2002.02.20
三 菱製鋼は鋼材部門の収益改善をはじめとする構造改革を加速する。鋼材では今年1月から鋼材事業部をバネ事業部と統合、自動車・建機事業部に統合した新体制に移行、製造子会社の三菱製鋼室蘭特殊鋼では、3月末までに人員を前年比約40%減の200人弱にまでスリム化、体質強化にあたる。素形材部門でも宇都宮製作所での精密鋳造部門をタイのMSM(THAILAND)に移設する方向で検討作業に着手。早ければ02年内にも稼働させる。

 一方の宇都宮では新規事業を立ち上げ、新たな収益基盤として育成。精密バネも海外拠点で拡大させるほか、環境・エンジニアリングでは事業部を廃止、制振・免震装置からも撤退、引き続き選択と集中による事業重点化を進める。これらの施策を02年度から3カ年の新中期計画につなぎ、連結ベースで強固な陣容の構築を図る。

 今年度末までに、「収益力強化に向けた新規の路線を敷き、新中計に引き継ぎ、実効性をアップさせる」(市川誠社長)考えだ。02年度で鋼材部門の赤字を解消させ、全事業部門での黒字化を目指す。
新 日本製鉄は3月契約分から、ステンレス中厚板の国内店売り価格をトン当たり2万円引き上げる。一方、物件対応のひも付き価格も同時に値上げ交渉を実施する。また、輸出価格についても欧州、東南アジアの市況が回復基調にあることから、同様に値上げを行う予定。

 ステンレス中厚板の需給環境は、メーカー側が減産を、流通側は在庫調整を早期から実施するなど、製販が需給改善に向けた取り組みを継続しており、年度内にも在庫調整が完了する見通し。需要についてはケミカルタンカー、海水淡水化プラント、食品プラントなどの引き合いが計画されており、需給環境は整いつつある。大手問屋筋によると「現在、ステンレスの中では、中厚板が最もタイト感がある品種だ」という。



岡 谷鋼機の100%子会社、岡谷コイルセンター(名古屋市港区空見町27、後藤辰也社長)は、既設レベラーラインにラフレベラーを増設し、このほど本稼働を開始した。母材コイルの高張力化に対応し、品質向上を図ることが目的。

 同社はスリッター(0・4―3・2×1350ミリ、0・3―0・8×1300ミリ)2連、およびレベラーライン(0・4―3・2×1300ミリ、0・4―1・6×625ミリ、0・4―1・2×500ミリ)3連を保有する。加工量は月間約1万1000トン。向け先は家電、自動車向け共に30%。
関 西地区の大手形鋼扱い特約店筋は帳端明けから、一般形鋼および平鋼の販売価格を1000円引き上げる。メーカー各社の値上げ分を売値に転嫁するもので、アングルで3万5000―3万7000円、平鋼で4万―4万1000円の市況形成を目指す。

不需要期とあって市中の荷動きは低調だが、僚品主力のH形鋼など鋼材全般が上昇機運にある中で、両品種も当面、値戻し局面が続きそうだ。

 同地区の形鋼市況は現在、メーカー値上げ、需給タイト化を反映して、置き場3万4000円、持ち込み3万6000円がほぼ固まった段階。2月に入ってからは荷動きが一段と悪化。ここにきて在庫増、契約残が増加するなど需給は緩和傾向にあるが、メーカーが出荷調整で対応しているため、「流通在庫は依然としてベースサイズを中心に歯抜けが多い」(特約店筋)。さらに、東京製鉄が3月契約でさらに1000円値上げするなど、メーカーではスクラップ価格上昇を反映した値上げ機運が一向に弱まる気配が見えない。

 また、様子見商状となっていた平鋼についても、各社は「まだ環境整備は出来ていないが、メーカーの値上げ背景を考えれば値戻しに動かざるを得ない」として、ようやく唱え引き上げに動く。
関 東地区の細物小棒メーカー、城南製鋼所(本社=埼玉県川口市、栖原信夫社長)は、3月に挿入クレーンとレードルクレーンの改造を行い、併せて圧延ラインの修理も実施する。3月12日から7日間、製鋼ラインを止め、圧延ラインは12―13日の2日間は製品を製造し14日から5日間休止する。クレーン・圧延ラインとも老朽化に伴う改造・修繕が目的。同社は、値上げ環境の整備に向け減産基調にあるが、製鋼・圧延ラインの休止でさらなる減産強化とする。

 改造する挿入クレーン(能力55トン)は、スクラップを電気炉に運び入れ、レードルクレーン(同100トン)は、取り鍋を連続鋳造設備に移送する設備。両クレーンとも老朽化しているため、レードルクレーンは全面更新し、挿入クレーンは部分修理を行う。また、同時に圧延ラインの修繕も進める計画で、現行の生産能力に変更はない。

1 月の新造船受注は11隻、33万3000総トン、前年同月比61%の大幅減となった。9月の世界貿易センタービルのテロの影響によるものとみられている。日本は円安傾向で、受注面では相対的に競争力が出てきているが、1月は世界的に新造船の発注そのものが低下した。1月の急減は、国内造船各社の手持ちの繰り延べの動きを誘導する懸念がある。このため鋼材需要面からも、要注意となっている。

