2002年6月18日
中国の暫定セーフガードによる鉄鋼製品の輸入制限措置が発動されたが、現地需要家は鋼材の調達不足について強い懸念を抱いている。現地関係者らによると、自動車、家電など鋼材の大手需要家らは、とくに国内で生産できず、輸入に依存している高級鋼材の調達に支障をきたす可能性を示唆。加えてSG発動を受けての急速な鋼材市況の上昇、割り増し関税賦課による生産コストアップに対する懸念も強いという。すでに台湾系の一部需要家は、台湾への生産再シフトの検討を開始したとされる。このような状況が長期化すると、輸入材への依存度が高い外資系の製造業は、事業計画の根本的見直しを迫られることになる。
関東地区のベース小棒市況は、4年ぶりにトン3万円台に乗った。2月からメーカー各社が段階値上げを進め、メーカーネットの値上がりを追う形で商社が唱えを上げてきた。メーカーネットと逆ザヤになっている市況の立て直しを進め、商社各社は、先週には3万円をほぼ固めた。足元需給はタイトで、夏季減産期を迎え、さらにひっ迫する見通し。スクラップ高など弱気材料は見当たらず、夏場にかけて、さらに上伸ムードが強まりそうだ。
日本メタルサイト(本社=東京都中央区、石原将社長)はきょう17日から期間限定のオークションを開催する。出品商品は熱延黒皮、コイル熱延酸洗、冷延みがき、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっきの計750トン。オークションの80%が17―18日の2日間のみの開催。オークション形式には、高値の入札者が落札する「ハイビット」形式を40%、早く入札した者が落札する「クイック」形式を60%の割合で採用した。オークションは正会員向けのサービス。同社は会員数の増加も視野に入れ、今後は1―2カ月に1度の割合で定期的に開催していく。
川鉄商事の薄板コイルセンター、浙江川電鋼板加工有限公司(浙江省平湖市、佐々木久董事長・総経理)は、急速に拡大する華東地区の鋼板加工需要に対応するため、750万米ドル規模の設備投資を実施する。スリッターによる1次加工能力を8万4000トンから10万トンに引き上げるとともに、レベラー、プレスの能力も増強する。同社の販売量は01年が前年比25%増の5万2000トン。「セーフガードによる鋼材調達懸念が深刻化している」(佐々木董事長)ものの02年はこれまでのところ年間7万2000トンのペースにある。現地需要自体は今後も増加基調を保つ見通しで、03年に販売量を10万トンへ引き上げる考え。
関東地区の細物小棒メーカー各社は、7月の販売契約からトン1000円値上げすることを検討している。鉄スクラップ価格が、トン1万1000―1万2000円(H2炉前ベース)と高騰しており、出荷ベースの単価では赤字操業を余儀なくされているため。市況は3万円中心だが、メーカー販価は3万2000円以上を目指し、市況を先導する格好で価格改善を進めるもようだ。