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2004年04月26日
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転炉でのスクラップ配合率、23年ぶり10%超え
・ 高炉各社、原料炭400万トン確保
・ 04―05年積み強粘結炭、高値135ドルで決着
・ 神戸製鋼・還元鉄プラント事業、売上高300億円目指す
・ 03年度鉄鋼輸出、3500万トン超
・ JFEスチール、コークス炉増強
・ 高炉各社、原料炭400万トン確保
・ 04―05年積み強粘結炭、高値135ドルで決着
・ 神戸製鋼・還元鉄プラント事業、売上高300億円目指す
・ 03年度鉄鋼輸出、3500万トン超
・ JFEスチール、コークス炉増強
2003年の転炉における鉄スクラップ配合率が、79年以来23年ぶりに10%を超えた。日本鉄源協会(会長=平尾隆・新日本製鉄副社長)のまとめによると、03年の転炉粗鋼生産が前年比282万トン増の8135万トンに増加したことで、鉄スクラップ使用量は同比156万トン増の904万トン、配合率は同比1・4ポイント増の10・1%に伸びた。アジア向けの製品輸出や自動車、造船向けの引き合いが急増し、高炉各社が鉄源確保を強化したためとされる。
新日本製鉄など日本の高炉メーカーは中国の04年度積み原料炭の交渉で、22日までに中国煤炭能源集団公司との間で非微粘炭を中心に400万トンを確保することで決着したようだ。非微粘結炭の価格は明かしていない。強粘結炭は中国の輸出余力がなくなっているため、価格、数量とも随時出荷する形態になる見通し。中国の原料炭が決着することで一連の04年度の原料交渉が完了することになる。
スイスの資源大手、エクストラータは22日、2004、05年積み強粘結炭の価格交渉で、前年の1トン45ドル前後に対して、高値が135ドルと200%上げで決着したと発表した。日本の業界関係者によると、高値はインドなど他国向けで、日本の契約価格はそれより下の水準だという。日本向けの原料炭価格は明かしていないが、豪、加の石炭大手と決めた価格を上回る水準のようだ。従来は先に決めた価格に追随する形だったが、需給のひっ迫を背景に独自の交渉スタイルで臨んだエクストラータが突出した格好だ。
神戸製鋼所・新鉄源プロジェクト本部は、2006年度をメドに還元鉄プラント事業として300億円レベル(100%子会社の米ミドレックス社と連結ベース)の売り上げをめざす。還元剤であるコークスの価格が01年と比べ約3倍に上昇するなど、世界的に鉄源不足が深刻化する中、天然ガスや一般炭を還元剤に、低品位な鉄鉱石から高品質の還元鉄を製造する、MIDREX(ミドレックス)、FASTMET(ファストメット)、ITmk3(アイティ・マーク・スリー)などの還元鉄プロセスを売り込む。
財務省がまとめた2003年度貿易統計によると、鉄鋼は全世界で輸出が3512万8000トン(前年度比2%減)、金額2兆1431億9200万円(同8%増)、輸入が605万6751トン(同15・1%増)、4138億1300万円(同29・7%増)と金額ベースではいずれも増加した。
国別にみると、輸出は米国が104万7000トン(同13・4%減)、1005億8300万円(同14・7%減)、欧州連合(EU)が27万9000トン(同30・1%減)、441億6500万円(同4・9%減)、アジアが2984万3000トン(同1・8%減)、1兆7094億6700万円(同10・1%増)。
国別にみると、輸出は米国が104万7000トン(同13・4%減)、1005億8300万円(同14・7%減)、欧州連合(EU)が27万9000トン(同30・1%減)、441億6500万円(同4・9%減)、アジアが2984万3000トン(同1・8%減)、1兆7094億6700万円(同10・1%増)。
JFEスチールは23日、約110億円を投じて西日本製鉄所福山地区の第5コークス炉を増設すると発表した。世界的なコークス需給のひっ迫で輸入コークス価格が1トン400ドル以上の高値に張り付くなか、高炉挿入用の塊コークスで年産能力を約40万トン増強することでコークスを当面自給する。コークス炉は投資額が大きいうえに、環境対策が課題で先進国では更新が滞っているが、JFEは既存設備の活用で投資額を抑えるとともに、国内初の新技術を活用して環境負荷を低減させることで課題をクリアした。