2004年01月19日
鉄スクラップ輸出価格は、おう盛なアジア需要を背景に騰勢を強めている。関東鉄源協同組合が16日行った2月積みの鉄スクラップ輸出入札は、平均落札価格が前回比2630円(13%)高のトン2万2730円と過去最高値を更新し、計1万5000トンが落札された。欧米鉄スクラップを含めた、アジア向け輸出価格の急騰が主因。当面輸出市況は上昇基調が続きそうだ。

 落札結果は、A社2万2950円、B社2万2820円、C社2万2420円でそれぞれ5000トン、計1万5000トンが落札された。応札件数は10社13件(5社辞退)、応札数量は前回比2万4500トン減の7万6500トン。

新日本製鉄、JFEスチールなど大手高炉は鉄鉱大手との04年度積み鉄鉱石の価格交渉で、先週までに塊鉱石で前年比18・62%値上げすることで合意した。既に合意している粉鉱に続き、全体の約30%を占める塊鉱で大手と合意したことで、04年積み鉄鉱石の大勢が固まった。

 塊鉱価格は豪州の指標銘柄で1トンの鉄含有分1%当たり(DMTU)FOB45・93セント(鉄分60%の場合で1トン27・56ドル)と7・21セント上がる。塊鉱と粉鉱の価格差は1・56セント広がって過去最高の9・94セントとなる。

韓国鉄鋼協会はこのほど、韓国の2004年の鋼材見掛け消費(内需)が4582万トン(前年見込み比0・5%増)、生産は5430万トン(1・8%増)となり、ともに最高記録を更新するとの予測をまとめた。

 輸出は1437万トンで2・8%増加、輸入が1583万トンで2・2%減少する見通し。同協会は「国内の建設投資は縮小するが、大手製造業が高水準の生産を維持するため消費は増加、輸出環境が改善するため輸出も増加する」(金鐘文・調査情報部長)と予測、消費に輸出を加えた総需要が初めて6000万トンを上回るとみている。

日本金属は15日、マグネシウム合金圧延箔の量産態勢を確立し、商業生産を開始したと発表した。マグネシウム箔はすでに市場に出回っているが、成形性と生産性の双方に優れ、かつ量産できるものは世界で初めて。スピーカー振動板基材として、音響機器メーカーへ供給する。0・05ミリ厚で月間200キログラム(価格にして約2000万円)の販売をめざす。



環境・リサイクル機器のメンテ・製造を行っている(株)テズカ(本社・福岡県粕屋郡久山町、下田善吉社長)は、新工場建設と海外のスクラップ処理メーカーとの提携などを骨子とする中期5カ年計画を策定した。世界的な鉄スクラップ需要の拡大を背景に、本格的な処理機械メーカーへの脱皮を図る。

 今年5月をメドに福岡県内に5億円強を投じて新工場を建設する。中国の機械メーカーに部品などの発注を行い、シュレッダー、ギロチン、プレス機械などの生産を計画している。このうちギロチンは、一部を見込み生産に切り替え、短納期でのデリバリーを可能にする。