一杯で生産活動を停止し、残務処理を行った後、来年3月末をメドに清算する。事実上、国内で唯一の針金フルサイズメーカーがなくなることとなる。

 同社は98年2月、ともに伸線メーカーの旧帝国製線(現在、不動産管理業務を継承する形で現存)と旧タイヨーワイヤーの2社が合併し、テイセンとして発足。材料に合同製鉄の線材をメーンに用い、0・63―6・0ミリまでの針金を中心に一部鉄線やナマシ鉄線など月間1500トン前後を製造・販売。資本金は1億円で、出資比率は住金物産が約60%、帝国製線が約30%、合同製鉄が約10%。

 近年の輸入品流入増に加えて価格の低迷が影響し、99年3月期には売上高11億円、00年3月期には売上高12億6600万円に対して連続で欠損を計上するなど、採算面も低調に推移していた。このため、先行きの見通し難から3月末で会社整理に向かう方針を固めたもの。なお、同社の商権については、在阪針金メーカー3社が引き継ぐものとみられる

金 商(福田勇社長)は29日、01年度を初年度とする5年間の「再建5カ年計画」を策定したと発表した。単年度早期黒字化、計画期中の累積損失解消、安定的にROE10%達成が骨子。現在の年商1325億円を最終年度には売上高722億円(連結751億円)、経常利益10億円(11億円)、有利子負債は722億円から190億円(200億円)とする。関係会社は56社を12社に、要員は373人から161人に削減。現在の5本部制度を廃止、ビジネスユニット(BU)制度を導入し、非鉄金属系4BU、鉄鋼系5BU、物流系3BU(最終的には6BU)でスタート。不採算・非効率分野から撤退し、非鉄金属、鉄鋼、その双方にかかわる物流に重点を置いた体制とする。

 非鉄金属系は非鉄原料2BU、非鉄製品2BUの計4BU。鉄鋼系では鉄鋼原料BU、鉱石BU、電池磁性材BU、特殊鋼BU、鉄鋼製品BUの計5BUの体制。国内の地方拠点は6カ所で、要員は78人を15人に削減。海外拠点は19カ所を9カ所とする。

 関係会社は子会社5社(現状18社)、関連会社7社(23社)、管理会社ゼロ(15社)、合計12社(56社)に削減。要員は373人から161人とする。営業費のうち人件費は要員削減に加えて賃金カット率拡大と役員報酬カット率拡大で31億円減の12億円、物件費は国内外営業拠点の縮小で10億円減の8億円に圧縮。

 資産は流動資産が357億円減の255億円、固定資産が313億円減の86億円、総資産が670億円減の341億円。有利子負債は自助努力と株主・金融機関の支援で532億円減の190億円に圧縮し、15億円の金利削減を実施する。

住 友金属工業と新来島どっく(本社=東京都中央区、中牧光雄社長)は29日、共同開発した高強度・高耐食ステンレス鋼316L―TMCP鋼を新来島どっくの8500トンケミカルタンカー1隻に初適用し、完成船の引き渡しを船主に行ったと発表した。同鋼は完成したものを含め、計4隻の中型ケミカルタンカーに採用が決定しており、合計使用量は合計750トンになる予定。住友金属はケミカルタンカーのステンレス化拡大を見込んでおり、今後は3万―4万トンクラスの大型ケミカルタンカーにも同鋼を適用する方針だ。

 316L―TMCP鋼は、SUS316LをベースとしたTMCP(熱加工制御法)ステンレス鋼板。高強度で、溶接部の加工性も良く、溶接時は母材と同等の継手強度を得られる。成分はクロム17%、ニッケル12%、モリブデン2%、炭素0・01%、残りが鉄。SUS316LNより、炭素が0・01%低くニッケルが2%高いことから、耐食性にも優れている。価格もニッケル含有率の高さにかかわらず、SUS316LN並みだ。

 製造プロセスは、新日本製鉄からスラブを供給を受け、鹿島製鉄所で熱延を行う。連続鋳造スラブを高温で加熱圧延した後、従来では1010―1150℃に急冷し炭化物を溶かし込んでいたプロセスを、住友金属独自のTMCPにより、炭化物の析出しない高温に制御により高強度化し、従来のSUS316LN比で、3―4割高い強度を発揮させる。

N KKは29日、大型1000Tfの新型ハイドロフォーミング加工機を設備化し、業界で初めて試作開発から量産化までの一貫体制を確立したと発表した。京浜地区のパイプ加工メーカーと共同で事業化する方針で、投資金額は約1億円。テーラードブランクとハイドロフォーミング技術の供給体制が整ったことで、自動車メーカー向けのソリューション力の強化を図る。今回のパイプ化事業により素材供給をベースに売上高目標年間2億―5億円を目指す。