 日本造船工業会はこのほど、1月の新造船受注実績を公表した。それによると33万3000総トンとこれまで100万総トン台で推移していたのが、一気に70万総トン近く低下した。内訳は貨物船が7隻、27万9000総トン、油槽船が4隻、5万4000総トン。その他ゼロ。

 1月で受注実績が急減したのは、テロの影響と世界的な景気回復の遅れで船主が発注を手控えしたためとみられている。先行きに関して厳しい見方が台頭している。

P OSCOは、熱延設備の定期補修と設備改修が2月から集中しており、4月までの3カ月間で薄板系で77万トンの減産が想定されている。特に光陽製鉄所2熱延は、52日間の操業休止で59万トンの減産になる。6月以降は増強された改修設備の生産が再開さされるため、下期で30万トン程度の増産が計画。年間では22万トン程度の前年比減産にとどまる見通し。

 一連の改修は設備補修と増強が目的で、光陽製鉄所2熱延は、これまでの363万トンから47万トン増の410万トンにアップする。2003年以降は、年ベースでは改修された設備の能力アップが貢献するため、薄板生産面ではプラス要因になるもよう。

 POSCOは、今年3月5日から光陽製鉄所の1高炉の巻き替え工事を計画。6月16日まで104日間休止されるため、これに合わせ熱延ミルの定期補修と改修を目的としたの設備休止工事を実施する。

 光陽製鉄所の2熱延ミルは、昨年下期から改修工事がスタートしており、加熱炉と圧延機の能力アップが進められている。1高炉休止期間中の3月5日から4月25日までの52日間は、2熱延を休止して改修工事を進める。これにより約59万トンの減産が想定されている。

 一方、浦項製鉄所では、2熱延ミルの定期補修を2月18日から28日まで11日間実施する。この改修による操業休止で、浦項製鉄所2熱延は約14万トンの減産。さらに光陽製鉄所のミニミルの定期補修が、2月21日から27日まで計画。期間で約4万トンの減産が予定されている。一連の補修・改修による休止減産は、4月までで77万トンに達する。

中 国・広州鋼鉄グループの珠江鋼鉄廠は、広州市内にある主力工場で年産110万トンの新冷延ミル導入を骨子とする投資計画を広東省に提出した。投資額は10億元で、2004年の稼働を目指す。

 新ミル計画は、資金問題や需要動向の不透明さなどから一たん中止されていたものだが、内需拡大と中国のWTO加盟を契機に復活した。国家経済貿易委員会の許可を待って具体化の方針。

 珠江鋼鉄は、デマーグ社のコンパクト・ストリップ・リダクションミルを現在保有しており、年産100万トンの実績。この設備を現在、ダニエリ社が増強工事に当たっており、2002年10―12月期までに完成の予定。最終的なホットコイルの生産能力は200万トンに拡大する。



東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万7000円、溝形鋼は5×50×100で4万1000円中心の強含み。東京製鉄の値上げ発表を受け、他メーカーの値上げも予測されることから上伸基調が高まった。流通は18日から3万9000円唱え、3万8000円下限販売を試み始めた。

 形鋼部会調査によると、山形の1月の出庫量は前月比6・0%減、溝形は同4・6%増で、2月は横ばい。低レベルながらも一定量の出庫量を確保している。

 特に3×20×20や5×40×40といったサイズの動きは良いため、メーカーの輸出志向と減産を背景に、流通は引き続き売り腰を強めていく。



東 京地区の表面処理鋼板(電気亜鉛めっき)は横ばい。市中価格は5万3000―5万4000円(熱延)、6万3000―6万4000円(冷延)。

 熱延を皮切りに冷延、めっきとメーカーの値上げが続き、市況全体が転機を迎えた。建材を中心とした表面処理鋼板の専業メーカーは大幅値上げを打ち出し、めっき鋼板も底値が固まりつつある。

 ただ、不需要期にあり販売量は1月年明けに盛り上がったのと比べると、2月に入って落ち込んでいる。大型建築物件で内装関係の薄板需要があるが、すでに織り込まれた面もあり、需要の伸びには影響しないとの見方もある。目先は底値で横ばい推移か。

大 阪地区の等辺山形鋼はベース3万5000円どころでジリ高。市中の荷動きは2月に入って一段と落ち込んでおり、流通在庫も増加傾向。

 大阪鉄鋼流通協会の調べによると、1月末の仕入量は前月比2・1%減、販売量が同比3・6%増となったが、在庫は同比3・5%増の1万5941トンと3カ月連続で増加。契約残も同比8・2%増の1万5730トンと2カ月連続で増加し、需給は緩和傾向にある。

 ただ、メーカー各社は2月に値上げを実施したほか、需給対策として厳密な出荷調整を継続。東京製鉄も3月に連続値上げを発表し、供給面は当面、強気姿勢が続く見通し。