2002.03.15
日 新製鋼はステンレス事業で需要環境悪化による採算低下を踏まえ、収益力向上を図る。販売価格是正として輸出でホットコイル価格をトン当たり100ドル引き上げ、冷延薄板200ドルアップとともに浸透を狙う。販価下落と原料ニッケルの価格上昇から国内2万円、輸出で200ドルの改善は必要とし、5月連休明けをメドに完全達成を目指す。高機能材料の用途開発による高付加価値化も推進。絞り性を高めたクロム系ステンレスや複合コーティングステンレスなどを自動車、建設分野で展開。海外での物件対応にも注力し、需要を創出する。高機能材料の売り上げ構成比30%目標をさらに高め、高付加価値品により、収益面の回復を加速する。

 同社では、採算性を重視し、環境整備と平行して販価引き上げによる収益改善と、高付加価値化製品の比重を上げることで、適正な利益確保に取り組む。製造拠点の周南製鋼所(山口県)での160トン新電気炉の03年5月新設もにらみ、強固な収益体制を固める。

 販価是正では、国内向けでの冷延薄板2万円値上げ(=店売り、1月契約、2―3月積み)と合わせ、輸出価格の値上げに取り組む。ホットコイルの輸出価格を4月積み以降、100ドル引き上げる。すでに足下では50ドル近くアップしてきており、残る50ドルも新年度入れ後、早急に市場浸透させる。すでに冷延薄板の輸出価格でも採算を加味し、200ドル値上げを実施、5月連休休みを挟んで、100ドル単位で達成させていく。国内では市況に底入れ感が台頭。在庫も減少し、環境面は整ってきている。輸出では海外メーカーでも値上げ機運は強まっており、ホットコイル、冷延製品と価格面は上昇局面に入った。米国による鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)の影響も懸念されるが、ここへきて国内市場、輸出市場とも在庫圧縮が顕著となっており、環境整備を一段てこ入れし、価格の底上げを後押しする。
新 日本製鉄が建設してきたシャフト炉型ガス化溶融炉4施設が相次いで竣工する。かずさクリーンシステムの竣工式が3月17日に行われるのを皮切りに、秋田市御所野事業所新焼却施設、香川東部清掃施設組合、巻町外三ケ町村衛生組合と続く。同社は、21基の受注実績を持つガス化溶融炉のトップメーカー。今回の4施設竣工により、このうちの13件を稼働させることになる。

 同社の直接溶融炉は、シャフト炉型と呼ばれ、摂氏1800度の高温溶融が可能なため、不燃物や汚泥、焼却灰など処理対象が広く溶融物の資源化に優れた性能を持つ。

 これまで納入してきた施設では溶融物の全量資源化を実現しており、ダイオキシン対策はもちろん最終処分量が極小化できる資源循環型社会の中核施設として高い評価を得ている。

 17日に竣工する「かずさクリーンシステム」は、全国で初めてPFI手法を用いた民間主導の第3セクターによるごみ施設。民間資本を活用したごみ処理事業の先行的なモデルとして注目を集めている。
川 崎製鉄は14日、3月契約4月ロール分の店売り向けH形鋼の大幅な引き受けカット実施を発表した。1―3月の建築需要が予想を上回る落ち込みを示し、足元の在庫量が微増傾向にあるため。申し込みに対する約30%の引き受けカットと同程度の減産で需給を引き締め、3000円の値上げと市況4万円以上到達を目指す。

 同社はH形鋼の需要を、01年度は上期200万トン、下期180万トンの計380万トンで、02年度は上期180万トン、下期175万トンの計355万トンと予測していた。01年上期と02年下期がほぼ同程度のため、4―6月の生産量は当初、10―12月比10%削減した1―3月の水準と同程度を予定していた。
イ ゲタパイプ(本社=大阪市西区新町1―10―9、南尚三社長)は、今年8月をメドに新「木津川鋼管センター」(大阪市大正区南恩加島)を開設する。千歳倉庫を同所に集約するとともに、老朽化している倉庫をリプレースし、保管・倉庫機能の一元化を図る。投資額は5億円弱。

 同社は住金物産の子会社で、関西地区の有力鋼管特約店。一昨年4月に旧別所鋼管を清算する形で発足し、昨年には平成鋼管・大阪支店と双葉鋼管の事業も引継ぎ、住金物産の西日本地区における鋼管販売の核として位置する。年商は約70億円、従業員は86人。

 事業継承に際して、商権および人員配置などの整備は終えており、体制づくりの最終段階として、流通基地の整備に取り掛かるもので、現在使用している木津川と千歳の2倉庫のうち、千歳の倉庫業務を木津川へ集約させる。
大 同特殊鋼とマグネクエンチ社(略称MQI社、米国インディアナ州、アーチボールド・コックス社長)は14日、MQI社の超急冷法による磁性粉末製造技術と大同の熱間アプセット法による独自塑性加工技術を組み合わせることにより、世界最高磁力を実現し、また100度以上の高温度下でも使用可能な新異方性磁石粉末、および新異方性ボンド磁石の開発に成功したと発表した。MQI社は同粉末を製造し、ボンド磁石メーカーに販売。また大同は100%子会社のダイドー電子(岐阜県中津川市、野田孝昭社長)を中心に、新ボンド磁石の市場拡大を図っていく。