 同社では、自動車設計の初期段階からかかわるEVI(アーリーベンダーインボルブメント)をベースに、自動車メーカー向けに設計期間短縮や最適な材料設計に貢献するソリューションビジネスを展開している。

 今年度、葵商店との連携で事業化したテーラードブランクシートの供給体制整備に加え、ハイドロフォーミング技術を軸にした自動車メーカーや部品メーカー向けの利用評価技術の提案を本格化する。

 今回のポイントは、自動車用ハイドロフォーミング部品の試作開発から量産検討まで一貫して行うことができる体制を業界で初めて確立。電縫鋼管など素材供給だけでなく、EVIコンセプトに基づき製品や半製品としても供給できることにある。量産前の試作提案や事業採算性の見積もりまでカバーする。

 当面は、NKKグループや関係会社での普及を狙っており、2003年にはラインオフ案件15件、05年度には年間1万トンを見込む。
日 本鉄鋼連盟が29日に発表した10月末の普通鋼鋼材在庫(メーカー・問屋)は、前月末(756・1万トン)比9・2万トン、1・2%減の746・9万トンと減少した。出荷の落ち込みが続いているものの、生産の減少幅が出荷より大きかった。

 在庫の内訳をみると、メーカー在庫が前月末(595・9万トン)比0・6万トン、0・1%増と増加したのに対し、問屋在庫は前月末(160・1万トン)比9・7万トン、6・1%減の150・4万トンと減少した。

 これを国内・輸出別にみると、国内向け在庫は前月末(616・9万トン)比16万トン、2・6%減の600・8万トンと2カ月連続で減少したものの、10カ月連続で600万トン台乗せとなっており、水準的には依然高い。一方、輸出船待在庫は前月末(139・2万トン)比6・9万トン、4・9%増の146・1万トンと2カ月ぶりに増加した。
新 日本製鉄は、IPP事業が2002年度から本格的な事業として軌道に乗る。先行している八幡製鉄所、広畑製鉄所、釜石製鉄所に続き、今年10月から室蘭製鉄所、来年4月から大分製鉄所が稼働を開始し、2002年度以降、年間300億円の売り上げが見込まれている。償却が定率であるため、2年後からの完全黒字化が見込まれており、多角化事業の収益の柱として貢献する。

 新日鉄は、製鉄所の発電技術と遊休地の有効活用の観点からIPP事業への本格参入を計画。これまでのIPP入札で、北海道電力、東北電力、関西電力、九州電力の5電力への売電の権利を得ている。

 1999年度に広畑製鉄所と八幡製鉄所からの売電がスタート。広畑製鉄所は、契約電力13万3000KW。石炭火力で、関西電力のベース電源として供給されている。八幡製鉄所は、九州電力向けのミドル電源で、契約量13万7000KW。石炭ベースの火力発電。この2製鉄所分は、2001年度で黒字化するとされている。

 釜石製鉄所は、2000年7月からの稼働。東北電力向けに13万6000KWを契約しており、ピーク対応。これに続き2001年10月から室蘭製鉄所分が稼働。北海道電力向けで、契約量は10万KW。石炭と高炉の副生ガスを熱源としている。全体の出力は14万5000KW。従来からある自家発の老朽更新を兼ねて出力アップしたもので、1万5000KW分は製鉄所内で使用する。2002年4月からは、大分製鉄所の火力発電所が操業を開始する。九州電力向けのベース電源で30万KW。
伊 藤忠丸紅鉄鋼は、日本・アジア圏で独占的な在庫販売権を持つモーター向け磁石材「マグネクエンチパウダー」(MQP)の販売を、05年までに現状の1・5倍以上に拡大する。省エネルギーへの対応や自動車などのIT化進展による高効率モーター需要の増加に対応し、家電や自動車の電装分野などにも拡販を図っていく。

 MQPはネオジウムボンド磁石に成形され、主にハードディスクドライブ(HDD)やCD―ROMの起動に使われる小型モーターの材料となる。マグネクエンチ・インターナショナル社(MQI、本社=米国インディアナ州)が米国と中国で生産している。

 伊藤忠丸紅鉄鋼は、MQI社から日本を含むアジア地域での独占的な在庫販売を承認された唯一の商社。MQP発売当初の80年代後半から、丸紅(当時)がサンプル販売を行い、92年に東京での在庫販売をスタートした。99年からは日系メーカーの工場移転に対応してシンガポールでも在庫を行い、国内メーカーや東南アジアの日系メーカー向けに販売している。

 パソコン、携帯電話などITの急速な発展により小型モーター向け磁石材料の市場が拡大し、MQPの取扱量もこの5年間で3―4倍と増えてきた。販売先もダイドー電子(大同特殊鋼100%出資会社)、セイコーエプソン、松下電器産業、TDK、ミネベア、FDKなど30社以上に広がった。

