2002.01.11
住 友金属工業は10日、英国のコーラス(CEO=トニー・ペダー氏)と世界規模での包括的技術提携契約に調印したと発表した。今回の提携は、グローバル展開している自動車メーカーなどの主要顧客の多様化したニーズに対応するのが狙い。第一段階として、自動車及び機械構造用鋼材の先端技術を主体に展開、現状は資本関係に踏み込む予定はないという。今後、先端的かつ同品質の自動車用等の高級鋼材をグローバルに供給し、高度化する需要家ニーズに対応して最適な解決策を提案できる体制を構築していく方針。

 今回の提携により、両社は共同で効率的かつ迅速なカスタマーサポート体制構築や研究開発促進と効率化、製造技術革新などに取り組むことを決めた。具体的には、自動車軽量化や環境対策にかかわる顧客ニーズに重点をおき、3つのポイントでプロジェクトを立ち上げていく。

 薄板分野は、自動車用高張力(ハイテン)及び表面処理鋼板の製造技術や自動車用アプリケーション技術に関するもの。棒鋼線材分野では自動車用特殊鋼の製造技術や快削鋼の開発と改善。さらに自動車用鋼材の技術を主体の展開に加え、建材用鋼材分野についても協議していく。

 今後、両社は、それぞれの経営幹部で構成する運営委員会を定期的に開催し、協力テーマの検討や共同プログラムの決定、促進を図っていく。
東 京製綱は10日、同社開発の炭素繊維複合材ケーブル「CFCC」が使用された、米国のプレストレストコンクリート(PC)道路橋が昨年12月に完成したと発表した。ミシガン州サウスフィールド市にある橋梁の架け替え工事に採用されたもので、米国でPC道路橋の緊張材に炭素繊維ケーブルが本格的に使われたのは初めて。東綱では98年スイスの吊り橋ケーブル、99年デンマークの斜張橋ステイケーブルに続く採用で、これを機にライフサイクルコストを考えた海外の橋梁向けに拡販を強化する。

 サウスフィールドの橋梁「ブリッジ・ストリート・ブリッジ」は、融雪剤の影響から建設後20年余りで鋼材が錆び、コンクリート剥離に悩まされていた。このため、橋梁の寿命を延ばすことを目的に防錆性の高いCFCCを採用。3径間ダブルT桁橋(径間21・3メートル、20・3メートル、21・4メートル。幅員8・5メートル)で、CFCCを外ケーブルと横締めケーブル、補強筋などに使用した。

 融雪剤による橋梁の劣化は全米各地で深刻化しており、今回の橋梁工事には米連邦政府が工事費用約850万ドルの半分に当たる450万ドルを負担。今後、載荷試験と5年間の挙動モニタリングが実施される。
神 戸製鋼所とコベルコ建機は10日、昨年、建設機械事業でのグローバルアライアンスに基本合意した、フラットグループの農業機械・建設機械メーカー、米CNHグローバル社とこのほど、相互出資を行い、本格的な提携がスタートしたと発表した。世界第3位の建機メーカーCNHと4位の油圧ショベルメーカーであるコベルコ建機が手を結ぶことになる。日米欧に生産拠点を確保し、世界3大メーカーの一角として世界戦略を進める方針。

 コベルコは、CNH保有のオセアニア、東南アジア、中国における建機事業の販売流通拠点を100%買収した。各国政府からの各種認可も取得、多様な顧客ニーズに幅広く対応する。また、神鋼は保有するコベルコの発行済株式10%と北米のコベルコ・コンストラクション・マシナリー・アメリカの株式65%をCNHに譲渡した。

 さらに02年第3四半期には、コベルコとCNHで欧州に生産販売を行う合弁会社フラット・コベルコを設立し、コベルコは株式20%を取得する。同時にコベルコの欧州販売拠点は合弁会社の傘下に入る。同時期には、CNHがコベルコの持ち分比率を20%まで増やす予定。CNHと日立建機との欧州における提携は終了する。
関 東特殊製鋼は10日、新中期経営計画「Kantoc新生プラン」(02―04年)を策定したと発表した。中核事業としてのロール再構築と新規分野を含む非ロール事業の拡大、事業インフラのリニューアルと会社風土の変革、他社との生産提携と一歩進めたアライアンス検討が柱で、安定した黒字体質の確立を狙う。売上高、労務比率を20%とするほか、01年度見込みの売上高97億円、非ロール事業比率30%を、計画最終年度の04年度には売上高100億―107億円、非ロール事業比率50%、経常利益率1―3%を目指す。

