2002.03.25
新 日本製鉄は、02年から国内初となる洋上の風力発電事業に参入する。当面は、陸上での風力発電普及に取り組むことになるが、風車の立地問題や大型化に対応すべく洋上風力発電の実用化を本格化する。風力発電で先行するデンマークでは、91年に450キロワットの風車を11基建設するなど、洋上のウインドファームの開発が本格化しており、国土の狭い日本においては、洋上風力発電実用化の意義は大きい。国内トップレベルの海洋土木技術を持つ同社が事業化に乗り出したことで、風力発電マーケットが新たな展開を見せることになりそうだ。

 同社の鉄構海洋事業部では01年度、これまで検討を重ねてきた風力発電事業参入の方針を固め、陸上での風力発電事業のプロジェクト選定をしてきた。

 02年度からは、経済産業省の新エネルギー導入目標策定など、高まる自然エネルギーニーズに対応して、国内初となる洋上の風力発電の技術開発など実用化への取り組みを本格化することを決めた。
中 山製鋼所(神崎昌久社長)は22日、02年度から05年度の新中期計画を発表した。計画では計画最終年度(05年度)に連結の売上高で1275億円、連結経常利益で66億円、単独の経常利益で38億円の確保を目指す。この利益目標は01年度の実績見込み比で、連結では126億円、単独では106億円の収益改善となる。連結ベースの黒字転換は02年度の下期から予定している。人員については今年7月末の高炉2基の休止などの生産構造改革により、02年度上期に鉄鋼事業で約380人、管理間接部門で約40人、計420人の削減を計画、最終年度には単体で730人体制とする。グループ会社は当初計画通り約100人削減、最終年度に1048人体制とするとともに、給与水準の見直しを行う。

 新中期経営計画では経営環境面では熾烈な状態が続くと判断し作成したが、さらに先行した対応が必要と判断、人員削減などでは一部修正した。すでに、高炉2基については9月末休止を前倒しする形で、7月末に休止することを決めている。

 計画の数字目標は連結の売上高が02年度が1241億円、03年度が1266億円、04年度が1271億円、05年度が1275億円、連結の経常利益は02年度が12億円、03年度で51億円、04年度で59億円、最終年度で66億円。連結の有利子負債は今年度末で1399億円の見込みだが、最終年度末には1091億円と今年度末比308億円削減する。
川 崎製鉄は、韓国・東国製鋼グループ向けのスラブおよびホットコイル供給量の年間100万トン規模への拡大を検討する。東国製鋼向けの厚板用スラブの供給量は年間20万トン、東国傘下のユニオン・スチール向けのホットコイルが同10―15万トンで、合計30―35万トン。川鉄は、これを「100万トン規模へ引き上げたい」(馬田一取締役・経営企画部長)考えで、NKKとの経営統合による両社製鉄所間の最適生産・供給体制を構築していく中で、具体的な検討を進める。

 川鉄は第2次中期経営計画(99―01年度)において、「海外合弁事業・企業との連携強化による国内設備の稼働率向上」を具体的施策のひとつに掲げた。

 この方針を受けて東国製鋼(99年)、中国・海南海宇錫板工業有限公司(同)、韓国・現代ハイスコ(00年)に相次いで出資、スラブ、ホットコイルなどの安定販売先を確保した。

 これら出資企業向けの供給量は、東国製鋼グループがスラブ・ホットコイル30―35万トン、ハイスコ向けがホットコイル50万トン。海南海宇錫板向けのブリキ原板は約7万トン。

新 日本製鉄は、02年度のチタン展伸材の国内販売価格を大手・中小需要家向けともに約5%、トン当たり10万円引き上げることを決めた。国内外の展伸材需要が急速に回復しており、輸出価格については02暦年契約分として7―8%の値上げで決着済み。国内分については、大手需要家との値上げ交渉をすでに開始している。加えて販売業者・民生品メーカーなど中小需要家向けについても同幅の値戻しを実施することをこのほど決め、通達した。チタン展伸材は原料高・製品安の状況が続いているが、原料のスポンジチタンメーカーは展伸材およびスポンジの需給タイト化を見越して一段の値上げを打ち出している。こうした中、「研究開発、設備投資が可能な採算を確保するため」(山田勉・チタン事業部長)、昨年に続いて販売価格の値戻しを実施する。

 日本のチタン展伸材の01年暦年出荷は前年比21%増の1万4400トンに達し、97年の1万3300トンを抜いて過去最高となった。
U EXは20日の取締役会で、4月1日付の組織変更と人事異動を決定した。貿易グループを貿易部に格上げし、中国・韓国など極東・東南アジアを中心とした貿易業務を強化。貿易業務の売上高構成比10%を目指す。

 これに伴い、本田純一・重機部長が貿易部担当兼流通部長に、高木幸三・営業担当常務取締役付部長が同部長兼貿易担当部長に、一廣長臣・流通部長が産機部担当に就任し、顧問・重機部長として押本俊明氏を新日本製鉄から出向受入する。

