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2004年01月22日
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高炉各社、造船厚板値戻し第3弾=トン平均5000円規模が目標
・ 愛知製鋼、ニッケル系ステン形鋼を3月から4万円値上げ
・ 「04年度は原料など6000億円高」=三村鉄連会長
・ PCI用半無煙炭、40%値上げで合意=原料炭交渉
・ 関東小棒市況、ベース4.1万円に上昇
・ 愛知製鋼、ニッケル系ステン形鋼を3月から4万円値上げ
・ 「04年度は原料など6000億円高」=三村鉄連会長
・ PCI用半無煙炭、40%値上げで合意=原料炭交渉
・ 関東小棒市況、ベース4.1万円に上昇
高炉メーカーは本年4月から、造船向け厚板の再値戻し交渉に入る。厚板全体の需給がひっ迫する中、韓国、中国の造船材価格や輸出価格との格差を縮めるとともに、店売りや他のひも付き分野と同様、収益改善を急ぐ。値上げの時期、幅ともに個別交渉だが、原料や輸送費の高騰など新たなコスト上昇要因を抱える高炉側は、トン当たり平均5000円規模の大幅値戻しが目標とみられる。
愛知製鋼は21日、主原料の高騰に伴いニッケル系ステンレス形鋼を3月1日出荷分からトン当たり4万円値上げすると発表した。ステンレス丸棒・線材・平鋼・角鋼も同様に上げる。
今回の値上げは、世界的なステンレス需要拡大の予想を受けて、主原料であるニッケルやスクラップ価格が急騰し、それに伴い採算が大幅に悪化していることから、昨年12月出荷分に続き再値上げするもの。具体的には前回実施時からLMEニッケル価格の上昇分(ポンド当たり約2ドル)を販価に転嫁する。
今回の値上げは、世界的なステンレス需要拡大の予想を受けて、主原料であるニッケルやスクラップ価格が急騰し、それに伴い採算が大幅に悪化していることから、昨年12月出荷分に続き再値上げするもの。具体的には前回実施時からLMEニッケル価格の上昇分(ポンド当たり約2ドル)を販価に転嫁する。
日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は21日の04年初の定例会見で、原料価格などの高騰問題について「あくまで新日鉄としての試算だが、あらゆる原材料、フレートも含めて、鉄鋼業界全体として04年度は03年度に比べ5000億―6000億円の価格高騰は避けられない」と述べ、個別メーカーごとに、これにどう対処するかが経営上の重要な課題である点を強調した。発言要旨は次のとおり。
新日本製鉄など高炉大手は04年度積み原料炭の価格交渉で、微粉炭吹き込み(PCI)用半無煙炭を前年比13―14ドル値上げし、1トンFOB45―46ドルとすることで豪州の山元と合意した。03年度積みの32―33ドルからの上げ幅は40%。コークス用の非微粘炭でも豪州の大手などと35―40%の値上げで順次合意している。
非微粘炭は豪州大手との交渉が残っているほか、今後中国、ロシア炭の交渉が控えているが、原料炭の50―60%程度で価格が決まった。中国の需要増に加えて、炭鉱事故などの影響で需給がひっ迫するなか、強粘炭の25%を上回る大幅な値上げ決着が続いている。
非微粘炭は豪州大手との交渉が残っているほか、今後中国、ロシア炭の交渉が控えているが、原料炭の50―60%程度で価格が決まった。中国の需要増に加えて、炭鉱事故などの影響で需給がひっ迫するなか、強粘炭の25%を上回る大幅な値上げ決着が続いている。
関東地区の小棒市況は、原料高を背景にさらに上伸力を強めている。中心値はベースサイズでトン4万1000円と先週比で約500円上昇。引き合いは依然鈍く、荷動きも低調だが、鉄スクラップ価格の高騰・入手難を背景に、メーカーの値上げ姿勢は強硬、市中では先高観が広がっている。鉄スクラップ価格は東京製鉄・宇都宮工場で2万3000円、地区市況で2万円前後となお強含んでおり、原料高が製品市況を後押しする構図が鮮明となってきた。