高 炉筋によると2001年度の国内自動車生産は、940万―950万台と2000年実績(1044万台)に比べ90万―100台の減少になる見通し。9月末の見通しでは、960万台前後と想定されていたが、輸出見通しのマイナス修正などから、さらに10万台の下方修正となった。しかも、内容的には小型車の生産が伸びて、普通車が低下する傾向が強く、鋼材需要面からは、台数減以上にマイナス効果が大きくなると見られている。

 国内の自動車生産は、90年の1348万台がピーク。その後、輸出分が海外生産に代替されたり、国内販売が停滞したりで減少傾向にある。99年には989万台と1000万台を割り込んでいる。2000年は1014万台と大台を回復したものの2001年は再び大割れが確実。

 年度ベースでは、10月までの累計が476万5411台、前年同期比2・8%の減。このうち乗用車が393万5623台、同2・5%の減。トラック79万9764台、同4・8%減。残りがバス。

 乗用車全体のマイナス幅は小さいが、小型車に限れば健闘している。累計実績は前年同期比24万2652台の減少だが、大型車のマイナス幅が大きく、鋼材原単位の違いから鋼材需要の落ち幅は、台数ベースよりも大きくなる見通し。

丸 一鋼管など溶協メーカー6社の01年9月中間決算(単独)が出そろった。売上高は販売数量の減少や製品単価の下落から全社で減収。経常損益は日鉄鋼管を除く4社で減益、新家工業は連続赤字を計上した。最終段階ではモリ工業、新家工業を除く4社が黒字を確保した。

 最大手の丸一鋼管は、主力の建築需要の落ち込みを反映し、数量減、製品単価の値下がりから減収減益。ただ、利益面では地道な販売努力とコスト削減運動が奏功し、経常利益56億円、当期利益32億円と高水準の収益基盤を持続した。

 住友鋼管は主力の自動車関連需要の減速感や、資材調達費の大幅削減を背景とした厳しい値下げ要求から減収減益。売上高は同比14・8%減と2ケタ減となり、損益面では経常段階で2割近い減益幅となった。

 日鉄鋼管は、販売数量・製品単価ともに前年同期を下回り、プロパー製品および新日本製鉄からのOEM製品ともに減収。一方、不動産賃貸事業は第U期商業施設の売り上げ増から同比8000万円の増収となった。

 エヌケーケー鋼管は主力の建設需要の不振から、販売数量減、製品単価下落により同比13・4%の減収。損益面でもコスト削減を進めたが、経常段階で同比25・3%減、最終で同比半減とともに大幅減益となった。

 モリ工業は減収幅こそ小さかったものの、経常利益は同比80%減の9300万円と大幅減益。海外の輸入圧力からステンレス管および家庭用金物製品などの販売減少、単価下落が響いた格好。

 新家工業は主力の鋼管関連事業が需要の低迷と海外生産移転による空洞化から、販売数量減、単価下落。自転車関連事業も中国等からの輸入車の比率が60%を超え、市場価格の下落が続いた。このため、損益面では前期に続き経常段階で赤字を計上。

東 京地区のH形鋼市況は200×100で3万6000円中心の強含み。3万7000円も一部で通り始め、年内には固まる模様。

 10月の生産量は39万3600トンと前月比1・5%増、前年同月比18・3%減。需要は前年に比べ低調だが、その分供給も抑えられているため、在庫率は1カ月前後と昨年並みにタイトな状況になっている。11月末在庫も前月比減少の見込みで、100W中心に歯抜けが多い。

 ヒモ付きの陥没価格の値上げと、関東Mグレード以下のファブの大半が鋼材の値上げを受け入れつつあることも受けて、目先強含み。

東 京地区の中板市況は横ばい。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万4000―3万5000円。

 流通やコイルセンターは継続的に値上げを訴え、高炉メーカーも底値以下の注文は受けないと強い姿勢。市況もこうしたメーカー、流通の対応で極端な安値が消えて、段階的に小売価格を引き上げる動きも出ている。

 店売り分野では、在庫調整が「ほぼ終わった」(流通)との認識で一致する。ただ、需要の弱さと販売先の環境悪化を受けて、新価格の受け入れにはまだ厳しい反応も多い。マクロの需給改善が遅れる中で、年末に向けての販売姿勢が価格浮上を左右しそう。

大 阪地区のコラム市況はベース5万2000―5万3000円どころで横ばい。市中の荷動きは需要期ということもあって、「小口中心にそこそこの動き」(特約店筋)となっているが、建築不振から総じて迫力を欠く。流通の出荷量は10月こそ好調だったが、今月は前月比10%程度の減少となる見通し。

 流通の加工納期は一時期の4―5日から2―3日へと縮まる方向にある。このため、流通各社は売り腰を引き締め、採算回復を狙っているが、「安値解消にとどまっている」のが現状。ここにきて主力需要家であるファブの値戻しへの抵抗も強まっている。市況は当面、横ばい推移。