 現在、貿易グループはステンレス厚板、同棒鋼、同シームレス管、チタンなどの輸出入をしており、従業員は6人。輸出は韓国、シンガポール、台湾、香港、オーストラリア、タイ向けにステンレス、チタン製品を月間1億4000万円、輸入は中国、米国、ドイツからの原料の輸入を中心に同3000万円規模で行っている。貿易部は、同グループの業務・人員をそのまま引き継ぐ。当面は、各地域のマーケティングを実施し、同社のキメ細かい機能の活用を検討する方針だ。

岡 谷鋼機の鉄鋼建材事業会社、岡谷建材(本社=千葉県市川市、工藤正雄社長)はこのほど、新「東京工場」が本格稼働を開始した。同工場は旧東京工場と仙台工場を集約して新たに千葉県八千代市に建設、鋼製型枠「メタルフォーム整備・塗装ライン」を新設した。設備をリフレッシュした「東京工場」をメタルフォーム工場の中央工場に位置付けてコスト削減を目指して収益力の強化を図る。岡谷建材は、岡谷鋼機グループの関東地区建材市場開拓のコア企業として、設立30周年の節目の年に、新製造体制を確立し新たな歩みを始めた。
田 中鉄鋼販売・東北支店(宮城県岩沼市、支店長=田中康雄取締役)は、業界で初めて「ローラー付きラック」を設置、3月から稼働を始めた。スーパー角、エコノミー角、スモール角などの角パイプ専用の収納棚として活用。専用のホイストクレーンも1基増設した。同時に、一般形鋼、白角、白デッキプレートなどのサイズアップを図り、在庫品種は約1000種類から10%増の1100種類、在庫量も1万トン弱から1万トン強に充実する。

 ラックは縦2メートル、横12メートル、長さ7メートル。23トンの角パイプ(6・0×80×40)とローラーで構成され、横21列の3段(合計63)からなる。6メートルの黒皮・カラーのスーパー角(正方形・長方形)とエコノミー角、5・5メートルのスモール角(黒皮・カラー・白)を中心に、白中径角(正方形・長方形)など、人手で出し入れができ、他社が在庫しておらず比較的荷足の遅いものを在庫する。商品のラックへの出し入れには「ウマ」と呼ばれる補助器を用いる。ラックの天井上には、角パイプや床材の白商品を置く。

新 日本製鉄は、建築分野で開発した環境対応型無排土杭「NSエコパイル」を01年度から土木分野に転用した結果、この1年間に約10億円の受注を達成した。建築分野では、2000年6月の発売開始以来、急速に受注を伸ばし、01年度までの累計受注実績は約50億円となった。02年度からは中小径マーケットへの参入も計画する方針で、優れた開発コンセプトが建築分野にとどまらず、土木分野での高い評価を得ている。

 「NSエコパイル」は、鋼管の先端に螺旋状の羽根を溶接した鋼管杭。回転圧入で貫入するため、無排土施工が可能となる。

 土木分野での営業開始は00年からでテスト施工を経て、01年度から販売を開始した。02年度から本格軌道に乗せる計画で、さらなる土木分野でのニーズに対応すべく技術開発に取り組んでいる。
東 京地区の異形棒鋼は商社の唱え高が続き、ベース2万7000円どころを強含み。メーカーは先週からの1000円上げに続き、来月初旬からも追加値上げを予定しており、目先も強基調が見込まれる。

 1、2月に30万トンを超える明細投入は、3月は落ち着いているが、メーカーの段階値上げにかかわらず、メーカーには順調に明細が寄せられている。

 ゼネコンサイドは、スクラップ高から市況3万円ラインは想定しており、足元2万7000円中心から上値の成約も聞かれる。ただ「3万円が見えてきたところでゼネコンの買いに焦りがなくなってきた」(内販商社)とされ、「ここからが正念場」(ベースメーカー)。

東 京地区の熱延鋼板(中板)は流通が値上げ分の転嫁を段階的に進める中で強含み。

 東京製鉄は4月販売価格を4カ月ぶりに据え置きとしたが、3月までの値上げ幅は5000円と大きい。高炉メーカーでは追加値上げを含め、3000―6000円の値上げが一般化している。

 2次流通の価格転嫁は2―3月で、従来比1000―2000円と遅れている。しかし、再販価格への転嫁を急ぐ姿勢は強い。仲間価格を中心に一定の在庫手当も出てきそうだが、需要が低迷しているだけに仮需までは見込めなさそう。市中価格(3・2ミリ/4・5ミリ、ベースサイズ)は3万5000円中心。
大 阪地区のH形鋼は需要面で盛り上がりを欠いているものの、メーカーサイドが強気の販売姿勢を取っており、強含み商状となっている。

 市中相場はベース、トン当たりで3万5000円どころ。出方が注目されていた東京製鉄では4月契約で1000円の値上げを発表した。市況がややもたつき気味の中での値上げということもあり、流通筋では「底固めの材料になる」といった声も聞かれるが、需要は2―3月とも低迷しているのが実情。

 ただ、流通としても販売価格に転嫁しなければさらに採算状況がが厳しくなることから、4月入り以降はさらに売り腰を引き締めてきそうだ。