2002.03.18
新 日本製鉄のプラント事業部は、製鉄プラント事業の世界戦略拠点作りに乗り出し、4月1日付で「中国事業センター」を設立する。従来の調達先やプラント販売のマーケットとしてのコンセプトから脱却、中国での合弁会社設立や包括提携を視野に入れた世界戦略をスタートする。また「経済協力・製鉄環境対応グループ」を設置、CO2排出権の問題など製鉄ビジネスをグローバルに捉え、製鉄ビジネスの環境エンジニアリングを強化していく方針。

 同社では、急速に縮小する製鉄プラントマーケットをにらみ、21世紀の世界の工場とも言われる中国を拠点に世界戦略を展開。安価な人件費をベースとする拠点を中国に構えることで、活発化するマーケットで技術をブラッシュアップし、営業情報先取りなども積極的に行う。

 ハード販売や調達などに留まらず、世界から投資が集まる中国マーケットで現地融合、中国マーケットをフォローするとともに世界トップレベルの技術力を維持拡大していく。

 中国事業センターは、当面3人でスタート、これまでの中国戦略のキーとなってきた中国営業部(10人)と連携する。早期に中国国内のJV事業をまとめ、拠点整備後は、中国を軸に、ブラジルや東南アジアなどをターゲットに競争力ある製鉄プラント事業を進める。
日 本政府は米国政府と、米国による鉄鋼セーフガード(緊急輸入制限)措置問題で、世界貿易機関(WTO)セーフガード協定12条3項に基づく事前協議を14日、米・ワシントンで行った。日本側からは同措置の発動中止とセーフガード協定との整合性や、代償措置実施の意志確認や適用除外品目設定などを改めて要請。米側は同措置としての関税賦課で税の徴収を発動期日の今月20日から15日ずらし、4月4日とすることを伝えるとともに、引き続き協議での話し合いと、レビューを行う考えがあることを説明した。

 今回は正式な事前協議として開催され、日本側の見解を再提示、適切な対応を強く要望した。しかし、日本政府サイドとしては「懸念を晴らす内容には至っていない」と評価、今後の対応についても「いつ、何をするか―、日本として独自に判断、適切に実行していく」とWTO提訴も含め、あらゆるオプションを検証、厳格な対応を検討していく方針だ。

 協議では、日本側が発動中止を要望したうえで、セーフガード措置の大統領決定の内容に関する情報開示が不十分であるとして措置の詳細な内容について質したほか、鉄鋼産業など経済への悪影響に対する懸念を表明。日本からの対米鉄鋼輸出が減少しているにもかかわらず、発動される根拠、カナダ、メキシコが除外される論拠など、WTOルールとの整合性や、措置決定発表から発動までが15日間しかなく、事前協議の期間が短いことを指摘。適用除外品目の設定でも、措置発動の発表から120日以内とされる除外品目の決定について、「米国の鉄鋼ユーザーの利益のためにも早期に除外品目が確定されるべきだ」とし、「米国鉄鋼メーカーが製造可能か不可能かーだけでなく、供給が困難な品目も除外品目として確定されるべきだ」と主張した。

 これに対し、米側はWTOルールと整合するとの認識を示したうえで、関税賦課での税徴収の期日を15日遅らせることを明示。合わせて協議やレビューの実施も示唆した。除外品目については、大統領決定の段階で、すでに日本が除外を求める品目の3分の1が認められている(品目数か数量かは不明)と説明された。

P OSCOは15日、ソウル市内で第34期株主総会を開催。浦項綜合製鉄(株)から(株)POSCOへの社名変更、仁員人事などを承認・決議した。

 仁員人事異動については、李元杓・浦項製鉄所長、韓秀洋・光陽製鉄所長が専務理事から副社長に昇進。

 韓光煕・東京支店長、金東震・北京事務所所長、劉炳昌・広報、原料、ソウル事務所担当の3常務が専務に昇進。

 黄晄奎・技術開発室長、環境エネルギー室、BIO推進班担当、金松・マーケティング戦略室長、需要開発室長

 李愚仁・光陽製鉄所副所長(行政担当)、崔鐘斗・冷延販売室長、輸出支援室、自動車家電販売室、表面処理鋼板販売、STS販売室の4氏が常務待遇から常務に昇進した。

 一方、朴文秀副社長、高文燦常務、申秀哲常務、朴正愚常務、金容根常務が退任した。

 また総会では、額面価の50%(中間配当10%含む)の現金配当を決議した。

日 本電工は、フェロボロン需要を増やすため、従来の製鋼用添加剤(焼き入れ性の向上や脱窒素)のほか、その高透磁率や高磁性の特性をいかし、アモルファス合金、ネオジム鉄ボロン磁石、原子力廃材の貯蔵・運搬容器の原料への用途を拡大する。

