2002.03.05
新 日本製鉄は4月出荷分から、店売り向けの薄板3品(熱延、冷延、表面処理)を値上げする。値上げ幅は、酸洗を含む熱延鋼板がトン当たり3000円、冷延鋼板および表面処理鋼板が5000円。先週末までに流通各社に値上げの意向を伝えており、改定価格の浸透を図るとともに、ひも付きを含めた価格是正を進めていく。

 同社は昨年7月に熱延鋼板を値上げし、10月には冷延鋼板と表面処理鋼板を含めた薄板3品でトン当たり3000円値上げを実施。今回の値上げはこれに続く第2弾と位置付けられる。今年1月以降は鋼管や軽量形鋼向けの薄板素材についても、併せて値上げを打ち出している。
1 月の鉄鋼輸出(全鉄鋼ベース)は263万3000トンで前月比14・1%減、前年同月比52・4%増となり、前年同月比では7カ月連続の増加となった。このうち普通鋼鋼材は183万4000トンでそれぞれ14・5%減、36・8%増。特殊鋼鋼材は31万2000トン、18・3%減、17・0%増だった。一方、1月の鉄鋼輸入(同)は45万4000トン、0・2%減、33・6%減。このうち普通鋼鋼材は27万1000トン、3・5%増、41・2%減で、前年同月比では12カ月連続の減少となった。

 これは日本鉄鋼連盟まとめによるもので、普通鋼鋼材輸出のうち主力の熱延広幅帯鋼は64万4000トン、前月比3・2%減、前年同月比38・8%増。冷延広幅帯鋼は18万4000トン、25・7%減、9・3%減。亜鉛メッキ鋼板は28万7000トン、10・2%減、37・7%増だった。

 仕向け先別(全鉄鋼ベース)では韓国が69万6000トンで前月比7・9%増、前年同月比90・7%増。中国は42万8000トン、16・3%減、76・9%増。台湾が21万5000トン、14・0%減、168・3%増。タイは21万2000トン、6・5%増、8・3%増だった。
住 友金属工業と住友金属建材は4日、柔らかく自然なうねり表面凹凸を有する「住友ハイコートUT」と、クロムフリー環境対応型「住友ハイコートNEO」の家電用プレコート鋼板を開発し、このほど製造・販売をスタートしたと発表した。

 「住友ハイコートUT(Undulating Texture)」は、加熱すると溶融する熱可塑性樹脂ビーズを下塗り塗膜中に添加し、凹凸のある下塗り塗料を形成させた後に上塗り塗膜を施すことで、柔らかい自然なうねり形状を実現。うねり形状は高さが1―3ミクロン、波長は500―2000ミクロンで、これによってユーザー使用時の傷付きを抑制し、傷が付いた場合でも補修が容易で、製品歩留まりが最終ユーザーで2―3%向上する。

 一方「住友ハイコートNEO」は、クロムフリー商品「NEOシリーズ」にハイコートを加えて、バリエーションをアップしたクロムフリー環境対応型塗装鋼板。クロムは、塗膜密着性と耐食性に優れた機能を発揮してきたが、環境への負荷が大きく、欧米を中心に代替品への切り替えが進んでいる。同製品は、環境対応へのユーザーニーズに対応するため、長年、研究開発を進めてきたもの。下地処理および下塗り塗料中にクロムを全く含有せず、かつ塗膜密着性や耐食性など優れた機能を有し、促進試験や屋外暴露で性能を確認済み。
三 菱商事は、ステンレス事業の川下強化策の一環として、城南地区にステンレスの流通子会社を設立し、4月1日から同地区に限定したステンレス鋼のユーザー直販業務を開始する。

 新会社は鋼板1枚、棒鋼1本単位からの小ロット製品を、ユーザーに直接販売する小口販売形式をとり、ユーザーニーズにきめ細かく対応する。扱い製品はステンレスの全品種。ユーザーの要望次第では、銅・アルミなども扱う予定だ。

 三菱商事はこの計画の下準備として、昨年から城南地区を対象にステンレス鋼の末端需要家のマーケティングを行ってきた。調査の結果、同地区の金属関連業者約4000社のうち、約200社がステンレス鋼末端ユーザーであることが判明。新会社では、主にこの200社のうち流通経路が明確に確立していない業者を対象に営業展開する。
住 友金属工業は、佐賀県の鳥栖・三養基西部環境施設組合からガス化溶融炉を受注内定した。日量132トンの処理設備で、受注金額は約57億円。近く建設に着手し、04年3月末の竣工予定。5日に行われる同組合の議会で承認されれば、同社にとってガス化溶融炉初受注となる。

 鳥栖・三養基西部環境施設組合は、鳥栖市、中原町、上峰町など佐賀県内の4町で構成する環境施設組合。今回、中原町香田に、日量132トン(66トン×2炉)のガス化溶融炉をセンタープラントとして建設し、一般廃棄物を広域処理することを決めた。

 今回の入札では、荏原や神戸製鋼所など流動床式ガス化溶融炉メーカー2社と、新日本製鉄、川崎技研などシャフト炉メーカー4社を加えた6社が参加。最終的に、環境負荷の問題やコスト面で住金が落札した。

