2002.03.11
ス テンレス鋼板のアジア向け輸出価格が強含んでいる。アジア市場への輸出価格の指標である香港向けは昨年末、トン当たり1140ドル(SUS304、コイルベース、運賃込み)前後だったが、旧正月までに50ドル、以後さらに20―30ドル値上がりし、現在は1200ドル前後に上昇している。中国を中心に、洋食器など器物加工用の需要が堅調であることに加え、建材・厨房関連の需要が回復するなど、一定量の実需が発生しているためだ。

 現在行われている5―6月積み商談では、昨年末からの値上がり幅が計100ドルになる見込み。「このままいくと、7―9月積みの商談ではさらに100ドル値上がりし、メーカー目標の値上がり幅200ドル達成は十分可能性がある」(大手商社筋)という。





韓 国の浦項綜合製鉄(POSCO)は先週、光陽製鉄所・第1高炉の改修工事に着工した。工期は98日間で、6月10日の完工を見込んでいる。また同社は同製鉄所の第2熱延ラインの効率化工事も開始、4月25日の完了を予定している。同社は「両プロジェクトの工期をそれぞれ98日、55日間に短縮することで設備休止による影響をミニマイズする。熱延鋼板については減産幅を当初見込みの50万トンからほぼ半減できる」としている。

 第1高炉(87年4月稼働)は、5日に着工した改修工事により炉容積が3800立方メートルから3950立方メートルへ拡大、銑鉄の日産能力は8000トンから9000トンへ増強される。

 第2熱延ラインの改造工事は仕上げ圧延ミルの第7スタンド増設をメーンとする。年産能力が363万トンから410万トンへ引き上げられ、表面形状の向上など高品質化対応も図られる。第2熱延ラインの工事完了により、同製鉄所の熱延能力は1460万トンとなる。

東 洋シヤッター(本社=大阪市中央区、上原章社長)は8日、第一勧業銀行など主要金融機関6行に対して、116億円の債務免除と10億円の債務株式化を要請すると発表した。同社は01年9月期において約8億8000万円の債務超過となり、多額の負債を抱えたままでの再建は困難と判断、「収益分野の強化と固定費の圧縮」「資産リストラの実施と原子」等を骨子とした再建計画を策定するとともに、私的整理に関するガイドラインに基づき、同日一時停止の通知を行ったもの。

 経営責任を明確にするため、上原章社長と前田邦彦副社長は再建計画の進ちょくを見極めたうえで退任を予定している。債務免除は金融機関のみが対象で、一般債権者の再建カットは一切行わない。

 同社は99年3月期に多額の特別損失を計上して以来、大幅な人員削減と中期3カ年計画の実践により体質改善に努め、01年9月期には経常利益の黒字化を実現したが、有価証券下落による評価損計上により、同期において約8億8000万円の債務超過となった。



大 手熔断業者の大阪玉造鋼業(本社=大阪市西区、中本茂社長)は今月25日、名古屋事業所・玉川工場(名古屋市中川区)に隣接する工場建屋(建屋面積=856平方メートル)をアサヒスティール(本社=大阪市)から買い取り、工場を拡張する。購入した建屋部分については今後、在庫ヤードとしての活用、もしくは設備の増強などを検討していくが、基本的には工場全体の効率化を推進する。







東 京、大阪、名古屋、北陸、中国、九州地区で結成されている「ステンレス流通協会」が、四国、東北地区でも近く発足する。両地区とも5月に設立総会を開き、正式に設立。設立後は各地区ステンレス流通協会の連合体である「全国ステンレス流通協会連合会」(全ス連、青山昭雄会長)に加入する。両地区での組織化および全ス連加入により、全ス連は名実ともに全国組織としての体制がほぼ確立する。