 新素材事業部では、用途拡大の最終製品について、アモルファス合金は変圧器の鉄芯などに、ネオジム鉄ボロン磁石はパソコンのハードディスク、医療診断用のMRI(核磁気共鳴映像法)装置、ハイブリッドカーのモーターなどを想定している。

 フェロボロンの生産は、国内では同社(北陸工場)のみで、世界でも数社に限定され、01年実績は約4600トン。同社は世界の総需要の推定約60%シェアを持っている。

 京都議定書でCO2などの排出量を6%削減という目標を達成するため経済産業省が「トップランナー方式」を打ち出し、その対象として変圧器などが盛り込まれた。すべての変圧器の鉄芯にアモルファス合金が採用された場合、CO26%削減の目標のうち、1%の削減が達成されると試算されている。
向 山工場、城南製鋼所など関東地区の細物小棒メーカー各社は、今週18日から3月後半分の販価をトン1000円引き上げる。各社は1月後半、2月前後半、3月前半と段階を踏んで値上げを進めてきており、今週にはトン販価2万9000円に乗せる構え。市況も商社が唱えを上げて上伸気配にあり、13ミリ2万8000円中心に上向いている。メーカー各社は、4月上旬に追加1000円上げを予定しており、販価3万円が視野に入ってきた。

 メーカー各社は、1月後半にトン500円の値上げを実施した。鉄スクラップが昨年夏からみてトン3000円以上切り上がり、1万円際まで上昇していることから、続けて2月、3月と段階的に価格改善を進めてきた。

 商社および需要家サイドはメーカーの強気から先高とみて、1月に明細投入を積極化。昨年末20万トン台前半だった明細投入は、1月31万トン、2月37万トンと大量にメーカーに寄せられたもよう。3月はやや落ち着きを見せているが、メーカーには順調に明細が集まっているという。

 一方、メーカーは減産・減販で価格優先の姿勢を崩していない。今後は、現在進められているゼネコンの積算価格変更の移行期間に、どう価格の折り合いをつけていくかが一つの焦点となる。新積算価格の明細が出始めるのは早くて6月。旧積算価格の明細が残り、再編が表面化しているゼネコン業界への値上げ交渉はスムーズには運ばず、商社の上げペースは、メーカー値上げほどピッチが上がってこない。

 メーカーでは、販売価格は改善されているものの、足元の出荷単価は値上げ以前の価格であり、天井感が漂うもののスクラップ高が続き月次赤字が実情。収益を確保するには、先行して販売価格を上げていく必要がある。

テ イビョウ(本社=大阪市東成区深江北3―13―7、網野芳生社長)は、鋲螺用鉄線の販価について4月1日出荷分からトン当たり5000円以上の値上げを実施する。同時期から線材が値上げに向かうことで、素材コスト上昇分を自社で吸収する余力がないとの判断から、製品販価への転嫁を進めるもの。同社による鋲螺用鉄線の値上げは約2年半ぶりのこと。

 鋲螺用鉄線の需要は低迷しており、ユーザーであるネジ加工メーカーでは輸入品との競合などから厳しい経営環境下にある。

 今回の値上げについて同社では、「高炉も減産で市況のバランスを保つとともに不退転の決意で値上げに向かうとしている。そうなると、自社で素材値上げ分を吸収する余力はない。ユーザー側の環境も厳しいことは十分理解しているが、素材価格上昇分の最低5000円以上の値上げを進めていきたい」(網野道秀会長)としており、さらに時期を見たうえで、もう一段の値上げも検討する意向。

02 年度の国内薄板需要は、前年比マイナスの低水準が続きそうだ。全国コイルセンター工業組合の予測によると、01年1―3月から02年度第1四半期(02年4―6月)まで、薄板需要は6四半期連続の前年同期比マイナスとなる見通し。需要産業の空洞化が続く中で、国内に依存する加工販売業は需要減と価格上昇の両面で、生き残りへの試練を与えられている。