 鉄鋼ロールの主要需要分野である鉄鋼生産の落ち込みと経済情勢の悪化により、経営環境がさらに悪化したことを踏まえ、経営基盤の抜本建て直しを図る。

 ロール再構築では、新販売戦略として開発重視の差別化に軸足を置く、スーパーハイスロール・CPI冷延ロール、新バックアップロールなど既開発ロールの拡販、通板性改善熱演ハイスロール、新型スリーブロールTRI―DSなど新規開発ロールの早期戦力化、次期ロールの商品化などに取り組む。

 非ロール事業拡大では、精密鋳造、形状記憶合金の強化育成と地域とタイアップした環境事業、ロールリサイクル事業、リサイクル材料からの有価金属回収など新規分野の事業展開を進める。
新 エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は今月16日から3月31日までの日程で、インターネットを活用した政策、施策の意見交換を行う、「技術ネットワークショップ」を開催する。情報・電子、ナノテクノロジー・材料など戦略的重要分野の研究開発プログラムごとに基本計画原案について意見を集約、内容充実に結びつける。鉄鋼・金属関連のプログラムでは「環境調和型超微細粒鋼創製基盤技術」などがワークショップの対象となっている。

 鉄鋼・金属関連プログラムでは、環境対策の3R(リサイクル、リデュース、リユース)プログラムとして、「環境調和型超微細粒鋼創製基盤技術の開発」「電炉技術を用いた鉄及びプラスチックの複合リサイクル技術開発」「アルミニウムの不純物無害化・マテリアルリサイクル技術開発」「非鉄金属の同時分離・マテリアルリサイクル技術開発」をネット上に掲示する。

 アドレスはhttp://www.randd−forum−nedo.com
 問い合わせ先はNEDO企画調整部産業技術企画課(電話=03-3987-9379)。

昨 年11月の大手高炉5社の出銑量(1日当たり)は19万8577トンで前月比2・25%増加した。高炉5社が10月から減産体制に入り、これで2カ月続けて20万トンの大台を割り込んでいる中で、若干、増加する場面となった。

 各社別の出銑量は、新日本製鉄7万7115トンで同4・88%、NKK3万8001トンで同8%、と上位2社が増加したが、川崎製鉄3万4403トンで同2・64%、住友金属2万9821トンで同1・75%、神戸製鋼1万9237トンで同2・88%、と3社は2カ月続けて減少した。

 また、出銑比(容積1立方メートル当たり出銑量)は、これまで2・00台で推移してきた新日鉄が1・95と大台割れとなり、逆に川崎製鉄が前月比0・15ポイント増加し、新日鉄を上回った。燃料比は新日鉄が484・7キロで前月比1・3キロ減少し、他4社は500キロ台前半であった。

神 鋼パンテツク(田中滋社長)は、食品廃棄物からのメタンガス回収率を大幅に向上させるとともに、ガス回収後の固形残さを完全消滅させるメタン発酵技術の実証試験を開始した。今後は、同プロセスを商品化することで、02年度で5億円、5年後には50億円の受注を目指す。

 この技術はドイツのBTN社から導入したメタン発酵技術と、神鋼パンテツクが開発した好熱菌利用の可溶化技術を組み合わせたもので、NEDOの地球環境保全技術開発事業の助成技術に採択され、実証設備の設計・製作を行ってきた。

 試運転を開始したのは、生活協同組合コープこうべの六甲アイランド食品工場(神戸市東灘区)で、02年3月までに実証試験を終了し、4月から本格的な受注活動を開始する。

 現在、食品廃棄物は、一般および産業廃棄物を合わせ、国内で年間約2000万トンが排出されているが、再生利用率は全体の1割にも満たず、大部分が焼却の後、埋め立て処分されている。しかし、産廃の最終処分場の残余年数は全国平均で約3年となっており、食品廃棄物の発生抑制および減量化、再生利用が強く求められている。

