2003年11月10日
国内の厚板ミルのロール状況はさらにタイトになる方向だ。すでに、国内高炉メーカーの一般向けの納期待ちは75―80日と、3カ月前の8月に比べ10―15日程度延びている。

 こうした状況下で、JFEスチール、住友金属工業、神戸製鋼所が、10月から12月にかけて厚板ミル、および熱処理の定修を計画しており、10―12月の国内厚板生産は238万―240万トン(厚中板、3カ月トータル)と、7―9月比3%前後減る方向にあること。さらに、造船や輸出向けの出荷が高水準に推移することが確実なためだ。



産鋼スチール(本社=札幌市手稲区、上遠野久夫社長)は10月末に小樽市銭函の旧・一鉄鉄工所の工場跡地を購入、来年6月をメドに、本社工場(手稲工場)と苫小牧工場(苫小牧市字柏原)の2工場を、購入した新工場に全面移転・集約する。



関東地区の小棒電炉メーカー全11社は、共同出資し、12月1日付で鉄スクラップ備蓄会社の「メタル・ストック」を設立する。資本金1100万円。社長には、日野斌・合同製鉄常務が就任する。

 鉄スクラップ価格の安定化を目的に、当面4万5000トンの備蓄を検討している。出資メーカーが必要時に利用し、実務は商社に委託する。地区内の他の電炉については要望次第で参加できる。複数の電炉メーカーが共同でスクラップを備蓄するのは初めてのケース。



経済産業省などによる「特殊鋼製造業の競争力強化と将来展望に関する研究会」(座長=原三郎・神戸製鋼所執行役員)での特殊鋼の競争力強化策、技術開発、政策支援の方向性に関する議論が本格的にスタートした。

 特殊鋼を自動車の重要保安部品などの素材として製造業全体の競争力の根本を支える重要産業と位置付け、アジア展開を踏まえた競争力の維持・増進を図る必要施策を具体化する。来年3月末まで合計6回の会合を開き、学識経験者、特殊鋼製造業の代表と、必要に応じて外部有識者も交え、中長期的な施策を明確化していく。



ブラジルの鉄鋼大手、ゲルダウは6日、年産300万トンの高炉1基を新設すると発表した。12億米ドルを投じて子会社アソミナスのアーサー・ベルナルデス部門で第2高炉、コークス炉、焼結炉、製鋼工場、ブルーム連鋳などを新設し、生産能力は600万トンに倍増する。

 また、ブラジルの鉄鋼事業をアソミナスに統合して社名をゲルダウ・アソミナスに改名。10工場を統合し、粗鋼生産能力は740万トンになる。流通網も統合してグループの事業運営を効率化し、能力拡張を通じて1000万トン態勢を確立する。