 同工業組合がまとめた02年4―6月の需要予測は、前年同期比3・3%減の396万8000トン。00年度に比べて5・3%(約23万トン)減少した01年度を、さらに下回る見通しとなった。国内生産の減少に加えて海外生産シフトの加速が強く影響している。

 一方、01年度第4四半期(02年1―3月)の需要は397万トン(前年同期比11%減)となる見込み。今年度は下半期需要の落ち込みが大きく、10―12月が402万トンと前年同期比13%減、1―3月(見込み)は397万トンと同11%減。4―6月予想とともに、2四半期連続で400万トンの大台を割り込むのは異例だ。

 薄板は国内の在庫調整が本格的に進み、1月末で425万トン(メーカー・流通合計)まで減少。3月末の時点では「400万トンプラスアルファ」(高炉メーカー)へと減少傾向が続く見通し。しかし、「需要の減少から適正、タイト感が出るまでに至っていない」(鈴木貴士・全国コイルセンター工業組合理事長)のが実態だ。

住 友金属工業のプラントエンジニアリング事業部と鹿島選鉱は、茨城県が創設したリサイクル優良事業所の認定を受け、「いばらきゼロエミッション推進フォーラム」で表彰された。

 今回の認定は「住友金属式シャフト炉型直接ガス溶融炉の開発」に関するもので「先駆的再資源化技術・装置・システム開発事業」部門が対象。

 ガスをケミカルリサイクルできるガス改質方式としては、国内唯一の技術として注目され、この3月には、一般廃棄物の処理施設として初受注を果たした。

 鹿島選鉱については、「亜鉛を含む鉄系ダスト等よりの亜鉛原料と製鉄原料の製造」に関するもので、対象は、「その他知事が特に認める事業」部門となる。銑鋼製造工程から排出されるダストの原料化として鉄と亜鉛を分離する技術を実用化し、これが高い評価を受けた。

 住友金属グループでは、今後とも廃棄物ゼロ社会、循環型社会の実現に向け、さまざまな技術開発に取り組んでいくという。
東 京地区の異形棒鋼は今週からメーカーの追加値上げが始まり、商社の唱えを刺激して、ベース2万7000円どころを強基調。

 ベース・細物両メーカーは、3月前半に続き後半販売分からトン1000円値上げした。4月前半にも再度1000円の上乗せを各社予定しており、販価3万円が見えてきた。メーカーの強気を受けて、商社は高唱え。先週500円方市況が上向き、商社はさらに上値をうかがっている。ゼネコン側は、スクラップ高を背景とするメーカー値上げに理解を示し、積算価格の変更を進めている。

 当面の発注は旧積算の明細も混じり、上伸力欠けるが、製・販の売り腰固く、ジリ高見通し。

東 京地区の熱延鋼板(中板)は強含み。

 高炉メーカーの強い値上げ姿勢に、流通は価格転嫁が急務との認識をさらに強めている。需要は弱いものの、安値から切り上がる展開。

 東京製鉄の値上げ発表に対し、高炉メーカーも新日本製鉄とNKKが追加の値上げを表明。市況は1、2月で1000円は確実に底上げしたが、メーカーの値上げ幅とはかい離が大きくなった。

 需要は建築、機械関連とも停滞。最低限の量を確保したいコイルセンターにとっては、非常に厳しい局面。ただ、採算重視の姿勢から値上げへの攻防が続く見通し。市中価格(3・2―4・5ミリ、ベースサイズ)は3万5000円中心。
大 阪地区の冷延薄板は需要が低調ながら、メーカーの値上げが後押しとなり、流通は段階的に唱えを上げてきている。市況は3万6000円どころで強横ばい。 地区の需要は鋼製家具が堅調ながら、家電が生産拠点の海外移転の動きが止まっておらず、建材も建築着工の落ちを反映し、さえない。この結果、コイルセンターの加工は稼働率が70―80%程度と振るわない。しかし、国内メーカーは減産を徹底しているうえ、店売り向けの出荷は絞っている。この結果、コイルセンターの入荷は抑制されている。在庫もコイルセンター段階で確実に減少している。 高炉メーカーが4月出荷から、5000円の値上げを表明しており、流通は採算面の改善から、唱えを上げてきている。