2004年01月15日
POSCOは14日、2004年スタートの中期5カ年計画を発表し、10年以内に粗鋼4200万トン態勢を構築する計画を明らかにした。計画最終年の08年には国内粗鋼3200万トン(03年2890万トン)。海外では中国、インド、東南アジアを対象に海外生産基地を拡大し、10年内に1000万トンをめざす。

 また、ストリップ・キャスティングの07年末商用化完成など研究開発投資を強化。5年間で年平均2兆7000億ウォン(03年1兆3000億ウォン)を投じる計画だ。

新日本製鉄は14日、04年度積み鉄鉱石の価格交渉で、BHPビリトン、リオ・ティント子会社のハマスレー・アイアン、リオドセ(CVRD)の鉄鉱石大手3社との間で、粉鉱を18・62%値上げすることで合意したと発表した。アルセロールとCVRDの妥結に追随した。2年連続の値上げで、過去最大の上げだった80年度の19・5%は下回ったものの、直近では90年度の16%にさかのぼる大幅な値上げ。

 JFEスチール、住友金属工業、神戸製鋼所、日新製鋼と鉄鋼大手の交渉も同様に順次決着している。塊鉱など未定部分は残るものの、日本全体で鉄鉱石購買コストは550億円程度増える見通しで、石炭と合わせた主原料では1300億円前後の負担増になる可能性がある。

メタルワンは14日、支社長、地域法人・関係会社社長などの異動を発表した。中村美則・名古屋支社長が九州製鋼副社長に出向で就任、後任の名古屋支社長には増野徹・名古屋線材・特殊鋼部長が兼務で就任する。安井貞幸・メタルワン北海道常務執行役員は同社社長に昇格、芝田節雄社長は顧問。小林正一・メタルワン西日本専務執行役員が同社社長に就任し、藤田宏利社長は顧問となる。

メタルワンは昨年末、ステンレス主体の金属素材を小口で直販する子会社、エムシー・ムサシ(本社=東京都大田区、牛島興成社長)の3号店を埼玉県川口市に開設した。地域密着型の直販網を独自に構築し、「煩雑なステンレス流通の簡素化」や、「限定地域でのきめ細かい需要掘り起こし」を図る。店舗は今後も拡大する方針で、3年以内に関東地区で10―15カ所での展開をめざす。

H形鋼の輸出価格が上昇している。内需がおう盛な中国の主要輸入先である東アジア、東南アジア各国で市況が上昇しているためで、12月半ばから1月半ばにかけて、引き合いベースで約15ドル上がった。日本国内では、スクラップ高などを背景とした減産による供給ひっ迫でメーカーに輸出余力がなく、量は少ないが、価格の上昇基調は今後も続きそうだ。

金属リサイクル事業の伊藤鋼業(本社=尼崎市、伊藤英夫社長)は本年7月をメドに、尼崎市の臨海部に産業廃棄物などを対象としたリサイクル工場を新設する。主要設備では破砕機(アーステクニカ製)を導入し、完成後は、本社工場にある処理機能を全面的に新工場へ移す。