 このような中、有機性廃棄物のメタン発酵技術は、食品廃棄物の資源化技術のひとつとして有望視されているが、従来技術では3―4割もの固形残さが発生することが、技術普及の大きなネックとされている。

全 国仮設安全事業協同組合(理事長=小野辰雄・日綜産業社長、略称=アクセス)は9日、東京都中央区の組合本部内で新春理事長記者会見を行った。

 今年の抱負を述べた中で、小野理事長は「『見える安全 感じる安心』をスローガンに組合員一同、仮設安全監理検査など安全活動を一層強化し、建設業にかかわるすべての人が安心して作業できる環境を整え、安全文化の創造につなげたい」と、仮設に起因する労働災害の撲滅に向けて、新たな決意を示した。

 そのための施策として「ハード面では経済産業省の協力を受けて、足場の安全装備を開発・普及させるとともに、ソフト面では施工における現場の安全点検を徹底し、この相乗効果で労災を着実に減らす」と語り、01年度中に仮設製品安全監理者、02年度には仮設整備・検収安全監理者の両資格制度をスタートさせ、01年度で2500件を見込んでいる仮設安全監理検査を02年度は5000件をクリアする目標を発表。さらに効率的運営を図るため、全国972事業所を見直し、集約していく計画であることを明らかにした。

東 京地区のステンレス薄板価格はSUS304系ベースサイズがトン当たり21万円、SUS430系ベースサイズが同16万5000―17万円どころを中心として弱含み横ばい。IT関連需要の悪化を背景に、昨年春先からの荷動き鈍化が現在まで続いており、ジリ安傾向となった。

 メーカー側は昨年10月受注分から10―20%減産幅を広げ、年末に向けた本格的な減産を実施。1―3月期も店売りを中心として、上期比20―30%の減産を継続し、年度内には需給環境を整える方向だ。

 今期も足元は不透明で、需要回復に明るい材料が見当たらない。需給環境の整備とそれに伴う弱気ムードの払しょくには、まだ時間がかかりそうだ。





東 京地区の線材製品市況は、昨年秋からのロッド減産で底入りの感触が芽生えてきた。しかし、需要の減退が続き、上昇に転じるにはなお需給環境の整備が必要とされる。ロッドメーカーは10―12月に続き、1―3月も20%減産を表明しているが、需要縮小の色合いが濃い中、どこまで需給が改善されるか。02年もメーカーサイドの市況対策と建築資材全般のデフレ基調との暗闘が続きそうだ。

 線材各社は1―3月も減産を続け、状況次第ではさらなる上積み減産を行う。製品市況が復調すれば「春には線材値上げに取り組む」(各高炉)方針。00年電炉各社は、赤字脱却に向けて需給を引き締め、一般形鋼やH形鋼市況を引き上げた。電炉主力の小棒は市況回復の兆しが見えており、線材についても「値上げは検討課題に挙がってくる」(商社)。1―3月の需給次第では春先、値上げ機運が高まる公算が大きい。

大 阪地区の鉄スクラップ市況は、電炉メーカーによる越年在庫の調達などの季節的な要因から、強含み横ばいで年を越した。ただ今後、中長期的にみて、メーカーの実需低迷を反映した減産強化からスクラップ需要は盛り上がりに欠き、余剰感は解消しそうにない。昨年に続き、輸出継続の気配。

 新年は強もちあいでのスタート。年末・年始の操業で在庫を減らしたメーカーが補充に動くことが予想されるが、業者の休業直後とあって荷動きは低調ぎみ。

 メーカーの減産強化から、今年もスクラップ需要の伸びは期待できない。スポット要因を除けば、軟調地合いで推移しそうだ。ただ昨年輸出が定着し、市況形成に影響力を持った。今年も需給の調整弁として機能し、市況軟化を下支えするだろう。