2003年11月21日
JFEホールディングスが20日発表した2003年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比1%減の1兆1203億円、経常利益が254%増の927億円、純利益が155・7%増の450億円で、大幅増益となった。経常利益は期初予想を327億円、9月時点の予想を147億円それぞれ上回った。輸出を中心とした鋼材販売価格の一層の改善、統合によるコスト削減の加速が収益を押し上げた。

 通期では売上高2兆4300億円(前期2兆4268億円)、経常利益2100億円(1046億円)、純利益950億円(159億円)の大幅増益を予想。経常利益は期初予想を400億円、9月予想を100億円それぞれ上回るもので、同社としては「第1次中期経営計画における06年3月期の経常利益目標2500億円の前倒し達成に大きな手応えを得ている」(宮崎徹夫副社長)。





神戸製鋼所が20日発表した2003年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比1・7%増の5870億円、経常利益は同74・4%増の175億円、中間利益が同72・1%増の89億円と、増収大幅増益となった。通期は、連結ベースで売上高1兆2000億円、経常利益430億円、当期利益200億円を見込んでいる。

 今中間決算では、鉄鋼関連事業の回復と、建設機械関連事業および不動産関連事業が好調で、業績好転に大きく寄与した。鉄鋼関連事業は連結・営業利益ベースで278億5000万円(前年同期比30・6%増)、アルミ・銅関連事業71億7900万円(同13%増)、建設機械関連事業34億7600万円(同134・5%増)、不動産関連事業26億3800万円(同34・8%増)。ただ、機械関連事業は24億4300万円の赤字となった。

高炉5社の03年9月中間決算が出そろった。各社、アジア向け鋼材輸出の好調推移に加え、鋼材価格の改善、コスト合理化効果など、コアの鉄鋼事業の本格回復により、収益が大幅に好転した。とくに鋼材価格の上昇効果が寄与、通期の利益予想も4社が期初予想から、さらに上方修正した。

 04年3月期の連結売上高経常利益率(ROS)は、新日鉄が5・5%、JFEが8・6%、住金が5・8%、神鋼が3・6%、日新が5・2%にそれぞれアップする見込み。



東京製鉄(池谷正成社長)は20日、12月契約の販売価格を発表し、条鋼類は建値でトン3000円、鋼板類は実行販価で同2000円値上げしたと発表した。原材料の鉄スクラップ価格が上昇しているため、ほぼ全面的に見直した。今月上旬から全工場でオファー止めを行った後であり、条鋼、鋼板類は2カ月ぶり、うち異形棒鋼と線材は9カ月ぶりの値上げとなる。20日売り出し、25日締め切り。



伊藤忠丸紅鉄鋼は来年1月1日付で、関西地区における100%子会社のコイルセンターの東洋鉄鋼(本社=大阪府泉大津市、三島秀樹社長)と滋賀コイルセンター(本社=滋賀県愛知郡、清水裕社長)を対等合併させ、新会社「紅忠コイルセンター」を設立する。

 新会社は資本金が4億円、従業員が131人、取扱量が年間24万トン、加工量が年間26万4000トンで、本社住所は現・東洋鉄鋼の本社とし、新社長には埼玉コイルセンターの奈良進社長が就任する。2005年度に売上高120億円、経常利益3億円をめざす。今回の合併は薄板加工販売拠点の再構築による競争力の強化、および今後の業界再編の軸としていくのが狙い。