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2004年01月29日
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海上フレート高騰、高炉負担増300−400億円
・ 日新製鋼、ステン冷延のアジア向け=トン当たり2500ドルでオファー
・ トピー工業、中国建機メーカーへ技術供与=メタルアートと共同で
・ 墨FTA、鉄鋼関税は前進なし
・ 03年普通鋼輸入横ばい=厚中板・鋼管が34%減
・ 日新製鋼、ステン冷延のアジア向け=トン当たり2500ドルでオファー
・ トピー工業、中国建機メーカーへ技術供与=メタルアートと共同で
・ 墨FTA、鉄鋼関税は前進なし
・ 03年普通鋼輸入横ばい=厚中板・鋼管が34%減
海上輸送費が急上昇しており、原料運賃は日豪間の大型船で1トン当たり20ドルに達した。ブラジル―日本間は40ドルにのぼり、1年間でともに5倍に高騰している。中国の鉄鉱石輸入増などを背景にばら積み船の需給がひっ迫しているためで、港湾の処理能力不足と合わせて、当面タイトな状態が続くと見られている。日本の高炉大手は輸送船の80%以上を長期契約で確保しているため影響は限定されるが、豪伯を中心に鉄鉱石、原料炭合わせて年間約2億トンを輸送するコスト上昇分は300―400億円に達しそうだ。
日新製鋼は、来週再開するステンレス冷延鋼板のアジア向け輸出をトン当たり2500ドル(SUS304、コイルベース、C&F)でオファーすることを決めた。ニッケル価格の高騰に対応する。日新は旧正月前までの商談で「すでにトン2300ドル乗せを果たした」(永井峻・常務執行役員)という。直近のLMEニッケル価格ポンド7ドル弱に対応する価格設定をするため、今回さらに200ドル(9%)上げをめざす。
トピー工業(杉山修美社長)は28日、メタルアート(本社=滋賀県草津市、安冨社長)とともに、中国最大のブルドーザーメーカーの山推工程機械と、建設機械の足回り部品であるリンクの鍛造に関する技術供与契約を個別に締結したと発表した。山推工程機械は拡大する建機市場に対応するため、両社の技術支援を受ける。トピーは中国市場での基盤を強化。メタルアートは世界戦略の一環として初めて中国に進出した。
日本、メキシコ両政府は自由貿易協定(FTA)締結に向けて、東京で実施中の事務レベル協議で、このほど鉄鋼を含む鉱工業品分野についての交渉を行った。この中で鉄鋼に関しては日本側からFTAに組み入れ、例外なく関税を撤廃するよう申し入れた。しかし、墨側は農産品分野とのパッケージでの合意を主張し、前進はみられなかった。ただ、交渉円滑化のための「日墨官民鉄鋼貿易委員会」設置には、墨側からも前向きな意見が出され、定期化しない官民対話の形で実施する方向で調整を進めることになった。
日本鉄鋼連盟まとめによると、2003年の普通鋼鋼材輸入(速報)は285万トンで前年比0・3%増となった。同輸入は95年614万トン、96年515万トン、97年566万トンと推移。98―00年は400万トン台を維持したものの、02年に300万トンを割り込み、03年も02年並みの水準にとどまった。
厚中板は20万347トンで34・6%減、また鋼管が8万2873トン、34・1%減となった。
厚中板は20万347トンで34・6%減、また鋼管が8万2873トン、34・1%減となった。