2004年04月12日
鉄スクラップ輸出価格が急落した。関東鉄源協同組合が9日行った5月積み鉄スクラップ輸出入札は、前月比7630円(38%)安のトン当たり1万9900円と大幅に下落し、計1万トンが落札された。中国や韓国などアジアの鉄鋼メーカーが在庫を順調に積み増し、日本玉に対する買い付け意欲が鈍ったことが最大の要因。輸出価格が5カ月ぶりに2万円を割ったことで、国内市場の下押し圧力が強まりそうだ。

韓国のPOSCOは、国内鋼材販売価格を5月1日納入分よりトン7―9万ウォン(60―78ドル)引き上げる。同社は主要鋼材について2月に同5万ウォン(42ドル)の値上げを実施しており、第1・2四半期の値上げ幅は100ドルを超える。この結果、薄板3品種のベースプライスはホットコイル48万5000ウォン(420ドル)、冷延60万ウォン(520ドル)、めっき鋼板71万ウォン(615ドル)に上昇、中国などアジアの価格水準に近づく。

小野建(本社=大分市、小野建社長)はこのほど、輸入鋼材として厚板1万2000トンをインドのビライ社から手当てし、4月末に入荷する予定であることを明らかにした。特に厚板は、メーカーのカットが続き供給が大幅に絞られており、全国的に品不足が顕著となるなど極めてひっ迫しているのが実情で、こうした中での同社の輸入は注目される。

経済産業省の村田成二事務次官と、中国・国家発展改革委員会の王春正常務副主任との高級事務レベル協議が、このほど北京で開催された。この中で産業政策に触れ、鉄鋼産業に係る政策の歴史的経験と教訓、中国の過剰投資問題への取り組みに言及したほか、中国側からは鉄鋼などの重点産業政策について説明された。原料問題についても中国側に対して原料炭、鉄鉱石の国内外での資源開発の推進について聞いた。

普通鋼電炉メーカーは、鉄スクラップ価格の下落を受けて4―6月は黒字基調に回復する見通しだ。原料高の影響で1―3月に赤字に陥る企業が続出したが、3月中旬から鉄スクラップ価格が反落。一方で製品値上げの効果が表れ、収益は徐々に改善している。ただ、副原料費や輸送費などは続騰し、アジアでのおう盛な鉄鋼需要から鉄スクラップ価格は反騰する可能性もある。「油断はできない」(関東電炉)とし、電炉各社は価格改善を継続する構えだ。