2002.02.25
日 本重化学工業は22日夜、緊急に開催した記者会見で、同日、関連会社14社を含め、東京地裁に会社更生法の適用を申請・受理され、同地裁は同日付で資産の保全命令を出し、同時に保全管理人として多比羅誠弁護士を選任した、と明らかにした。同社によると、関連会社14社を含めた負債総額は約1410億円で、このうち、昨年11月末時点での金融債務約685億円、保証債務約552億円。金融債務のうち、主な債権者と債権額は第一勧業銀行255億円、政策投融資銀行約75億円、中央三井信託銀行70数億円など。会見の冒頭で庄子勝弘社長は「主力のフェロアロイ事業が国際競争力の激化に伴い受注が激減、他部門のうち、特に機能材料(電池)をコア事業として進めてきたが、IT不況の影響で数次かつ長期にわたるリストラ・合理化などの経営改善努力も功を奏しなかった」として、「このままでは(月末の手形決済などを控え)事業を継続していくのが困難と判断、自力再建を断念した」と更生手続きに至る概略を説明した。
川 崎製鉄は22日、川鉄商事の要請に応じて総額385億円の支援を行うと発表した。具体的には今年度内に345億円の支援金を拠出するとともに、川商が実施する第三者割当増資の一部40億円を引き受ける。JFEグループの発足にともなう「川商とNKKトレーディングの統合をにらみ」(川鉄・宮崎徹夫副社長)、川鉄グループの中核商社である川商の財務基盤強化を図る。川商は不動産の売却損など将来発生が見込まれる損失を今期一括処理する方針で、子会社の川商不動産の清算などに踏み込んで「含み損を一掃する」(川商・成木宏雄社長)。この結果、川商は今期509億円の特別損失計上を余儀なくされるため川鉄に345億円の支援を要請。合わせて自己資本の増強を目的に総額100億円の第三者割当増資を行う。川商は、損失の一括処理を実施したのち事業の選択と集中を加速、並行して資金効率の向上、コスト削減による収益力アップを推進、05年3月期に連結有利子負債を01年3月期比半減の2000億円に圧縮し、連結経常利益100億円の計上を目指す。川商の支援にともない川鉄は同日、業績予想の下方修正を発表したが、川鉄は94年度以来、7年ぶりの無配となる。
川 鉄商事(成木宏雄社長)は、今年10月に川崎製鉄とNKKが経営統合し発足するJFEグループの中核商社としての地位を確固とするため、経営の抜本的見直しに着手した。将来に発生が見込まれる損失を含め、川商不動産の清算など今期に含み損を一掃。01年度スタートの中期計画を改め、02年度からの3ヵ年計画を策定し、事業の選択と集中を徹底する。関東流通網の統合などJFEグループとしての販売・加工・物流機能を強化。また、食品・機械・エレクトロニクスなど非鉄鋼分野では外出しなど事業の再構築を進め、計画最終年度の04年度には、単独で経常利益65億円、連結で同100億円を見込んでいる。

 01年度から3ヵ年の第2次ステップ計画を進め今期は計画通りで連結経常利益70億円、単独45億円の経常利益が確保できる見通し。JFEグループ発足を前にさらなる事業基盤の強化に向けて今期に含み損を一括処理し、バランスシートを改善する。新たに02年度からの3ヵ年計画を立ち上げ、収益力の強化を図る。

 不動産関係子会社の川商不動産(資本金1000万円、杉村直社長)を今年3月内に解散するなど資産売却を推進。有利子負債は、03年度目標3200億円を前倒しで圧縮し、04年度に2000億円を目標とする。総資産は単独で01年度見通しの1100億円から04年度に900億円に、連結で同6300億円から5400億円に圧縮する。
川 崎製鉄は22日、01年度連結・単体決算見通しを発表した。当期損益は、単体ベースで170億円程度の赤字となり、前回予想に対して120億円の損失拡大。連結ベースでは前回10億円の黒字を予想していたが、川鉄商事への345億円の支援金拠出など特損発生が大きく影響し、60億円程度の赤字へ下方修正を余儀なくされた。

 単体ベースでは売上高が7150億円程度(前回予想7200億円程度)、営業利益は200億円程度(220億円程度)、経常利益が130億円程度(110億円程度)、当期損益は170億円程度の赤字(50億円の赤字)に修正した。期末配当は見送る。

 一方、連結ベースでは売上高が1兆2400億円程度(1兆2500億円程度)、営業利益は400億円程度(400億円程度)、経常利益が200億円程度(230億円程度)、当期損益は60億円程度の赤字(10億円程度の黒字)にそれぞれ下方修正した。

 連結営業利益は前回予想並みの水準を確保しそうだが、連結経常利益は川鉄商事の損失計上に伴う持分法投資損益の悪化などで、前回予想を下回る。また、資産売却益や退職給付信託設定益などの特別利益が見込まれるものの、特別退職金や退職給付債務積立不足の償却負担に加え、株式市況低迷に伴う投資有価証券評価損や、川鉄商事に対する支援損など特損発生が大きく影響し、連結当期損益は前回10億円程度の黒字を予想していたが、60億円程度の赤字とした。

 一方、借入金と社債残高については、単体ベースが9200億円程度で、00年度比2400億円程度増えるものの、下期末に川鉄リースの東京リースへの事業売却などで、連結ベースは1兆1450億円と、同1350億円程度の削減となり、グループ全体での財務体質強化が効果を上げている。
川 鉄商事は22日、総額100億円の第三者割当増資による新株発行を決議したと発表した。