 近く発足するのは、「四国ステンレス流通協会」と「東北ステンレス流通協会」の2つの流通協会。





全 国厚板シヤリング工業組合(理事長=山田晋司・東京シヤリング社長)は7日、厚板切板の切断生産性と製造コストの調査報告をまとめ、概要を公表した。橋梁・鉄骨向けの切板に対象を限定したが、調査報告では、厚板切板の小物化、部品化の傾向が高まっていること、これに伴い生産性が低下しコストも上昇している実態が明確となった。

栗 本鉄工は昨年、世界最大級のNCベンディングロール(最大加圧能力=2500トン)を開発、1号機を納入したが、今後、国内外の圧力容器メーカー、造船メーカーへの受注を強化していく。同設備はSS材で最大板厚130ミリ、80キログラムで最大板厚60ミリの鋼板の曲げ加工ができ、プレスなどでの端曲げなしに完全な端曲げが可能。将来的にさらに加圧能力の大きい機種の要望があれば、製品化を検討していく。

 これまで同社のNCベンディングロールの機種は加圧能力が最低で25トンから最大で1350トンだった。この最大の1350トンの機種は加工可能な板厚が最大で60ミリ(SS材)、板幅が最大で4200ミリ。





銅 製錬メーカーの小名浜製錬(本社=東京都千代田区、川北鎮雄社長)は、シュレッダーダストの取扱量を月間6000トンから1万トン体制確立を目指す。昨年11月、ボイラー部分の煙灰付着を防止するため、改造工事に着手。2月26日に工事が完了し、同27日から本格稼働した。

 工事は、反射炉に通じるボイラーに煙灰が付着し、管が詰まるトラブルを防ぐもの。昨年11月から、工場にある4つのボイラーに打撃装置(ハンマーで叩いて振動させ煙灰を除去する装置)の据え付け工事を開始。2月26日にすべてのボイラーに設置が完了した。これにより、シュレッダーダストの処理量を月間1万トン程度まで引き上げる方針。



東 京地区の異形棒鋼はメーカー値上げを受け、商社が唱えを上げ、ベース2万6500円どころで上伸基調。

 ベース、細物メーカー各社が2月に続き、3月も初旬にトン1000円引き上げ、中旬以降追加1000円の引き上げを予定している。メーカーの強気姿勢が商社の売り腰を引き締め、商社では2万7000円の成約も増え始めている。

 先高とみるゼネコンの先買いの動きは、やや落ち着いてきたようだが、積算価格の変更を進めており、メーカーの目指す4月販価および市況3万円目標に「近づく公算は大きい」(商社)とみられる。鉄筋加工業者での工事確保も堅調で当面強含み推移が見込まれる。



東 京地区の熱延鋼板(中板)は底値から切り上がり、1000円程度の値上げ。市中価格(3・2/4・5ミリ、ベースサイズ)は3万5000円中心。

 需要環境は厳しく、定尺販売も伸びない。2月の販売量は1月からの上向きがなく、値下げ圧力は一時に比べて小さくなったとはいえ、販売状況からすると値上げを進められる状況にはない。

 その一方でメーカーの値上げは強硬で、特に東京製鉄は3月販売価格で再度の2000円値上げを実施。流通には「急激すぎる」との戸惑いもあるが、自社の採算から価格の転嫁を着実に迫られている。こうした中で安値部分から、市況が底上げされたもの。

大 阪地区のコラムはメーカーが母材価格の引き上げを受ける形で値上げの意向を見せているが、現状は荷動きに精彩が見られず、横ばい商状で推移している。市中相場はトン当たりで5万2000円どころ。

 他の品種に比べて値上げ発表は遅れているが、メーカーでは採算確保のためにも来月以降、トン3000円の値上げを打ち出してくる公算が大きい。ただ、需要の不振、小口化によって依然として安値製品も見受けられるなど環境が整っていない部分も残っており、流通では「値上げ発表があったとしても、末端まで浸透するにはかなりの時間がかかりそうだ」としている。目先、現行価格圏内で推移するか。