 住金では、高炉のハンドリング技術をベースとするガス改質型シャフト式ガス化溶融炉を独自開発し、初号機受注に向け積極的に提案活動を行ってきた。00年12月には全国都市清掃会議の技術評価を得て、三菱重工業とガス化溶融炉技術供与に関して提携している。

栗 本鉄工所は4月1日で、合成樹脂管の販売部門の化成品事業部を分社し、製造子会社の栗本化成工業(本社=大阪市西区北堀江、荒木悦夫社長)に統合する。また、砕石・砂利業界への顧客直結体制の構築のため、機械事業部の一部と連結子会社の栗本商事の関連部門を統合し、4月1日で新会社「クリモトメック」を設立する。情報シテム部門も分社化し、新会社「クリモト情報システム」を4月1日で設立、情報処理業務の効率向上、コスト削減、新規事業開拓を目指す。

 化成品事業はこれまで、製販を分離し運営していた。しかし、急激な社会・経済情勢の変化にスピーディーに対応するには製販の一体化が必要と判断したもの。自社の化成品事業を分社し、4月1日で製造子会社の栗本化成工業に統合する。来期(03年3月期)の同社の売上高予想は年間75億円。
日 本電工のホウ素リサイクルシステムに関する引き合いが相次いでいる。今年1月からホウ素の排水規制実施が強化されたことに伴い、石炭火力発電所をはじめアルミ箔化成処理、電子部品などの事業所から同システムに関する引き合いが続いているもので、同社では、当初、ホウ酸の使用量から市場規模を60億―80億円と推定していたが、「石炭火力発電所が加わったことで市場が拡大する」と見込んでいる。

 同社はこうした需要に対し、ユーザーごとの排出量に合わせ、可搬式の「B―クルパック」でホウ素を回収し、また、排出量が多い場合には、定置式回収設備として販売するなど小型から大型までの排水処理設備を備えている。同社は回収したほう酸を自社でホウ素、ボロン合金の原料として再利用し、また、排水は純水として利用。

不 動鋼板工業(本社=北九州市、高橋利明社長)は、鋼材用の防錆液を含浸させたフィルムを袋化した「防錆フィルム袋」のオーダーメード販売を開始した。以前からあるスプレー方式とちがい、鋼板コイルや厚板をそのまま覆って使用する。袋状で密閉された中で含浸している防錆剤が気化して内部の鋼材を包み防錆効果が得られる。メンテ不要で、1年半の効果がある。結露へも対応でき、鋼材、金型、各種部品、機械など錆を嫌う製品の品質保持対策商品として好評。

 同社の防錆剤は、もともと液状のスプレータイプとして市販され、コイルセンターなどで全国的な実績がある。この中でコイルなどの鋼材を、一体で覆うフィルム型製品の要望があり、防錆剤を含浸させたフィルムとして新たに単体販売していた。

 これを今回、袋状に予め加工して販売することになった。機密性の向上で防錆効果が強化されるとともに取り扱いも簡便化。袋の中に入れた製品は、防錆油の塗布や脱脂も不要で、省力化にも役立っている。このためコイルセンター、シャーメーカー、鋼材特約店などから引き合いが増加している。
東 京地区の冷延薄板は国内海外メーカーの値上げが予想され、流通に大きな影響を与えそうだ。需要環境が悪い中で、足元から強気に転じるかは微妙。

 熱延鋼板で国内高炉各社と韓国POSCOの値上げ姿勢が明確となり、市況も上値を目指す展開となった。これに対し、冷延薄板は酸洗鋼板との価格差縮小が課題。需要が物足りないため、販売業者は強気になれない。

 ただ、海外メーカーの値上げが予想され、市況も底値から先行き浮上する可能性が徐々に出てきている。新日本製鉄が表明した5000円値上げも、価格的なインパクトは大きい。市中価格(1・0ミリ、4×8)は4万5000円。

東 京地区の一般構造用鋼管(STK)市況は、素材の値上げという材料もあるが、需要低迷とメーカー間の販売競争に対する不安が支配し、弱含みで推移。

 母材の熱延コイルは東京製鉄、高炉メーカー各社とも5000円以上の大幅値上げを打ち出している。このため関連品種の建材・フォーミング製品でも、メーカーが値上げを表明した。

 ただ、鋼管は公共、民間ともに建築・土木関連の需要は低迷しており、3月に入って流通では鋼管メーカーの販売姿勢に対する懸念が強い。市況に反発気配が出るとすれば4月以降とみられる。市中価格(STK400)は、5万2000―5万3000円。
大 阪地区の平鋼はメーカーが引き受け数量のカットを打ち出しているものの、それ以上に荷動きは低調に推移しており、活気を欠いた展開となっている。市中相場はベース4万円どころ。

 メーカーでは数量を削減するとともに、2月契約からトン当たり2000円の値上げを打ち出している。これを受け一部で安値が切り上がる傾向は散見されるが、引き合いは極端に小口化しており、上値が上伸するだけの力はない。流通筋からも「他の品種に比べ環境整備がやや遅れているのでは」といった声が聞かれる状況だ。

 特に出遅れが目立つ厚板との兼ね合いもあり、しばらくは模様眺めから、横ばいでの動きにとどまりそう。