 発行新株式数は1億417万株で、発行価額は1株96円。発行総額は100億32万円。資本組入額は1株48円。資本組入総額は50億16万円。

 割当先は次の通り。

 ▽川崎製鉄4166万株▽川崎重工業1042万株▽川崎汽船1042万株▽第1勧業銀行838万株▽東京リース729万株▽三井住友銀行520万株

▽東京三菱銀行520万株▽清和興業520万株▽第一地所520万株▽中央不動産520万株

神 戸製鋼所は、構造用鋼(店売り・ヒモ付き向け)の販売価格を、3月契約・4月ロール分からトン当たり5000円値上げする。需要後退で低操業に陥る一方、販価低迷と原材料高のコストアップが重なり採算が悪化している。このため、再生産可能な価格帯への回復を図り、採算改善に努める。併せて昨年10月から取り組んでいる30%減産(01年4―9月比)を4―6月も継続し、需給改善を進める方針。大手の神鋼が値上げに踏み切ったことで、今後他社の値上げ追随も予想される。

 自動車や建設・産業機械に用いられる構造用鋼は、需要が減退し昨年春から店売り市況が軟化。この間、市況はトン3000―4000円下落している。

 神鋼は市況下落に歯止めをかけるため、昨年10月から30%減産に入り、需給調整を進めている。他メーカーも減産強化に動いたため、市中在庫は減少。昨年12月末時点で関東地区在庫は約1万5000トンで10%強圧縮、関西地区で約4万トン、2割弱削減され、足元市況は弱含みながら下支えられている。
日 鉄建材工業は22日、大径角型鋼管(コラム)、中径角型鋼管、軽量C形鋼、軽量溝形鋼を4月出荷分から3000円値上げすることを表明した。母材ホットコイルの値上がり分を転嫁する。コラムの値上げは00年8月以来1年8カ月ぶり、中径角と軽量形鋼は00年4月以来2年ぶりとなる。高炉メーカーが4月以降に鋼板類をもう一段階値上げすることを視野に入れ、夏までに第2弾の値上げをすることも検討している。

 日鉄建材は昨年末から値上げ幅や時期を検討してきたが、年明けからの鋼板類の需給改善や母材ホットコイルの値上がりを受け、建築需要の高まる4月からの値上げを決めた。コラム市況は関東のSTKR(一次加工込み)で5万5000円前後と横ばいだが、販価上昇への環境形成をすることで市況6万円を目指す。

岸 和田製鋼(本社=大阪府岸和田市、鞠子重孝社長)は3月中旬から月末までの半月間にわたって製鋼部門の操業を休止、新電炉の一部改造とレードルクレーンの大型化工事を実施する。圧延についても定期修理の形で1週間程度の操業休止を予定しており、3月の生産量は4万3000トン前後に減少する見通しだ。

 同社は関西地区の大手小棒細物メーカーで、現在の月間生産量は需要見合いの4万7000トン程度となっている。一方で設備面の効率化も進めており、それまでの2炉操業を1炉に集約、NKK製の環境対応型高能率アーク炉「エコアーク」を新たに導入し、昨年12月にホットランを開始している。

 しかし、新設備の稼働に伴ってレードルクレーンの大型化工事が必要になっているのに加え、新電炉の操業状態をさらにアップさせるため一部改造工事を行うことになったもの。工事期間としては来月中旬から月末までの半月間を見込んでいる。

 また圧延設備もこれに合わせて定期の修理を実施、1週間ほど操業を休止することにしており、生産数量は3000―4000トン減少する見通し。現在関西地区の細物小棒はロール待ちが1カ月前後とタイト化しているが、同社がさらに生産数量を落とすことでさらにひっ迫することも考えられる。
東 京地区の異形棒鋼は今週も商社の唱え上げが続きベース2万6500円どころで強含み。 ベース、細物両メーカーが2月18日から、追加1000円の値上げを打ち出し、販売価格の引き上げにかかっている。このため、商社も唱えを上げざるを得ず、ゼネコンの抵抗は強いものの上伸ムードが広がっている。

 先高とみて、ゼネコンの発注は堅調。デリバリーも順調で、一部流通はロング(先買い)のポジションに入っている。しかし、メーカー側は売り腰が堅く減販の姿勢。減産基調にあり、需給のバランスはとれている。鉄スクラップ高が当面続く見通しから、メーカーの採算回復意欲は強く、目先も強含みで推移。

東 京地区の熱延鋼板(中板)はメーカーの値上げ拡大を受けて市況の底上げが進み、なお強含み。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万5000円中心。

 東京製鉄のホットコイル値上げ幅が、3月販売価格の発表で5000円に拡大。高炉メーカーも薄板全般の再値上げを検討、示唆している。メーカーの強い値上げ姿勢に対し、流通は再販価格への転嫁を急いでいる。

 底値から1000―1500円の市況上昇が広がるが、販売業者としては年度末に向け2000―3000円の価格転嫁を実現させたい考え。

 需要は低調だが、市況は需要と別の要因から引き続き上昇気配。
大 阪地区の平鋼はベース4万円で強含み横ばい。

 市中の荷動きは総体的な需要の落ち込みから低調。流通の出庫量も1月こそ微増に推移したが、今月は停滞ぎみ。「今月は10%程度の落ち込みとなる」(特約店筋)もよう。

 一方、メーカー各社はスクラップ価格の上昇を受けて、2月契約販価を2000円値上げ。併せて、10―12月比30%カットの減産方針を打ち出し、不退転の値上げを実施している。

 流通筋もこのメーカー動向に基本的には同調。「今回のメーカー減産は本物」として、先週から唱えを1000円引き上げ、4万―4万1000円の市況形成を目指している。