 両社が開発したネオジム・鉄・ボロン系新異方性ボンド磁石は、高磁力型と高温耐熱型の2タイプがある。前者は最大エネルギー積が22MGOe(水素異方化による磁石の1割アップ)で、ボンド磁石として世界最高の磁力を持ち、耐熱性も100度まで対応可能(同2割アップ)。後者は最大エネルギー積が17MGOeで、世界で初めて120度まで(同2割アップ)の耐熱性を実現した。磁気エネルギー積当たりで価格は等方性ボンド磁石以下に抑える。

関 西地区の熔断業者である、まや鋼業(本社=神戸市西区、尾尻文俊社長)は今年夏にも、レーザー加工の専門工場を開設する。本社工場の近くにある工場建屋を賃借できたため、今月から同建屋の改修工事を開始し、その後、レーザー切断機を新設する。レーザー設備は当初、1基だが、最終的には3基体制とする方針。今回のレーザー専門工場の開設は切板注文の多品種少量の対応を強化するとともに、ピアシングなどの2次加工を自社で行うのが狙い。
軽 量C形鋼を扱う関東の流通は、4月1日から唱えを3000円引き上げる。メーカー販価3000円の値上がり分を転嫁する。市況は01年初めまで5万円台だったが、夏前から下落して現在4万7000円中心。4月出荷分から、00年4月以来2年ぶりにメーカーが値上げすることを受け、唱えを上げて5万円突破を目指す。

 日鉄建材工業、中山三星建材、小松川鋼機の関東主要メーカーは、母材ホットコイル価格の上昇を受け値上げを表明、他メーカーも追随した。夏前に第2弾の値上げを行うことも示唆しているため、流通は早期の市況上昇を狙っている。

い すゞ自動車は、01年5月に策定した中期経営計画「ISUZU・Vプラン」に基づき、北米事業体制見直しなどを内容を追加、安定的な収益体制の構築を目指す。北米事業で要員、固定費の削減を含む体制見直しを行うとともに、国内販売会社の収益体質を強化。グループ要員の削減も進めていく。

 北米事業では02年3月期に生産出荷9万台、現地販売10万6000台を予想しており、01年3月期を大幅に下回る見通し。北米事業の立て直しがグループ再建で重要ととらえ、直接・間接含め約520人の要員削減や約260億円の固定費削減に取り組む。

 国内でも販売会社の統廃合や要員削減を加速し、収益改善を図る。グループ全体では当初計画比で3300人相当分の要員(労務費)削減を追加する。02年3月期の連結業績予想は売上高1兆5000億円、営業利益250億円、当期損失250億円。
東 京地区の等辺山形鋼は6×50で3万7000円、溝形鋼は5×50×100で4万1000円中心の強含み。2月契約での値上げ玉が入荷されつつ、また3月に見送られたメーカー値上げの4月実行が予測される。このため流通は一部残る山形3万6000円、溝形4万円以下を払しょくすべく再度唱えを上げているが、仮需が起きず市況上昇には至っていない。

 減産でタイト感は続いているが、市況上昇を見越しての先物手当てや決算前の駆け込み需要が不発。溝形は出庫1・4%増、在庫横ばい、契約残7・1%増。山形の2月出庫量は前月比1・5%増、在庫3・5%増だが契約残は6・3%減少した。目先強含み。

東 京地区の縞板は横ばい。コイルの値上げという強気材料があるが、小口引き合い中心に需要が停滞している。

 東京製鉄の大幅値上げ、高炉各社の追加値上げと相次ぐ価格是正をきっかけに、鋼板全体に底入れムード。縞板も底値との認識は流通で一致しているが、値上げとなると需要家の理解がまだ十分に得られない状態。

 背景には需要の停滞が挙げられる。倉庫、店舗を中心とした設備投資が回復しておらず、大型の物件も関東地区で数少なくなっている。専業筋も加工・販売量の確保と安値引き上げの両面を見ながらの対応。市中価格は5万4000―5万5000円(4×8、3・2―4・5ミリ)。
大 阪地区の平鋼は流通段階に値上げ玉が入りつつあるが、需要は依然として盛り上がりに乏しく、こう着状態となっている。

 市中相場はベース、トン当たりで4万円どころ。

 メーカーでは市場環境を整えるため、今期の店売り数量については昨年10―12月比30%のカットを行うとともに、価格もトン当たり2000円アップを唱えている。鉄スクラップ価格の上昇によって一段と採算が悪化しているだけに、メーカーとしては不退転の構えだ。

 ただ、肝心の荷動きは低迷が続いており、流通では「ようやく極端な安値が消えた程度で、価格上昇分は転嫁できていない」としている。