2002年8月23日
川崎製鉄は薄板3品(熱延、冷延、表面処理鋼板)のアジア向け10―12月輸出生産について、緊急減産を実施する。韓国、台湾、中国およびアセアン向け薄板3品の生産を7―9月比15%(約12万トン)減らす。アジアマーケットからの引き合いはおう盛で、需給はタイトだが、仮需やバブル的要素、さらに中国の暫定セーフガードなどを踏まえ、慎重に対応するもの。1―3月もマーケットの状況をみながら減産継続を検討する。新日本製鉄、住友金属工業など他メーカーも10―12月でアジア向け輸出鋼材を減産する姿勢で、高炉各社の薄板類を中心とした輸出生産抑制の動きが鮮明になってきた。
経済産業省は22日の産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会での審議を経て、2003年度概算要求に、低変態温度溶接材料による新施工技術を開発する「省エネルギー型鋼構造接合技術開発プロジェクト」を盛り込む方針を決め、03年度から05年度まで3カ年の新プロジェクトとして立ち上げる。鋼構造の溶接で溶接時の熱による溶接変形を防ぐ新技術で、溶接後の加熱矯正が省略でき、エネルギー使用量の低減につながる。革新的温暖化対策技術プログラムの一環として予算化要求し、新溶接施工技術確立を目指す。
財務省が22日発表した2002年7月分の貿易統計によると、輸出は4兆3951億円(前年同月比8・9%増)、輸入が3兆6431億円(同0・6%増)と増加、この結果、貿易バランスは7520億円(同80・3%増)の黒字となった。輸出は4カ月連続増、輸入が12カ月ぶりの増で、黒字額は5カ月連続の増加を記録した。鉄鋼は、輸出が全世界で315万2000トン(同14・2%増)、金額1679億7500万円(同14・3%増)、輸入が全世界で41万5737トン(同2・5%減)、255億800万円(同0・2%増)。
国際鉄鋼協会(IISI)がまとめた7月の世界主要65カ国・地域の粗鋼生産量は、7461万40000トンで前年同月比8・3%増加、これで7カ月連続して前年同月を上回った。増加率は1―4月が1・6―3・0%の範囲で推移、5―6月は6%前後、7月になって8%台へと、3カ月間で加速された。
東京製鉄が9月積みのH形鋼販価を据え置いたことで、他の高炉系電炉メーカーの価格政策が注目を集めている。親会社である高炉メーカーは9月契約で値上げの意向を示しているが、「現在のメーカーネットはどのメーカーもほぼ横並び。ここで値上げを打ち出せば割高感が出てしまう」(電炉メーカー筋)と、9月積みでの値上げを打ち出せるかどうかは微妙な情勢といえそうだ。